植草一秀氏の掲題の2つの記事を紹介します。
1つ目の記事は戦後における米国による日本の植民地的支配の概要を述べています。
戦後日本はGHQ・GS(民政局)の管理下で1947年まで急速に民主化が進められましたが、その後GHQの主導権がGSからG2(諜報2部)に移行すると日本の民主化政策は中止され、戦前の主要勢力の再登用を推進し旧軍人、旧財閥関係者を復権させるなど急激に非民主化政策に変わりました。
CIAは自民党創設資金を拠出したほか、革新野党を制御するために民社党を創設しました。CIAの対日政治工作の中核は自民党、勝共連合(統一協会)、MRA(後にI Cに変更)で、高市氏、野田佳彦氏、前原誠司氏らが学んだ松下政経塾はMRA系列の代表機関です。
このように日本政治は二重、三重の工作によって米国によって完全支配されていて、いまやトランプへの激烈な追従を憚らない高市氏によって、米国が創作する戦争に巻き込まれる重大な岐路に立たされていると警告しています。
2つ目の記事では、小選挙区制が当初から「4割の得票率で7割の議席を占有できる」などと批判されていた通り、先の衆院選では著しく不当な結果となったことを、同じく当初から最も望ましいとされた「完全比例配分」との比較で明らかにしました。
詳細は記事中の「試算表」を参照ください。
植草氏は「選挙制度改革こそ本当の意味の国民会議創設を必要とするテーマである」と述べます。
追記)高市首相は「食品の消費税ゼロに」を検討する国民会議のメンバーを「ゼロ化反対」の勢力だけの構成にしようとしているようです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
CIAと自民・勝共連合・MRA
植草一秀の「知られざる真実」 2026年2月24日
日本は岐路に立っている。
このまま、米国の植民地として米国に支配され、滅亡に向かうのか。米国の植民地から脱却するのか。敗戦後最重要の岐路に位置している。
敗戦から1947年までの2年間に巨大な遺産が築かれた。この遺産がなければ日本はすでに滅びていると思われる。戦後民主化という遺産。戦後民主化を主導したのはGHQ・GS(民政局)だった。
フランクリン・ルーズベルト大統領の「ニューディール政策」の系譜で日本民主化が遂行された。
その集大成が日本国憲法。憲法制定を主導したのはGHQ・GSだが、土着化のための論議は日本国民によって精力的に行われた。そして、1947年5月に日本国憲法が施行された。
憲法制定のプロセスが半年遅れていたなら日本国憲法は誕生していない可能性が高い。
ルーズベルト大統領は1945年4月に急死。
後継大統領にハリー・トルーマンが就任した。1947年3月にトルーマンは米外交の基本路線を転換。反共を外交基軸に据えた。
これに連動してGHQの日本占領政策が激変した。日本民主化は中止され、日本反共化、日本非民主化に転じた。「逆コース」である。GHQの主導権はGSからG2(諜報2部)に移行した。GHQは日本民主化政策を中止。日本における戦前の主要勢力の再登用を推進した。
旧軍人、旧財閥関係者を復権させた。
戦犯容疑者の一部を米国のエージェントとして釈放。免責された戦犯容疑者が米国のエージェントとして活動し、米国が支配する日本政治構造が構築された。
エージェントとして活動した中心が岸信介、笹川良一、児玉誉士夫、正力松太郎の各氏らである。
CIAは自民党創設資金を拠出。他方で、革新野党を制御するために「元祖ゆ党」を創設。
これが1960年創設の民社党である。民社党の支援母体として創設されたのが同盟。
同盟系組合が現在の連合の実権を握っている。
同盟の研修機関が富士政治大学校であり、現在の連合会長である芳野友子氏は富士政治大学校で反共教育を受けたと見られる。同盟の特徴は統一協会の国際勝共連合と極めて近い関係を有したこと。
CIAの対日政治工作の中核は自民党、勝共連合、MRAである。
勝共連合は統一協会の政治団体。戦犯釈放組の岸信介、笹川良一、児玉誉士夫の三氏が日本における国際勝共連合創設に深くかかわっている。
MRAは道徳再武装。ナチスを肯定したことで戦後に影響力を低下させたが、反共政策が米国外交の基軸に据えられるなかで、勝共連合と類似して「反共産主義」を基軸に据えて勢力を拡大した。
日本の革新勢力を資本主義体制の中に組み込む工作活動が展開されてきた。
日本での活動拠点は日本国際交流センターであり、同センターはロックフェラー利権を代表する日米欧三極委員会事務局を兼ねている。
MRAは2001年に名称をイニシアティブス・オブ・チェンジ(IC)に変更。
松下政経塾は日本におけるMRA系列の代表機関であると見られる。
日本政治は二重、三重の工作によって米国によって完全支配されている。
その日本がいま、米国が創作する戦争に巻き込まれる重大な岐路に立たされている。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4347号
「敗戦後最大岐路に立つ日本」 でご高読下さい。
この機会にメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご購読をぜひお願いします。
https://foomii.com/00050
(後 略)
民意反映する自民議席数は171
植草一秀の「知られざる真実」2026年2月25日
国民会議を創設して国民的議論を行うべきは選挙制度改革。高市首相は「政治とカネ」を「議員定数」にすり替えた。
自民党の金権腐敗体質が最大の問題だった。抜本対応なら「企業団体献金全面禁止」。これ一択だった。
政治資金は国民が負担している。政党助成金制度を導入した際、企業団体献金は全面禁止することになっていた。当時の自民党総裁・河野洋平氏が明言している。
「解党的出直し」を迫られた自民党は企業献金禁止の方針を明示すべきだった。
ところが、高市首相の取った行動は違う。「政治とカネ」問題を放り出した。「政治とカネ」への対応を放り出して、維新が提示した議員定数削減に乗った。完全なすり替え、ごまかしである。
人口当たりの国会議員定数で日本はOECD38か国中の36位。
議員定数は圧倒的に少ない。議員定数を削減する必要性は極めて低い。是正が必要なのは議員報酬の高さ。日本の国会議員の年収は歳費、期末手当、調査研究広報滞在費、立法調査費を税引前収入で表示すると約5500万円。
5000万人を超える給与所得者の所得中央値は年収約400万円。
日本の議員報酬は世界のなかでも突出して高い。
「身を切る改革」と掲げるなら、やるべきことは議員定数削減でなく議員報酬削減だ。
ところが、高市首相は企業献金規制強化を放り出して、議員定数削減をあたかも重要課題であるかのように持ち出した。「ごまかし、すり替え、居直り」が高市三原則。
高市氏は三原則通りの対応を示してきた。「政治とカネ」の浄化に取り組む考えはない。
高市氏は居直っている。
必要性のない議員定数削減につき、維新は「比例定数の削減」を掲げた、ふざけた提言だ。
選挙制度の最大の問題は議席配分が民意を正確に反映していないこと。
民意を正確に議席配分に反映させるには「比例代表選挙」が最適だ。
今回の衆院選結果を示す。
(今回*)と表示しているのは自民が候補者不足を生じさせず、配分議席をすべて確保した場合の計数。
現実には自民が獲得した議席のうち14が他党に流れた。
内訳は旧立民が6、維新、国民、みらいが各2、参政とれいわが各1。
数表では併せて、比例代表の得票率で案分した議席数を「仮定計算」欄に記入した。
すべての議席を比例代表の得票率で案分して配分した場合の議席数である。
これを見ると現実の選挙結果と仮定計算との間に大きな乖離が生じる
自民は 330 が 171 に
中道は 43 が 85 に
共産は 4 が 20 になる。
衆議院定数は465で過半数は233。自民の171は233に遠く及ばない。
比例代表での議席配分が有権者の投票結果を正確に反映するものである。
民意を正確に議席配分に反映するには全議席を比例代表選挙で決定することが最善である。
14議席を他党に譲っても自民は今回316議席を確保したが、この議席数は民意を正確に反映するものでない。
選挙制度改革こそ本当の意味の国民会議創設を必要とするテーマである。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4348号
「選挙制度刷新国民会議創設へ」 でご高読下さい。
(後 略)