2023年11月15日水曜日

ガザ最大病院 機能停止/「命・魂が奪われている」 ガザ虐殺に抗議学生ら行動

 13日、ガザ地区最大規模の医療機関シファ病院2番目に大きな病院アルクッズ病院が、イスラエル軍による封鎖と爆撃を受けて病院の機能を停止しました。
 ガザ地区にいる妊娠中の女性の数は約5万人に上り、約160人もの女性が毎日出産しています。病院にはそうした妊婦に加えて、イスラエルの爆撃・銃撃で重症を負った市民が連日運び込まれている状況の中での機能停止です。そこで見られるのはまさにこの世の地獄です。
 境なき医師団12日、「ガザ患者と医療スタッフは病院から動けない-病院攻撃を今すぐ中止せよ」という緊急声明を発表しました
 また渋谷駅前では12日、「〈パレスチナを生きる人々を想う学生若者有志の会」主催のイスラエルによるガザ虐殺の即時止を求める行動が冷たい風が吹き抜けるなかで行われ約800人の学生、市民が参加しました。
 日本国民救援会は13日、パレスチナ・ガザ地区への無差別攻撃の即時中止を求める声明を出しました。
 しんぶん赤旗の4つの記事を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ガザ最大病院 機能停止 早産児6人死亡
                      しんぶん赤旗 2023年11月14日
 【カイロ=秋山豊】アラブ・メディアによると、ガザ保健当局は13日、ガザ地区最大規模の医療機関シファ病院では電力がないなか、早産児6人と重症患者9人が死亡したと発表しました。当局はまたイスラエル軍が保育器にいる早産児のための酸素発生装置を爆撃したと述べました。
 医師らは早産児を保育器から取り出してベッドに寝かせ、近くにお湯を置くなどして子どもたちの体温を保っているという情報もあります。
 イスラエルはシファ病院の地下にハマスの司令部があると主張しています。イスラエル軍の攻撃にさらされ、燃料と医療資材の深刻な不足に陥るなか、シファ病院では早産児約40人が保育器でのケアを必要としています。
 パレスチナ自治政府のマイ・カイラ保健相は、シファ病院の庭では約100人の遺体が腐敗し始めていると説明しました。
 カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、ガザで2番目に大きな病院アルクッズ病院も機能を停止しました。

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は12日、シファ病院が機能しなくなり、患者の死者数が増加していると述べました。
 テドロス氏はX(旧ツイッター)で「(シファ病院の)状況は悲惨で危険だ」として「水も電気もないなかで3日たっている」「絶え間ない砲火と爆撃がすでに深刻な状況をより悪化させている」と警告しました。
 そのうえでテドロス氏は「安全な場所であるべき病院が死と荒廃と絶望の場と化すなかで世界は沈黙していられない」と述べ、即時停戦を訴えました。


国境なき医師団 病院攻撃中止を
                       しんぶん赤旗 2023年11月14日
 国際医療支援団体・境なき医師団(MSF)は12日、「ガザ患者と医療スタッフは病院から動けない-病院攻撃を今すぐ中止せよ」の緊急声明を発表しました。
 MSFによると、10~11日の攻撃で、パレスチナ・ガザ地区最大の病院アル・シファ病院がイスラエル軍により「何度も攻撃を受け、多数の死傷者を出している」と強調。病院から逃げようとした人ぴとが、銃撃されているのも目撃されています。
 MSFは、緊急に病院に対する攻撃の停止、即時停戦、医療施設、医療スタッフ、患者の保護を要請。米国、英国、カナダ、アラブ連盟、イスラム協力機構(OIC)、欧州連合(EU)などに対し、「今すぐ停戦のための行動」を強く求めています。


「命・魂が奪われている」 ガザ虐殺に抗議学生ら行動
                       しんぶん赤旗 2023年11月14日
東京・渋谷
 イスラエルによるガザ攻撃の即時止を求める行動が12日、冷たい風が吹き抜ける東京・渋谷駅前で行われ、約800人(主催者発表)の学生、市民が「イスラエルは虐殺やめろ」「即時停戦を」と声をあげました。主催は「〈パレスチナを生きる人々を想(おも)う学生若者有志の会」。
 学生やパレスチナにルーツを持つ人がスピーチ。
 「有志の会」の大学3年生の男性は「人々の命、魂が奪われている。声をあげていこう」と呼びかけました。
 ガザ出身のアイダさん(36)は「あと何人の子どもたちや高齢者の命が失われなけれぱならないのか。これは戦争″ではなく虐殺です″」と批判しました。
 パレスチナ人と日本人を両親に持つタティアナさん(25)は、祖父母が、1948年のイスラエル建国による「ナクバ(大災厄)」の生き残りだと紹介。イスラエルによるガザでの虐殺に主要7カ国など「世界のリーダーたちが加担しているパレスチナ人とともに立ち上がってほしい」と告発しました。
 ガザ地区出身の女性(26)は「今起きているジェノサイドをやめてください。空爆をやめ、今すぐ停戦を」と訴えました。


攻撃即時中止を 国民救援会が声明
                       しんぶん赤旗 2023年11月14日
 日本国民救援会は13日、パレスチナ・ガザ地区への無差別攻撃の即時中止を求める声明を出しました。
 イスラエルによるガザ地区への無差別空爆、占領などと、パレスチナのイスラム組織ハマスによる人質を盾にした軍事行動で、1万人以上の人が殺されていると指摘。
 同会は「戦争は最大の人権侵害」との立場から、イスラエルの無差別攻撃の即時中止と、ハマスによる人質釈放、人道支援の受け入れを求めています