2016年1月25日月曜日

深瀬忠一北大名誉教授をしのぶ会が札幌で 23日

 昨年10月5日に亡くなった深瀬忠一さん(北海道大名誉教授憲法学)をしのぶ市民集会が23日、札幌市北海道クリスチャンセンターで開かれました
 深瀬さんは護憲派として戦後の平和憲法研究を先導し、自衛隊の合憲性が争われた恵庭事件や長沼ナイキ基地訴訟にも関わりました。
 安倍政権の「積極的平和主義」について結局は「破滅的軍拡主義と呼ぶべきだ」と強く批判し、「今や世界の趨勢は国家の安全保障から人間の安全保障へ」と移ってきていると指摘し、「平和的生存権を侵すことは許されない。平和憲法がコモンセンスになると信じて努めている」と語っていました。
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平和的生存権「緻密に構築」 深瀬・北大名誉教授しのぶ会、札幌で
北海道新聞 2016年1月24日
 平和憲法の研究を先導し、昨年10月に88歳で他界した北大名誉教授の深瀬忠一さんをしのぶ市民集会が23日、札幌市北区の北海道クリスチャンセンターで開かれた。親交があった学者や弁護士、市民ら約120人が、「平和的生存権」の重要性を訴え続けた深瀬さんの功績を振り返った。 
 
 沖縄大(那覇市)客員教授の小林武さんが基調講演した。自衛隊の合憲性が争われた恵庭事件や長沼ナイキ訴訟で、特別弁護人などを務めた深瀬さんが「憲法が規定する平和的生存権は、戦争や軍備によって国民の人権が侵害されることはないと保障したもの」などと主張したと説明し、「裁判を通じて緻密な理論を構築していった」と述べた。
 
 現在でも、係争中の米軍嘉手納基地騒音訴訟や、安倍晋三首相の靖国神社参拝をめぐる違憲訴訟などで「平和的生存権は市民の側から頼りにされている」と紹介。昨年成立した安全保障関連法についても「廃止に向けた国民の努力を支える思想上の武器」と強調した。(玉邑哲也)