植草一秀氏の掲題の2つの記事を紹介します。
(1番目の記事)
これは再審制度を見直す刑事訴訟法改正で自民党の法務部会で大いに揉めた挙句に、検察による抗告を「原則禁止」にし、その旨を「本則に謳う」ことに修正されました。
同部会は、それで大いに抗告抑止の効果が上がるかのように述べますが、検察はこれまで「再審開始決定は誤りで、それには十分な根拠があるとして抗告を続けてきたのであるから、今後もその姿勢を貫徹して常に抗告し続ける」ので、重大な人権侵害は今後とも続けられると述べます。
これまで検察庁には「人権」の感覚がないかのような態度が見られました。殆ど改善につながらない改正案で残念なことです。
(2番目の記事)
「国家情報会議」創設法が27日の参院本会議で賛成多数により可決され、成立しました。政府はインテリジェンス(情報活動)の司令塔機能強化を目指すとしていますが、その実態は首相が議長を務める閣僚級の国家情報会議を新設し、事務局を担う「国家情報局」として現在の内閣情報調査室(内調)を格上げすることが新制度の柱です。内調は基本的に警察組織。これを拡大して創設するのが国家情報局。
植草氏は、国家情報局は国内の反政府勢力の取り締まりに主眼が置かれる可能性が高く、戦前の悪名高い「特高警察」に近い存在になると考えられると述べます。
高市氏は、11月の総裁選や2月の衆院選において第一秘書が相手候補や野党候補を批判する膨大な動画を流す選挙戦法を採りまんまと成功させた疑いを、証拠を挙げて問われてもシラを切り続けています。そんな人間が議長に就く組織とは、悪い冗談としか思えません。
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検察の抗告認める高市内閣法改悪案
植草一秀の「知られざる真実」 2026年5月27日
高市内閣は検察の不正、検察の犯罪にどう立ち向かうのか。
その試金石になるのが再審制度を見直す刑事訴訟法改正。高市内閣は刑事訴訟法改正案を閣議決定して国会に提出。国会審議が始まった。
しかし、結論はすでに示されている。検察改革などまったくやる気がない。稲田朋美議員が猿芝居を打った。一部に騙された者がいたが、そうは問屋が卸さない。
稲田氏が騒いでたどり着いた結論は、裁判所の再審開始決定に対する検察抗告の「原則禁止」。
「禁止」ではなく「原則禁止」。「原則禁止」は「十分な根拠がある場合に限り」抗告を認めるというもの。これまで検察は、裁判所の再審開始決定に対して抗告し続けてきた。
そのために再審開始が大幅に遅れた。冤罪被害者の救済が致命的に遅れてきた。
検察が抗告を繰り返した理由は何であったか。
それは、再審開始が誤りであるとする検察の主張に「十分な根拠がある」ことだった。
検察は再審開始決定が誤りである「十分な根拠がある」として抗告を続けてきた。
したがって、改正法が「十分な根拠がある場合に限り」検察の抗告を認めるものになるなら、検察はこれまでとまったく同様に「十分な根拠がある」として、抗告し続ける。
稲田議員のアピールによって「原則禁止」が付則ではなく「本則」に盛り込まれたと報じられているが、付則であろうと本則であろうと、「十分な根拠がある場合に抗告を認める」ことに変わりはない。
「原則禁止という名の容認」か、「例外なき禁止」かが争点だ。
高市内閣は検察の意向に沿って「原則禁止」という「実質容認」を決めた。台本通りの展開だ。
衆議院で与党が3分の2を上回る議席を確保しているから、高市内閣が傍若無人の振る舞いを演じている。
しかし、これでは重大な人権侵害を繰り返してきた検察重大犯罪を根絶する方向への事態改善は一切見込めない。
私は日本の警察・検察・裁判所制度が前近代の状況からまったく抜け出せていないことを指摘し続けている。
私も重大な冤罪被害者である。重大な人権侵害はいまなお救済されていない。
袴田巌さんの再審無罪が確定した。姉の秀子さんの血のにじむような取り組みが冤罪無罪を勝ち取る原動力になった。しかし、これは奇跡の勝利でしかない。多くの偶然が重なり、冤罪の汚名が雪(そそ)がれた稀有なケースだ。
2009年に発生した村木厚子さん冤罪事件。検察がフロッピーディスクの捜査資料をねつ造したことが発覚して、大阪地検特捜部幹部が刑事罰を受ける重大事件に発展した。
この検察大不祥事を背景に制度改革が検討された。しかし、このときも実質的な制度刷新は実現しなかった。検察の台本通りの着地になった。
最大の焦点は取り調べ過程の可視化。かたちばかりの部分的可視化だけが決定された。
高市内閣が検察改革に背を向けるなら、主権者国民はこの内閣をASAP=”as soon as possible”で退陣に追い込まなければならない。
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令和の特高警察設置法制定
植草一秀の「知られざる真実」 2026年5月27日
インテリジェンス(情報活動)の司令塔機能強化を目指すと政府がしている
「国家情報会議」創設法が5月27日の参院本会議で賛成多数により可決、成立した。
賛成したのは与党の自民、日本維新の会、ゆ党の国民民主、公明、参政、みらい、保守の各党。
衆院では中道改革連合が賛成。参院では立民、共産、社民、れいわが反対。
首相が議長を務める閣僚級の国家情報会議を新設し、事務局を担う「国家情報局」として現在の内閣情報調査室を格上げすることが新制度の柱。
野党は国民監視の強化やプライバシー侵害を防ぐ歯止めを法律に明記するよう求めたが、政府側は必要性を否定した。政府の情報活動をチェックする具体的な仕組みはない。
日本の暗黒化が加速している。暗黒化を推進している本尊は高市早苗氏だ。
法案採決の賛否で、よ党、ゆ党、や党、の線引きが明確になった。
よ党 は 自民、維新。
ゆ党 は 国民、公明、参政、中道、みらい、保守。
や党 は 共産、れいわ、社民。
中道が衆院採決で賛成したことを主権者国民は銘記する必要がある。
内閣情報調査室は基本的に警察組織。これを拡大して創設するのが国家情報局。
日本版CIAとでも呼ぶべき組織だが、CIAとは核心が異なる。CIAは対外的な諜報活動、工作活動を軸にするが、国家情報局は国内の反政府勢力の取り締まりに主眼が置かれる可能性が高い。CIAよりも特別高等警察に近い存在になると考えられる。
日本の戦前化が加速している。自民党が提案する憲法改正は、日本の憲法を大日本帝国憲法に近づけようとするもの。日本国憲法の基本原理が消し去られる可能性が大きい。
日本国憲法の基本原理は平和主義、基本的人権の尊重、国民主権。この基本原理が改変される可能性が高い。
日本を「戦争をする国」に改変 人権は制限付きで付与 緊急事態条項によって内閣に独裁権限が付与され、国民主権は否定される。
憲法を破壊し、国民を監視する体制を強化し、戦争遂行体制を整える。
この方向に日本全体を改変する動きが加速している。
ゆ党は与党補完勢力。対米隷属も共通する。警察・検察・裁判所の前近代性も変わらない。
メディアは権力と癒着して報道機関としての責任を果たさない。
私たちはいま、文字通りの「戦争と壊憲の危機」に直面している。このなかで、検察不正に立ち向かっている元検事がいる。
大阪地検検事正だった北川健太郎被告に性暴力犯罪を受けた元検事が怒りの声をあげている。
empathy ひかり というサイトを広く拡散する必要がある。
https://note.com/unmetempathy0111
5月19日には「検察よ、逃げるな、言葉と行動に責任を持て」
https://note.com/unmetempathy0111/n/n7a64f0c68446 と題する記事を投稿されている。
国会では立憲民主党の杉尾秀哉参院議員が高市首相事務所による誹謗中傷動画発信疑惑について厳しい追及を行った。杉尾議員の追及は正当で必要不可欠のもの。これまで国会が追及してこなかったことがおかしい。
ところが、ネット上には杉尾議員を非難する記事が掲載される。
記事タイトルは「参院内閣委員会で杉尾秀哉氏が週刊誌報道を基に高市早苗首相を激しく追及! 限られた国会審議のあり方や批判をめぐる問題」https://x.gd/2d3fB
記事掲載は〝tend”。日本の情報空間の歪みを是正することが必要不可欠だ。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4429号
「国家中枢から腐敗進む日本」 でご高読下さい。
(後 略)