2024年1月29日月曜日

29- イエメンが行えばテロ、アメリカが行えば「ルールに基づく秩序」

 イエメンのフーシ派がガザ地区のパレスチナ人への連帯行動として、紅海を航行するイスラエル寄りの船舶への攻撃を行っていることに対して、米国は英国その他と有志連合を組んで公然とイエメンの爆撃を続けています。
 これはいつも見る風景で、ケイトリンは掲題の記事を出しました。米国の「唯我独尊」路線を痛烈に皮肉ったものです。
 米国はイスラエル発足以降絶えず同国を支持し続け、安保理での拒否権発動数ナンバーワンを維持して来ましたが、この度の「ガザ地区のパレスチナ人大虐殺」支持は余りにも説得力に欠けているため、米国の威信はすっかり地に堕ちました。当然の成り行きです。
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イエメンが行えばテロ、アメリカが行えば「ルールに基づく秩序」
                マスコミに載らない海外記事 2024年1月27日
    我々は残忍な暴君に支配されている。核武装凶悪犯は、平和が多少とも進むのを
   許すより積極的大量虐殺継続を守るため民間人を飢えさせるのを望んでい。
                 ケイトリン・ジョンストン 2024年1月18日
 バイデン政権は、イエメンの支配勢力であるフーシ派としても知られるアンサール・アッラー、いわゆるフーシ派を、特別指定国際テロ組織に正式に再指定した
 紅海とアデン湾の米軍艦艇や商船に対する攻撃に対する適切な対応だとして、この指定は「典型的なテロリズムの定義に合致する」とホワイトハウスは主張しているイスラエルによるガザ破壊を止めるための封鎖を強行しているだけで、その行動は「ジェノサイド犯罪の防止及び処罰に関する条約第1条の規定を遵守している」とアンサール・アッラーは主張している
 トランプ政権が犯した最も凶悪な行為の一つは、アンサール・アッラーを外国テロ組織(FTO)と特別指定国際テロリスト(SDGT)に指定し、どちらでも制裁を課したが、制裁は、援助に依存するイエメン国民を、許される援助を制限することで、彼らが既に経験しているより更に大きなレベルの飢餓に陥れると批判者たちは警告した。バイデン政権の唯一まともな外交政策決定の一つは、その加虐的な動きの逆転で、現在、その逆転は一部後退しているが、ありがたいことにSDGTリストのみで、より致命的で深刻なFTO指定ではない。

 制裁が既に苦しんでいるイエメン国民に害を及ぼさないよう免除を発令するつもりだとバイデン・ホワイトハウスは主張しているが、「過去、制裁は国際企業や銀行を怖がらせ、標的にされた国や団体との事業を遠ざけ、医薬品、食料品、その他の生活必需品不足を引き起こしていることを、この最新の進展に関するAntiwar新記事でデイブ・デキャンプは書いている。アメリカとイギリスのイエメン空爆により、既に一部援助団体がイエメンに対する活動停止を余儀なくされているともデキャンプは指摘している。
 2015年から2022年の間、そこで何十万人もの死者をもたらしたアメリカが支援したサウジアラビア封鎖により引き起こされた荒廃から、今も立ち直ろうとしている国にアメリカ帝国は経済制裁を課すつもりだ。この全てが、まさにその国の事実上の政府が、大量虐殺を防ぐ目的で独自封鎖を課したことに対する対応なのだ。
 そうなのだ。積極的な大量虐殺を阻止しようとしてイエメンが封鎖を仕掛けるとテロだが、アメリカ帝国が、中東における地政学的権益を確保するため封鎖を課す際は、なぜルールに基づく国際秩序が機能しているのに過ぎないのだろう

 イエメン、ベネズエラ、キューバ、イラン、シリアや北朝鮮など、自分の命令に屈するのを拒否する国々に、意のままにアメリカ帝国が封鎖や飢餓制裁を課せることが、アメリカ帝国がどう考えているかについて多くを物語っているが、限りなく価値ある崇高な理由でイエメンが封鎖を課すと、テロ行為と烙印を押される。ワシントンを中心に緩やかに中央集権化された世界を股にかける帝国の支配者連中は、文字通り世界は自分たちのもので、自分たちの思うまま支配し、支配に反対する者は誰であれ無法者だと信じている。
 このことからわかるのは、アメリカと同盟諸国が支持すると主張する「ルールに基づく国際秩序」は、全くルールに基づいていないことだ。それは、自分の意志をコントロールし、他人に押し付ける能力である「権力」に基づいている。「ルール」は、帝国の敵にのみ適用されるが、それは、全くルールではないからだ。ルールとは、自分の意のままに世界の人々を屈服させる取り組みを正当化するために使われる物語だ。
 残忍な暴君に我々は支配されている。核武装した凶悪犯は、平和がエッジワイズに一言も入るのを許すより、積極的な大量虐殺の継続を守るため民間人を飢えさせることを望んだ。これらの怪物が支配している限り、私たちの世界は健康を知ることはできない。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/01/18/when-yemen-does-it-its-terrorism-when-the-us-does-it-its-the-rules-based-order/