2025年10月13日月曜日

ガザ 停戦 イスラエルとハマス「第1段階」 人質解放は13日か

 トランプ大統領は日本時間9日朝 SNSで、ガザでの戦闘を続けているイスラエルとイスラム組織ハマスが、トランプの発表した計画の「第1段階」で合意し、ハマスが拘束しているイスラエル人の人質は全員解放され、イスラエル軍がガザの一部区域から撤退すると説明しました。支援物資がガザに搬入されるといいます。
 問題は、イスラエル人の人質全員解放されハマスが武装解除した後に、イスラエルが誠実に虐殺行為を止めるかどうか―虚偽の口実をつけて再開しないかーですが。
 NHKとしんぶん赤旗の記事を紹介します。
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ガザ地区停戦 人質解放は13日朝か イスラエルのメディア伝える
                    NHK NEWS WEB 2025年10月12日
イスラエルとイスラム組織ハマスがガザ地区で停戦を開始してから48時間が経過しました。停戦後72時間以内とされる人質の解放をめぐり、イスラエルのメディアは現地時間の13日朝に始まるとの見方を伝えていて、人質の解放がいつどのように行われるかが焦点となっています。
アメリカのトランプ大統領の和平計画に基づき、イスラエルとハマスが合意した停戦は10日正午、日本時間の10日午後6時から始まりました。
ハマスの報道官は11日、アラブメディアに対し、停戦は維持されているとの認識を示したうえで、和平計画の第1段階の履行を完了させる考えを示したということです。
和平計画にはガザ地区で拘束されている48人の人質全員を停戦開始から72時間以内に解放することが盛り込まれていて、イスラエルのメディアは当局者が人質の家族らに対し、人質の解放が現地時間の13日朝に始まる見込みだと伝えたと報じています。
また、イスラエル軍のラジオ局は生存している20人の人質を一斉に解放するため、ハマス側が1か所に集める作業をしていて、解放は13日になるだろうとの見方を伝えています。
一方、一部のアラブメディアは12日に人質の解放を行う準備ができているとするハマスの情報筋の話を伝えていて、人質の解放がいつどのような形で行われるかが焦点となっています。

2年間、ずっと待っていた」人質の兄
ガザ地区で拘束されている人質が解放されるのを前に、人質の1人で日本のアニメのファンだというガイ・ギルボアダラルさん(24)の兄のガルさん(31)がNHKの取材に応じました。
この中でガルさんは「拘束されてから2年間、ずっと待っていた。あと1日、2日でここに帰ってくることが信じられない」と再会を待つ気持ちを語りました。
おととし10月7日、2人はともにガザ地区の近くで開かれた音楽イベントに参加していて、イスラム組織ハマスに襲撃されました。
ガルさんはくぼ地などに8時間隠れて無事でしたが、弟のガイさんは友人とともに連れ去られたということです。
弟が人質としてガザ地区で拘束され続けたこの2年間について、ガルさんは「どんな扱いを受けているのか、毎日、心配していた。生きているのか、帰ってくるのかも分からずに日々を過ごすことはとてもつらい気持ちだった」と振り返りました。
ガルさんによりますと、ガイさんはアニメなど日本文化が好きで、人質にならなければ去年の春には初めて日本を訪れる予定でした。
ガルさんは「ガイは独学で日本語を勉強していて、桜を見るために航空券も予約していた。解放されて最初にやりたいことの1つは日本に行くことだと思う」と話していました。

トランプ大統領 中東訪問の日程 人質の家族と面会も
アメリカ・ホワイトハウスは11日、トランプ大統領の中東訪問の日程を明らかにしました。
それによりますと、トランプ大統領はイスラエル最大の商業都市テルアビブに現地時間の13日午前9時半前に到着し、そのおよそ1時間半後、エルサレムにあるイスラエルの議会でイスラム組織ハマスに拘束されている人質の家族と面会する予定です。
そして午前11時、日本時間の13日午後5時からトランプ大統領はイスラエルの議会で演説するということです。
このあと、トランプ大統領はイスラエルとハマスによる間接協議が行われたエジプト東部のシャルムエルシェイクに向けてテルアビブを出発します。
シャルムエルシェイクに移動後、トランプ大統領は現地時間の13日午後2時半、日本時間の13日午後8時半から中東和平に向けた式典に出席するとしています。
そして式典に出席したあと、ホワイトハウスに戻るため、その日の夕方には現地を離れるということです。


ガザ 停戦へ合意 イスラエルとハマス「第1段階」 軍の一部撤退・全人質解放
                       しんぶん赤旗 2025年10月10日
【ワシントン=洞口昇幸】トランプ米大統領は米東部時間8日夜(日本時間9日朝)にSNSで、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を続けているイスラエルとイスラム組織ハマスが、トランプ氏の発表した計画の「第1段階」で合意したと発表しました。ハマスが拘束しているイスラエル人の人質は全員解放され、イスラエル軍がガザの一部区域から撤退するとも説明しました。
 カタール外務省も「第1段階」の全ての内容で合意したと発表しました。イスラエル人の人質と、イスラエルが拘束しているパレスチナ人が解放され、支援物資がガザに搬入されるといいます。
 トランプ氏は「イスラエルとハマスがわれわれの和平計画の第1段階に署名したことを、とても誇りに思いながら発表する。全ての人質がまもなく解放され、イスラエルは合意した地点まで軍を撤退させる」と語り、「これは強固で持続可能で永続的な平和への第一歩だ。全当事者は公平に扱われる」と強調しました。
 同氏はまた、「今回の歴史的で前例のない出来事を実現するために協力してくれたカタールやエジプト、トルコの仲介者らに感謝する」と述べました。
 イスラエル人の人質48人のうち20人が生存しているとされ、トランプ氏は米FOXニュースとのインタビューで、人質が米時間13日に解放されると述べました。
 トランプ氏は9月29日に、ガザでの即時停戦や人質解放、停戦後のガザの統治について20項目に上る計画を発表し、イスラエルのネタニヤフ首相と合意。ハマス側に計画の受け入れを迫っていました。ただ、今回合意したという第1段階の詳細は明らかにされていません。
 ネタニヤフ氏は同日のトランプ氏との会談の際に、ハマスが計画を受け入れても、その後に妨害を行うならばガザでの軍事攻撃を続ける意向を示しています。トランプ、ネタニヤフの両氏は、国連加盟国の多くが支持するパレスチナ国家樹立とイスラエルとの平和共存による「2国家解決」には否定的です。


合意の厳格な実施 包括的和平実現を
                       しんぶん赤旗 2025年10月10日
志位議長が談話
 日本共産党の志位和夫議長は9日、「合意の厳格な実施、包括的和平の実現を―ガザ停戦合意の発表について」との談話を発表しました。全文は以下の通りです。
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 一、イスラエルとガザのイスラム組織ハマスによる停戦合意が発表されたことは、長く続いた惨劇を終わらせるための重要な一歩となりうるものであり、歓迎すべき前進である。合意の具体的な内容はまだ明らかにされていないが、双方が、今回の合意を厳格に実施し、ガザでの戦闘の終結、イスラエル軍の撤退、すべての人質の解放、人道支援の開始を行うことを強く求める。
 一、今回の合意を、一時的な停戦に終わらせず、恒久的で包括的な和平の実現につなげ、パレスチナの自決権を含む2国家解決に進むことが強く求められている。そのためには国連と国際社会の関与が不可欠である
 一、何よりも急がれるのは、ガザへの大規模な人道支援を直ちに再開することである。イスラエルは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)をはじめ国際的な人道支援活動への妨害を直ちにやめるべきである。