2023年11月8日水曜日

ガザでのジェノサイドを許すな ガザ攻撃中止と即時停戦に向けた行動を各国政府に要請(しんぶん赤旗)

 旧約聖書の「目には目を、歯には歯を」は、復讐(や処罰)が「対等」であるべきことを述べたものです。また新約聖書には「汝らのうち罪なき者は石を持って打て」というキリストの言葉が出てきます。
 10月7日のハマスの侵攻によって1400名の人命が失われのは悲劇でしたが、イスラエルがそれを口実に、いまや1万人を超える際限のない殺戮を続けていることを容認する論理などある筈もないし、「自衛権」の行使とは何の関係もありません。
 それなのに米国のバイデンやNATOの首脳らの容認を背景にして、いま公然と行われているのは「衆人環視のなかでの大量殺戮(ジェノサイド)」であり、イスラエルが意図しているのはパレスチナ人がガザから退去すること(民族浄化)です。
 これほど正義から逸脱している事態はありません。

 米国民を含めて世界中の民衆の多くはパレスチナ人の側についていて、イスラエルのジェノサイド国際人道法違反に反対しています。別掲の記事にある通り、イスラエルのジェノサイドに反対する声は多くの国々に広がり、至るところで盛んにデモ・集会が開かれています。
 10月27日に国連ガザ地区における『人道的休戦』を求める決議が採択されましたが、日本は米国に倣って「イスラエルの自衛権が謳われていない」などという理由で棄権しました。日本は長年中東諸国と友好的な関係を築いて来たのですが、この愚行で一挙に無に帰しました。
 上川外相が最近イスラエルに出向きハマスのテロを「断固として非難」し、人質の家族と抱擁を交わした後に、一転してヨルダン川西岸のパレスチナ人街を訪れましたが、それも中東諸国家の感情を理解しないものであって、中東諸国の大きな失望を買っただけでした。
 NATOを最高の組織であるかのように扱う岸田首相と同様に大いなる方向音痴というべきです。
 別掲の記事にあるように日本が国連総会の停戦を求める決議に棄権したことへの怒りは大きく、カイロに暮らす市民は、「ガザでの虐殺に目をつぶり、人道を尊重しない国の物はもう買えない。日本政府は恥を知れ。ガザの人びとに謝れ」と痛烈に批判しています。
「子どもたちを大量に殺害することがどうして『自衛』になるというのか」とも。まさにそれが正直な感情なのでしょう。
 共産党の志位委員長が6日会見して、声明「ガザでのジェノサイドを許すな――ガザ攻撃中止と即時停戦に向けての各国政府への要請」を発表し各国政府と国際機関が、以下の2点の実現に向けて、緊急の行動をとることを心から要請しました。
 ―イスラエルは、ガザ攻撃を即時中止すること。
 ―双方は、即時停戦のための交渉のテーブルにつくこと。少なくとも人道的休戦を求めた10月27日の国連総会決議を順守した行動をとること。
 しんぶん赤旗の記事を紹介します。
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ガザでのジェノサイドを許すな
ガザ攻撃中止と即時停戦に向けての各国政府への要請
                       しんぶん赤旗 2023年11月7日
日本共産党委員長 志位和夫
 日本共産党の志位和夫委員長は6日、国会内で記者会見し、声明「ガザでのジェノサイドを許すな――ガザ攻撃中止と即時停戦に向けての各国政府への要請」を発表しました。日本共産党は、要請文を各国政府(大使館)と国連・地域機関に送付しました。全文は以下の通りです。
               (1)
 イスラエルの大規模攻撃により、パレスチナ・ガザ地区の人道状況は、「子どもたちの墓場と化し、人々の生き地獄となっている」(ユニセフ)とも言われる深刻な危機に直面している。日本共産党は、この人道的危機を一刻も早く止めるために、各国政府、国際機関が、「イスラエルはガザ攻撃を中止せよ」「即時停戦を」の一点で、緊急の行動を強めることを心から要請する
               (2)
 この間、イスラエル軍は、ガザ北部のジャバリヤ難民キャンプへの連続的な空爆、患者をのせた救急車の車列へのミサイル攻撃など、空と陸と海から大規模攻撃を行い、多数の民間人が犠牲となっている。ガザを封鎖し、電気、水、食料、医薬品の供給を妨げ、多くの民間人を死の淵に追いやっている。ガザ北部の住民に南部への移動を命じていることも、深刻な人道的災厄を招いている。この1カ月でガザでは1万人近くが犠牲となり、その4割は子どもと報じられている。わが党は、多数の民間人の命を奪い、甚大な犠牲を強いているイスラエルによる軍事行動を強く非難する
 国連の人権専門家7人は、連名で、ガザの事態について、「ジェノサイド(集団殺害)の重大な危険」と厳しく警告している。イスラエルによる攻撃は、その一つひとつが明白な国際人道法違反の戦争犯罪であるだけでなく、その規模と残虐さからみて、ジェノサイド条約(1948年)が固く禁じている集団殺害――ジェノサイドの重大な危険があることを強く指摘しなくてはならない。国際社会はガザでのジェノサイドを決して許してはならない。
               (3)
 今回のガザ危機の直接の契機は、10月7日のハマスによる無差別攻撃にあった。民間人を無差別に殺傷することは国際法違反であり、わが党はそれを強く非難するとともに、人質の即時解放を求める。
 同時に、こうした事態が起こった背景には、イスラエルが1967年以来、ヨルダン川西岸とガザ地区を占領下におき、住民の強制排除を行いながら入植を拡大してきたこと、ガザ地区に対しては2007年以来、封鎖政策をとり、「天井のない監獄」と呼ばれる非人道的状態をつくりだしてきたこと、たびたびの空爆によって多くのパレスチナ人を犠牲にしてきたという歴史的事実がある。これらはすべて国連の決定と国際法に背く無法行為であることを、厳しく指摘しなくてはならない。
 イスラエルが、ハマスの攻撃に対する「自衛権」をたてに、圧倒的な軍事力を行使した報復を行い、ガザでのジェノサイドを行うことは、決して許されるものではない
               (4)
 日本共産党は、中東和平のためには、国連の一連の決議でも確認されているように、(1)イスラエルの占領地からの撤退、(2)パレスチナ独立国家樹立を含む民族自決権の実現、(3)両者の生存権の相互承認という三つの原則を踏まえたとりくみが必要であることを、一貫して主張し続けてきた。
 同時に、ガザの深刻な人道的危機の打開は一刻の猶予も許されない。
 日本共産党は、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」と宣言し、国際紛争解決の手段としての戦争を永久に放棄した憲法をもつ国の政党として、ガザの深刻な人道的危機を打開するために、各国政府と国際機関が、以下の2点の実現に向けて、緊急の行動をとることを心から要請する。
 ――イスラエルは、ガザ攻撃を即時中止すること。
 ――双方は、即時停戦のための交渉のテーブルにつくこと。少なくとも人道的休戦を求めた10月27日の国連総会決議を順守した行動をとること。