2024年5月4日土曜日

自民政治ノー 大幅賃上げ 第95回中央メーデーに1・2万人

 第95回メーデーが1日、全国230カ所以上で開かれました。東京・代々木公園の中央メーデーには雨の中1万2000人が参加しました。集会後、都内3コースをデモ行進しました。
 道々 物価高を上回る大幅賃上げや労働基準法改悪阻止、被災者本位の復興、大軍拡反対などを訴えました。

 雨が降る中、デモ行進には 東京土建葛飾支部が作った 軍拡、物価高騰、自民党派閥の政治資金パーティー裏金問題など政治・社会問題を批判し今の世相を皮肉る、派手に装飾させた「デコトラ」が姿を見せました。
 3月からメーデーの前日まで制作に携わったAさんは、「円安や物価高騰で、市民の生活はきつくなっていくばかり」、「3人の子どもを育てています。軍事ではなく、とにかく社会保障を充実させてほしい」と訴えました。
 東京土建板橋支部は、ゴジラをモデルにしたデコレーションを披露し、反戦・反核、賃金上げと消費税減税を訴えました制作にかかわった男性(21)は、賃金は全く上がっていない「遊ぶためのお金なんて、税金に取られてしまって本当にありません。岸田政権については、もう諦めています」と言います。
 東京土建中野支部は、漫画「ドラゴンボール」をモデルにしたデコレーションを用意しました。同支部で書記をしている女性(26「賃金が上がれば、すべてにプラスの影響が起きます。すべての根底にあるのは、やはり賃上げです」「今の政治は大企業を優遇している。労働者に優しい政治をして、労働者に優しい国にしていってほしい」と語りました。
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自民政治ノー 大幅賃上げ 第95回中央メーデーに12万人
                        しんぶん赤旗 2024年5月2日
たたかう決意 雨中みなぎる
 企業献金で裏金をため込み、財界・大企業優先政策で日本を「賃金が上がらない国」にした自民党政治を終わらせ、労働者・国民の要求を実現できる政治に転換させようと第95回メーデーが1日、全国230カ所以上で開かれました。東京・代々木公園の中央メーデーには雨の中、1万2000人(主催者発表)が参加。集会後、都内3コースをデモ行進し、物価高を上回る大幅賃上げや労働基準法改悪阻止、被災者本位の復興、大軍拡反対などを訴えました。



主催団体の隊列でデモ行進する全労連の小畑雅子議長(前列右から2人目)と共産党の田村智子委員長(同3人目)=1日、東京都渋谷区








 仕事と暮らしを守る先頭に立つ労組の代表が決意表明。「消費税減税、インボイス廃止が中小業者、国民の暮らしを豊かにし守ることにつながる」(東京土建)「白タクが合法化されればタクシーやバスなど公共交通機関が衰退し、国民の移動する権利が奪われる。絶対阻止を」(自交総連)と訴えました。
 中央メーデー実行委員会の小畑雅子代表委員(全労連議長)が主催者あいさつ(別項)しました。
 日本共産党の田村智子委員長はあいさつで、「政治を変えてほしい、暮らしや経済のゆきづまりを何とかしてほしいと多くの市民のみなさんが願っている、そういう情勢ではないでしょうか。そのもとでの希望が『たたかう労働組合です』」と強調。「一致する要求での行動の統一」「資本からの独立」を掲げる全労連運動をさらに発展させ、「物価高騰から暮らしを守る大幅な賃上げをともに勝ち取っていこうではありませんか」とよびかけました。

 激励あいさつした東京大学の本田由紀教授はエッセンシャルワーカーの低賃金やがれきさえ片付けられない被災地など「私たちはもっと怒る必要がある」と強調。連帯あいさつした日比谷メーデーの関口広行さんは「岸田政権にノーを突き付けよう」と訴えました。
 能登半島地震被災地から、被災者の声に寄り添った復興を求めるメッセージが紹介されました。
 参加した都内の会社員は「『過去最大の賃上げ』と言われるけど実感はない。自分の職場は10年前と比べて4万円も下がっている。賃上げは切実な課題。もう自民党は退いてほしい」と話しました。

スト構え要求実現 小畑代表委員が主催者あいさつ
 主催者あいさつした小畑雅子代表委員(全労連議長)は、全労働者の賃上げを求めストライキを構えたたかう24春闘の高揚のなかで迎えたメーデーだと強調しました。
 能登半島地震の復旧・復興に対し、全被災者に寄り添う万全の支援の継続を求めると訴え。政府・財界が、労働時間や働き方の基準を「労使自治」の名でなし崩しにするたくらみをすすめていると告発し「反撃の体制を整えていこう」と呼びかけました。
 岸田政権の戦争国家づくりに対し、憲法にもとづいた平和構築を求める取り組みを広げようと語りました。
 来たるべき総選挙、都知事選挙で、労働者・国民の要求が実現できる政治への転換を求めていきましょう」と呼びかけました。


裏金・物価高騰・賃上げ…政治変えよう 「デコトラ」怒り満載 中央メーデー
                        しんぶん赤旗 2024年5月2日
 1日、東京・代々木公園で開かれた第95回中央メーデー。雨が降る中、デモ行進には、軍拡、物価高騰、自民党派閥の政治資金パーティー裏金問題など政治・社会問題を批判し、今の世相を皮肉る、派手に装飾させた「デコトラ」が姿を見せました。

写真

 東京土建一般労働組合葛飾支部のトラックの荷台には、発泡ウレタンやクッション、毛糸などで形作られた岸田文雄首相の顔。その足元には段ボールで作った1万円札の札束がいくつもあります。巨大なメガネのレンズには「増税」の二文字も。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件をイメージしてつくったと話すのは、Aさん(27)です。同支部の青年部長を務めています。
 1月ごろから同じ青年部の男性(25)とともに、どのような世相をイメージしてトラックを装飾しようか悩んだ末、裏金事件にしたといいます。
 3月からメーデーの前日まで制作に携わったAさんは、「円安や物価高騰で、市民の生活はきつくなっていくばかり。なのに自民党の人たちは裏金で自分たちの利権を守ろうとしている。許せないですよね。その思いを感じ取ってもらえたら」と話します。
 3人の子どもを育てています。「軍事ではなく、とにかく社会保障を充実させてほしい」と訴えました。
 東京土建板橋支部は、ゴジラをモデルにしたデコレーションを披露。反戦・反核、賃金上げと消費税減税を訴えました。1954年にアメリカが太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁で行った水爆実験から今年で70年。そこで、同じく核実験で生まれたゴジラを選びました。

 制作にかかわった男性(21)は、賃金は全く上がっていないと言います。「遊ぶためのお金なんて、税金に取られてしまって本当にありません。岸田政権については、もう諦めています

 東京土建中野支部は、漫画「ドラゴンボール」をモデルにしたデコレーションを用意しました。今年のえとが「辰(たつ)」であり、今年3月に急逝した原作者の鳥山明氏への追悼の意味も込めました。「七つのドラゴンボールで『願い』をかなえる。労働者の要求、例えば『賃上げしてくれ』は、ぜひかなえてほしい願いです。そういった労働者の願いを『掲げる』と『かなえる』を掛け合わせました」と話すのは、同支部で書記をしている女性(26)です。
 賃金が上がれば、すべてにプラスの影響が起きます。生産物の品質も向上し、人びとの生活の質もよくなります。プラスのループが出来上がります。すべての根底にあるのは、やはり賃上げです」と語りました。
 女性は、岸田政権については「今の政治は大企業を優遇している。労働者に優しい政治をして、労働者に優しい国にしていってほしい」と述べました。


             第95回 メーデー宣言 (案) 

 私たちは「働くものの団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう」のスローガンを掲げ、第95回メーデーの開催を成功させた。長引く物価高騰による実質賃金の低下が続き、格差と貧困が広がり、労働者、国民の暮らしは厳しさを増している。日に起きた能登半島地震は住民の暮らしと生活基盤に甚大な被害を与え、今なお多くの方々が避難生活を強いられている。世界に目を向ければロシアのウクライナ侵略が続き、パレスチナ・ガザでは無辜の民が日々命を絶たれる状況が続いている。 私たちは労働者の直面する困窮と苦難をすべての働く仲間との連帯の力で打開していく。平和の実現と未来に向けて、世界のたたかう仲間と固く手を握り、連帯強化をすすめる。

すべての働く仲間のみなさん
 政府と財界の 30 年に及ぶ賃金抑制策が暮らしと日本経済を破壊している。私たちはこのメーデーを契機に、物価高騰を上回る大幅賃上げ・底上げで生活改善をはかり、ジェンダー平等の視点から均等待遇と格差是正をめざす。増税と大軍拡、武器輸出をやめさせ、徹底した平和外交をめざす。大企業の優遇税制是正と内部留保課税、中小企業への価格転嫁を図る適正取引規制と消費税減税で個人消費を拡大させ、インボイス制度廃止、年金・医療・介護制度の拡充、紙の保険証廃止撤回とマイナンバー利用拡大の中止、防災予算の拡充、中小企業と営農の支援、食料自給率の向上、地域活性化による日本経済回復をめざす。 国民負担を押し付ける一方で、国民の血税である政党助成金を受け、さらには企業献金で裏金をため込み、大企業、利権団体への政策を推し進める岸田政権の早期退陣へ、市民と野党共闘の深化・発展、政治の転換をはかる運動に全力をつくす。 

すべての働く仲間のみなさん
  少子化は日本の将来にとって重大問題となっている。子どもを望んでも、雇用の安定や生活できる賃金が見込めない中で、結婚や子育てに係る金銭的、労力的負担が大きく、諦めるしかなくなっている。日本の男女間賃金格差は 75.7%、生涯賃金で 5800 万円もの差がある。「ジェンダー・ギャップ指数」は 146か国中 125位、先進国の中で最低レベルにある。少子化の抜本的な対策は低賃金の解消であり、取り分け世界的にも低い最低賃金を全国一律制、直ちに時給1500円以上の実現を求める。 ジェンダー平等、特に男女の賃金格差解消は緊急の課題である。すべての労働者の雇用の均等と安定を実現させ、一人ひとりが個人として自立、人権が尊重され、自由と幸福の追求へ、ディーセントワークの確立とあわせて、あらゆる差別の根絶、格差の是正、貧困解消めざして力を合わせよう。 

すべての働く仲間のみなさん
 気候変動が激しさを増し、世界各地で洪水や干ばつによる砂漠化、森林火災が相次いでいる。日本政府は「化石燃料の段階的削減」を表明しつつも石炭火力の廃止期限を明確化していない。エネルギー政策の転換、原発再稼働・新増設の阻止、自然災害から地球環境を守るため世界の仲間とともに運動を進める。政府・自治体に防災と減災対策を強化させ、能登半島地震の復旧・復興・被災地支援に全力をあげよう。 岸田政権は大軍拡路線を突き進み、軍事費倍増を狙っている。ミサイル開発と配備、さらには防衛装備移転三原則の見直し、戦闘機の輸出解禁、防衛費を5年間で43兆円へと天井なき軍拡が進められようとしている。敵基地攻撃能力の保有は「専守防衛」を破り、「武力による威嚇」を禁止する憲法9条に反する。私たちは平和と憲法を守る闘いに全力をつくす。核兵器の使用と配備の脅迫が行われるなかで、核兵器廃絶にむけた国際的世論と運動を強めていくことが人類共通の課題であり、政府に対し核兵器禁止条約の早期批准を求めていく。ガザの即時停戦を求め、ロシアのウクライナ侵略戦争に断固反対する。働くものの団結万歳!世界の労働者万歳!メーデー万歳! 

                    2024年5月1日 第 95 回中央メーデー集会 
                              (全労連HPより