植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
TBSテレビ(JNN)が5日、メディアの先頭を切って5月の世論調査結果の速報値を報じました。【速報】岸田内閣の支持率29.8% 前回調査より7.0ポイント上昇
⇒ https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1153066
植草氏は、これを「不可思議な数字」とし「一種の『異常値』なので無視した方がよいと思われる」、「他社の調査を待つ必要があるが、この情報が他の世論調査回答者の回答に影響することがあり得るから悪質な面がある」と述べました。
そしてTBSに登場するコメンテータの八代英輝氏と田崎史郎氏の発言を紹介し、この人たちはメディアで「(ある)役割を担っている」と考えられ、その「役割」を「しっかりと演じている」と評価できるとしました。
そして民放を支えているのは大企業=巨大資本で、この巨大資本は自公政治と癒着しているので、テレビ番組の内容が政権寄りになるように誘導する必要があり、その役割を担っているということです(同様にNHKの最高意思決定機関:経営委員会の人事権は首相が持っているので、その意向に沿う必要があると)。
植草氏は放映の場面では「国民が政権交代を求めている」という部分が重要で、この民意に沿う政治を確立するために何が必要かを論じるのが本来の番組コメンテーターの役割なのに、矢代氏も田崎氏もこの視点でコメントせず 政権交代への期待を打ち消すための発言を示しているとして、そこにこれらコメンテーターの立ち位置が明確に表れていると述べています。
同氏のもう一つの記事「イカサマな世論調査などに負けない」を併せて紹介します。
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御用コメンテーター参上
植草一秀の「知られざる真実」 2024年5月 7日
不可思議な数字を発表したJNNの世論調査。岸田内閣の支持率が7・0ポイント上昇して29・8%になったと報じられたことを記述した。一種の「異常値」なので無視した方がよいと思われる。
他社の調査を待つ必要があるが、この情報が他の世論調査回答者の回答に影響することがあり得るから悪質な面がある。
そもそも極めて少数のサンプル調査だから過大に報じることに疑義がある。
このJNN調査で「次の衆院選後の政権」という問いがあり、
「自公政権の継続」34% に対して 「立憲などによる政権交代」48%
の結果になったことも報じられた。
政権交代した方がよいとの回答が多い。これはうなずける。
こうした世論変化を背景にマスメディアの御用人が足並みを揃えて発言している。
TBSに登場する八代英輝。
「衝撃的ですよね」「2009年を覚えている者としてはね。本当に驚きましたね、その数字は」
同じくTBSに登場した田崎史郎。
09年について、「当時の民主党に対する期待感は相当強かった」
民主党が公表したマニフェストについて、「バラ色の世界を描いた」と表現した上で、現在について、
「マニフェストを争うように手にした、そういうものがいま立憲民主党にないということです」、「立憲民主党がいまどういう政策をやろうとしているのか、僕でもすぐ答えられないですよ。
なにか期待を抱かせるものを打ち出しているかというと、別にありませんので、自民党批判は相当強いけれども、立憲民主党に対する期待感が全然違うと思います」と述べた。
これらの人々はメディアで「役割を果たす」ために起用されていると推察される。
「役割を担っている」と考えられる。その「役割」を「しっかりと演じている」と評価できる。
メディアに接する場合には、こうした図式を踏まえることが絶対に必要。
民放を支えているのは大企業=巨大資本。この巨大資本は自公政治と癒着している。
したがって、テレビ番組の内容が政権寄りになるように誘導する。
番組制作者はこの意向に沿って番組を編成しなければならない。
NHKの場合は内閣総理大臣がNHKの人事権を握っている。最高意思決定機関は経営委員会。その委員の任命権を内閣総理大臣が握っているから、番組制作の現場は内閣総理大臣の意向に沿う番組を制作することが必須になる。
いまの立憲民主党に輝きがないのは事実。
21年選挙、22年選挙は「反共」を宣言して選挙を戦い大惨敗した。本年4月衆院補選は「共産党と共闘」して3戦全勝した。
こうもりの対応を続けている。だから、誰からも相手にされなくなりつつある。
ここに問題があるのは事実。しかし、国民が政権交代を求めているという部分が重要。
この民意に沿う政治を確立するために何が必要かを論じるのが、本来の番組コメンテーターの役割。しかし、矢代氏も田崎氏もこの視点でコメントしない。
人々の政権交代への期待を打ち消すための発言を示している。ここにこれらコメンテーターの立ち位置が明確に表れている。
重要なことはこうした低質、低劣な番組を見ないこと。これが一番重要だ。
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イカサマな世論調査などに負けない
植草一秀の「知られざる真実」 2024年5月 6日
JNNの世論調査で岸田内閣の支持率が前回の調査から7・0ポイント上昇して29・8%になったと報じられた。
何かの間違いだろう。そうでなければ不正調査。どちらかだと考えられる。
JNNはTBS系列。この系列は「報道特集」のような良質な番組を持つが、他方で「サンデージャポン」のような最低最悪の番組も持つ。
寡占を許される放送局だから本質は御用。御用の本質を露わにする系列と、御用の本質を見えないようにする系列があるだけで、御用である本質は変わらない。
4月28日の衆院補選で国民の審判は明瞭に示されている。
世論調査よりはこちらの方が信頼度が高い。
衆院補選で明示されたのは岸田首相と小池都知事に対する不信任。
見かけ上は立憲民主3勝になったがこれを立憲の勝利と見るのは間違い。共産と立憲の共闘による3勝。
立憲は2021年10月総選挙で反共産路線に走った。22年7月参院選も同じ。
この2つの国政選挙で立憲は大惨敗。今回は路線を明確に修正して3勝を得た。
共産と共闘しない立憲は大惨敗で、共産と共闘する立憲は全勝という結果が示されている。
反共路線を打ち出したのは枝野幸男氏。21年10月総選挙で大惨敗して引責辞任した。
後継代表に就任した泉健太氏は反共路線を一段と強化した。
その結果、22年7月参院選で21年をはるかに上回る大惨敗を演じた。
今回衆院補選では反共路線から共産との共闘路線に変更して3勝した。
これを次につなげるには反共主義の執行部が総退陣することが必要。
泉氏は共産党との共闘路線を掲げる人物にバトンを引き渡すべきだ。
反共路線を提唱する幹部も足並みを揃えて辞任すべきである。
立憲民主党が路線転換を明確にして、人事も一新するなら今後に期待を持てる。
しかし、これをやらないなら一時のあだ花に終わるだろう。
ただし、現在の立憲民主党執行部にいる者は権力主義=自己主義=隠れ自公の者ばかりだから、引き下がって新しいリーダーに党運営を委ねることに抵抗するのではないか。
他方、衆院補選ではっきりしたことは連合が無用の長物に成り下がっていること。
連合は隠れ自公勢力として、同じ隠れ自公勢力である国民民主党の専属応援団に転身するべきだ。
衆院補選は自民党の金権腐敗政治への不信任を突き付けた。
この自民党を率いているのが岸田文雄氏。岸田氏へのNOである。
自民党の政治資金犯罪が明るみに出て半年の時間が経過したが、岸田氏が実行した自民党内処分はゆるゆるすかすか。
通常国会後半の最大課題は政治資金規正法改正だが自民党はまったくやる気がないことを明らかにした。
この二つの対応を背景に衆院補選で自民党は全面敗北。
直ちに心を入れ替えるのかと思われたが、その素振りすらない。
岸田文雄氏は国民の税金で海外旅行に明け暮れた。挙句の果てに海外で日本国民の血税をばらまく約束をしてきた。この岸田内閣の支持率が上昇するわけがない。
通常国会後半で政治資金規正法改正をやる。
本当は抜本改正する確約を野党が予算審議で獲得するべきだった。
それは可能だった。ところが、立憲民主党はやらなかった。予選成立に全面協力。無風で予算は年度内成立した。
だから、立憲民主党の姿勢が極めて疑わしい。
政治資金規正法抜本改正をやるのかどうか。
国民が厳しく監視するのはここからだ。
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