2023年11月25日土曜日

ガザ犠牲者は1万4000人超 女性・子どもが7割弱/「終戦」にしなくては

 ガザ地区でイスラエルとハマスが4日間の戦闘中断の期間に入ったことを受け、ハマスに拘束されていた人質のうち合意に基づくイスラエル人13人のほか、タイ人なども含めてあわせて24人が解放されました。これでイスラエル軍による狂気の大虐殺のニュースがしばらく入ってこなくなりました。
 ガザでは22日までに14000人を超える犠牲者が出ており、その67%は女性と子どもです。その他の行方不明者数千人の大半は死亡しているものと思われます。
 停戦の実施はもとより望ましいことですが、ガザの封鎖が即時解放され、それと同時に人質も解放されるべきです。
 パレスチナのマンスール国連代表は、合意を歓迎する一方で「単に大虐殺を再開するまでの中断になってはならない」と強調しました。
 しかしイスラエルは停戦協議の過程でも、事後にはパレスチナ人民を殲滅することを明言しました。これはまさに「あり得ない発言」なのですが、米国が後ろ盾になっているが故に黙認されているというのが現状です。しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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ガザ犠牲 女性・子ども約7割 安保理に報告
                      しんぶん赤旗 2023年11月24日
【ワシントン=島田峰隆】国連安全保障理事会は22日、公開会合を開き、イスラエルの空爆や地上侵攻を受けるパレスチナ自治区ガザの女性や子どもの状況について議論しました。国連女性機関「UNウィメン」のバホウス事務局長が報告し、「ガザでの1万4000人を超える犠牲者の67%は女性と子どもだ」と指摘。停戦の実施とガザ封鎖の即時解除、人質の無条件解放を求めました。

 バホウス氏は10月7日にイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まって以来、「1時間ごとに2人の母親、2時間ごとに7人の女性が殺害されている計算になる」と指摘。「毎日180人の女性が水や痛み止め、帝王切開用の麻酔、保育器用の電気がないなかで出産している」と訴えました。
 バホウス氏は戦闘中断の合意を歓迎する一方で、即時停戦を求めました。また、和平交渉にイスラエルとパレスチナ双方の女性を参加させることを要求しました。
 国連児童基金(ユニセフ)のラッセル事務局長は3分の2以上の病院が機能せず、約9割の学校が攻撃を受けていると指摘。「家族と離れ離れになり単独で病院にたどり着く子どもが増えている」と懸念を表明しました。
 国連人口基金(UNFPA)のカネム事務局長は、戦闘開始以降に出産した7000人以上の女性の産後ケアが不十分だと指摘。「病院や医療従事者、民間人は国際人道法のもとで特別に保護されており、標的にしてはならない」とイスラエルを批判しました。


ガザ 戦闘中断合意を歓迎 アラブ各国・安保理「停戦実現を」
                      しんぶん赤旗 2023年11月24日
 パレスチナ・ガザ地区の事態を巡って、イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスが22日、4日間の戦闘中断などで合意したことについて、アラブ各国やトルコは同日、歓迎を表明する一方、完全な停戦を求めました。また、同日開かれた国連の安全保障理事会の公開会合でも、合意を歓迎し、停戦の実現を求める声が相次ぎました。

パレスチナ主権を訴え 
アラ各国 トルコ
【カイロ=秋山豊」エジプトと米国とともに、イスラエルとハマスの間を仲介しているカタールのムハンマド首相は「戦争と流血を終わらせる包括的かつ持続可能な合意を確立することを望む」と表明しました。
 パレスチナ解放機構(PLO)執行委員会のシェイフ事務局長は戦闘中断を歓迎しつつ、「イスラエルによるパレスチナ侵略の包括的な停止を改めて求める」と述べ、占領を終結させ、パレスチナの人ぴとが自由と独立、主権を獲得できるよう訴えました。
 カイロで会談したエジプトのシシ大統領とヨルダンのアプドラ国王は「恒久的停戦を実現し、ガザに十分な人道支援を途切れなく提供できるよう集中的な行動を続ける必要性」を確認しました。
 両氏は地域の安定を回復する取り組みは、パレスチナ問題の「2国家解決」に向けた政治プロセスの開始に基づいて行わなけれぱならないと強調しました。
 サウジアラビアのファイサル外相は、戦闘の中断は「正しい方向への一歩だ」としたうえで完全な停戦を要求しました。
 トルコのエルドアン大統領は、イスラエルによるガザ民間人虐殺を批判し、戦闘中断は「前向きな進展だ」として「恒久的な停戦と平和につながることを願う。それがれれわれの優先事項だ」と語りました。パレスチナが東エルサレムを首都とする独立国家を樹立し、イスラエルと平和的に共存することが重要だと述べました。

国連安保理決議履行を 
公開会合
ワシントン=島田峰隆】国連安全保障理事会の公開会合では、アラブ首長国連邦(UAE)が、ガザで戦時国際法で保護される学校、病院、難民キャンプなども含めて1万2000ヵ所が空爆されたとイスラエルを批判。「これ以上の暴力と苦しみを防げるのは停戦だけだ」と述べ、即時停戦を求めました。
 戦闘の中断や人道回廊の設置、人質の解放を求めた15日採択の国運安保理決議の履行を呼び掛けました。
 モザンビークは合意を歓迎。「合意は人道的停戦につながりうる。国連安保理はこうした動きを支持して一致した呼び掛けを行うべきだ」と述べました。
 アルバニアは「人間の犠牲を無視する軍事戦略は効果をもたらす」と語り、イスラエルに国際人道法の順守を要求。合意を歓迎し、戦闘の中断を求めた国連安保理決議履行を訴えました。
 ガーナは合意を歓迎し、「相互に更に措置をとることで国際人道法を順守し、病院や学校を守り、人道支援配布を進めることができる」と表明。イスラエルには合意の期限を超えて空爆を停止することを求めハマスには人質の解放を求めました

 パレスチナのマンスール国連代表は、合意を歓迎する一方で「単に大虐殺を再開するまでの中断になってはならない」と強調。イスラエルのエルダン国連大使は「戦闘の中断が終わればハマス根絶の目標追求を続ける」と攻撃を継続する姿勢を示しました。