2022年3月3日木曜日

03- 最大ゆ党 維新躍進のカラクリ(1)~(3)(日刊ゲンダイ)

 日刊ゲンダイに「最大ゆ党 維新躍進のカラクリ」と題する連載記事が載りました。

 著者は冨田宏治・関西学院大法学部教授で、核兵器問題にも詳しく、原水禁止世界大会起草委員長も務めました。維新については3年程前に論考「維新政治の本質─その支持層についての -考察- 」(「住民と自治」667号=自治体問題研究所)を発表しにわかに注目を浴び、この3月3日には「維新政治の本質─組織化されたポピュリズムの虚像と実像」(あけび書房)を刊行する予定です。
 日刊ゲンダイの連載記事は通常週1ペースなのですが、この連載は連日掲載されて維新についての本格的な分析が展開されています。
 最初の3回分を紹介します。
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最大ゆ党 維新躍進のカラクリ(1)
「維新という妖怪の」正体は格差を分断に転化し、さらに組織化に成功したこと
                       日刊ゲンダイ 2022/03/01
 昨年10月の衆院選で日本維新の会とその中核を担う大阪維新の会(以下、維新と略す)は、前回総選挙の11議席から41議席へと“躍進”し、一躍全国からの注目を集めている。10年以上にわたって大阪の地方政治を牛耳り、橋下徹氏というタレント政治家に率いられた、ある種キワモノ的な政治勢力というイメージの強い維新ではあるが、その“ひとり勝ち”とも言えそうな“躍進”に「維新って何者?」「なぜ、そんなに強かったの?」という疑問が湧き起こったのも不思議ではない。
 維新の本拠地たる大阪ではいざ知らず、お隣の京都や神戸ですら、大方の人びとにとって維新は未知なる存在だ。それどころか、「貧困と格差に喘ぎ、現状打破を求める若年貧困層の支持を集めている」などという都市伝説めいた謬説がまことしやかに流布されている。マルクス・エンゲルスの「共産党宣言」ではないが、「一匹の妖怪が大阪を歩き回っている─維新という妖怪が」といったところだ。
 3年ほど前に発表した「維新政治の本質─その支持層についての一考察─」(「住民と自治」667号=自治体問題研究所)という論考がにわかに注目を浴び、本紙の「注目の人直撃インタビュー」(2021年12月3日付)に取り上げていただくことともなったのだが、筆者はこの間、この「維新という妖怪」の正体を見極めようと努めてきた。その成果は、「維新政治の本質─組織化されたポピュリズムの虚像と実像」(あけび書房=3月3日刊行予定)という近刊にまとめたところでもある。

 筆者の見極めた「維新の正体」とは、巷にはびこる都市伝説めいた「定説」とは真逆といっても良いものだ。維新とは、「新自由主義的『改革』により、自らが絶望的なまでに拡大してきた貧困と格差を深刻な分断へと転化し、その分断を繰り返される選挙を通じて固定化し、組織化することに成功したモンスター的集票マシンにほかならない」というものである。そして維新が組織化し、固定化することに成功した支持層とは、税や社会保険料などの高負担に不満を募らせ、自分たちの払ったお金を食い潰す「年寄り」「病人」「貧乏人」への敵意や憎悪をあおられた「勝ち組」意識を抱く中堅サラリーマン層や自営上層の人びとにほかならない。意外に思われる向きも多かろう。本連載を通じて、大方の疑問を解き明かしていきたい。(つづく)

冨田宏治 関西学院大学法学部教授
1959年、名古屋市生まれ。名古屋大法学部卒。名古屋大法学部助手、関西学院大法学部専任講師、助教授を経て99年から現職。専門は日本政治思想史。原水爆禁止世界大会起草委員長も務める。「核兵器禁止条約の意義と課題」など著書多数。共著「今よみがえる丸山眞男」を2021年12月に上梓。


最大ゆ党 維新躍進のカラクリ(2)
維新はコロナ禍で「唯一の新自由主義政党」の立ち位置を確保した
                          日刊ゲンダイ 2022/03/02
 昨年10月の衆院選は、安倍-菅自公政権がコロナ失政の揚げ句、2代続けて政権を投げ出すという異常事態の中で行われた。
 コロナ禍は、アベノマスクに象徴されるような愚策のオンパレードだった安倍-菅自公政権の政治的無能さを暴き出しただけではない。小泉「構造改革」以来、20年にわたる新自由主義的政治がもたらした貧困と格差の拡大や医療体制の絶望的な脆弱化といった問題を白日の下にさらしたのだった。
 昨年8月には12万人に迫る自宅療養者(という名の自宅放置者)を出した医療崩壊の現実とともに、一昨年には女性の自殺者が劇的に増加したこともまた、コロナ禍が暴き出した日本社会の大きなひずみのひとつだった。コロナウイルスは決して平等主義者ではない。この社会の最も弱い人々を襲うのだ。
 さすがの自民党でも、総選挙に先立って行われた総裁選で、岸田文雄現首相が新自由主義との「決別」をほのめかさざるを得なくなる。「新しい資本主義」とやらの内実はいまだに見えてこないが、新自由主義からの脱却を旗印に打ち立てた立憲民主党や共産党だけでなく、自民党までもが新自由主義を否定しようとしたことは大きい。コロナ禍がもたらした重要な変化だ。
 こうした状況のもと維新は、「唯一の新自由主義政党」という立ち位置を確保した。松井一郎代表は岸田首相の所信表明演説を受けて、「新自由主義からの脱却とか、そこが全然よく分からんかった」とコメントした。「松井はそもそも新自由主義という言葉を知らんのだろう」などと笑いのネタにし、揶揄する向きもあった。しかし、維新に対するこうした過小評価は禁物だ。維新は自民から共産までの日本の政党配置の中で、自分たちが唯一の新自由主義政党となったことを十分に自覚しつつ、そのことを固い支持層にはっきりとアピールしようとしたのである。

信奉者にオルタナティブ刷り込み
 こうしたアピールによって、維新は「勝ち組」意識を持つ中堅サラリーマン層らのコアな支持層に安心感を与えるとともに、自民支持層の中に確実に存在する新自由主義を堅く信奉する人々との間にオルタナティブ(⇒代案・対置者)としての自らの姿を刻み込むことに成功したのだ。「維新さるもの」である。
 こうして総選挙投開票日翌日の米誌ニューズウィーク(電子版)が「それでも日本人は新自由主義を選んだ」と評したような結果がもたらされたのだ。とはいうものの、これは事柄の一面でしかない。(つづく)


最大ゆ党 維新躍進のカラクリ(3)
吉村知事を「イケメンやし、頭もええわ!」とアイドル扱い コロナ失政の実態はかき消された
                          日刊ゲンダイ 2022/03/03
 コロナ禍のもと自民党から共産党までが新自由主義否定の旗を掲げようとする中で、唯一の新自由主義政党という立ち位置を手にした維新だったのだが、その本拠地・大阪は惨憺たる状況になっていた。詳しくは次回で触れるが、新自由主義の権化・維新が10年以上もの間牛耳ってきた大阪におけるコロナ禍の深刻さは尋常ではなかった。差し当たり1つだけエビデンスを挙げれば、昨年11月21日現在の100万人当たりのコロナ死者数は、全国平均147人に対して、大阪府は348人で平均の2.4倍。大阪市に至っては484人で、その3.3倍にも上ったのだ。「#大阪維新に殺される」という発信がSNS上を飛び交っていたのである。
 そもそも初動においてコロナウイルスを甘く見て、2020年3月の3連休前に、松井市長が「花見解禁」をぶち上げて大ひんしゅくを買った維新である。その後も安倍ー菅自公政権に勝るとも劣らぬコロナ失政のオンパレードとなっていた。

■橋本徹氏のモーレツ擁護で「やってる感」を醸し出す
 見るに見かねた創業者の橋下徹氏が、おもむろにテレビに復帰して以来、吉村府知事と入れ代わり立ち代わり、連日のテレビジャックを繰り広げることとなった。
 当初こそは〈大阪府知事時代、大阪市長時代に徹底的な改革を断行し、有事の今、現場を疲弊させているところがあると思います。保健所、府立病院など〉(20年4月3日)とツイートするなど殊勝に振る舞っていたものの、在阪テレビ局の情報番組に出ずっぱりになるや、橋下、吉村両氏は自分たちの失敗は棚に上げ、安倍ー菅自公政権のコロナ失政を手厳しく批判しつづけた。そして、「やってる感」を最大限に醸し出すことに成功したのである。
 口下手の極みともいうべき菅義偉首相(当時)と口から先に生まれたとしか思えない橋下氏や吉村知事との対比はあまりにも鮮やかだ。にわかに吉村人気が沸騰する。吉村氏の目に隈ができていれば「#吉村寝ろ」の書き込みがSNS上に躍り、「吉村さんはイケメンやし、頭もええわ!」などと黄色い声が飛び交う。もはやアイドル並みの扱いだ。こうして維新の大阪におけるコロナ失政の実態はかき消され、自公に対するオルタナティブとして、にわかに維新への注目が集まることとなったのだ。
 維新の失地回復に加担した在阪メディアの責任は極めて大きい。同時に大阪におけるコロナ禍の実態を徹底的に暴露し、有権者に伝え切れなかった反維新の側の力不足も否定できないところである。 (つづく)

2022年3月2日水曜日

NATOの目的は何か - ロシア連邦の封じ込め、圧迫と崩壊と解体(世に倦む日々

 NATOの歴史は古く、第二次世界大戦終了4年目の1949年に米・加それに欧州の10か国が加わってスタートした軍事同盟で、その目的はソ連共産主義を敵とし、ソ連を封じ込めることです(現在は30ヵ国が加盟)。
 それに対抗して作られたのがワルシャワ条約機構で、西ドイツがNATOに加わったのを契機に1955年、ソ連と東ヨーロッパ諸国の8か国が結成した軍事同盟で、1991年7月に同年12月のソ連崩壊に先立って解散しました。
 世に倦む日々氏は、「NATOは、本来ソ連が崩壊してワルシャワ条約機構が清算された時点で、その存在意義を失って地上から消えてよいはずのものだった。~ だが、そこから新たな敵としてロシア連邦を設定し、新たな目的を持って存続する推移になる。現在のNATOは、ロシア連邦を封じ込めソ連と同じ運命に追い込むことを目的とした軍事同盟だ」、「プーチンが登場した2000年以降、世界のエネルギー需要が増大して資源国のロシアが潤い大国として復活すると、CIAは旧ソ連および旧共産圏の諸国でカラー革命を続発させ、ロシアを包囲し瓦解させようとする策動と謀略が顕著になった」と述べています。
 そしてその流れの中で、プーチンはNATOの東方拡大の真の狙いがロシア連邦の崩壊と解体であることを確信したとしています。

 ウクライナは黒海でのNATOの演習に参加するなどしてNATO加盟の意向を鮮明にしていました。一方プーチンにすればウクライナがNATOに加わることはロシアにとって死活問題であって、絶対に阻止したかったのでした。
 NATOの仮想敵国はロシアであり、ロシア近くに位置する国への対露用ミサイルの配備は勿論、米国は「核シアリング」と称して、対露用核兵器をドイツ、ベルギー、イタリア、オランダ、トルコの5カ国に供与しています(NPT発足以前)。こうした状況を考えれば、プーチンが核兵器の使用も辞さずと威嚇したことを、一方的に非難するだけでは片手落ちになるでしょう。
 ブログ「世に倦む日々」の記事を紹介します。
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NATOの目的は何か - ロシア連邦の封じ込め、圧迫と崩壊と解体
                          世に倦む日々 2022-02-28
ネットを見ていると、ロシアがNATOに入ればいいのにという意見を目にする。あまりに無知すぎて話にならない。こうした無知蒙昧が西側のプロパガンダを頭から信じて疑わない態度となり、ロシアに対する一方的な偏見と全否定に繋がっている。現在のNATOは何のためにあるのか。その存在意義は何で、その集団安保体制の敵は誰なのか。誰から誰を防衛する軍事同盟なのか。こんな基本的なことも理解してない者が多くいる。ロシアがNATOに加盟することはあり得ない。それはNATOの存在意義の否定であり、論理矛盾である。

可能性として、現在のプーチン体制が倒れ、ロシアが親米化し、欧米と仲のいい反中反共国家に転換して、ユーラシアワイドにNATOに拡大する場合が考えられるが、仮にそうなるときは、逆に東欧の小国群が反発し、ロシアのNATO入りはやめてくれと言うだろう。東欧小国群にとって、ロシアと敵対する軍事境界線が引かれて、アメリカの防衛ラインの中に入ってないと不安なのであり、ロシアと同じ軍事同盟の中で共存するなど考えられないからだ。彼らにとって、NATOが反ロ軍事同盟でなくなる未来はあり得ない。 

NATOはそもそもソ連共産主義を敵とし、ソ連を封じ込めするために構成された集団安保の軍事同盟である。冷戦の産物である。そのため、本来、ソ連が崩壊してワルシャワ条約機構が清算された時点で、その存在意義を失って地上から消えてよいはずのものだった。敵がいなくなったのだから、軍事同盟は解散していいはずだ。だが、そこからNATOは新たな敵を設定し、新たな目的を持って存続する推移になる。新たな敵とはロシア連邦である。現在のNATOは、ロシア連邦を封じ込めし、ロシア連邦をソ連と同じ運命に追い込むことを目的とした軍事同盟だ。

ソ連崩壊後、ロシアが混乱期にあった90年代は、NATOのその新たな性格や意義づけは輪郭がくっきりではなかった。が、ゴルバチョフとの口約束を裏切って東欧諸国を次々と加盟させる中で、新しい目的と方針を露骨化させるようになる。その進行はまた、世界のエネルギー需要が増大して資源国のロシアが潤い、ロシアが大国として復活する過程とパラレルだった。そしてさらに、そこからの過程は、旧ソ連および旧共産圏の諸国でカラー革命が続発し、プーチンのロシアを包囲し瓦解させようとするCIAの策動と謀略が顕著になる新冷戦化の始まりでもあった。

記憶だけでうろ覚えで恐縮だが、フランスのテレビ局が制作したカラー革命のドキュメンタリー番組では、2000年のセルビアでのブルドーザー革命、2003年のグルジアでのバラ革命の後、お膝元のモスクワでもカラー革命のロシア版の動きが起こり、若者たちがプーチン体制を打倒する「革命」運動に参集する姿が取材報告されていた。ソロス財団から資金が流れ、NED(CIA)が「市民団体」にマニュアルを付与していた。おそらく、このとき、プーチンは全てを察知し、NATOの東方拡大の真の狙いが何かを確信したのだろう。それは、ロシア連邦の崩壊と解体である。

それ以後、00年代後半からのプーチンの外交と政治について、寺島実郎などは「プーチンの大ロシア主義」と誹謗中傷するのだが、客観的に見れば、プーチンの国家防衛の焦眉の行動の連続と言っていい。放っておけば、カラー革命を連発されて体制崩壊へと追い込まれる。ベラルーシとウクライナもNATO入りさせられる。プーチンの危機感について内在的な見地から理解する議論が皆無だが、歴史を確認することでプーチンやロシア人の心理の内奥に接近することができるだろう。その歴史とは、ナチスの対ソ戦の構想と計画である。

Wikiに『わが闘争』の中身が要約されている。ヒトラーは劣等人種と看做したロシア人をシベリアに移送し、奴隷化した上で最終的に根絶する計画を立てていた。「東部総合計画」と呼ばれる。大木毅の岩波新書『独ソ戦』にその記述があるので抜粋しよう。

東部総合計画は、戦争終結後の最初の四半世紀において、ポーランド、バルト三国、ソ連西部地域の住民3100万人をシベリアに追放し、死に至らしめると定めていた。一方、残された『ドイツ化』できない住民1400万人は(略)ゲルマン植民者のために、奴隷労働に従事することになる。(P.93)

食料農業省次官のヘルベルト・バッケ(略)が立案したのは、占領したソ連から食料を収奪し、住民を飢え死にさせてでも、ドイツ国民(略)に充分な食料を与えることとする、『飢餓計画』と通称される構想だった。彼が推定するところによれば、現地住民から3000万の餓死者が出るとされていた。(P.94)

手元の資料に、A.ローゼンベルクが1941年に作成した「ソヴェト連邦分割計画」の地図がある。1985年に青木から出た『アジア 1945年』(中村平治・桐山昇編)の P.110 に掲載されている。ナチスは、バルト、ベルロシア、ウクライナ、カフカース、トルケスタンをドイツ統制下の属国として独立させ、白海からモスクワにかけてを領土とする小さなモスクワ国というロシア人の国を建てようとしていた。このローゼンベルクの地図をネットでよく紹介できないのが残念だが、ナチスはソ連をこのようにバラバラに切り刻む計画で戦争に臨んでいた。

もし、今回プーチンが侵攻に出ず、外交で屈服して無成果なまま15万人の地上軍を撤収させていたら、おそらく、プーチンの失脚とベラルーシでのカラー革命に繋がったと予想される。このことは、対ウクライナ戦が長期化して死傷兵が多く出たり、ロシア経済が経済制裁で疲弊し損傷した場合も同じだ。ウクライナもNATO入り、ベラルーシもNATO入り、ジョージアもNATO入りし、カザフスタンでもカラー革命が起きるだろう。だが、それで終わりではない。プーチン後の政権が親欧米でなく、プーチンの政治思想を引き継ぐ傾向であったなら、NATOの締めつけと仕置きはさらに続く。

具体的には、チェチェン共和国の独立があり、他にも複数地域のロシア連邦からの離脱候補があり、NATO(=CIA)がそれを支援する動きに出るだろう。広大な領土を有するロシア連邦は多民族国家であり、ソ連邦と同じく国がバラバラになるリスクがある。少しでも中央集権が緩み、求心力が弱くなると、連邦から離脱して独立という動きに出る地域と少数民族を抱えている。一方、巨大な軍事力を有するロシアを欧州は潜在的脅威に感じていて、いつまたロシア帝国やソ連邦の勢力を取り戻して西に張り出すか分からないと警戒している。ロシア連邦の解体は、欧州のキッチントーク的な欲望であると言って差し支えない。 

何度か指摘してきたが、故岡本行夫は、8年前のクリミア紛争の際のサンデーモーニングの解説で、ゴルバチョフへの口約束をアメリカが反故にしてきた外交史について触れ、バルト3国にまでNATOにミサイル基地を配備されて、それでロシアに我慢しろと言うのはあまりに理不尽だと強調した。親米保守派の論客による意外なプーチン擁護の弁に、やや驚いたが印象的に覚えている。今回、藪中三十二も、佐藤優も、東郷和彦も、外務省系は基本的にこの線であり、プーチン・ロシアに同情的なスタンスで議論しており、小谷哲男や黒井文太郎や廣瀬陽子のようなCIA系とは一線を画している。

いずれにせよ、ロシア連邦を敵として封じ込めを続けてきたNATO東方拡大策に対して、ロシア側がそれをどう受け止めるかの想像力を持つ必要があり、その際重要なのは、ナチスの「東部総合計画」と「ソ連分割計画」の歴史の知識だろう。冷戦期のソ連共産主義は、ひとまずエルベ川まで押し出し張り出した線で満足しつつも、そのイデオロギーからして、世界をすべてコミュニズムの共同体にすることが理想であり、したがって隙あらばエルベを西に突破する潜性的衝動も持っていたわけで、西側から封じ込めの対抗措置を食らうのは必然だったと言える。だが、冷戦後のロシア連邦にはそのような目標も野心も微塵もなかった。

2000年に大統領となったプーチンが努めたのは、西側と協調しつつの大国ロシアの再建である。プーチンのロシア連邦には、EU・NATOに危害を加えようとか、それと対抗して打倒しようなどという意図やイデオロギー的性向は全く見えない。NATOがロシアを敵視し封じ込めの対象にする必要は無かった。冷戦後のロシアは、おとなしくぎこちなく市場経済と民主制政治で国家運営していた。そのロシアを、なぜNATOは敵認定し、東方拡大で無用に挑発し、彼らが恐怖する西からの脅威(ナポレオン・ヒトラーの悪夢)の圧迫をかけ続けたのだろう。プーチンを国家安全保障のパラノイアにしたのだろう。無意味で不要だったと思わざるを得ない。 

ウクライナ紛争経緯を正しく知る

 植草一秀氏が「ウクライナ紛争経緯を正しく知る」という記事を出しました。

 同氏は、「米国がアフガニスタンに軍事侵攻した際、あるいはイラクに軍事侵攻した際、西側メディアはアフガニスタンやイラクの惨状を十分に伝えていない」として、メディアはひたすら米国の軍事侵攻が正当なものであることを解説するという具合で、今回のウクライナ報道とは天地の開きがあるとして、「ロシアの軍事行動を正当化する考えはないが、報道における偏向を十分に認識することは重要である」と述べています。
 そしてロシアの立場について、プーチンが何を望んでいるのかが簡潔に述べられています。
 ロシアの言い分に耳を傾ける勢力が皆無であっては、ロシアのウクライナ侵攻は天・人ともに許さざる暴挙であるとしていくら厳しく批判しても、残念ながら事態は収まりません。
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ウクライナ紛争経緯を正しく知る
                植草一秀の『知られざる真実』 2022年3月 1日
米国がアフガニスタンに軍事侵攻した際、あるいはイラクに軍事侵攻した際、西側メディアはアフガニスタンやイラクの惨状を十分に伝えていない。
今回のウクライナ報道と天地の開きがある。
メディアが力を注いだのは、米国による軍事侵攻がいかに正当なものであるかについての解説だった。
米国はイラクが大量破壊兵器を保持しているとしてイラクに軍事侵攻した。
国連の決議を破るかたちで軍事侵攻した。
しかし、イラクから大量破壊兵器は発見されなかった。
イラク治安部隊および多国籍軍の犠牲者は2万5000人規模とされたが、イラクの民間人の死者は10万人から60万人と推定されている。
今回のウクライナとは比較にならない規模の現地の民間人犠牲者が生み出されている。
ロシアの軍事行動を正当化する考えはないが、報道における偏向を十分に認識することは重要である。
米国のバイデン大統領は正義の騎士を演じているが、バイデン大統領の行動がロシアの軍事行動を誘発した側面を否定できない。
強硬姿勢を示すロシアに対して、米国のバイデン大統領は紛争が勃発しても米軍を展開することはないことを明言してきた。
他方、NATOもウクライナがNATOに加盟していないことを理由に、NATO軍を配備することはないことを明言してきた。
これらの行動がロシアの軍事侵攻を促進した面を否めない。
おびき寄せられて侵攻に踏み切り、その後に激しく非難されている図式が浮かび上がる。

ウクライナ問題の核心はウクライナのNATO加盟問題である。
ロシアは二つの目標を明確にしてウクライナに対応している。
第一はウクライナ国内のロシア民族の保護。
ウクライナには多数のロシア系住民が居住している。
とりわけ、東部ドネツク州、ルガンスク州ではロシア系住民が多数を占める。
ウクライナ政府と両地域の自治政府との間で戦闘行為が継続されてきた。
これら地域の住民の安全を図ることが第一。
第二は、ウクライナのNATO加盟を阻止すること。
NATOは軍事同盟であり、旧ソ連邦にまでNATOが東方拡大することはロシアにとっての重大な脅威になる。

しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領はウクライナのNATO加盟方針を明言し、NATO諸国に加盟の早期許可を強く求めてきた。
その裏側にバイデン大統領の強力な誘導がある。
NATOの東方拡大については、1990年のソ連ゴルバチョフ共産党書記長と米国ベーカー国務長官との間でのドイツ統一をめぐる交渉のなかで、米国がNATOの東方不拡大を明示したことがゴルバチョフ回想録に明記されている。
これ以外にも、米国で開示された外交文書で事実関係を確認できることを専門家が明言している。
しかし、冷戦終結後、NATOは東方拡大を続けてきた。
NATO側が約束違反を実行してきたことになる。

ウクライナ問題の直接の契機は2014年の政変だ。
ヤヌコヴィッチ大統領は民主的な選挙で選出された正統性のある大統領だったが、暴力的革命によって追放された。
この暴力的革命を背後で指揮したのが米国であると見られている。
その中心がヌーランド国務次官補(当時)とバイデン副大統領(当時)であると見られている。
米国はウクライナ国内の極右勢力=ネオナチ勢力と結託して暴力的革命を推進したと見られる。
これにロシアが反応して、ロシア系住民が支配的なクリミアをロシアが併合した。
東部ドネツク、ルガンスク両州でも軍事衝突が発生した。
この混乱を収拾するため、ウクライナ、ロシア、フランス、ドイツによる「ミンスク合意」が締結された。
「ミンスク合意」の核は東部ドネツク、ルガンスク州の親ロシア勢力支配地域の自治を広範に認めることである。
2019年に大統領に選出されたゼレンスキーはミンスク合意の履行を公約に掲げた。
ところが、ゼレンスキー大統領は、大統領就任後、東部2州に対する自治権付与の行動を一切示さず、逆に、ウクライナのNATO加盟を強行に推し進める姿勢を示してきた。
このことから、ロシアが強硬策に出たという経緯がある。
これらの経緯を中立、公正な立場から正確に説明しなければ、一般市民はことがらの正確な実態を掴むことができない。
私たちはマスメディアが流布する情報が市民の認識を特定の方向に誘導するものである点を正確に認識しておく必要がある。

鳩山友紀夫元首相との対談(アジア共同体研究所主宰YouTube動画「UIチャンネル」)
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             (以下は有料ブログのため非公開)

自公協力に亀裂、公明党は自民に長年の不満/岸田政権にダブルパンチ

 自公両党は政治上の理念が異なりながら、国政選挙等ではこれまで実に見事な選挙協力をして来ました。相互協力が建前なのですが、それによって圧倒的な利益に浴することが出来たのは自民党の議員たちでした。というのは各選挙区には固定票といわれる創価学会員票が相当数あるので、それが自民候補に流れることで接戦区でも勝ち抜くことができたからで、その結果 今日の自民党の国会議員の大勢力を築くことができたのでした。

 しかしそれが安倍政権下での極端な右傾化につながったことを思うと、決して日本のためにはなっていませんでした。その点は公明党によくよく考えて欲しいところです。

 岸田政権になってその自公協力に亀裂が入ったようで、「自公の熟年離婚騒動」などと注目されています。詳細はNEWSポストセブンとAERA dotの記事に書かれています。
 もしもそれが決定的になって自民党議員が減るような事態になれば日本にとっては喜ばしいことです。
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自公協力に亀裂、公明党は自民に長年の不満「我々は使い走りではない」の思いも
                       NEWSポストセブン 2022/02/28
                       ※週刊ポスト2022年3月11日号
 感染第6波の出口が未だ見えない中、国政では自民党と公明党の連立が大きく揺らぎ始めた。公明党の山口那津男・代表が2月6日放送のBSテレ東の報道番組で、夏の参院選での自公選挙協力について、「(自民党に)相互推薦をお願いしたが、現にない以上、自力で勝てるようにやらざるを得ない」と岸田自民に“最後通牒”を突きつけたのだ。
 支持母体の創価学会も足並みを揃えている。創価学会は1月27日に国政選挙や地方選挙の方針を決める中央社会協議会を開催し、選挙の支援方針は「人物本位」で選び、「今後より一層、党派を問わず見極める」ことを申し合わせたことが報じられた。自公両党は小渕恵三内閣の1999年に連立を組んで以来、野党時代を含めてこれまで23年間、国政選挙で選挙協力をしてきたが、これからは自民党以外の候補者を支援することもあり得るという大きな方針転換だ。
 そうなると、自民党の政権基盤が揺らぐ。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が指摘する。
「公明党・創価学会が選挙で自民党に票を出して当選を支援し、代わりに自民党は公明党に大臣や副大臣、政務官ポストを与えて国政に参加させる。それが自公連立の根幹をなしている構造です。選挙協力が白紙になれば連立の基盤そのものが危うくなるのは間違いない」

 まさに自公の“熟年離婚危機”と言っていい。発端は今夏の参院選をめぐる自公協議が“破談”になったことだ。前々回の2013年参院選以来、公明党が候補者を立てない1人区(32県)で自民党候補を支援する見返りに、自公の候補がぶつかる埼玉、神奈川、愛知、兵庫、福岡の5選挙区では互いの候補を推薦し合う「相互推薦」という仕組みをとってきた。
 しかし、前回参院選は相互推薦の結果、兵庫では自民候補の票が公明党に食われて最下位当選となったことから、自民党の地方組織が抵抗して協議が難航し、茂木敏充・自民党幹事長は「上(党本部)から言うことを聞けという形は取りにくい」と協定を結ばない可能性に言及した。これに公明・学会サイドが怒った。
 公明党の強硬姿勢に驚いた岸田文雄・首相は事態収拾のため2月8日に官邸で山口氏と会談したが、山口氏は会談後、相互推薦見送りの方針は「繰り返し述べてきた通り、変わらない」と断言。
 元公明党副委員長の二見伸明・元運輸相は「公明党や創価学会には長年の不満がある」と語る。
「自民党の中には、公明党を低く見る議員がいる。特に、安倍政権の高支持率を追い風に当選してきた4回生以下は公明党・創価学会の支援は当たり前と思っているんでしょう。それに対して公明党には『我々は使い走りではない』という思いがあるはずです。
 また、ここに来て政界では自民党が日本維新の会や予算案に賛成した国民民主党と連立に動くのではないかという観測が強まっている。そんな動きを公明党は『どうぞ』とは言えない。維新や国民民主には創価学会のような票はありません。自民党がそのつもりなら、公明党・創価学会はこれまでどれだけ自民党に票を与えてきたか、この機会に力を示して思い知らせようということでしょう」


支持率下落で焦る岸田首相にダブルパンチ「自公23年目の離婚騒動」を渦中の幹部語る
                           AERA dot. 2022/02/28
 新型コロナウイルスの第6波以降、岸田内閣の支持率下落が目立ち始めた。
 朝日新聞が2月22日に発表した世論調査では岸田内閣の支持率は45%(1月の調査は49%)に下がり、不支持率は30%(同21%)に上がり、内閣発足後初めて3割台になった。
 また岸田文雄首相が新型コロナウイルス対策で指導力を発揮していると思うかとの質問に対し、「発揮している」は34%(同37%)、「発揮していない」は53%(同41%)まで伸びた。
 テレビ朝日の世論調査(21日発表)も同様に岸田内閣の支持率は先月から5ポイント下落し、46.5%、時事通信(2月11日~14日調査)で内閣支持率は8.3ポイント減の43.4%まで下がり、軒並み低下傾向にある。

「コロナ拡大の最中にロシアのウクライナ侵攻で株価が下がり、支持率低下が顕著です。岸田首相はかなり焦っています。ただし、感染を抑え込むために強い対策を取る方針でいくべきか、制限緩和のベクトルで行くべきか、各種世論調査の数字をにらみながら、どちらにも決めきれずにいることから、内閣官房も厚労省も右往左往してしまっています。首相自身が明確なスタンスやリーダーシップを示せず、世論の顔色を見ながら政策を決める、というのが岸田内閣の本質なんですよね」(官邸関係者)

 その上、今夏に控える、参院選を前に自民党と公明党の連立与党が「23年目の離婚」騒動と揺れている。
 これまで参院選の選挙区でお互いの候補を自公で相互推薦という形で戦ってきた。それが連立与党の政権維持につながってきた。
 しかし、夏の参院選では、公明党の相互推薦の申し入れに自民党がなかなか回答をせず、公明党の山口那津男代表は「自民党から、期限までに答えがこない。もう自力でやるしかない」と相互推薦をしないことを示唆。そして、公明党の支援母体、創価学会も自民党候補への推薦については「人物本位だ」と打ち出した。
 安倍政権時代は当時の官房長官、菅義偉前首相が創価学会、公明党とのパイプが太く相互推薦が続いてきた。しかし、岸田首相となり、菅前首相の影響力が薄くなると、自民党と公明党との関係がギクシャクしはじめた。
 岸田首相の中には安倍政権の政調会長時代、国民へのコロナ支援策として自らが取りまとめた『所得制限付の30万円現金給付』案を、公明党に『所得制限なし10万円一律給付』へと瞬時にひっくり返されて顔を潰され、恥をかかされた苦い経験がある。
「岸田首相はもともと菅前首相とも関係がよくないので、茂木敏充幹事長、遠藤利明選対委員長に公明党との交渉を一任。菅前首相が公明党とのつながりが強いので、自ら出ないほうが得策という判断だった。党幹部は『公明党に離縁をちらつかせることで、これまで以上に有利な条件を引き出す狙い』と言い、岸田首相も『公明党だって台所事情は良くないんだろ』と容認していた。だが、逆効果となりすきま風が強くなっている」(自民党の閣僚経験者)
 互いに牽制しあっていた関係に「決定的なヒビ」が入ったきっかけは、遠藤選対委員長が自民党兵庫県連との面会後に放った「(公明党との相互推薦について)地元としてはかなり『不本意』だが党本部の考えに従う」との発言だという。
「相互推薦を『不本意』と表現したことを公明党本部及び創価学会は重大視。一気に主戦論に舵を切ることとなった」(公明党関係者)
 自民党と公明党の相互推薦のトラブルが顕著に現れたのは、兵庫の選挙区だった。2019年の参院選、兵庫県選挙区で当初、下馬評が高かった、自民党の加田裕之氏が立憲民主党候補に3万票差まで追い上げられ終盤、大苦戦。連立与党で過半数を狙い同じ選挙区から公明党の高橋光男氏も立候補した結果、兵庫県選挙区(定数3)で、公明の高橋氏は早々に2位で当選した。
 自民党の加田氏は最後までやきもきする展開となった。その時以来、自民党の兵庫県連は、公明党との相互推薦に対して見直すべきではないのかとの意見が相次いでいた。兵庫県の自民党県議はそう話す。
「公明党と相互推薦をすると、実際に自民党支持者がどちらに投じればいいのかと困惑している。前回の参院選もそうでした。昨年の衆院選でも自民党が公明党に譲っている小選挙区が兵庫県内には2つある。そこでは『なんで公明党ばかりに入れなきゃいけないのだ』と不満の声を何度も聞いた。相互推薦は選挙区の都合を勘案して、やればいい。今年の参院選では兵庫県選挙区は必要ない」
 自民党の遠藤選対委員長はこうした声を抑えるため、神戸市に自民党兵庫県連を1月19日に訪ね、藤田孝夫幹事長と会談をもった。
 遠藤選対委員長の「公明との相互推薦を」との呼びかけに兵庫県連が「不本意ながら」と了承したと一部メディアで報じられ、今回の騒動になったが、真相はどうなのか? 藤田幹事長を直撃した。
「前回の参院選では、相互推薦が影響して、自民党の加田氏が危うい戦いになったことは兵庫県連の共通認識です。そこで、遠藤氏が地元の意見、思いを聞かせてほしいとお越しになった。自民党の選対委員長というのはフットワークが軽いので、珍しいことではない。そこで、こちらも思いを遠藤氏にぶつけました。正確には記憶していないが、けっこう長い時間、話し合いました。最終的に、党本部の決定に従うという趣旨の話にはなりました。『不本意ながら同意した』という内容の報道があり、内紛でもあるのかと受け取られた方もいたようですが、そうではない。不本意という言葉は、私か遠藤氏か、どちらが言ったのかはっきり覚えはない。ただ、党本部の決定には従いますが、自民党と公明党の間で課題があることも忘れないでほしい、という主旨は伝えました」
 遠藤氏と藤田氏の会談後、兵庫県選出の国会議員の会合でも「党本部の決定に従う」との方向性が確認されたという。

 しかし、一枚岩ではない。昨年夏の兵庫県知事選挙では地元の自民党県議の大半が副知事だった金沢和夫氏を支援で一本化したが、一部の県議と兵庫県選出の国会議員がそれをひっくり返して、日本維新の会が推薦した齋藤元彦知事の支援を打ち出し、保守分裂選挙となった。前述の兵庫県議はこう不満そうに話す。
「地元の意向を国会議員が上から目線でひっくり返した遺恨が今もある。遠藤氏が頭を下げたからと言って、はいそうですかとはならない」
 19年の参院選、大阪選挙区(定数4)でも公明党の杉久武氏は3位で当選し、自民党の太田房江氏は最後の議席だった。大阪府議はこう相互推薦を疑問視する。
「公明党は自民党の支援者の挨拶に同行させろ、名簿を出してと要求ばかりだ。本当に、自民党に票が来ているのか疑問に思うことがよくある」
 前出の閣僚経験者は、自民党が国政選挙で勝ち続けている要因の一つは、公明党の固い支持基盤であると認めた上でこう語る。
「公明党だって参院選の選挙区で自民党の支援がないと危うい。自民党も激戦の1人区では公明党の票が不可欠。茂木氏や遠藤氏は公明党が過去、選挙になると揺さぶりかけてくると、今回の相互推薦の問題をほったらかしにしていた。いずれは公明党が折れてくる、と踏んでいたが、公明党が強気なので今になって、慌てている。岸田首相まで菅前首相にアドバイスを求めるほどだ。一度、こじれると修復はなかなかむつかしい」
 公明党の山口代表は、2月6日に出演した民放テレビ番組でこう語った。
「(自民党に)相互推薦やろうとお願いしているが、返答をいただけない。あてにするわけにはいかないので、自力で選挙に勝てるようにやる。タイムリミット? もう過ぎたのでやるしかない」
 野党共闘がまとまらない中で、参院選は与党である自民党、公明党有利とみられていたが、五里霧中となってきた。
               (今西憲之 AERAdot.取材班)

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