2021年3月30日火曜日

総務省接待問題・法案の膨大な誤り 背景に菅政権の堕落・劣化 

 菅政権下で明らかになった東北新社やNTTによる総務省官僚接待問題でも、安倍政権下における「モリ・カケ」問題の時と同様に、官僚たちは菅首相を守るために虚偽と隠蔽の答弁を繰り返しました。

 そんな中で、政府が提出した産業競争力強化法等の法案のミスは23法案と条約1つの合計24本に及び、条文そのものに誤りがあったのは3法案1条約の計12カ所、参考資料においては22法案で122カ所に誤りがありました。
 担当した官僚たちがよほど他の作業に忙殺されていたのか通常ではありえないことです。
 官僚たちも人間です。もしも彼らが集中力を維持できないほどに劣化したのであれば、それを引き起こした根源には、安倍・菅政権のもとでの政治の腐敗・堕落・劣化があります。
 28日のNHK「日曜討論」で、共産党の小池晃書記局長はそう指摘しました。
 しんぶん赤旗が報じました。

 官僚は本来国を正常・健全に維持するために存在するのであって、何もダメな政権を守るのが仕事ではありません。安倍氏から菅氏へと続いた自民党政権は本当に国の政治をダメにし、官僚を劣化させました。
 しんぶん赤旗日曜版28日号に、菅首相が看板とした「携帯料金値下げ」を実現させるために、NTTが「ドコモ」を完全子会社化することを認めたとする記事が載りました。それは、NTTを民営化し分社化させるという長年の政府方針を逆行させるもので、携帯会社など電気通信事業28社から“公正な競争が阻害される″とする意見書を提出されたのは当然でした。しかし総務省(菅政権)はそれを無視しました。
 ダントツに巨大な企業が出来てしまえば、いずれ競争原理が働かなくなり、最終的に不利益を被るのは国民です。
 ようするに携帯料金の値下げは目先のニンジンに過ぎないもので、政府は支持率を得るためのそんな姑息な策を講じたのでした。
 しんぶん赤旗の二つの記事を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
総務省接待・法案の誤り 背景には菅政権の堕落・劣化 
 腐敗一掃へ政権交代に全力 
                       しんぶん赤旗 2021年3月29日
NHK討論 小池氏が主張
 日本共産党の小池晃書記局長は28日、NHK「日曜討論」に出席し、総務省などの一連の接待疑惑や河井克行前法相の選挙買収、相次ぐ法案の誤りなどについて、背景には安倍・菅政権のもとでの政治の腐敗・堕落・劣化があると指摘し、「真実を明るみに出し、腐敗を一掃するためには政権交代しかない。そのために全力を挙げていきたい」と語りました。
 小池氏は、菅首相が半年前の就任時に“何事も丁寧に説明する”“国民の感覚からかけ離れたあたりまえでないことが残っている”と述べていながら、「それから半年、丁寧な説明をせずにあたりまえでないことが続いている」と指摘。国会に資料は出さず、参考人招致にも応じず、政治家も官僚も平然と「記憶にない」と答弁するなど真相解明に背を向けていることを批判し、「説明責任を果たすというなら、与党も野党の資料提出・参考人招致の要求に応えるべきだ」と語りました。
 相次ぐ法案の誤りについても、官僚の責任も重大だが、首相を先頭にした虚偽答弁、政治の私物化など国会審議の軽視・形骸化の中で起きていると指摘し、「そういう背景を政府・与党はしっかり自覚すべきだ。根本にある政治の責任が一番問われている」と強調しました。

対中国 国連憲章と国際法守れの国際的な世論の包囲こそ
 小池氏はまた、中国が「海警法」のもとで領海侵犯をくりかえし、香港やウイグルで人権侵害を強めていることに対して、「国連憲章と国際法を守れ」と迫る国際的な世論の包囲網をつくることが重要だとし、そのために日本は役割を果たすべきだと語りました。
 小池氏は、中国の「海警法」は国連海洋法条約に反し、香港やウイグルでの人権侵害は国際人権規約に反する、いずれも明確な国際法違反だと指摘。「ところが日本政府は(中国に)国際法違反だと批判していない。腰が引けている」と述べました。
 その上で、日本政府が日米安全保障協議委員会(2プラス2、16日)で、米中対立をめぐり日本の軍事的役割の強化で合意したことについて、「台湾をめぐる米中の軍事的対立などに日本が関与することは極めて危険であり、中国に軍事力強化の口実を与え、軍事対軍事の悪循環で事態を悪化させる」と批判しました。
 小池氏は、中国の覇権主義や人権侵害を批判することを回避しながら中国の「脅威」を「戦争する国づくり」に利用することは最悪の対応だと強調しました。


NTTの総務省接待問題 政府方針180度ねじ曲げ
菅首相の看板「携帯料金値下げ」実現のかわりに、分社化方針を大転換
                    しんぶん赤旗日曜版 2021年3月28日号
 食事はせずにビールを2、3杯飲み、飲食費として1万円を払った。NTT社長と会食していたことが明らかになった武田良太総務相は国会で弁明しました。なぜ武田氏は、答弁拒否を連発してまで「この会食」を隠し続けたのか。菅政権とNTTが″二人三脚″で政治を大きくゆがめていたからです。その実態を追います。  取材斑

「ドコモ完全子会社化」認め 他社に優位な巨大一社体制へ
 武田氏がNTTの澤田純社長と会食をしていたのは昨年11月11日。武田氏は同じ日、NTTドコモを除く携帯会社など電気通信事業28社から“公正な競争が阻害される″とする意見書を提出されていました。
 問題となっていたのは、NTTによる「ドコモ完全子会社化」。NTTをめぐる長年の政府方針は民営化と分社化で「ドコモ完全子会社化」はこの方針の大転換です。
 ITジャーナリストの石川温(つつむ)さん(45)は解説します。「グループ再編を実行し、国隊競争力をつけたいNTTが、菅(義偉)首相の携帯料金値下げ政策を実現する代わりに、総務省にNTTグループのかつてのような巨大な一社体制を認めさせたのではないか」
 事実とすれば看板政策を実現してもらうかわりに、1企業の要望に応えて政治をゆがめたという重大問題です。
 「携帯料金値下げ」を大看板に菅政権が誕生したのが昨年9月16日。その13日後、澤田氏がドコモの完全子会社化方針を発表しました。

会食直後に・・・
 問題の会食から16日後の昨年11月27日。澤田氏とNTTドコモの井伊基之次期社長が菅首相と面会しました。その4日後、井伊氏は社長に就任。その直後、ドコモは携帯料金の値下げプランを発表したのです。

NTTのドコモの完全子会社化
 NTTによるドコモの完全子会社化をめぐり携帯各社が憤っているのは「NTTによる競争政策の一方的な反故(ほご)」です。
 KDDIやソフトバンクは「公正な競争が成り立たない恐れがある」と懸念を示しています。
 NTTは政府が34%の株を保有。最大の株主となっています。
 政府は答申や閣議決定でNTTによるドコモヘの出資比率引き下げなどをすすめてきました。理由は「公正競争の確保を図る観点から」です。
 ところが、NTTは昨年9月29日、ドコモヘのTOB(株式公開買い付け)を実施すると表明。66%の株式保有が100%となり、完全子会社化しました。
 NTTの澤田純社長は会見で「(TOBを)することでNTTドコモは強くなる。その結果安定した基盤ができ、値下げの余力が出てくるだろう」と、更なる値下げの検討をしていることも明らかにしました。
 その直前の9月2日、菅義偉首相は自民党総裁選出馬会見で、携帯料金値下げを表明していました。
 携帯会社は各地に携帯の基地局を設置しています。基地局と通信センターを結ぶ基幹回線の多くは大容量の光ファイバー。NTT東日本、西日本は光ファイバ―の75%という圧倒的なシェアを握っています。KDDIやソフトバンクは、NTT東西に依存しているのが実態です。
 NTTの一体化が強まり、ドコモだけに有利な条件で回線などが提供されれば他社は太刀打ちできません。
 菅首相は、携帯料金値下げについて、ことあるごとに「競争ができるような環境にするのが私の役割、政治だ」と述べています。
 しかしそれとは全く逆の方向に菅政権は政治をゆがめたのです。日本共産党の山添拓参院議員が国会で追及したように、閣議決定までした政府の方針を、会食や密室の協議で覆し、ゆがめてしまったのです。
 疑惑が深まるばかりの総務省接待問題。日本共産党の志位和夫委員長は厳しく指摘しました。「全ての関係者を国会に招致し真相を徹底的に明らかにするべきだ」(18日)


「公正な競争」どころか「独占化」
 ・方針転換の時期に連続接待  I Tジャーナリスト 石川 温さん
 NTTによるNTTドコモの完仝宇会社化について、危機感を覚える通信事業者は多いと思います。
 ソフトバンクやKDDI、楽天モバイルなど28社が総務相に“競争がゆがんでしまう″と意見書を出しました。それまで総務省は、いかに公平な競争ができるか、そのためにはいかにNTTの競争力を落としていくかという視点で動いていた。それが逆転したのだから当然です。
 なぜ、こんな大きな方針転換がスムーズに決まってしまったのか疑問でした。昨年9月にNTTの澤田純社長がドコモを完全子会社化すると記者会見したとき“総務省は問題ないといっている″と話されたので変だなと思っていました。
 NTTの接待はドコモを完金子会社化する時期と重なっています。疑念の目を向けざるをえません。
 菅首相は昨年9月、総裁選に立候補する段階で 「携帯電話料金の値下げ」を政策に掲げていました。
 菅首相の信任が厚い谷脇康彦総務審議官(当時)は、それまでも料金引き下げ策を推進していましたが、なかなか値下げにつながりませんでした。
 一方、NTTはグループ再編を実行し、国際競争力をつけて世界に進出したいという思惑をもっていた。そのため総務省は携帯料金値下げの政策を実現する代わりに、NTTのグループ独占回帰を認めたのではないか。IT業界のなかではそうした見方がもっぱらです。
 菅政権は、携帯料金をNTTドコモに引き下げさせることによって、値下げ競争を起こさせるという方向に舵(かじ)を切ったのではないか、と思います。
 携帯電話会社など通信事業者は通信インフラを主にNTTから借り受けてサービスを提供しています。NTTと一体となったドコモが有利になるのは明らかです。官僚や大臣の接待が、ゆがんだ競争を生むことになったとするならば許されないことです。

 ・背景には菅首相の看板政策  ノンフィクション作家 森 功さん
 許認可権を持つ官庁はおかしなことがあれば企業に修正を求める役割があります。ところが、NTTがより独占に近づき、公平な競争を阻害する危険性を業界各社が指摘する中、総務省はドコモの子会社化を認めてしまった。
 従来の方針を崩していくには一定の理屈が必要ですが、そういったものを抜きに進めています。総務省は、NTTからの接待を受け、一体となってやってきたということだと思います。
 背景に菅首相の看板政策の“携帯料金引き下げ″があったのは確実です。
 官僚にとって、NTTが歴代の総務相らと会食を重ねているというのは非常に大きな意味を持ちます。その事実はイコール“大臣も認めている案件″と理解するからです。面会した時に具体的に話が出ていないとしても、事務次官であろうが審議官であろうが、暗黙の了解を得たという形で話を進めていきます。
 菅首相の肝いり政策を実現するために動いてきた大臣や高級官僚が接待を受け、企業に良いような政策を打ち出してきたのではないか。そこに問題はなかったのか検証が必要です。

30- 政界に安倍氏の「再々登板」説

 呆れ返る話ですが安倍晋三氏が首相に「再々登板」するという説があるということです。
 安倍前首相は27日、新潟市で開かれた自民党新潟県連会合で講演し、対中国政策を巡って「インド太平洋地域がフロントラインになってきたとの認識と覚悟を持ち、外交・安全保障政策に取り組む必要がある」と述べたということですが、同時に「命がけのスクランブルのために自衛官の諸君が飛んでいく。その横には『自衛隊は憲法違反』という立て看板が立てられている。その状況に終止符を打つことは私たちの責任ではないか」と、憲法に自衛隊を明記する持論を改めて訴えたということです。
 それにしても安倍氏の自衛隊憲法明記論は相変わらず情緒的です。まあ、議員が個人としての意見を述べること自体は許されるかもしれませんが、永田町では「改憲が後半国会の焦点なんて、安倍さんの再々登板に向けた布石ではないか」という臆測が広がっているということです。
 先に森元首相が五輪組織委会長の後継を安倍前首相に打診したところ、「次の総選挙で派閥議員の応援に回りたい」と断られたそうです。それに関して森氏は、安倍氏は総選挙に勝ち抜いて現在の細田派に戻り、最大派閥の数の力で首相に返り咲くというシナリオを考えていると見ているようです。
 安倍氏は野党が要求している「桜」問題でのホテルの領収書をいまだに提出していません。「モリカケ桜」問題について国民に対しても明確な説明もしていません。
 それにもかかわらず首相に再々登板するという妄執を持ち、またそれをにおわせることで検察の再捜査を牽制出来ると考えるとは、余りにも独善の度が過ぎます
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
政界に安倍「再々登板」説…菅首相と改憲発言“連係プレー”
                          日刊ゲンダイ 2021/03/29
 2021年度予算案の参院成立を受け、26日にぶら下がり取材に応じた菅首相。憲法改正の手続きを定める国民投票法改正案について問われ、「当然、後半国会の焦点になる」と答えた。改憲への関心が薄い菅首相の前のめりな発言は珍しい。
 すると、翌27日に自民党新潟県連の会合で講演した安倍前首相が改憲に意欲を見せて話題になっている。安倍前首相は「命懸けのスクランブルのために自衛官の諸君が飛んでいく。その横には『自衛隊は憲法違反』という立て看板が立てられている。その状況に終止符を打つことは私たちの責任ではないか」と、憲法に自衛隊を明記する持論を改めて訴えた。
 どこの立て看板かは知らないが、相変わらず情緒的で薄っぺらい改憲論だ。しかし、菅首相と安倍前首相そろっての改憲発言に、永田町では「改憲が後半国会の焦点なんて、安倍さんの再々登板に向けた布石ではないか」という臆測が広がっている。
 9月の自民党総裁選前に改憲機運を醸成すれば、安倍前首相を担ぎ出す動きが出てくるというのだ。

最大派閥の会長で復権狙う
 森元首相も地元・石川発行の月刊誌の最新インタビューで気になる発言をしていた。五輪組織委会長の後継を安倍前首相に打診したところ、「次の総選挙で派閥議員の応援に回りたい」と断られたという。森氏はこう続けた。
<うちの派(細田派)の幹部連中に安倍さんの思いを教えておいたよ。みんなしっかり選挙に勝ち抜いて、安倍さんをうちの派に迎えようと。そして、あらためて安倍派をつくればいい>
 五輪組織委トップを断ったのは、最大派閥の数を維持するため。そして、派閥に戻った安倍前首相が会長におさまり、数の力で首相に返り咲く。そんなシナリオが考えられる。
「権力のウマミが忘れられないのでしょう。『桜を見る会』の前夜祭の問題で、検察審査会が秘書に『不起訴不当』の議決を出したことも関係しているかもしれない。再々登板もあるとにおわせ、検察の再捜査を牽制する狙いです。岩盤支持層をつなぎ留めるには改憲を唱えるのが効果的。“やるやる詐欺”みたいなもので、改憲に意欲を燃やすポーズを見せていれば権力を維持できるという計算です」(政治評論家・本澤二郎氏)

 そんなに元気なら、改憲より先に、数々の疑惑について説明責任を果たすべきだ。 

2021年3月29日月曜日

政府のモニタリング検査は1日わずか650件 1万件目標に大きく遅れ

 菅首相は、かつて新型コロナ感染症のことは「この1年間で大体分かってきた」と言い、「Go Toでコロナの感染が進むというエビデンスはない」とも述べました。正月明けに一部の都府県に緊急事態宣言を出すに当たっては「必ず1ヶ月で収束させる」と断言しました。いずれも大変な自信に基づくものと言えますが、その根拠は常に不明で、結果的にそれらはすべて事実によって否定されました。
 先に緊急事態宣言を解除するに当たり、以前から言われてきたPCR検査拡充(=モニタリング検査)を含むリバウンドを防ぐための5つの柱を挙げましたが、今度もやはり実行されていません。
 しんぶん赤旗によれば、確認されている直近15~21日の1週間での検査総数は4597件(1日657件)で、1日1万件という政府の「目標」からは大きく遅れています。
 現在第4波に向かっていますが、従来と決定的に異なるのは変異株が増加しつつある点で、それが優勢になればコロナ禍の様相も劇的に悪化する惧れがあります。
 そのためには変異株の保有者を早く見つけて拡大を抑える必要がありますが、1日1万件では全く足りません。

 毎日新聞は「広がるコロナ変異株 なぜ検査が増えないのか」とする社説を出し、その中で、神戸市の積極的なPCR検査を評価し、1回の検査で感染の有無と変異株を同時に調べる手法を導入するなどして変異株の検出に注力する必要性を強調しました。
 そして新たな局面のたびに対応が後手に回るという、これまでの失敗を繰り返してはならないと述べています。
 政府がいまだに本気になっていないのは本当に不思議なことです。
 しんぶん赤旗と毎日新聞の記事を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
新型コロナから命守る 政府モニタリング検査
1日わずか650件 1万件「目標」に大きく遅れ
                       しんぶん赤旗 2021年3月28日
 政府は緊急事態宣言解除に伴う対策として感染再拡大の予兆をつかみ、感染源を把握するためのモニタリング検査を打ち出しました。内閣府によると、確認されている直近の15~21日の1週間で検査総数は4597件です。無症状感染者を発見する例も生まれていますが1日1万件という政府の「目標」からは大きく遅れています。
 モニタリング検査は、緊急事態宣言が解除された栃木、埼玉、千葉、東京、神奈川、岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の11都府県で実施され、無料で受けられます。
 知らず知らずに感染を広げる無症状感染者の発見に焦点を当てた大規模検査を、政府がようやく打ち出したことは重要な前進です。
 しかし直近の検査実績は1週間で4597件で、1日あたりにすると657件。1都府県あたりでは60件にすぎずモニタリング(感染動向調査)の意味をなしていません。
 内閣府は「4月には1日5千件、ゴールデンウイーク後には1万件に増やし、北海道や沖縄も対象に加えたい」としています。1日1万件でも1都道府県あたり1000件未満にすぎず、感染源の探知などできません。すでに各地で、新規感染者、変異株が増加しつつあります。第4波防止へ、検査の規模とスピードを一気に増やす政府の本気度が問われます。
 他方、8~14日の1週間に確認された1116件の検査では6人の「陽性」=「感染疑い者」を確認。2人が京都府、4人が兵庫県です。無症状者の検査で感染者を発見したことは重要ですが、内閣府によるとその後の対応は本人任せ。検査をするにあたり「陽性の場合、自分で病院に行き最終判定の検査を受けることの同意が検査の条件になっている」といいます。
 無症状感染者が発見されたのに、責任をもって保護しなければ感染制御につながりません。
 検査の方法は、企業や学校で従業員や学生に対しまとめて行う場合と、繁華街などに検査スポットを用意しスポットに来場する人に対し検査キットを配布して行う場合とがあり、配布数と検査数は大きくずれています。検査スポットの場所は原則非公開です。

 



社説 広がるコロナ変異株 なぜ検査が増えないのか
                            毎日新聞 2021/3/28
 新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念される中、変異株が広がりを見せている。
 変異株の累計感染者数は空港検疫を含め600人を超えた。1週間で160人以上増えている。
 感染者は26都道府県に及び、9割は英国株だ。感染力が強いとされ、子どもにも感染しやすいとの指摘がある。
 既に市中感染に至っている可能性もある。専門家は変異株が第4波を招くと警鐘を鳴らす。従来とは異なる対策が求められる。
 しかし、検査体制が不十分なため、実態把握に不可欠なデータが得られていないのが実情だ。
 変異株は、陽性の検体を再度PCR検査して調べる。さらに国立感染症研究所などでゲノム(全遺伝情報)解析し、確定させる。
 こうした煩雑な手続きがネックとなり、自治体によっては一部しか再検査に回していない。確定までに数日かかるため、初動が遅れる恐れもある。
 東京都は新規感染者数が全国最多なのに、変異株の検査率は5~10%にとどまり、確定数も少ない。大量のPCR検査を民間検査機関に頼ってきたが、新たな事態への対応が遅れている。協力を得て拡充を急ぐべきだ。
 神戸市は、積極的な検査で注目を集めている。国からの指示を待たず、機器や人員配置を独自に拡充した。検査率は6割を超え、ゲノム解析も自前で行う。
 政府は緊急事態宣言解除に当たって検査率を4割に上げ、対策を強化することを目標に掲げた。
 だが、号令をかけるだけでは、自治体の取り組みは進まない。
 感染者が急増している宮城県などで、変異株に力点を置いた実態把握を国主導で進めてはどうか。ノウハウを確立し、他の都道府県と共有してほしい。
 1回の検査で感染の有無と変異株を同時に調べる手法を導入し、対策に追われる自治体の負担を減らすことも重要だ。
 ウイルスは2週間おきに変異を起こす。今後、海外からの渡航者が増えればリスクは増す。より強力な変異株が国内で出現する可能性も十分にある。
 新たな局面のたびに対応が後手に回るという、これまでの失敗を繰り返してはならない。

「まん防」不可避15都府県 感染が再拡大 変異株対策もゼロ同様

 緊急事態宣言は解除されましたが、わずか1週間ほどで全国各地で「リバウンド」が起きています。このまま感染爆発に向かうことに疑いはなくて、緊急事態宣言の前段の措置である「まん防(まん延防止等重点措置)」をいつ、どこに適用するかが注目されています。
 日刊ゲンダイが、「『まん防』不可避の15都府県一覧 ~ 」とする記事を出しました。
 15都府県のうち11都府県が「新規感染者数の前週比」がステージ4に相当し、「全入院者の病床使用率」は10都府県が「ステージ3」、福島が「ステージ4」に達しています。
 それなのに、この度も政府が何をしているのかがさっぱり見えません。ただあれよあれよと見ているだけなら、到底舵取りをする部署とはいえません。

 ワクチンに関しては、絶対的な決め手の様に喧伝されていた時期もありましたが、そうしたニュアンスは弱まりました。この先どんなペースで進むのかも不明です。
 筑波大学のグループがA I=人工知能を使った試算で、仮に東京都で去年夏の第2波と同じペースで感染が再拡大する場合、ワクチン接種が無い場合、5月中旬に感染の第4波がピークとなり、1日の新規感染者数は1850人になるのに対して、高齢者にワクチンの優先接種を開始し毎日人口の0.3%に当たるおよそ3万5000人に滞りなく接種した場合には、5月のピーク時の新規感染者数は1日1650人(10.8%減)で、毎日人口の1%に当たるおよそ11万5000人に接種した場合には、同じくピーク時は1日1540人(16.8%減)になりました。ようするにその程度の効果で限定的であるとの結果になりました。
 従ってPCR等の検査を拡充し感染拡大を防止する方策を地道に励行することなしには、いまの状況を脱することは出来ないだけでなく、変異株の優勢化でより悲惨なことになります。
 日刊ゲンダイとNHKの記事を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「まん防」不可避の15都府県一覧 感染再拡大が止まらない
                          日刊ゲンダイ 2021/03/27
 緊急事態宣言の全面解除から1週間足らずなのに、全国各地で「リバウンド」が多発している。
 田村厚労相は26日、新規感染者が急増している宮城県と大阪府について、「増加傾向が顕著で、非常に危機感を持っている」と言っていたが、「まん防」の初適用は待ったなしだ。
「まん防」とは、「まん延防止等重点措置」の略。政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長が国会などで繰り返し適用を求めているアレだ。「ステージ4」(爆発的な感染拡大)を目安に都道府県ごとに発令される緊急事態宣言の手前の措置で、市区町村などの特定地域に限定して機動的に対策を講じるとされている。「ステージ3」(感染者の急増)を想定しているが、「ステージ2」(感染者の漸増)でも感染拡大や医療提供体制の逼迫度合いによって適用される可能性がある。
「まん防」不可避の都府県をまとめたのが〈表〉だ。「新規感染者数の前週比」は埼玉、千葉、神奈川、福岡の4県を除き、軒並み「ステージ4」に相当。医療体制も深刻で、「全入院者の病床使用率」は10都府県が「ステージ3」、福島が「ステージ4」に達している。
 とりわけ数字の悪化が目立つのが、24日に新規感染者数が過去最多を更新した宮城だ。6指標のうち4指標が「ステージ4」に達している。同じく25日に最多を更新した山形と愛媛は、新規感染者数の増加ペースが顕著だ。愛媛は松山市内の繁華街でクラスターが発生した影響で「第4波の入り口に立っている」(中村時広知事)ほど危機的状況である。

■大阪も要請視野
 東京も24日に新規感染者数が3月最多の420人に上り、26日まで7日連続で前週の同じ曜日の数字を上回った。大阪でも26日、300人の感染が確認され、3日連続で250人を超えている。吉村府知事は「まん防」の適用を国に要請することも視野に入れているという。
 この週末はお花見日和。感染の再拡大を少しでも食い止めるには、政府の真摯なアナウンスが必要なんじゃないか。


















ワクチン接種 第4波には効果限定的 筑波大グループがAIで試算
                     NHK NEWS WEB 2021年3月29日
来月から高齢者への新型コロナウイルスのワクチンの接種が始まりますが、筑波大学のグループがAI=人工知能を使った試算で、仮に東京都で去年夏の第2波と同じペースで感染が再拡大する場合、ワクチンの接種を急いでも次の流行を抑える効果は限定的だとする結果をまとめました。
これは筑波大学の倉橋節也教授らのグループがAIを使ったシミュレーションで試算したものです。
グループでは、去年1回目の緊急事態宣言が解除されてから夏に第2波が来た際と同じレベルで感染が再拡大すると仮定して、ワクチン接種が感染の広がりにどう影響するかを試算しました。
その結果、東京都ではワクチン接種が無い場合、5月中旬に感染の第4波がピークとなり、1日の新規感染者数は1850人になるという結果となりました。
一方、高齢者にワクチンの優先接種を開始し、東京都で毎日人口の0.3%に当たるおよそ3万5000人に滞りなく接種した場合でも、5月のピーク時には新規感染者数は1日1650人で10.8%の減少にとどまるという計算になりました。
接種のペースを早め、毎日人口の1%に当たるおよそ11万5000人に接種した場合、ピーク時の新規感染者は1日1540人で16.8%減りましたが、流行自体を抑えることはできず効果は限定的との結果になりました。
試算を行った倉橋教授は「第4波にはワクチンの効果は期待できないことが分かった。流行を抑える効果が現れ始めるのは、順調に行っても7月以降なので引き続き会食時の飛まつ対策などを続けることが重要だ」と話しています。

29- 小川榮太郎の安倍擁護本を東京地裁が「真実性なし」と認定!

 小川榮太郎氏が書いた安倍前首相の擁護本『徹底検証「森友・加計事件」─朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社)をめぐり、朝日新聞社が小川氏、飛鳥新社を訴えていた裁判で、東京地裁は3月10日、小川氏サイドの全面敗北といえる判決を下しました。

 朝日新聞が、事実に基づかない名誉毀損にあたる記述が15箇所あると主張していたのについて、判決は14箇所が真実性が認められないとし、残りの1箇所も裁判所は事実だと認めたわけではなく、社会的評価を低下させるものでないとして、真実性の判断をしなかったのでした。
 LITERAが取り上げました。
 それを読むと小川氏の安倍前首相擁護本はデタラメ三昧としか言いようがありません。
 問題は、安倍自民党が17年10月の解散総選挙の最終段階でそれを「疑惑の打ち消し」の宣伝に大々的に使ったことで、既に十分に目的を達成したのでした。
 それを思うと、今頃ようやく、3年以前に提訴した訴訟に対する判決が出されたことに、日本の裁判の遅さに呆れます。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「森友加計は朝日の捏造」とした小川榮太郎の安倍擁護本を東京地裁が14カ所も「真実性なし」と認定! 選挙に利用した自民党の責任は
                             LITERA 2021.03.28
 小川榮太郎氏が書いた安倍前首相の擁護本『徹底検証「森友・加計事件」─朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社)をめぐって、朝日新聞社が小川氏、飛鳥新社を訴えていた裁判で、小川氏、飛鳥新社と朝日新聞がともに一審の判決を不服として控訴した。
 しかし、3月10日に東京地裁であった一審判決は、朝日新聞社の全面勝訴、小川氏サイドの全面敗北ともいえるものだった。
 朝日はこの訴訟で、小川氏の著書には事実に基づかない名誉毀損にあたる記述が15箇所あると主張していたのだが、東京地裁は判決文で、そのうちなんと14箇所について、「真実性が認められない」「名誉毀損として成立する」と判断。小川氏と飛鳥新社に200万円の支払いを命じたのだ。
 15箇所中14箇所が真実性が認められないって……。しかも、残りの1箇所も裁判所は事実だと認めたわけではなく、社会的評価を低下させるものでないとして、真実性の判断をしなかっただけだ。
 まるで裁判所がデマ本と認めたような判決だが、しかし、同書の中身を考えたらこの判決も当然といわざるをえないだろう。
 この『徹底検証「森友・加計事件」』が出版されたのは、2017年10月。森友学園問題、加計学園問題が発覚してから半年たっても、安倍首相(当時)は疑惑についてまともな説明をせず、追及を封じ込めるために解散総選挙を強行するのだが、その投票日直前に“森友加計報道の検証本”として大々的に販売された。
 著者の小川榮太郎氏はもともと、自民下野時に安倍氏を再び総理にするための草の根運動で事務局的な役割を担い、2012年秋の自民党総裁選直前に『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)という安倍PR本でデビューした人物。その後も「放送法遵守を求める視聴者の会」なる団体を立ち上げて、政権批判報道に圧力をかけるなど、露骨な安倍政権アシスト活動を行ってきた。また、同書の出版元の飛鳥新社も、安倍首相べったりの極右雑誌「月刊Hanada」を発行している出版社だ。
 このコンビで出版された本なのだから、露骨な安倍首相の擁護本であることは予測がついたが、しかし、実際の中身は予想以上のトンデモだった。
 なにしろ、森友加計事件は安倍首相と一切関係がなく、朝日新聞が安倍首相を陥れるため疑惑をねつ造したなどと主張していたのだ。たとえば、書き出しからこんな感じだ。
〈安倍晋三は「報道犯罪」の被害者である。
 半年以上、まるで「安倍疑惑」であるかのような攻撃が執拗に続いた森友学園問題、加計学園問題は、いずれも安倍とは何ら全く関係のない事案だった。
 森友問題は、(略)国政案件とさえ言えない。利権がその背景にあるわけでもない。
 加計学園問題に至っては「問題」すら存在しない。〉
 そして、〈「もり・かけ」疑惑とは国を巻き込んでの「冤罪事件」だった〉として、こう断言するのだ。
〈加害側には冤罪事件を計画、実行した「主犯」が存在するのである。
 いずれの案件も、朝日新聞である。〉
〈何よりも衝撃的なのは、仕掛けた朝日新聞自身が、どちらも安倍の関与などないことを知りながらひたすら「安倍叩き」のみを目的として、疑惑を「創作」したことだ。〉

小川榮太郎は裁判で“ねつ造は虚偽を知りながら報道したという意味でない”と主張も、裁判所は一蹴
 周知のように、森友問題は朝日新聞のスクープだが他の新聞・テレビ・週刊誌も一斉に後追い報道していたし、加計事件については、一番報道が早かったのは、『週刊現代』、続いてリテラである。『週刊文春』もスクープを連発していた。それをすべて朝日の仕掛けた策謀として一元化してしまうとは──。これだけでも、その粗雑な陰謀論に唖然とするが、そのあともひどい。いったいなにを根拠に、と読み進めても、具体的な根拠はほとんどなく、陰謀論や妄想としか思えない分析をただただ書き連ねているだけなのだ。
 たとえば、その典型が加計学園問題に火をつけた文科省の「官邸の最高レベルが言っていること」文書報道をめぐる記述だ。この文書は朝日新聞が5月17日朝刊でスクープするのだが、実はその前夜、16日午後11時に、NHKが『ニュースチェック11』で類似の文書を肝心の「官邸の最高レベル」という記述を黒塗りする形で報道していた。すると、小川氏はその一事をもって、こんな推理をまくしたてるのである。
〈ある人物が朝日新聞とNHKの人間と一堂に会し、相談の結果、NHKが文書Aを夜のニュースで、朝日新聞が翌朝文書群Bを報道することを共謀したとみる他ないのではあるまいか。〉
 そのほかの記述も同様だ。〈単純な事件報道ではなく、最初から情報操作しなければ「事件」にならない案件〉という“論点先取”や、〈上層部から使嗾があった上で現場が前川に取材しているのであれば、スクープの判断が同時に可能になるだろう〉という“後件肯定の誤謬”、〈朝日新聞が明確に司令塔の役割を演じ、全てを手の内に入れながら、確信をもって誤報、虚報の山を築き続けてゆく〉とか〈加計問題は比喩的な意味でなく実際に朝日新聞演出、前川喜平独演による創作劇だったのである〉といった記述については、もはや妄想のレベルである。
 いずれにしても、『徹底検証「森友・加計事件」』は、安倍応援団が森友加計疑惑にフタをしようと、朝日新聞をスケープゴートにしたとしか思えないシロモノだった。
 そのためか、朝日新聞の対応も今回はいつになく強硬だった。同書に対して、朝日新聞はまず、小川氏と飛鳥新社に謝罪と訂正を求める抗議文を送付。しかし、小川氏および飛鳥新社が謝罪訂正に応じなかったため、朝日新聞は同年12月、具体的な記述や「朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」というタイトル部分、冒頭の「無双の情報ギャング 朝日新聞に敬意を込めて捧ぐ」という献辞など、15箇所を「事実に基づかない誹謗中傷」「虚偽の事実摘示に基づく名誉毀損」にあたるとして、小川氏、飛鳥新社に朝日新聞など全国紙6紙への謝罪広告の掲載、5000万円の損害補償を求めて訴えたのである。
 一方、小川氏らは裁判で、こうした記述についていまさら、事実の摘示でなく論評や分析にすぎないと主張。朝日新聞が「疑惑を創作」「ねつ造」したという部分についても、裁判では“虚偽であることを知りながら、敢えて報道したとの内容を読み取ることはできない”といった反論をしていた。
 しかし、裁判所はそうした主張をすべて一蹴し、前述したように15箇所のうち14箇所について、「真実性は認められず」「名誉毀損が成立する」と判断したのである。

名誉毀損が認定された小川榮太郎の本を自民党が5000部以上購入、2017年の総選挙でばらまいていた
 そういう意味では、今回の判決は、当時、安倍応援団がしきりにふりまいていた安倍擁護が事実とかけ離れた陰謀論にすぎないことを客観的に証明する意義あるものだったといえるだろう。
 しかし、こうした判決が出たことで責任を問われるべきは、安倍応援団だけではない。なぜなら、15箇所中14箇所が裁判所に「真実性が認められない」とされたこの小川氏の著書『徹底検証「森友・加計事件」』は、2017年10月の解散総選挙で、安倍自民党が疑惑の打ち消しと宣伝に使っていたからだ。
 同書の奥付にある発行年月日は2017年10月22日、解散総選挙の投開票日だが、実際の発売日は18日で、都内では16日ごろから書店の店頭に並べられていた。
 しかも、その選挙戦最終盤だった18日ごろには、東京と大阪の電車に同書の中吊り広告を掲載。選挙運動が禁止されている投開票日も、少なくとも毎日新聞と日本経済新聞の朝刊に広告が打たれ、「安倍総理は『白さも白し富士の白雪』だ!!」「このままでは国の存立が危うくなる!」「朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」「“スクープ”はこうしてねつ造された」などの文言が踊った。
 このあまりのタイミングの良さに、同書をめぐっては、当初から、安倍官邸や自民党が選挙のために応援団を使って仕掛けたのではないかという疑念がささやかれていた。
 しかも、自民党は実際に、この“安倍擁護・反転攻勢本”を大量に購入し、所属議員や支部などに書面付きで送っていた。
「フライデー」(講談社)12月8日号が、その書面の画像とともに報じている。記事では、自民党ベテラン秘書が「党が全部で5000部以上購入したそうです」などとコメント。書面には、〈同書では、安倍総理への「森友・加計疑惑」が、一部マスコミによる国を巻き込んでの「冤罪事件」であった全貌を、事実の積み重ねにより分かりやすく実証しております〉との紹介に続き、このように書かれていた。
〈つきましては、ぜひご一読いただき、「森友・加計問題」が安倍総理と無関係であることの普及、安倍総理への疑惑払拭にご尽力賜りますようお願い申し上げます〉
 ようするに、同書を使って議員、各支部に“森友・加計学園問題は冤罪”“朝日新聞の報道犯罪だ”とアピールせよという号令をかけたということらしいのだ。しかも「フライデー」の記事によれば、安倍首相と距離を置き、加計問題への対応についても批判している石破茂元幹事長の事務所と代表を務める鳥取県連には、同書は届けられていなかったという。

花田編集長は自民党との共謀を否定も、5000部近い買い上げは認めていた
 いずれにしても、自民党が『徹底検証「森友・加計事件」』を定価1500円で5000部購入していたとすれば、単純計算で750万円もの金が一気に版元の飛鳥新社に転がり込んできたことになる。割引があったとしても数百万円にはなったはずだ。
 一方、それに先立つ選挙期間中には、前述したように同書の中吊り広告や新聞広告が大々的に打たれた。雑誌ならまだしも、中堅出版社が単行本の広告で中吊り広告を打つことはめったにない。交通広告を手がける会社が公開している料金表によれば、2、3日の短期でもJR山手線なら約180万円、東京メトロ全線ならば約250万円かかる。その上、新聞広告となれば、合計で少なくとも数百万円の金が必要なはずだ。
 同書をめぐるこの問題について、リテラは当時、飛鳥新社で同書の出版にかかわった「Hanada」の花田紀凱編集長を直撃している。花田編集長は自民党や安倍官邸との連動については「下衆の勘ぐり」と完全否定したが、自民党が大量に小川氏の著書を大量購入したこと、それが5000部に近い数字だったことは認めた。
 つまり、今回、裁判所から虚偽の事実、名誉毀損が14箇所も認定されたこのデマに満ちた安倍擁護本を自民党が選挙のために大量にまいたのはまぎれもない事実なのだ。選挙民を騙したという意味で、その責任は重大といっていいだろう。
 もちろん、冒頭で書いたように、裁判は控訴されており、結果は確定したわけではない。しかし、一審の経緯を見る限り、結果が覆る可能性は低いといわざるをえない。また、今回の判決では、謝罪広告などが認められなかったためか、朝日側も控訴しており、場合によっては小川氏や飛鳥新社サイドにもっと厳しい判決が下る可能性もある。
 判決が確定したら、朝日新聞やメディアは裁判結果だけでなく、この自民党の責任について徹底追求すべきではないか。 (編集部)