2024年1月13日土曜日

13- ウクライナ状況報告:ゼレンスキーのプロパガンダ・メディア 彼の没落を推進

 ウクライナの内戦は、2014年に米国がウクライナでクーデターを起こして反ロシア政権を樹立し、ただちにドンバス地方(ロシア人が大半を占めている)を征服しようと軍隊を向けた時に、旧国軍のメンバーが兵器持参でドンバス側に合流したために起きました
 そして内戦はドンバス側が優勢で進んだため、NATO側は独仏が中心になって「ドンバス地方の自治を認める」という「ミンスク合意」をクーデター政権に結ばせて、停戦が実現しました。
 ところがその「ミンスク合意」は当初から西側の欺瞞の手口であって(当時の独仏のトップが昨年明言)、ドンバス地方の自治は一向に実現しない中ゼレンスキーは密かに軍備を充実させ22年3月にドンバス地方に侵攻する準備を整えました。ロシア軍の侵攻はロシア人保護のためにその寸前の2月に行われたのでした。
 従ってウクライナ人の苦難はともかくとして、ゼレンスキーを侵攻してきたロシア軍と勇敢に戦う英雄と見るのは間違っています。
 いま必要なのは彼以外の人間がリーダーとなってドンバス地方の住民が合意する「合理的な終戦策」を講じることです。現実は徐々にその方向に向かっているようです。
 また様々に報じられてきたロシア軍の蛮行については別掲の記事にあるように西側のデッチ上げが多いようです。
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ウクライナ状況報告:ゼレンスキーのプロパガンダ・メディア 彼の没落を推進
                 マスコミに載らない海外記事 2024年1月10日
                     Moon of Alabama 2024年1月4日
 2022年早々、ウクライナで戦争が始まると、ゼレンスキー大統領政府はテレビ・ニュースを全て独占した

 2022年、ロシアが全面侵攻を始めた当初から、ウクライナ戦車がロシア軍陣地を爆破し、最前線近くで活動する医療従事者や、海外で支援を結集する大統領の映像満載終日放送というたった一つのテレビ・ニュースをウクライナ国民は見てきた。
 この番組「テレマラソン・ユナイテッド・ニュース」はロシア偽情報に対抗するウクライナ情報戦の主要ツールで頻繁に出演する政府高官に士気維持の役割を賞賛されている。
 同国最大のテレビ局が共同制作して、週7日24時間体制で放送するこの番組について、昨年1月「これは兵器だ」とウォロディミル・ゼレンスキー大統領は述べた

 ウクライナではテレソンとして知られているこの番組は、ウクライナ放送唯一のニュース情報源となった。ウクライナ政権から一部資金提供を受けている。それはすぐに、ウクライナ政府がプロパガンダを広める主要メディアに発展した。ウクライナの成功とされるものを放送し続けて、ロシアの能力をあざわらうのだ。
 それは多くのウクライナ人を騙し、自国が戦争に勝てると信じ込ませた。
 しかし、大々的に喧伝された2023年「反攻」が失敗に終わって以来、人々はこの番組に背を向けている。
 依然一部の連中はしがみついている。最近ウクライナ軍将校との討論で、テレソン偽情報に酔った一人のニキビの若者がウクライナ将校の一人に「ロシア兵器の質の悪さ」について質問した。
 彼は意外な答えを聞いた。(Twitterで、やりとりを見たが動画を見つけられない。)
 ウクライナとロシアで禁止されているウクライナ・ニュース・サービスStranaは、このやり取りを以下のように報じている機械翻訳)。

 一方、戦争2年目の終わりに、ロシア軍はウクライナ軍より武装と装備が整っているとウクライナ軍は主張している。第3突撃旅団(ウクライナ軍の主要攻撃部隊の1つ)の大隊長ロロが、こう述べたのだ。
 これが、平均的なロシアの軍装備はどうか、そして「我々のものよりどれだけ悪いか」という質問への彼の答えだ。
「ロシア軍はウクライナ軍より酷くなく、むしろ優れている。技術的にしっかり装備されており、ウクライナより装備が多く、武器、装備が優れている。どうして彼らがより劣っていると思うのか? これはある種の屈辱でさえあり、それが私たちのものであることが判明しました。「法律と戦っているのに、何もできないの?」みたいな。しかし、彼らはより強く、これは客観的なものだ」とロロは述べた。
 彼によると、ロシアは装備がより良いだけでなく、軍隊に装備し提供する国家計画もある。
「敵を侮ってはいけない。敵は非常に本格的な相手だ。世界のほとんどの軍隊より本物だ。我々は彼らを○・・○扱いしている、我々はそうしている、我々がそうすれば○・・○2だ」とロロは付け加えた。
 ロシア軍は弱いという考えを助長するテレソンを見ないよう他の司令官たちは助言した。

 (「○・・○○・・○」が何かわからないが良い言葉ではなさそうだ。)

 第3突撃旅団はゼレンスキー政権下で急激に成長したファシスト組織アゾフの一部だ。
 イデオロギーに惑わされた将校たちでさえ、ロシア軍が自分たちより優れていることをあっさりと認めるなら、現場にいる平均的ウクライナ兵が、自国が戦争に勝つ可能性についてどう感じているか想像願いたい。
 2022年3月上旬「嘘では戦争に勝てない」と私は警告した。ウクライナ・プロパガンダは欧米マスコミやネオコン戦争研究所やイギリス国防省偽情報部門の支援を受け、嘘と誇張に満ちている。だが本当の戦争は現地で負けており時間が経つにつれ現実が浸透する
 テレソンは、絶え間ない偽情報のおかげで有用性を失っている。現在ウクライナ国民は、Telegramからニュースを入手し、テレビで様々な局のリアリティ番組やその他の気晴らし番組を見ているため視聴率は10%に低下している。
 ニューヨーク・タイムズがとうとうこれを取り上げたのは、ウクライナのゼレンスキー政権からさらに距離を置こうとするアメリカ政府の試みだと解釈できる。

 もう一つの懸念は、テレマラソンが、ウクライナで最も信頼されている政治家でありながら、ここ数カ月支持率が低下しているゼレンスキーの広報活動に変貌したことだ。
 クリアスがまとめた数字によると、ゼレンスキーの政党「国民のしもべ」党員は、2023年番組の政治ゲストの68%以上を占め、一年を通じてこの割合は着実に増加している。国民のしもべは、国会の議席の半分を支配している。
 最近夜、中世キーウの入り口だった再建された門(ゾロティ・ヴァロタ 黄金の門)近くで、テレマラソンは「まるで満場一致の見解のようだ」と41歳の弁護士アンドリー・カンティルは語った。「それは我々に本当に必要なものではない。役に立たない」

 ゼレンスキーのプロパガンダ機関に対するこの攻撃は、500,000人の追加動員を巡り、大統領とウクライナ軍司令官間で新たな諍いが起きているさ中行われた。ゼレンスキーは、これは軍が定めた要求を満たすものだと述べていた。
 ザルジニー将軍は公式にこの主張を否定した

 ウクライナで最大50万人を動員する可能性を示唆する最近の声明に対し、軍最高司令官ワレリー・ザルジニーは、軍司令部は正式に動員を要請していないと述べた。
「軍司令部は(当局に)いかなる数字も要求していない。軍司令部は国家を守る機能を果たし続けており、それに応じて弾薬、武器、人的資源の要求をしている」とザルジニーは全国放送で述べた。
「これは継続的に行われているが、政府やVerkhovna Radaに提出することで、(そのような要求を)別の形式で実行することはない」と彼は付け加えた。

 ゼレンスキーは、動員の企てをザルジニーに命令しようとしたが失敗に終わった。敗戦の現実が表面化するにつれ、彼の支持率は最低水準に落ち込むだろう。
 ウクライナの雰囲気は革命前だとゴードン・ハーンは表現している。

 キーウは今政治危機に陥っている。ウクライナ防衛線と軍隊がゆっくり崩壊し、軍司令官たちや政治エリートの中で極度の不満が高まる中、ウォロドミル・ゼレンスキー大統領は政治的、個人的な生き残りをかけて戦っている。更に重要なのは、民族主義者、ネオファシスト、腐敗者、新オリガルヒ、そして時折共和党員のマイダン政権連合にとって、これ以上ないほどの利害関係だということだ。一方、いまだ統合が不十分な疑似共和制制度と民族主義的イデオロギーに基づく若いウクライナ国家は、崩壊、解体、更には消滅の危機に瀕している。ロシア軍や怒れるウクライナ兵士や司令官や、キーウの財政的・経済的破綻や消滅、民衆の絶望、宮殿や軍事クーデターの危険、更には新たな「ガリシア」内戦など、増大する脅威に包囲されているのだ。

 間もなく何かが壊れる。
 ゼレンスキーが人々の注目と賞賛を得るのに役立ったテレソンは、今や彼を衰退への道に導いている。
 今年末、彼が依然ウクライナ大統領でいられるとは思えない。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/01/ukraine-sitrep-zelenskis-propaganda-outlet-is-leading-to-his-decline.html