2021年3月29日月曜日

「まん防」不可避15都府県 感染が再拡大 変異株対策もゼロ同様

 緊急事態宣言は解除されましたが、わずか1週間ほどで全国各地で「リバウンド」が起きています。このまま感染爆発に向かうことに疑いはなくて、緊急事態宣言の前段の措置である「まん防まん延防止等重点措置をいつ、どこに適用するかが注目されています。
 日刊ゲンダイが、「『まん防』不可避の15都府県一覧 ~ 」とする記事を出しました。
 15都府県のうち11都府県が「新規感染者数の前週比」がステージ4に相当し、「全入院者の病床使用率」は10都府県が「ステージ3」、福島が「ステージ4」に達しています。
 それなのに、この度も政府が何をしているのかがさっぱり見えません。ただあれよあれよと見ているだけなら、到底舵取りをする部署とはいえません。

 ワクチンに関しては、絶対的な決め手の様に喧伝されていた時期もありましたが、そうしたニュアンスは弱まりました。この先どんなペースで進むのかも不明です。
 筑波大学のグループがA I=人工知能を使った試算で、仮に東京都で去年夏の第2波と同じペースで感染が再拡大する場合、ワクチン接種が無い場合、5月中旬に感染の第4波がピークとなり、1日の新規感染者数は1850人になるのに対して、高齢者にワクチンの優先接種を開始し毎日人口の0.3%に当たるおよそ3万5000人に滞りなく接種した場合には、5月のピーク時新規感染者数は1日1650人10.8%減)で、毎日人口の1%に当たるおよそ11万5000人に接種した場合には同じくピーク時1日1540人16.8%減)になりました。ようするにその程度の効果で限定的であるとの結果になりました。
 従ってPCR等の検査を拡充し感染拡大を防止する方策を地道に励行することなしには、いまの状況を脱することは出来ないだけでなく、変異株の優勢化でより悲惨なことになります。
 日刊ゲンダイとNHKの記事を紹介します。
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「まん防」不可避の15都府県一覧 感染再拡大が止まらない
                          日刊ゲンダイ 2021/03/27
 緊急事態宣言の全面解除から1週間足らずなのに、全国各地で「リバウンド」が多発している。
 田村厚労相は26日、新規感染者が急増している宮城県と大阪府について、「増加傾向が顕著で、非常に危機感を持っている」と言っていたが、「まん防」の初適用は待ったなしだ。
「まん防」とは、「まん延防止等重点措置」の略。政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長が国会などで繰り返し適用を求めているアレだ。「ステージ4」(爆発的な感染拡大)を目安に都道府県ごとに発令される緊急事態宣言の手前の措置で、市区町村などの特定地域に限定して機動的に対策を講じるとされている。「ステージ3」(感染者の急増)を想定しているが、「ステージ2」(感染者の漸増)でも感染拡大や医療提供体制の逼迫度合いによって適用される可能性がある
「まん防」不可避の都府県をまとめたのが〈表〉だ。「新規感染者数の前週比」は埼玉、千葉、神奈川、福岡の4県を除き、軒並み「ステージ4」に相当。医療体制も深刻で、「全入院者の病床使用率」は10都府県が「ステージ3」、福島が「ステージ4」に達している。
 とりわけ数字の悪化が目立つのが、24日に新規感染者数が過去最多を更新した宮城だ。6指標のうち4指標が「ステージ4」に達している。同じく25日に最多を更新した山形と愛媛は、新規感染者数の増加ペースが顕著だ。愛媛は松山市内の繁華街でクラスターが発生した影響で「第4波の入り口に立っている」(中村時広知事)ほど危機的状況である。

■大阪も要請視野
 東京も24日に新規感染者数が3月最多の420人に上り、26日まで7日連続で前週の同じ曜日の数字を上回った。大阪でも26日、300人の感染が確認され、3日連続で250人を超えている。吉村府知事は「まん防」の適用を国に要請することも視野に入れているという。
 この週末はお花見日和。感染の再拡大を少しでも食い止めるには、政府の真摯なアナウンスが必要なんじゃないか。


















ワクチン接種 第4波には効果限定的 筑波大グループがAIで試算
                     NHK NEWS WEB 2021年3月29日
来月から高齢者への新型コロナウイルスのワクチンの接種が始まりますが、筑波大学のグループがAI=人工知能を使った試算で、仮に東京都で去年夏の第2波と同じペースで感染が再拡大する場合、ワクチンの接種を急いでも次の流行を抑える効果は限定的だとする結果をまとめました。
これは筑波大学の倉橋節也教授らのグループがAIを使ったシミュレーションで試算したものです。
グループでは、去年1回目の緊急事態宣言が解除されてから夏に第2波が来た際と同じレベルで感染が再拡大すると仮定して、ワクチン接種が感染の広がりにどう影響するかを試算しました。
その結果、東京都ではワクチン接種が無い場合、5月中旬に感染の第4波がピークとなり、1日の新規感染者数は1850人になるという結果となりました。
一方、高齢者にワクチンの優先接種を開始し、東京都で毎日人口の0.3%に当たるおよそ3万5000人に滞りなく接種した場合でも、5月のピーク時には新規感染者数は1日1650人で10.8%の減少にとどまるという計算になりました。
接種のペースを早め、毎日人口の1%に当たるおよそ11万5000人に接種した場合、ピーク時の新規感染者は1日1540人で16.8%減りましたが、流行自体を抑えることはできず効果は限定的との結果になりました。
試算を行った倉橋教授は「第4波にはワクチンの効果は期待できないことが分かった。流行を抑える効果が現れ始めるのは、順調に行っても7月以降なので引き続き会食時の飛まつ対策などを続けることが重要だ」と話しています。