ラファ脱出63万人 ガザ北部戦闘激化／イスラエル向け武器積載船 スペイン〝寄港お断り

　イスラエル軍は17日、ガザ北部のジャバリヤ難民キャンプ中心部の市場まで侵入し、ブルドーザーが進入路にある家屋や商店を破壊したほか、南部ラファで戦車や戦闘機の砲撃、爆撃を続けました。６日にイスラエルのラファ攻撃が始まって以来、63万人以上がラファを説出して退避しました。
　ＵＮＲＷＡのサム・ローズ計画部長は、「彼らの避難先には水はない。給水トラックを入れなければならない。さらに食料も足りていない」と述べました。
　国連人道問題調整事務所のラエルケ報道官は、多くの住民は北部へ行くようにとの退避命令に従っているが、安全なルートや目的地は存在しないと指摘しました。
　ジャバリヤ西部に住むアイマン・ラジャブ氏は、「すべては偏った世界の面前で起きている」と述べました。

　スペインのアルバレス外相は16日、イスラエルヘの武器を載せた船舶が同国の港に寄港することを拒否する。中東で増やすべきなのは武器でなく、平和だ」と述ぺました。
　現地からの報道によると、インドからイスラエルのハイファ港に向け27トンの爆発物を積んで出港した船が21日、スペイン南東部カルタヘナ港への停泊を要請しましたが、プエンテ運輸相はこれを拒否したということです。
「パレスチナ占領反対ネットワーク」はＸに「市民社会の圧力が政府を動かしている」と投稿しました。
　しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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ラファ脱出63万人　ガザ北部戦闘激化
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しんぶん赤旗　2024年5月19日
　イスラエル軍は17日、ガザ北部のジャバリヤ難民キャンプに突入し住宅地や市場を破壊したほか、南部ラファで戦車や戦闘機の砲撃、爆撃を続けました。国運パレスチナ（ＵＮＲＷＡ）は６日にイスラエルのラファ攻撃が始まって以来、63万人以上がラファを説出して退避したと述べました。ロイター通信が報じました。

　ジャバリヤの住民は、イスラエル軍の車両が、難民キャンプ中心部の市場まで侵入し、ブルドーザーが進入路にある家屋や商店を破壊したと語りました。
　ジャバリヤ西部に住むアイマン・ラジャブ氏は、チャットアプリを通じて、「戦車や航空機が、住宅地域や市場、商店、レストランなどすべてを破壊している。すべては偏った世界の面前で起きている」と述べました。
　ラファでの住民の避難について、ＵＮＲＷＡのサム・ローズ計画部長はロイター通信に対し、「彼らの避難先には水はない。給水トラックを入れなければならない。さらに食料も足りていない」と述べました。
　またジュネーブの国連欧州本部での記者会見で、国連人道問題調整事務所（ＯＣＨＡ）のラエルケ報道官は、「人々は恐怖にかられ、逃れようとしている」と発言。多くの住民は北部へ行くようにとの退避命令に従っているが、安全なルートや目的地は存在しないと指摘しました。
　また国連のグリフィス事務次長（人道問題担当）は、英ＢＢＣラジオで、ガザ内部の食料の備蓄がほぼ尽きており、さらなる援助がなければ２００万人の住民が飢きんにひんすると警告しました。
　このような中で米軍は、ガザの地中海沿岸につくられた仮設桟橋から、援助物資を積んだトラックが上陸を始めたと発表しました。世界食糧計画（ＷＦＰ）は、ガザ中部デイルバラの倉庫に食料などが到着し、配布の準備ができていると発表しました。
　国運のハク副報進言は、「飢きんを回避するためには、ガザ住民に届く最も迅速で最も明白なルートを使わなければならない。今こそ地上からのアクセスが必要だ」と強調しました。


イスラエル向け武器積載船　スペイン〝寄港お断り″「中東で増やすべきは平和」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しんぶん赤旗　2024年5月19日
　スペインのアルバレス外相は16日、イスラエルヘの武器を載せた船舶が同国の港に寄港することを拒否すると表明しました。アルバレス氏は決定について「今後、外務省の一貫した方針となる。中東で増やすべきなのは武器でなく、平和だ」と述ぺました。
　現地からの報道によると、インドからイスラエルのハイファ港に向け27トンの爆発物を積んで出港した船が21日、スペイン南東部カルタヘナ港への停泊を要請。プエンテ運輸相は、これを拒否したと明らかにしました。

　イスラエルのパレスチナ自治区ガザヘの軍事侵攻に対する抗議を続けてきた「パレスチナ占領反対ネットワーク」（Ｒｅｓｃｏｐ）はＸ（旧ツイッター）に「市民社会の圧力が政府を動かしている」と投稿。政府の対応を注視していくとした上で「私たちには、大儀虐殺への加担に終止符を打つ責任がある」と強調しました。
　アルバレス氏は中道左派・社会労働党に所属しています。左派連立政権の一角を担う左派政党連合「スマール」は、イスラエル向けの武器積載船が国内の港に停泊するのを拒否するよう社労党に働きかけてきました。