2024年1月31日水曜日

トランプ主義を機関化しリベラルエリート支配と戦う米共和党(田中宇氏)

 田中宇氏が掲題の記事を出しました。
 同氏は「今回は本来有料記事の番なのだが、こんな重要な話を皆さん全体に伝えないのは残念すぎる」として無料記事にしています。
 「トランプ主義の機関化」なる表現は初めての登場と思われます。文中で「これまでトランプ主義はトランプ個人に依拠する部分が大きく、政策全体のまとまりに欠けていたが、ヘリテージ財団はトランプ主義を機関化して共和党の中心的な政策にしていく云々」と述べています「理論化した上で同財団の方針にしていく」という意味のようです。
 まさかトランプが英明なリーダーであるとは思っていないでしょうが、彼はバイデンとは違ってかつてのモンロー主義を思わせる孤立主義を主張し、在任中に新たな戦争を仕掛けることをしませんでした(その点はノーベル平和賞を貰ったにもかかわらず在任中多くの国々に紛争を仕掛けたオバマとは対照的でした)。
 別掲の記事にもあったように、この先バイデンに任せておくとどこまで中東の国々との戦争が拡大するのか見当もつきません。取り敢えずは、トランプが一旦大統領に就くべきでしょう。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
トランプ主義を機関化しリベラルエリート支配と戦う米共和党
                 田中宇の国際ニュース解説 2024年1月26日
1月15-19日のダボス会議は、地球温暖化や次のパンデミックなどインチキを口実に反対派を潰す全体主義の世界支配を加速する欧米の(リベラル)国際エリートたちが、米欧の草の根右派や非米側によって退治されていく流れの始まりになった観がある。
‘Laughable’: Heritage Foundation Leader Bashes World Economic Forum During Davos Event

ダボス会議を主催するWEF(世界経済フォーラム)は、もともと企業家たちの独創性を国際政治に活かすためにダボス会議を始めたが、途中から、ネオコン的な隠れ多極主義の実現に協力し始めた。
温暖化対策やコロナ超愚策や諸々の「大リセット」は、人類の大多数を占める草の根の人々を怒らせることが究極の目的だ。WEFは、ダボス会議に集めた国際エリートたちが全体主義的な世界支配の構造を作るよう誘導し、草の根がエリート支配を引き倒す劇を歴史にしようとしているWhy I Am Going to Davos

世界的なエリート支配の強化を見て暗澹とした気持ちになっている人が多いかもしれないが、心配することはない。エリートたちは、当然の報いとして極悪のレッテルを貼られ、インチキ全体主義の体制もろとも、これから負けて潰れていく。こうしたエリートの今後の敗北を、うれしそうに予測した著名人の一人が、米ヘリテージ財団のケビン・ロバーツ会長だ。
ロバーツらは、共和党の好戦派エリートのシンクタンクだったヘリテージを、トランプ主義を機関化して草の根右派を代弁する組織に大転換し、ダボス会議に象徴されるエリート支配に宣戦布告して潰そうとしている。ロバーツは、そのためにダボス会議にやってきて、エリートたちに喧嘩を売って帰った。リベラルな米側マスコミは、この吉報(エリートにとって凶報)を無視した。Devlin: What Heritage President Roberts Told Me About Crashing Experience

ヘリテージ財団は、ソ連を「悪の帝国」と敵視しつつ冷戦終結に持ち込んだレーガン政権の世界戦略を立案して権威を得た。軍事強硬策で覇権を維持強化する30年間の米国の試みの源泉(の一つ)がヘリテージだった。
米諜報界の自作自演的な911テロ事件を機に、敵性諸国を次々と軍事的に政権転覆しようとしたブッシュ政権もこの系統だったが、過激に稚拙にやって未必の故意的に失敗させる隠れ多極派のネオコンに入り込まれて失敗した。
Heritage Foundation head defends Trump, scolds 'elites' at World Economic Forum: 'You're part of the problem'

この失敗でヘタった共和党を乗っ取ったのが2016年に当選したトランプで、彼は、それまで共和党の中心にいた好戦派エリートを追い出し、孤立主義(覇権放棄)につながる草の根右派を党の中心に据えた
好戦派は共和党を捨てて民主党に(再)鞍替えし、民主党は2020年の大統領選で郵送投票制を悪用して不正をやってトランプを負けさせ、バイデン政権を作った。米国のネオコン的な軍産好戦派の中心は民主党(リベラルエリート)に移り、バイデン政権下でウクライナ戦争、ガザ戦争など、米国の軍事戦略を過激に稚拙に歪曲的にやって覇権を自滅させる策をやりまくっている。
Have Our Elites Lost The Mandate Of Heaven?

共和党の元エリートたちは、好戦派に乗り移られた民主党がトランプを不正に負けさせて政権をとった後、稚拙な策を連発してリベラルエリート支配体制ごと自滅していくのを受け、下野させられたトランプを押し立てて復権する策を考えた。
これまでトランプ主義は、トランプ個人に依拠する部分が大きく、政策全体のまとまりに欠けていたが、ヘリテージ財団はトランプ主義を機関化して共和党の中心的な政策にしていく
Inside the Heritage Foundation’s Plans for ‘Institutionalizing Trumpism’

このことを知った時、私はまず「今年の米大統領選挙では、民主党が不正をやって再度トランプを不正に負けさせることが難しくなった」と考えた。トランプ主義を機関化して共和党の中心に据えるには、まずトランプを不正に落選させる民主党の策を阻止する必要がある。
トランプが何をするかより、トランプの不正敗北を阻止することの方が重要だ。ヘリテージ財団は、トランプが再び不正に負けさせられることを防げると考えているはずだ。そうでなければロバーツは、トランプが草の根を率いてエリート支配を潰すぞ、と高笑いできない。
Watch: "You Are The Problem" - Conservative Speaker Slams Davos Globalists To Their Faces

バイデンは全く人気がない。トランプは非常に人気がある。2020年をはるかにしのぐ大規模な選挙不正をやらない限り、バイデンは再戦できない。
民主党と欧米リベラルエリートは、全力で米国の不正選挙をやろうとする。だが、それが失敗してトランプが返り咲くと、ダボス会議に来ている国際リベラルエリートたちの世界支配も崩れる。連動して、米国側マスコミの権威失墜も加速する
そういう新たな可能性が、ヘリテージ財団の動きから感じられる。具体的に何がどうなるかは、これから顕在化していく。

WEFの大リセットなどのインチキ全体主義は、エリート支配ごと大失敗するために用意されていた隠れ多極主義の策だったのだ。イラク侵攻からガザ戦争までの凄惨な大量殺戮や、コロナワクチンの副作用による世界での大量の死者も、いずれも現実ではあるが、政治的な茶番を作るための演出だった観がある
新しい事象なので書き散らかしてしまった。さらに考える。

今回は本来、有料記事の番なのだが、こんな重要な話を皆さん全体に伝えないのは残念すぎる。こういうことになるので、今年から有料記事を半額化した。有料会員の皆さんごめんなさい。