2016年1月30日土曜日

甘利氏の金権腐敗体質(植草一秀氏)

 植草一秀氏が、甘利元大臣の金権腐敗体質を痛烈に批判するブログを書きました。
 
 「職務権限の有無が問題にされているが、甘利明氏を含む甘利事務所が動き、建設会社が補償金を獲得したことは紛れもない事実であり、事案の細部の検証、捜査が絶対に必要である。通常であれば、直ちに検察が家宅捜索に入るべきである。重要な証拠が隠滅される恐れがある」としています
 
 また「世に倦む日々」氏はブログ(有料)で、「甘利明の会見を聞いて、50万円の現金授受の場面をよく覚えていて、リアルに記者団の前で語ったこと強い違和感を覚えさせられた記憶がきわめて鮮明だ。121以降の記者会見や国会質疑では、現金授受を否定しないまま、記憶を整理しているとか記憶が曖昧などと釈明していた。つまり、ウソをついていたということだ」、「本当は、記者会見の席で記者が機転をきかせて詰問すべきだった。甘利明の面前で誰かが痛言甘利明の弁解を取るべきだった」(要旨)と述べ、この事案は東京地検に刑事告発すべきだとしています
 
 植草一秀氏のブログを紹介します。
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甘利に金権腐敗な体質で政局に潮目の変化
植草一秀の「知られざる真実」 2016年1月29日
甘利明経済相が閣僚を辞任したが、会見は、あたかも悲劇のヒーローを演出するようなものであった。
用意された原稿に、政治家甘利明の美学 だの 閣僚甘利明の・・・ などと表現するのは、悪事が発覚して引責辞任する人物の辞意表明会見にはまったくふさわしくないものだった。
 
甘利明氏は、口利きを依頼した企業の社長と面会して2度にわたって現金を受領した。
もらった紙袋を秘書に渡したら、中に金の包みが入っていたと説明したが、この説明を立証する証拠は存在しない。金封を確認して受領した可能性は十分にある。
  2013年11月14日に  50万円
  2014年  2月 1日に   50万円
の現金を受領したことを認めた。その際に、秘書に適切に処理するように指示したという。
 
政治資金収支報告書においては、 自民党神奈川県第13選挙区支部に対して 建設会社から 2014年2月4日に100万円の寄付金 があったとの記載があるとのことだが、これが、11月14日の50万円と2月1日の50万円であるとは言えない。
別の100万円の寄附が2月4日にあって、これを収支報告書に記載した可能性を否定できない。
 
会見で甘利氏は、自分自身には違法性がないが、秘書の違法性の責任をとって閣僚を辞任し、悲劇のヒーローを演じたように見えるが、現段階で、甘利氏の違法性の疑いはまったく消えていない
政治にすり寄るヤメ検が、受領した50万円× の現金について、秘書に適切な指示をしたなら、甘利氏の違法性を問うことはできないとの見解を示しているが、このような御用ヤメ検弁護士のコメントを求めること自体がいかがわしい。
また、URに対する職務権限がないことから、甘利氏のあっせん利得罪の立件も難しいとの見解が示されているが、これも偏向報道そのものである。
 
かつて、小沢一郎氏は、正当な事由なく、強制捜査を繰り返された。
正当な事由もなく、1年間にわたって家宅捜索などを繰り返されたのである。
テレビは、小沢一郎氏が岩手県の胆沢ダムの工事受注に関して、あっせんの口利きをしたかのようなイメージ映像まで制作して、虚偽情報を垂れ流した。
このとき、小沢一郎議員は胆沢ダム工事に関する職務権限を有していない。
それにもかかわらず、何の証拠も、何の根拠もないのに、あっせん利得罪での立件が可能であるかのようなイメージ報道が繰り返された。
御用ヤメ検弁護士は、あっせん利得罪での立件が十分にあるとのコメントを流布していた。
 
本当に日本が腐り切っていることが明らかになっている。
企業の陳情者が事務所や大臣室を訪問して、手土産代わりに50万円単位のカネを供与して、それを政治家自身が挨拶代わりに受け取って何の疑問をも感じないというのが、いまの安倍政治の現況なのである。
甘利氏は会社社長と会って、秘書から現金提供があったことを知らされ、秘書に適切な処理を指示したと言うが、そうであるなら、なぜ、国会質疑で、現金受領があったのかどうかについて、答弁できなかったのか。
まったく辻褄が合わない。
 
そして、会社社長が甘利氏を訪問したのは、URとのトラブルがあって、補償交渉を有利に進めるためであった。
そして、現に甘利事務所が動き、巨額の補償金獲得に成功しているのである。
建設会社はその謝礼に甘利事務所を訪問し、巨額の現金供与をしている。
この件に関して、甘利明氏自身がまったく関知していなかったということではない
 
昨日の会見で、建設会社社長と面談した際に、保有地地下の産業廃棄物についての説明を受けている。
そして、甘利氏自身が秘書に資料を提示することを指示し、この秘書がURと12回も協議を重ねて、建設会社が巨額の補償金を獲得しているのである。
絵に描いたようなあっせん利得の構図が浮かび上がる。
職務権限の有無が問題にされているが、甘利明氏を含む甘利事務所が動き、建設会社が補償金を獲得したことは紛れもない事実であり、事案の細部の検証、捜査が絶対に必要である。
通常であれば、直ちに検察が家宅捜索に入るべきである。
重要な証拠が隠滅される恐れがある。
このような手順も踏まずに、甘利氏辞任を美談に仕立て上げるのは、この国の腐敗を象徴している。
以下は有料ブログのため非公開