2019年3月3日日曜日

03- 新聞労連・南彰委員長が語る“望月記者排除”の構造(後編)(LITERA)

 官邸による東京新聞・望月記者バッシングに対して抗議の口火を切ったのが新聞労連の声明でした。その後各種団体から続々と官邸の態度を批判する声明が出されています。
 それにもかかわらず、前編によればいまも上村報道室長による同記者へのほぼ10秒ごとの妨害発言が繰り返され、同記者の質問は最後に回された上に1問だけに限定されるという、考えられないような横暴がまかり通っているということです。
 官邸記者クラブが官邸と癒着していればこうした横暴は留まるところを知らなくなるということで、現に望月記者に対するバッシングは、一部良心的な他の記者に対しても拡大しつつあるということです。
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新聞労連・南彰委員長が語る“望月記者排除”の構造(後編)
官邸の“質問締め出し”を受けているのは望月記者だけじゃない! 
記者の沈黙で日本は「質問できない国」に
LITERA 2019年3月1日
 安倍官邸が、東京新聞の望月衣塑子・社会部記者を官房長官会見から排除しようと圧力を強めている問題。ついには菅義偉官房長官が「あなたに答える必要はない」と堂々と言い放ち、“報道機関への不当な介入でも国民の知る権利をも侵害する行為でもない”とする答弁書を閣議決定までしてしまった。
 記者への圧力を正当化し、事実上「今後も弾圧をつづける」と宣言した安倍政権。そこで本サイトでは、今回、問題を最初に提起した日本新聞労働組合連合(新聞労連)の南彰委員長に緊急インタビューを実施。前編では、官邸による驚愕のフェイクニュース流布の実態まであきらかになった。
 そしてこの後編では、一体、安倍政権下でどのようにして記者による自由な質問が奪われていったのかを南委員長に語ってもらった。そこから浮き彫りになる、不都合な追及を封じ込めようとする官邸の動きと、ご都合主義の御用メディアの追随とは──。
 
●かつての官房長官会見では、質問妨害や制限が加えられることはなかった
──南委員長は、官房長官会見で500回以上、質問をおこなった経験をもっていると。以前といまとでは、どういう変化があったのでしょうか。
南 まず、記者の質問が妨害されたり、制限が加えられるような状態は、いままでになかったことです。
 僕が朝日新聞社の政治部記者として官房長官会見に入るようになったのは、2008年、自民党の福田内閣のときで、当時は町村信孝さんが官房長官を務めていました。会見場の最前列に官房長官番の記者が15〜6人並んでいるという光景は当時もいまも変わらないんですけど、違うのは、番記者の後ろの席にいる記者たちも自由に手を挙げて自由に質問し、それに官房長官も答えていたということ。僕は当時、総理番で会見に入りたてでしたけど、訊きたいことがあれば自由に質問して、町村さんもそれに対して普通に答えるし、僕の質問に官房長官番が何か言うわけでもない。それは次の麻生内閣で河村建夫さんが官房長官だったときも同じような感じでした。
 その後、民主党政権になって、僕はいちばん最後の野田内閣のときに藤村修官房長官の番記者を1年4カ月やったんですけど、そのときも後ろから普通に質問は出ていたし、官房長官番から厳しい質問が出ることも普通にありました。それがいまは、官房長官番以外の質問は減った印象がありますよね。
 
──当時、厳しい質問をして、官房長官から嫌がらせを受けるようなことはなかったんですか?
南 ないですよ。もちろん、秘書官から「南さん、あれなんですか」とか、そういう電話はしょっちゅうかかってくるんですよ。「ああやって訊くのはないんじゃないの」とか。かといって、それで萎縮するようなものではなかった。そうした記者と官邸側のせめぎ合いはつねにあるし、そのなかでどうかわしながらやっていくかというのが大事なわけですから。
 
──では、南さんが明確に「変わったな」と肌で感じたのは、いつごろですか。
南 民主党政権が終わってから僕は大阪に2年半行って、戻ってきたのが2015年9月の安保法制のときでした。でも、当時は官房長官会見で何が語られているかというのは、そんなにつぶさに見てはいなかったんです。それが、2017年に国会審議の担当をやっているときに、菅官房長官が「総理のご意向」文書のことを「怪文書のような文書」と発言するなどいい加減な質疑がつづいていて、「もうちょっと突っ込んで訊いてくれないかな」「こんな言いっ放しで終わっているとまずいのでは」と思うようになって。それでその年の6月後半くらいから会見に入るようになりました。
 
記者の質問への締め付けは、官房長官会見だけではなく総理の記者会見でも
──当時は孤立する望月記者に、南さんや、ジャパンタイムズの吉田玲滋記者が援護射撃をしていましたよね。
南 こう切り込めばもうちょっと引き出せるとか、政治部なりの技術もあるので、それを望月さんの質問に組み合わせていけばいいんじゃないかなと思ったんです。それに何より、望月さんのあとに誰かがつづかないと、官邸から分断を図られたときにこの流れは立ち消えてしまうと感じていた。しかも、断ち切られたときには、もう一回アクションを起こすことは難しいだろうと。少なくとも質問の機会を拡大して、ちゃんと追及しなくてはいけない場面だということは、記者全体で共有したほうがいいなと思っていたんです。けれども、そこがあんまり広がらなかった。
 そして、その年の8月には、官邸側が「公務がある」ことを理由に、質問数に制限をくわえるルールをつくってしまったんです。
 
──官房長官番以外の質問が減り、その質問にもまともに答えず、さらには追及の手を緩めない記者の登場に対して質問を制限する勝手なルールで縛るようになった……。
南 以前までは「説明がおかしいんじゃないんですか」と言えていたのに。しかし、記者の質問への締め付けが厳しくなったというのは、官房長官会見だけではなく、総理の記者会見でも起きています。
 総理会見というのは儀式的なところが昔からあって、総理会見では更問い(追加質問)ができないので、結局、総理の言いっ放しになってしまう。そういう部分は昔もいまも変わらないんですが、第2次安倍政権では、まず会見の回数自体が減ってしまった。たとえば、首相官邸での総理の単独記者会見は、森友・加計問題が起こった2017年は4回、昨年は3回。ちなみに前の民主党政権最後の2012年は13回です。
 しかも、総理会見では、こういうこともありました。安保法制をやっていたころと思いますが、ある記者が総理会見の前に、こういうテーマで質問しようと思っていますと官邸側に伝えていた。ところが、会見の流れが変わったので違う質問をしたら、「なんであなたはそんな失礼なことをするんですか」と、記者が怒られてしまった。
 でも、ほんとうによくなかったのは、総理の「ぶら下がり取材」をなくしてしまったことだと思うんですよ。やめたのは3.11がきっかけで、これは民主党政権の罪だと思っているんですが、それを安倍政権も踏襲した。
 総理のぶら下がりは、かなり自由にやれていたんです。もちろん、事前に秘書官が「どういう質問するんですかね」と訊いてくるんですが、絶対に応じないというグループもあって、つねに一定の活気はあった。それがスタンダードだったんです。つまり、いろんな仕掛けをして、相手を困らせながらも何かを引き出すということを、最高権力者である総理に対してやっているのだから、ましてや二番手の官房長官には、事前に通告してこいだのなんだのと言われる筋合いはないんじゃないか、という感覚です。
 その総理のぶら下がりがなくなって、総理記者会見は更問いもできないし、そもそも当てられる質問の数も少ない。そういうなかで、それまで闊達にできていた官房長官会見までもが雰囲気が変わってしまったわけです。
 
産経新聞の阿比留記者は菅直人首相の会見で直接、退陣を迫っていた
──首相に自由に質問を浴びせる機会が失われ、総理会見の儀式的な流れが官房長官会見にも波及してしまった。そしていま、その空気に抗って質問をする望月記者が排除されようとしている、と。
南 だから、これは望月さんだけの問題ではないということなんです。たとえば民主党政権のとき、産経新聞の阿比留(瑠比)さんは菅直人首相の会見で直接、「総理の存在自体が国民の不安材料になっている」「一体、何のためにその地位にしがみ付いていらっしゃるのか」と退陣を迫る質問をしていましたが、いまの状況は、そんな質問ができなくなるということなんですから。
 
──しかも阿比留記者がいる産経は、そうやって自由に質問していたのに、いまは自由に質問しようとする記者の足を引っ張ろうと、官邸に丸乗りで必死に望月記者をバッシングするような記事を流しているという……。
南 どんな政権が出てくるかはわからないから自由に質問できることは必要だ、というところは認識してほしいですよね。いいんですよ、どんな質問をしたって。ほかの人が「ちょっとやりすぎかな」っていうくらいでもいい。自由にやっておけば、ここぞというときにいろいろできるわけですから。
 それをいま、不都合な質問をする記者を官邸が締め出そうとしたり、質問する権利を無視したりするなかで、官邸側に同調する、あるいは沈黙するのは、ゆくゆくは自分たちの首を絞めることになるんです。
 実際に、最近では望月さんだけではなく、官邸が官邸記者クラブに提示した文書について質問した朝日新聞の記者や、辺野古新基地建設について質問した琉球新報の記者も、質問妨害に遭っています。
 つまり、官邸にとって都合の悪い質問は潰されていく、ということ。「質問ができない国」になるということです。
 トランプ政権がCNN記者の記者証を取り上げた際、政権寄りのFOXも異議を唱えました。新聞労連ではこのとき、ホワイトハウス記者協会と連帯するという声明を出し、〈ホワイトハウスでの出来事は、日本で働く私たちにとっても他人事ではありません〉と書いたんです。対岸の火事じゃない、いま官邸で起きていることも同じだ、と。NHKをはじめ、日本のメディアはトランプ政権のそうした問題を面白がって報じるけれど、そんな場合じゃないですよ、と。でも、そうした危機感も広がらず、ズルズルときてしまった。それがいまの現状であり、将来世代がまともに取材できる環境に変えていくための最後のチャンスなんだと思っています。
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 記者に弾圧が加えられ、フェイクニュースを流すことさえ厭わない安倍官邸。だが、これはたんに記者に対する嫌がらせや妨害ではなく、「知る権利」を踏みにじろうという国民に対する圧力・恫喝だ。そして、国民が当事者として「許せない暴挙」だと認知できなければ、このまま状況は悪くなっていくだろう。メディアはもっと大きく、さらに継続して警鐘を鳴らしつづけなくてはならないはずだ。 (取材・構成/編集部)

2019年3月2日土曜日

安倍首相が玉城デニー知事に沖縄無視・辺野古続行をあらためて宣言

 1日、玉城デニー沖縄県知事は県民投票の結果を通知するため首相官邸で安倍首相に面会し、「直接示された民意は何より重く、尊重されなければならない」、「いままさに、日本政府の民主主義が問われている」と突きつけました。
 
 それに対して安倍首相の回答は、「結果を真摯に受け止め、基地負担の軽減に全力を尽くしていきたい」、「普天間飛行場の危険な状況を置き去りにするわけにはいかない。もはや、先送りできない」という、聞き飽きた何の真実味もないものでした。
 就中「真摯に」という言葉はまことに不適当で、首相がその意味を知っているのかとさえ思わされます。そもそも最初のセンテンスと後のセンテンスの間には何の脈絡もありません。工事期間として13年(以上)が掛かる辺野古新基地の工事を進めることが、何故「先送りできないから」の解決策になるのか首相は説明できるのでしょうか。
 首相の発言は国語力の欠如と人間としての不誠実さが相俟った理解不能なものです。
 
 完成が期せずに米軍がそこの移動するかも不明な工事に、2兆円余を掛けることに何の問題意識も持たないことも大いに問題です。これまで海外に何十兆円もバラまいて来たために、そういう感覚がマヒしているのであれば即刻退場すべきでしょう。
 
 1日夜、永田町の首相官邸前では「辺野古埋めるな東京大抗議」と題した集会が開かれ、政府の不当な態度に怒った多くの市民らが駆け付けました。
 LITERAは、「安倍首相が玉城デニー知事に沖縄無視・辺野古続行をあらためて宣言!~」とする怒りの記事を出しました。 
 毎日新聞とLITERAの記事を紹介します。
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「民主主義を埋めるな」 官邸前で辺野古反対集会
毎日新聞 2019年3月1日
 東京・永田町の首相官邸前では1日夜、「#0301辺野古埋めるな東京大抗議」と題した集会が開かれた。ツイッターなどで開催を知った多くの市民らが駆け付け、米軍普天間飛行場の移設計画に伴う名護市辺野古沿岸部の埋め立て工事をすぐにやめるよう訴えた。 
 
 集会が始まった午後7時半には官邸前の歩道に三重、四重の長い列ができた。「民主主義を埋めるな」「辺野古に基地はいらない」と書かれたプラカードを手に、太鼓の音に合わせて「辺野古を埋めるな」「安倍(晋三首相)は辞めろ」と声を上げ続けた。 
 会場では、約9万人分の有効署名を集めて県民投票の実施を求めた「『辺野古』県民投票の会」の元山仁士郎代表(27)がマイクを握った。元山さんは、県民投票で「反対」が7割超を占めたにもかかわらず、安倍首相が埋め立てを進めようとしていることを踏まえ、「残念ながら沖縄の意思は形になっていない。(政府による)いじめの状態を終えなければならない」と強調。「みんなで知恵を出せば、辺野古以外の選択肢も生まれるはずだ。今回の問題について立場が違う人とも話し合ってほしい」と参加者に呼び掛けた。 
 
 仕事帰りに半年ぶりに抗議集会に参加した東京都西東京市東伏見4の会社員、後藤大輔さん(40)は「私は辺野古新基地建設に反対します」とのプラカードを持参した。「沖縄に行ったことはないが、基地負担を沖縄にばかり押しつけるのはおかしいと思っている。沖縄の民意が明確になったのに、その声を聞かない安倍首相の態度に腹が立つ」と話した。【川村咲平】 
 
 
安倍首相が玉城デニー知事に沖縄無視・辺野古続行をあらためて宣言! 
小林節は「県民投票には憲法上の拘束力ある」と指摘
LITERA 2019年3月1日
 「直接示された民意は何より重く、尊重されなければならない」
 「いままさに、日本政府の民主主義が問われている」
 辺野古新基地建設について7割超が「反対」という民意を示した県民投票の結果を通知するため、本日、玉城デニー沖縄県知事が首相官邸で安倍首相と面会し、このように突きつけた。
 しかし、安倍首相の回答は、県民投票をまったく無視した冷酷なものだった。
「結果を真摯に受け止め、基地負担の軽減に全力を尽くしていきたい」
「(普天間飛行場の)危険な状況を置き去りにするわけにはいかない。もはや、先送りできない」
 
 玉城知事は安倍首相との面会のあと、外国人特派員協会でおこなわれた会見において、「安倍総理からポジティブな意見はなかった」と語った。
 辺野古埋め立ての賛否を問うシングルイシューの県民投票によって明確に示された民意を「真摯」に受け止めるのであれば、辺野古での工事をまずは即刻中断、断念し、その上で普天間の県外・国外移設など別の案を政府として検討、沖縄県に提案するのが筋であり、それではじめて「真摯」と言える。
 それがどうだ。結局、安倍首相は県民投票前から言いつづけている「普天間の危険除去」を理由にして、工事続行を正当化するだけ。だが、辺野古に新基地ができてもそれだけでは普天間は返還されない上、水深90メートルにも達する軟弱地盤に約7万7000本もの杭を打つという、世界的にも例がないとされる途方もない地盤改良工事について、その工期も工費もあきらかにされてはない。
 
 にもかかわらず、政府は県民投票の翌日も辺野古の海に土砂を投入し、軟弱地盤がある大浦湾側でも護岸工事をおこない、さらに警察は抗議する市民たちを強制排除するという暴挙に出た。これこそが、沖縄県民の民意に対する、安倍首相の答えなのだ。
 しかも、耳を疑ったのは、岩屋毅防衛相の発言だ。2月26日におこなわれた閣議後会見で、岩屋防衛相は安倍首相と同じ主張を繰り返した上、こう言い放ったのである。
「沖縄には沖縄の民主主義があり、国には国の民主主義がある」
 民主主義に則って実施された県民投票によって沖縄が示した結果に対し、「国の民主主義は違う」と切り捨てる──。この発言は「沖縄」と「本土」の分断をはかるだけでなく、この「国」の民主主義というのは主権者たる国民の声を政府は無視して勝手にできる、と言っているようなものではないか。
 
 それだけではない。安倍首相は「真摯に受け止める」と言って憚らないが、安倍首相の意向に沿った報道に終始する政権に近いメディアは、見事に県民投票の結果を矮小化。NHKは“「反対」は全有権者の約37%しかない”と印象操作するような付ける報道をおこない、読売新聞は「投票率52% 広がり欠く」「『反対』最多 影響は限定的」と見出しを立てた。
 もっと露骨だったのは、フジテレビ解説委員・平井文夫氏の主張だ。平井解説委員は「FNNプライムオンライン」において〈(「反対」票を投じたのは)全有権者の中の割合を見ると38%、4割弱に過ぎない〉〈投票に行かなかった54万人を巧妙に無視している〉などと主張。「投票結果報道はフェイクニュース」「トリックに騙されるな」と無茶苦茶な論理を展開したのだ。
 こうした意見はネット上でもネトウヨが振りかざしているものだが、その論でいえば、安倍政権こそ“トリックを利用したフェイク政権”ということになるではないか。実際、憲法学者の小林節・慶應義塾大学名誉教授はこう反論している。
 
小林節は「県民投票には憲法上の拘束力がある」と安倍政権の対応を問題視
「先の衆院選小選挙区で自民党の小選挙区での得票率は47%余りで全有権者に占める割合は約25%にとどまった。それにもかかわらず約74%の議席を獲得した。安倍政権が県民投票の獲得票の割合が低いと言うのであれば自己矛盾になる」(琉球新報2月28日付)
 さらに、小林名誉教授は、安倍首相が県民投票の結果を無視していることに対しても、重要な指摘をおこなっている。
「県民投票には憲法上の拘束力がある。政府には憲法の趣旨に従って『少なくとも県外への移設』を追求すべき義務がある」
 小林氏によると、憲法95条では「ひとつの地方自治体のみに適用される国の法律は、その自治体の住民投票で過半数の同意を得なければならない」と定めており、「辺野古への米軍基地移設は形式上は『法律』ではないが、中央から地方へのいじめをしてはならないという憲法の趣旨からすれば、政府が過重な負担を沖縄に押し付けてはならないという規範が95条の法意だ」と解説するのだ。
 
 安倍首相が県民投票の結果を無視し、強権的に工事を続行させることは、断じて許されない。無論これは、日本全体の問題だ。
 工事の見通しも立たない状態であるというのに「辺野古が唯一」と筋が通らない主張を繰り返す安倍首相のやり方を、国民は認めるのかどうか。そしてなにより、県民が示した民意を政府がまるで無視するという暴挙を、それを「この国の民主主義」と言ってのける政権を、受け入れるのかどうか。いま、日本全体がこの問題を突きつけられているのである。
 きょう、いままさに首相官邸前では、「辺野古埋めるな東京大抗議」と題した抗議活動がおこなわれ、多くの市民が安倍首相による沖縄への蛮行に反対の声をあげ、沖縄の民意に向き合うことを求めている。
 沖縄に対して安倍首相が振るいつづける暴力を見過ごすことは、わたしたちは安倍政権の加担者になることを意味する。いまこそ「沖縄への暴力をやめろ」と、「本土」こそが民意を叩きつけなければならない。(編集部)

韓国で「三・一独立運動」100周年記念式典

「三・一独立運動」100周年に当たる1日、韓国ソウルで記念式典が行われ、光化門広場には約1万人の市民が集まりました。式典で文大統領は、独立運動当時、朝鮮人の10%が逮捕され多数が死傷したにもかかわらず、朝鮮人の攻撃で負傷した日本人は一人もいなかったと平和的な運動だったことを強調しました。
 
 100年前(1919年・大正8年)の3月1日、日本の植民地支配下にあった朝鮮のソウルのタプコル公園で、「われらはここに、わが朝鮮国が独立国であること、および朝鮮人が自由の民であることを宣言する」という独立宣言書が朗読されました。宣言は「東洋の平和、世界平和のために朝鮮の独立が必要」とし、非暴力で闘うことを公約にしました。
 独立運動は瞬く間に全土に広がり、3月~5月にかけてデモに参加した人数は205万人、デモの回数は1,500回余とされています。しかしその後、日本が憲兵や巡査、軍隊を増強して激しい武力弾圧をしたので、朝鮮国民の中に多数の死傷者が出ました。
 
 しんぶん赤旗の「きょうの潮流」と「主張 朝鮮三・一運動100年 歴史の過ち直視し未来志向へ」を紹介します。
(「きょうの潮流」の原文は句点と改行を省略した文体になっていますが、ここでは句点と改行を行い、適宜、行明けもしました)
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きょうの潮流
 しんぶん赤旗 2019年3月1日
 沈黙のパートナー。100年前、第1次世界大戦を終わらせるために開かれたパリ講和会議。戦勝国の一員として国際舞台に登場した日本はそう呼ばれました。
 米英仏が主導した会議ではほとんど発言できず、存在感の薄さが際立ちました。その後、秩序づくりに腐心する国際社会からも外れ、アジアへの侵略をいっそう加速させていきました。
 独立万歳(トンニプマンセー)! 1919年3月1日、日本の植民地支配下にあった朝鮮で独立運動がわき起こります。ソウル中心部にある公園では宣言書が読み上げられ、運動は日本の憲兵や軍による激しい弾圧にあいながら瞬く間に全土にひろがっていきました。
 のちに、この運動について韓国を代表する詩人の金芝河(キム・ジハ)が語っています。「あの日、私たちは、あなたたち日本民族を単に仇敵(きゅうてき)として復讐(ふくしゅう)しようとしたのではなく、残忍無道な加害者であるあなたたち日本民族をも同時に救うことを念じたのです」。
 
 民族の自決や人類の平等、東アジアの安定を求めた独立宣言から1世紀。いま日韓の両国関係は冷え込んでいます。根っこにあるのは、歴史の過ちを省みない安倍政権の姿勢です。「未来志向」をいいながら平和への動きのなかでも孤立しています。
 
 現代によみがえる宣言書は高らかに。「武力をもって人びとを押さえつける時代はもう終わりである。過去のすべての歴史のなかで、磨かれ、大切に育てられてきた人間を大切にする精神は、まさに新しい文明の希望の光として、人類の歴史を照らすことになる」
 
 
主張 朝鮮三・一運動100年 歴史の過ち直視し未来志向へ
 しんぶん赤旗 2019年3月1日
 100年前の1919年3月1日、日本の植民地支配下にあった朝鮮の京城(現・ソウル)で独立宣言書が発表され、街頭で「独立万歳」を叫ぶ示威行動が全土に広がりました。「三・一独立運動」です。宣言書は、独立が民族自決の正当な権利であるだけでなく「東アジアの平和を重要な一部とする世界の平和、人類の幸福に必要となる階段」であり、「日本を正しい道に戻して、東アジアを支えるための役割を果たさせようとするもの」と強調しました。三・一独立運動は、日本との真の友好と平和のための協力に向けた展望までも先取りしたことを示しています。
 
国民間の理解と交流深め
 三・一独立運動は激しい弾圧を受けましたが、45年の日本の敗戦による朝鮮の解放、65年の日韓国交正常化を経て、98年に金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相が発表した「日韓パートナーシップ宣言」で三・一独立運動が示した展望は実現へ大きな一歩を踏み出しました。植民地支配に対する「痛切な反省と心からのお詫(わ)び」を日韓の公式共同文書として初めて明記するとともに、「和解と善隣友好協力に基づいた未来志向的な関係を発展させる」ことを約束したのです。
 日本が歴史の過ちを直視した上で、友好と協力を深めようと合意したという点で、真の「未来志向的な関係」に向かう出発点に立った画期的な共同宣言でした。
 
 しかし、日本の首相や閣僚による靖国神社参拝、日本軍「慰安婦」に加え、最近では徴用工問題が浮上し、歴史問題が日韓関係をこじらせています。日本政府は65年の日韓請求権協定、2015年の「慰安婦」問題についての日韓外相合意を挙げて、植民地支配下の朝鮮半島出身者の被害は全て「解決済み」の一言で片づける態度です。
 政府間の外交合意があるとはいえ、被害者一人ひとりが抱える深刻な心の傷を癒やしてこそ「解決」と言えるはずです。日本政府の姿勢は、そこからかけ離れていると言わざるを得ません。
 
 政府間関係が冷え込んでいる一方、国民レベルの交流と相互理解は著しく進展しています。「韓流」はすっかり日本に定着し、世界的スター「防弾少年団(BTS)」が昨年11月から日本で行った9公演には、38万人のファンが詰めかけました。韓国の最大手書店で09年から10年間に最も売れた小説は東野圭吾の127万部、2位は村上春樹の100万部です。昨年、訪韓した日本人は295万人、訪日した韓国人は753万人、初めて合計1000万人を超えました。
 日韓パートナーシップ宣言が指摘している通り、「政府間交流にとどまらない両国国民の深い相互理解と多様な交流」が日韓協力の基礎になります。
 
協力し平和への大転換を
 困難を抱えつつも朝鮮半島で平和への激動が始まりました。朝鮮半島の非核化、恒久的な平和の構築が進めば、戦争の脅威にさらされてきた北東アジアは、平和と繁栄の地域へと一変します。三・一独立運動が目指した「東アジアの平和を重要な一部とする世界の平和」への旅程が始まろうとしています。日韓両国政府も協力して、北東アジアの平和と安定に向けた大転換を促進すべきときです。三・一独立運動100年を機に、日本政府が歴史を直視する誠実な姿勢を取り戻すことを求めます。

新聞労連・南彰委員長が語る“望月記者排除”の構造(前編)(LITERA)

 官邸による“東京新聞・望月記者ハラスメント”問題について、LITERAが新聞労連・南彰委員長にインタビューしました。
 後ろの方で出てくる官邸による南委員長に対するデマ攻撃は絶対に許されないことですが、安倍内閣であれば如何にもありそうなことです。
 記事は長文で前・後編に分かれているので、まず前編を紹介します(後編は3日に掲載します)。
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新聞労連・南彰委員長が語る“望月記者排除”の構造(前編)
菅官房長官の質問拒否だけじゃない、官邸の“望月記者ハラスメント”の実態!  不倫デマまで流して記者を分断
LITERA 2019年3月1日.
 東京新聞の望月衣塑子・社会部記者に対する安倍官邸の“弾圧”が、日に日に激しさを増している。昨年12月28日に内閣記者会(官邸記者クラブ)に提示された望月記者を排除しようとする“圧力文書”に対し、今年2月5日に日本新聞労働組合連合(新聞労連)が〈記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭めるもの〉だとして抗議声明を出したことをきっかけに官邸の報道圧力に批判の声があがったが、菅義偉官房長官は国会でも望月記者への敵意を剥き出しに。
 
 さらに、2月26日の記者会見では、望月記者が“圧力文書”について「我が社以外のメディアにもこのような要請をしたことがあるのか。また、今後もこのような抗議文を出しつづけるおつもりなのか」と質問すると、菅官房長官は「この場所は記者会見の質問を受ける場であり、意見を申し入れる場所ではありません」と返答。「意見」などではなく明確な「質問」をおこなったのにそれを拒絶し、重ねて望月記者が「この会見は一体何のための場だと思ってらっしゃるんでしょうか」と問うと、強い口調でこう言い放った。
「あなたに答える必要はありません」
 これは「気にくわない相手の質問は拒絶して当然」という職責の放棄であると同時に、国民の「知る権利」を蔑ろにする権力の暴挙だ。この回答について、翌27日の会見で菅官房長官は「これまで国会やこの記者会見の場でも累次にわたって『官房長官記者会見は記者からの質問に対し政府の見解・立場を答える場である』というふうに述べてきた。ですからそのことを、あえて繰り返さないとの趣旨だった」と言い繕ったが、「この会見は何のための場と考えるか」と見解を問う質問を拒絶しておきながら、こんな言い訳が通用するはずがない。
 
 しかも、この菅官房長官の回答拒絶は、望月記者のみならず、すべての記者に突きつけられた“宣戦布告”だ。にもかかわらず、驚いたことに官邸記者クラブは、会見をボイコットするでもなく、それどころか抗議文さえいまだ出していない。
 国民の知る権利を守るため、国民の代表として権力を問いただす任を負っているはずの記者たちが、その権利を脅かされているというのに沈黙してしまう──。いま、官邸記者クラブはどうなっているのか。そして、どうしてこのような構造が生まれたのか。さらに記者を萎縮させるために官邸はどのような手段に出ているのか。官房長官会見で500回以上質問をおこなった経験をもち、今回の望月記者排除問題を提起した新聞労連・南彰委員長に話を聞いた。
 
●望月記者への「あなたに答える必要はない」は菅官房長官の本音
──まず、菅官房長官の「あなたに答える必要はない」発言、南委員長はどう受け止めましたか。
南 あれは菅さんの本音がそのまま出てしまった、という感じですよね。菅さんは2017年8月8日の会見でも、望月さんの質問に「ここは質問に答える場所ではない」という暴言を吐いているんですが、今回も、不都合な質問や自分の意に沿わない記者が質問したものに対しては答えたくない、という彼の姿勢が如実に表れてしまったんだなと。
 そもそも、質問されて説明ができないのであれば、菅さんは権限を持つなという話なんです。ここまで官邸の権限を肥大化させ、それを行使しておきながら「忙しいから説明はほどほどで」というのは道理が通らない。
 
──その上、2月15日には、安倍政権は〈(官邸が)申入れを行ったことが「報道機関への不当な介入」及び「記者の質問権のみならず国民の知る権利をも侵害する行為」であるとの御指摘は当たらない〉という答弁書を閣議決定までしました。これはもはや「これからもガンガン行くぞ」という脅しでは……。
南 そう、今後も妨害はあると完全に正当化してきたということです。しかも、官邸は申し入れ前に官邸記者クラブに対して望月さんの排除を求める要求を水面下でおこなっていたようなのですが、これを記者クラブ側は突っぱねた。そのため、官邸からの申し入れを「受けていない」という立場なんですが、ところがこの答弁書では〈申入れを行った〉となっているんです。自分たちは申し入れを受け取っていないのに、申し入れをおこなったとなっているのだから、官邸記者クラブはそこで抗議するチャンスがあった。でも、その閣議決定の重要性に反応しきれなかった感じですよね。
 
記者クラブでは望月記者と喋っているのを見られたくない、という萎縮も
──やはり、ここまで菅官房長官をはじめとする官邸にやりたい放題、言いたい放題にされてもなお、官邸記者クラブが明確に「官邸のやり方はおかしい」と非難の声をあげていないことには、多くの人が違和感をもっていると思います。先日、共同通信が配信した記事では、〈官邸記者クラブのある全国紙記者〉による「望月さんが知る権利を行使すれば、クラブ側の知る権利が阻害される。官邸側が機嫌を損ね、取材に応じる機会が減っている」というコメントが掲載され、約5時間後に共同がこの箇所を削除。しかも、その削除理由が〈内容を見た加盟社から電話が入り、記者クラブと官邸が癒着していると思われる恐れがあると指摘を受けた〉ことだったと神奈川新聞が暴露しました。全国紙記者のコメントはもちろん、「癒着していると思われる恐れ」という指摘で削除してしまう共同もどうかしているとかしか言いようがない。どうして、こういう状態になっているんでしょうか。
南 まず、あの全国紙記者のコメントは、「みんなの知る権利を守っていくにはどうしていけばいいのか」と考えなければいけないところを、自分の目先の取材のことしか見ていないという意味で最悪です。その上、「機嫌を損ね」って……。ご機嫌取りのための取材をしているのか、という話ですよ。当初、原稿に盛り込んでいた共同の記者には、そのおかしさを世の中に問いかけようという思いがあったと思います。
 でも、官邸クラブ員からこうしたコメントが出る背景には、官邸からメディア側に対するプレッシャーのかけ方が、いままでの政権よりもひどいという状況もあります。なかでも官房長官の番記者にとっては、人事や政局など重要な情報を菅さんに確認できる関係を持っているかというところで評価を問われる。それを官邸はわかった上で、どんどん締め付けているという。
 あともうひとつあるのは、クラブ内で望月さんに対する評価が二分されているということ。それがこの問題をややこしくしていると思います。
 
──評価が二分されている、というのは?
南 望月さんが官房長官会見で質問するようになったのは加計問題が盛り上がっていた2017年の6月で、8月くらいまでの時期は、会見は望月さんの独壇場のような状態でした。実際、そうした追及によって「総理のご意向」文書の再調査に追い込んだわけで、そのときは「やられたな」と思ったし、「こういうやり方があるのか」と思った記者はかなりいた。ただ一方で、望月さんも当時は冗長な質問もあったり、あと政治部と社会部という流儀の違いもあったりで、わだかまりが生まれてしまった。それがまだ解消されていないように思います。
 しかし、望月さんの質問も、当時といまでは変わっていて、いまは望月さんの質問が最後に追いやられ、さらに「次の質問最後でお願いします」と制限を受けている。だから、1問しか質問できないというところで、望月さんも相当絞りに絞って質問している。でも、記者のなかにはそういう最初のころの印象を引きずっている人も多い。
 
──たしかに、いまは望月記者の質問時間はほかの記者にくらべて長いわけではないんですよね。つまり、官邸の上村秀紀報道室長が「簡潔にお願いします」と質問に割って入る行為は、質問妨害であるのと同時に「質問が長い」と思わせるための印象操作でしかない、と。
南 そこには、官邸からの記者に対する刷り込みもあると思います。たとえば、記者会見が終わったあと、官房長官番の記者はバックヤードで菅さんを囲んで会見内容の補足説明を受けたり確認をしたりするんですが、その場からして菅さんが不機嫌なのはみんな感じているし、菅さんもそこで望月さんの質問に対する不満を口にしている。そうやって菅さんの番記者をやっていく中で「望月さんはおかしい」と刷り込まれつつある人もいるし、「さすがに言い過ぎでは」と諫めるようなことも言えない。ましてや望月さんと一緒に喋っているようなところを見られたら大変なことになる、という萎縮も働いている。
 
──それって、学校でスクールカースト上位の影響力をもつ生徒が「あいつは気にくわないからハブろう」と、いじめをけしかける構図と同じじゃないですか……。
南 実際、新聞労連だけではなくて民放労連なども入ったマスコミ全体の労働組合の集まりである日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)が2月18日に出した声明では、〈一連の首相官邸の行為は、権力者による記者に対するハラスメント(いじめ、嫌がらせ)行為です〉と書いてあるんですね。もちろん、いちばんいけないのは、ハラスメントをしている菅さんです。でも、それを記者たちが指摘できない、言い出せない状況があるということです。
 
新聞労連の声明に官邸スタッフが“望月と不倫関係”とフェイク攻撃
──そうした官邸記者クラブの黙認姿勢というか腰の引けた感じがあるために、社会でも官邸に対して「こんなことを許していていいの?」という空気が生まれない原因になっている気がします。しかも、申し入れにあった望月記者の質問に「事実誤認」があったというのは虚偽の主張であるにもかかわらず(詳しくは既報を参照 https://lite-ra.com/2019/02/post-4548.html)、ネット上ではそれが望月記者の排除を正当化する材料にされています。
南 たしかに、官邸はいま、いろんな情報を流しています。たとえば、今回、新聞労連が声明を出しましたよね。そのことについて、じつは官邸のスタッフが、記者に対して“望月さんと僕が不倫関係にあるから声明を出したんだ”と説明しているようなんです。「あいつらはそういう関係なんだ」と。
 
──えっ? それ、ほんとうなんですか?
南 不倫関係になんてあるわけがないじゃないですか。まったく根も葉もない、事実無根です。
 
──いやいや、そうではなくて、官邸側がそういう情報を流しているんですか?
南 政治部の記者のメモになって流れているんですよ。情報戦は多かれ少なかれ永田町界隈ではある話ですけど、まさかこんな話をでっち上げるとは……。記者には「そういう人たちにあなたは関わるの?」と揺さぶりをかけ、一方でこうしたフェイクニュースがネットで流れはじめ、バッシングが加速するという図式ですよね。
 
──前川喜平・元文科事務次官の“出会い系バー通い”報道にも「官邸はここまでやるのか」と仰天しましたが、あまりにもゲスすぎる……。
南 そのうち、この不倫の話もネットで流れるかもしれませんが、先に断言しておきます。それは官邸発のフェイクニュース、誹謗中傷です。(つづく)
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 記者の活動に圧力をかけるために、でっち上げのフェイクニュースまで流す──。まったく恐ろしい話だが、南委員長は「記者の質問が妨害されたり、制限が加えられるような状態は、いままでになかったこと」だという。一体、安倍政権はどのようにして官邸記者会見を変えていったのか。インタビュー後編では、その問題にスポットを当てたい。
(取材・構成/編集部)
 
 【プロフィール】
南彰●1979年生まれ。2002年、朝日新聞社に入社。2008年から東京政治部、大阪社会部で政治取材を担当。2018年9月より新聞労連に出向、中央執行委員長を務める。共著に『安倍政治100のファクトチェック』(南彰、望月衣塑子/集英社新書)、『ルポ・橋下徹』(朝日新聞大阪社会部/朝日新書)がある。

02- 桟橋に土砂 業者・防衛局とも県に非協力(東京新聞)

 東京新聞の<税を追う>シリーズでは、今回、土砂納入業者・琉球セメントが所有する安和桟橋の敷地に昨年12月から置かれている4250m3の「赤土混じりの土砂」(県環境部)を取り上げました。
 沖縄県は赤土等流出防止条例に基づく届け出を業者に要請しましたが、同社は応じずに別の土砂を納入し、積み荷は3カ月前から動きがありません。
 沖縄防衛局も県に対して非協力で、土砂搬出場所の変更届をせず、土砂の性状検査結果の提出にも応じず、立ち入り検査も拒否しています。
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<税を追う> 辺野古 桟橋に土砂のナゾ 県の届け出要請に応じず
東京新聞 2019年3月1日
  
  【写真説明】埋め立て用土砂を積み出している琉球セメントの桟橋内に、ブルーシートで覆い保管したままになっている土砂とみられる積み荷=2月6日
 
 沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設で、埋め立て用土砂を搬出する桟橋に、昨年十二月から土砂とみられる大きな積み荷が置かれたままになっている。県は当初、この土砂が海に投入されるとみて、県赤土等流出防止条例に基づく届け出を納入業者の琉球セメント(本社・同県浦添市)に要請したが、同社は別の土砂を納入し、積み荷は三カ月前から動きがない状態だ。県は「防衛省の意向で埋め立てを急ぐため、届け出を回避して土砂をそのままにしたのでは」とみている。 (望月衣塑子)
 
 県は昨年十二月三日に防衛省沖縄防衛局から埋め立て開始の通知を受け、現場を立ち入り検査。琉球セメントが所有する安和(あわ)桟橋(名護市)の敷地内に、埋め立てに使うとみられた広さ四千二百五十平方メートルの「赤土混じりの土砂」(県環境部)を見つけた。
 沖縄県では、赤土を含む土砂による環境汚染を防ぐため、事業者が千平方メートルを超える敷地に土砂を積む場合、流出を防ぐ対策を取るよう指導している。事業者は条例に基づき、流出防止施設の構造図や残土や赤土などの処分計画書、事業行為の理由書などを提出しなければならない。
 届け出がなかったため、県は琉球セメントに求めたが、同社は「土砂ではなく石材の堆積。事業行為にも当たらない」として応じていないという。安和桟橋に置かれたままの積み荷には、雨などで土砂が流れ出ないように、大きなブルーシートがかぶせられている。
 
 県の指摘後、同社は近くの安和鉱山から、埋め立て用の土砂をベルトコンベヤーなどで桟橋に順次運んでいる。土砂は桟橋から船で十八キロ南東の辺野古沖合に運ばれ、昨年十二月十四日から海に投下されている。
 沖縄防衛局は当初、本部(もとぶ)港(同県本部町)から土砂を搬出する計画だったが、台風で港の一部が壊れて使用できなくなったため、安和桟橋に変更した。県は、搬出場所の変更には知事の承認が必要と主張しているが、防衛局は変更承認は必要ないと対立している。
 
 埋め立てに使われている土砂についても、県は「大量の赤土が含まれている疑いがある」として沖縄防衛局に性状検査結果の提出を要請したが、防衛局が提出したのは一年半~二年半前の検査結果だった。県は引き続き立ち入り調査を求めているが、防衛局は応じていない。
 県の担当者は「桟橋の積み荷が石材でないのは明らか。条例上の対策含め、きちんと届けを出してほしい」と話している。
 防衛省は「積み荷の土砂は、現在は埋め立てに使っておらず、その後、どうなっているか把握できていない」と話している。
 琉球セメントは本紙の取材に回答していない。