櫻井ジャーナルに掲題の記事が載りました。
イスラエルによる破壊と殺戮を可能にしているのは米国をはじめとする「西側」の支援があるからで、こうした支援が止まればすぐにガザでの破壊と虐殺は止まるのですが、それが実行できなのは、「破壊と虐殺の黒幕は西側諸国を支配している私的権力(デープステート)」だからであり、米国の大学生が抗議している相手はこうした「私的権力」であると述べています。
そのためにイスラエルへの支援は継続され、それに対してリベラルは沈黙させられているのだと。
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ガザでの住民虐殺に抗議する学生をテロリスト扱いする支配層、沈黙するリベラル
櫻井ジャーナル 2024.05.05
アラブ人の住む豊かな土地に「自分たちの国」を作るという妄想に取り憑かれ、欧米の強大な私的権力の支援を受けてその妄想を現実物にしたシオニストは現在、ガザで住民を虐殺し続けている。3万5000人以上のパレスチナ住民が殺されたと言われているが、瓦礫の下で死んでいる人は数千人なのか数万人なのか不明だ。
イスラエルによる破壊と殺戮を可能にしているのはアメリカをはじめとする「西側」の支援があるからにほかならない。ガザでの虐殺が問題になっているにも関わらず、こうした国々は資金や武器弾薬をイスラエルに提供し続けている。こうした支援が止まれば、すぐにガザでの破壊と虐殺は止まる。つまり破壊と虐殺の黒幕は西側諸国を支配している私的権力にほかならない。アメリカの大学で学生が抗議している相手はこうした私的権力である。
アメリカでは学生の抗議活動が広がっているが、その中心的な存在はニューヨークにあるコロンビア大学。この大学では抗議活動を弾圧するために警官隊を導入し、数百人の学生が逮捕されたという。同じ動きはアメリカ全土に広がり、全体では1500人以上の学生が逮捕されたと伝えられている。
コロンビア大学における警官隊の導入、学生弾圧への道を開いたのはニューヨーク市警で対テロ部門を率い、同大学のSIPA(国際公共政策大学院)で非常勤教授を務めるレベッカ・ウェイナー。CFR(外交問題評議会)のメンバーであり、彼女の祖父はマンハッタン計画に参加、後に水爆の設計にも関わった人物。単なる警察官僚ではない。
ウェイナーがニューヨーク市警へ入ったのは2006年だが、その前にはハーバード大学のジョン・F・ケネディ行政大学院のベルファー科学国際問題センターで国際安全保障フェローを、またOECD(経済協力開発機構)でバイオテクノロジー担当コンサルタント、外交問題評議会では科学技術研究員を務めた。アメリカやイスラエルの情報機関と何らかの関係があるのかもしれない。
アメリカの学生はガザでの虐殺に抗議の声を上げ、国家権力の弾圧を受けているが、「リベラル」であり、「人権派」と見なされている知識人は沈黙している。その典型例がレバノンとイギリスの二重国籍でパレスチナ系の弁護士、アマル・クルーニーだ。昨年10月7日からイスラエル軍はガザで破壊と殺戮を繰り広げているが、彼女はこの問題について沈黙している。
彼女の顧客にはWikiLeaksのジュリアン・アッサンジも含まれているが、タイム誌が2022年に「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に選ぶような人物で、アメリカの支配システムから抜け出すようなタイプではないだろう。
彼女とマーチン・ルーサー・キング牧師は本質的に違う。牧師はリンドン・ジョンソン政権が始めたベトナム戦争に反対、1967年4月4日にニューヨークのリバーサイド教会で「ベトナムを憂慮する牧師と信徒」が主催する集会に参加、「なぜ私はベトナムにおける戦争に反対するのか」という話をしている。その丁度1年後、テネシー州メンフィスで暗殺された。支配層の定めた枠から飛び出したからだ。
現在の支配システムは19世紀のイギリスで生まれた。その中心には金融資本が存在している。中東にサウジアラビアやイスラエルを作り上げたのも彼らに他ならない。「自由」、「民主主義」、「人権」といった衣をまとっているが、実態は侵略、破壊、殺戮、略奪によって富を築いてきた帝国主義以外の何物でもない。イギリスもアメリカもイスラエルも彼らの国である。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。