2023年11月11日土曜日

ガザ侵攻正当化のG7共同声明 問われる議長国・日本の責任・・ほか(しんぶん赤旗)

 東京で開かれたG7外相会合は8日、2日間の日程を終え共同声明を発表しました。
 声明はイスラエルによるガザ地区侵攻をめぐり、ハマスによるイスラエルへのテロ攻撃を厳しく非難し、人質の即時解放を求めるとともに、イスラエルの「自衛権を強調」すると明記しました。
 イスラエルにも勿論「自衛権」はありますが、日本民主法律家協会7日に発した緊急声明で、「イスラエルのミサイル攻撃や爆撃、地上侵攻自衛権の行使をはるかに超えるものあり『正当化できるものではない』と述べた通りで、明確に「人道に対する犯罪当たります。
 それにしても寸刻を争って攻撃を停止させるべきなのに、主要国と自称するG7外相会議でこんなにピントが外れた声明しか出せないのは偏に米国の威光に配慮したためであり、情けない限りです。
 NHKも10日、ガザでの大虐殺の現状を、わざわざ「双方合わせて12000人を超える犠牲を出した」という報じ方をしました。双方の犠牲者の比は1:10にも開いているというのにそこまでして何故米国に気を遣うのでしょうか。

 共産党の志位和夫委員長は8日、閉幕したG7外相会合についてで、「G7外相会議は、『戦闘の一時的中断』を求めるだけで、『停戦』を求めず『休戦』すら求めなかった」と指摘。「イスラエルの国際法違反の無法行為、それを支える米国の姿勢を不問にしている。ガザがジェノサイドの危機にさらされているもとで、あまりにも情けない。議長国としての日本の責任も厳しく問われる」と批判しました
 しんぶん赤旗に掲題の記事が載りました。
 併せて民主法律家協会の声明に関する記事を紹介します。
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ガザ侵攻正当化のG7共同声明 問われる議長国・日本の責任
                      しんぶん赤旗 2023年11月10日
 8日発表された主要7カ国(G7)外相会合の共同声明はイスラエルの「自衛権」を明記し、同国によるパレスチナ・ガザ地区侵攻を正当化しました。イスラエル支援を鮮明にする米国に追随し、停戦に向けた主導性を何ら発揮できなかった議長国・日本の責任が問われます。(竹下岳)

 G7として初めて、今回の事態について一致したメッセージを出すことができた。重要な成果だ」。上川陽子外相は8日の記者会見でこう誇り、共同声明の概要を説明しました。その説明から抜け落ちていたのが、イスラエルの「自衛権」です。しかも、和文仮訳では、該当箇所を「自国及び自国民を守るイスラエルの権利」という、回りくどい表現に換えています。
 共同声明でイスラエルの「自衛権」を明記したことは、日本もガザ侵攻に正当性を与えたことを意味します。そうした印象を持たれることを、極力避けようとしている意図が透けて見えます。
 その理由は、原油の9割を中東に依存しているという立場上、日本は特定の軍事行動に肩入れせず、イスラエルとパレスチナ双方に自制を促すなど、独自の中東外交を展開してきた従来の立場と相いれないからです。本来なら、日本は停戦に向けた主導性を発揮すべきでした。
 ところが上川氏はイスラム武装勢力ハマスによるイスラエル攻撃から5日後、同国のコーエン外相と電話会談し、「イスラエルが国際法に従って自国及び自国民を守る権利を有することは当然である」と表明。10月27日、国連総会で加盟国121カ国の賛成で採択された、ガザ地区の戦闘の「人道的休戦」を求める決議にも棄権しました。
 今回の共同声明でも、「停戦」は除外されました。「人道的中断」(Humanitarian pauses )が盛り込まれましたが、これは民間人の避難や人道物資の搬入のため、戦闘の「小休止」を求めているにすぎません。
 日本政府のこうした姿勢の背景にあるのは、今回の事態が発生した当初からイスラエル支援の立場を鮮明にし、停戦に真っ向から反対している米国への追随です。上川氏は7日の日米外相会談で、ブリンケン国務長官に対して、「イスラエル・パレスチナ問題に対する米国の外交努力への最大限の支持」を表明しました。
 日本政府はこれまで、米国が起こしてきた戦争に一度も反対してきませんでしたが、これでは米国が支持する戦争にさえ反対できなくなってしまいます。
 中東諸国の多くの人々は、日本が世界で唯一の戦争被爆国であり、戦争の惨禍を知っているからこそ、自分たちの苦しみを理解してくれるという期待を持っています。その思いを裏切るべきではありません。


ガザ攻撃に抗議 民主法律家協会
                       しんぶん赤旗 2023年11月9日
 日本民主法律家協会は7日、パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突について「戦闘行為の即時停止と人道的援助」を求める緊急声明を発表しました。
 ハマスによるイスラエルヘのロケット攻撃や民間人の拉致は「人道に対する犯罪にあたる」と批判。イスラエルのミサイル攻撃や爆撃、地上侵攻も自衛権の行使をはるかに超えるもので「正当化できるものではない」と指摘しています。
 ガザヘの侵攻は子どもを含む非戦闘員を無差別に死傷させる行為だとして「ジェノサイド犯罪にあたり、直ちに停止すること」を求め、戦闘行為の即時停止と人道的援助の必要性を強調しています。

全生
 全国生活と健康を守る会連合会ぺ吉田松雄会長)は7日、パレスチナ・ガザ地区への大規模攻撃を即時中止するよう求める要請文をイスラエル大使館に送付したと発表しました。ネタニヤフ首相宛て。
 要請文は、イスラエル軍がガザ北部の難民キャンプや救急車列、病院、学校ヘミサイル攻撃し、このIカ月で1万人もの犠牲者が出たと伝えられていると指摘。「『ジェノサイド』(集団殺害)の危険がある重大な事態だ」と述べています。

 イスラエルに対し、国際法に反する「蛮行だ」と抗議し、問題を話し合いによって平和的に解決するよう求めています。