2016年1月6日水曜日

06- 若者が平和考える場を(長崎)

長崎新聞 2016年1月5日
 長崎原爆を題材にした映画「母と暮せば」の公開記念企画展が4日、長崎市坂本1丁目の長崎大医学部良順会館で始まった。被爆前後の写真や映画のシーンを収めたパネルなど約90点を通し、被爆前の日常から原爆投下後の長崎の暮らしを伝えている。15日まで。
 
 同学部の学生ら約30人でつくる実行委が主催。映画の主人公の息子が旧長崎医科大(同学部)の学生だったストーリーに合わせ、若者が平和について考える場を提供しようと企画した。
 
 原爆投下前の長崎・東山手から見た長崎港や、原爆で壊滅的な被害を受けた旧長崎医科大の写真、昭和20年代の長崎市の地図を基に作製した被爆当時と現在の長崎の様子を伝えるジオラマなどを展示。レコードなどの映画の小道具、山田洋次監督のメッセージ映像、アニメーション背景画家の男鹿和雄さんが本展向けに手掛けた被爆マリア像などのイラストもある。
 
 4日、劇作家の故井上ひさしさんの三女で劇団こまつ座社長の井上麻矢さん(48)らが講演。麻矢さんは「大事な人に私たちが何を残していくのか、考えてほしい」と語った。
 
 また映画と対になる井上さんの舞台「父と暮せば」を9~11日の各日午後2時、同会館で上演予定。整理券(200枚)を当日午前9時より配布する。
 
 昭和20年代の地図を基に制作したジオラマを眺める来場者=長崎市、長崎大医学部良順会館
昭和20年代の地図を基に制作したジオラマを眺める来場者=長崎市、長崎大医学部良順会館