2022年2月27日日曜日

27- バイデンがプーチンをウクライナ侵攻に導いた(田中 宇氏)

 フリーの国際情勢解説者・田中宇氏の「国際ニュース解説」は、メディアの情報には拠らずに様々なニューソースからの国際情報を紹介しています。

 その田中氏が、24日に「ロシアを制裁できない欧米」、25日に「バイデンがプーチンをウクライナ侵攻に導いた」の記事を緊急に出していて、それを読むとメディアの報道にはないものを知ることができます。
 ここでは後者の記事を紹介します。
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バイデンがプーチンをウクライナ侵攻に導いた
                          田中 宇 2022年2月25日
2月24日の現地時間の早朝、プーチンのロシア軍がウクライナの軍事施設をミサイルなどで攻撃し、短時間でウクライナの軍事力を壊滅させた。露軍の特殊部隊が首都キエフの国際空港や空軍施設などを急襲・占拠した。駐留していたウクライナ軍はほとんど交戦せず降伏した。ロシア軍は侵攻の直前にウクライナ上空を飛行禁止にして世界に通知しており、ウクライナ空軍は露軍が攻撃してくるのを知っていたが、手持ちの短距離ミサイルなどで反撃することもせず、空軍基地や空港の滑走路にトラクターなどの障害物を置いて露軍機が着陸しにくいようにしただけだった。ウクライナ空軍は、もともと貧弱ではあったが、まったく戦わずに露軍に施設や兵器を破壊されて消滅した。ロシア軍はウクライナの制空権を強奪し、5月18日までウクライナ上空の国際航空路を飛行禁止にした。これから最短でも3か月近く、露軍がウクライナを占領することになる。

ロシアは地上軍もウクライナに侵攻したが、こちらは今のところ限定的だ。わかっているのは3種類だ。(1)ロシア領のクリミアから露地上軍の隊列がウクライナ側に越境侵攻し、ウクライナ側からほとんど攻撃されないまま、数時間後に約100キロ北のドニエプル河畔に到達した。これは「ノボロシア」建国の布石な感じがする(後述予定)。(2)露軍の上陸部隊が黒海から海岸都市のマリウポリとオデッサに上陸し、2都市を警備していたウクライナ政府軍と交戦した。交戦の結果どうなったかまだ不明。これもノボロシア建国の布石っぽい。(3)北隣のロシア友好国ベラルーシから、露軍の特殊部隊がウクライナに越境侵攻し、国境近くのチェルノブイリ原発(廃炉群)を占領した。今後ロシアの占領によってウクライナ政府の機能が低下した場合、ウクライナのロシア敵視勢力が廃炉群を占領して「爆破して放射能を撒き散らすぞ」とロシアを脅しかねないので、それを防ぐ先制策として露軍が廃炉群を占領したようだ。3種類の侵攻で、ウクライナに入ったロシアの地上軍は全部で数百人から数千人でないか。10万人の露軍がウクライナ国境にいて侵攻しそうだと喧伝されてきたが、そんな大軍は来ていない。

ドンバス2州の政府は、ウクライナ政府軍の一部がロシア系民兵団(独立した2州の政府軍)に投降したと言っている。その他のウクライナの地上軍がロシアと戦う気でいるのか、それとももう投降する気になっているのかは不明だ。しかしすでに制空権を奪われたゼレンスキー大統領が、戦闘意欲のない泣きそうな顔で国民に平静を呼びかけている現状から考えて、ウクライナ政府の地上軍はもうロシアと戦わず降伏していきそうだ(右派民兵団も、後ろ盾の米諜報界が逃げてしまったので弱体化していく)。最大の頼みの綱だったバイデンの米国は、ウクライナに米軍を派兵することはないと言い続けている。助けは来ない。制空権を奪われているウクライナ政府に、外国がこれから軍事支援することは不可能だ。 

ロシアは半日でウクライナを打ち負かした。その間の死者は200人以下だった。これは戦争だが、戦争にしてはほとんど人が死んでいない。プーチンのウクライナ侵攻は大成功している。ロシアがウクライナを打ち負かした2月24日、キエフなどウクライナ諸都市では、市民がおおむね平常な日常生活を続けられた。学校は休みになり、食糧の買い貯めやATMからの現金引き出しに行列ができ、避難する人もいたものの、交通機関など公共施設は動き続け、停電にならず、水道やガスや通信網も無事だった。お見事。

ロシアは、米国の傀儡だったウクライナのゼレンスキー大統領に、まだウクライナ政府を保持させている。ロシアは制空権などウクライナの防衛力を剥奪した上で、ゼレンスキー政権を生かしたまま、降伏しろと加圧している。プーチンはゼレンスキーに、ウクライナの軍事力をロシアに壊されたままの状態にしておく「非武装化」と、ウクライナ政府を二度と米国(外国勢)の傀儡にしない「非ナチ化」を宣言しろと求めている。ウクライナ政府の「非ナチ化」とは「非米化」というか「ロシア傀儡化」であるが、ウクライナのネオナチ勢力が米傀儡になってウクライナの政権を乗っ取った経緯から露側はこう呼んでいる。日本が敗戦時に「非武装化」と「非軍国化=米傀儡化」を求められたのと似ている。プーチンはゼレンスキーに「米国の傀儡をやめてロシアの傀儡になって非武装を続けるなら許してやる」と言っている。

米欧はロシアを経済制裁すると言っている。すでにG7諸国は、ロシアの政府系銀行との取引を停止する制裁を開始した。しかし、米欧からの経済制裁はロシアにとって苦痛でない。ロシアは、米欧から取引を停止された分を、中国との取引増加で補填できる。米欧が検討している最大の対露経済制裁は、ロシアの銀行界を国際決済機構SWIFTから締め出してロシアがドルやユーロ建てで資金決済できないようにすることと、プーチン個人を経済・外交的に制裁することだが、いずれも実施されない見通しになっている。米英はロシアのSWIFT除名を提案しているが、SWIFTの本拠地(ベルギー)があるEUの盟主であるドイツが反対しているので実現しない。ドイツなど欧州はエネルギーをロシアの天然ガスに依存しており、ロシアがSWIFTから除名されるとドイツへの天然ガス輸出が止まってしまい、ドイツなど欧州の方が破滅する。EUは今後もプーチンと交渉したいので、プーチン個人の制裁にも賛成できない。米欧はすでに実効性がある対露制裁をできない状況だ。

バイデン米大統領は「ロシアのウクライナ侵攻はおおむね米政府の予想通りだった」と言っている。バイデンは最初「2月16日に露軍がウクライナに侵攻する」と言って米国や同盟諸国の大使館員をウクライナから避難させた。2月16日に露軍はウクライナに侵攻しなかったが、バイデンはなおも「間もなく露軍がウクライナに侵攻する。侵攻が起きたらその日のうちに首都キエフが陥落する」と言い続けた。2月24日に実際の露軍のウクライナ侵攻が起こり、その日のうちにキエフなどの軍事施設が露軍に占領または破壊された。バイデンの予想は確かに当たった。しかし、この話はトンデモである。

バイデンは、露軍がウクライナを侵攻して半日で打ち負かすと知りながらウクライナを助けず、ゼレンスキーの懇願を振り切ってすべての大使館機能を国外(一部だけ辺境のリボフ)に避難させた。米軍は、世界のどこかの国の防衛力を72時間以内に強化し、他国の侵攻に対するある程度の防衛力をつけさせる技能を持っている。この技能が、米国を世界の警察官にしている。米政府が露軍のウクライナ侵攻を予測していたなら、空軍力が弱いウクライナを短期間で補強することもできたし、何らかの有効な対応策を米国がロシアにわかる形でそれとなくやることで、プーチンにウクライナ侵攻を思いとどまらせることもできた。 

しかし実際に米政府がやったことは、露軍が侵攻してくると大騒ぎしつつ米欧の大使館機能や軍の要員を全員ウクライナから避難させることだった。これは、ウクライナの防衛力を補強するどころか逆に弱体化してしまった。このバイデンの「未必の故意」的な超愚策なウクライナ弱体化策の展開を見て、もしかするとそれまでウクライナ侵攻する気などなかったプーチンが、これなら電撃的に侵攻できそうだと思ってしまった可能性が十分にある。米国がロシアの侵攻予定を察知したら、それを公表するのでなく機密扱いしつつ、対応策をとって侵攻を思いとどまらせるのが覇権国の採るべき道だった。バイデンは全く逆のことをした。バイデンの超愚策がプーチンをウクライナ侵攻に導いたことになる。バイデンの予想が当たったのでなく、バイデンの予測による大騒ぎの未必の故意的な超愚策がロシアのウクライナ侵攻を誘発したのでないかと私は勘ぐっている。

ノボロシア(新ロシア)のことをまだ書いていない。ロシアは、ウクライナ南東部のドンバスからモルドバ国境のトランスニストリアまでの、ロシア系が比較的多い黒海岸の帯状の地域を、昔の呼び名である「ノボロシア連邦」としてウクライナから分離独立するよう誘導していく可能性がある。今のウクライナは、北西部にウクライナ系住民が多く、南東部にロシア系住民が多い分裂気味の国家で、ウクライナ系とロシア系が4対3で、多数決に基づくといつもウクライナ系が与党になる。これはロシアにとって都合が悪い。ロシア敵視のウクライナ系が米英の傀儡になってロシアと戦う構図が常に潜在し、米英の思う壺だ。だからプーチンは、ウクライナ南東部の9州のロシア系を扇動し、親ロシアなノボロシア連邦として分離独立させようとしてきた。ウクライナを北西部と南東部に分割すれば、北西部はウクライナ系の国として、南東部はロシア系のノボロシアとして、それぞれ民主主義的に安定する。分割後のウクライナ(北西部)が米英の傀儡になっても、ロシアとの緩衝地帯としてノボロシアが存在するのでロシアにとって脅威が減る。ノボロシアの話は改めて書きたい。いろんな話が「はずれ」たり散らかったまま、整合性がとれていない部分もあるが、事態が急展開して追いつかないのでとりあえず配信する。 

2022年2月26日土曜日

アベノミクスで増えた大企業の内部留保に適正な課税を 日本共産党が提案

 アベノミクスで、12年から20年にかけて、資本金10億円以上の大企業の内部留保は130兆円増えて466兆円になる一方、働く人の実質賃金は年収22万円も減りました。要するに大企業(とその株主)だけが優遇される一方で国民はより貧しくなったのでした。
 この不合理を是正するため、共産党が下記のことを提案しました。
「資本金10億円以上の大企業に、12年以降に増えた内部留保額に毎年2%、5年間で10%の時限的課税を行う」
 この内部留保課税は同党が初めて行う提案で、その意義として
 ・自公政権による大企業減税の不公平をただす
 ・内部留保課税に適切な控除を設けた
 ・新たに生まれる10兆円の税収を中小企業・中堅企業の賃上げ支援に使い、最低賃金
  を時給1500円に引き上げる
の3点を挙げています。
 なお、内部留保課税が「二重課税」になるという議論については、今回の提案は、「この間の不公平な減税が内部留保の積み増しにもなっている」点に着目したものであり、二重とは言えないもので、わが国の税制で最大の「二重課税」である消費税を実施していながら「内部留保課税は二重課税」などと言うのは身勝手そのものとしています。
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アベノミクスで増えた大企業の内部留保に適正な課税を
                        しんぶん赤旗 2022年2月25日

大企業優遇の減税をただし、内部留保を賃上げと「グリーン投資」など国内投資に 志位委員長が提案

 日本共産党の志位和夫委員長は24日、国会内の記者会見で、アベノミクスで増えた大企業の内部留保に適正な課税を行うことを提案しました。志位氏は「大企業優遇の不公平をただす、賃上げや『グリーン投資』を促す、最低賃金1500円引き上げの財源になる。一石三鳥の効果をあげるのが今回の提案だ」と強調しました。(全文下掲)
 志位氏は「大企業が利益をあげても、巨額の内部留保が積み上がって、日本経済に還流していない」と指摘。このゆがみは、自公政権によるアベノミクスでひどくなり、2012年から20年にかけて、資本金10億円以上の大企業の内部留保は130兆円増えて466兆円になる一方、働く人の実質賃金は年収22万円も減ったとして、「人件費を削減して目先の利益増を目指す新自由主義的経営が横行した結果、内部留保と株主への配当だけが増え、日本経済のゆがみを大きくした」と強調しました。
 そのうえで志位氏は、資本金10億円以上の大企業に、2012年以降に増えた内部留保額に毎年2%、5年間で10%の時限的課税を行うことを提案。「内部留保課税が、大株主や富裕層の資産をさらに増やし、不公平の是正どころか逆に拡大する結果にならないような制度の設計を考えた」と述べ、内部留保課税の意義として3点をあげました。
 第一は、自公政権による大企業減税の不公平をただすことです。志位氏は、自公政権の下で、大企業には年間4兆円程度の減税が実施され、10年間で40兆円もの「減税効果」となり、内部留保の積み増しに回っていることを指摘。「内部留保課税によって『減税効果』の4分の1程度をさかのぼって是正する」と述べました。
 第二は、内部留保課税に適切な控除を設けた点です。志位氏は、課税対象額から賃上げ額を控除することで、各企業が賃上げを行えば、その分、税負担が減る仕組みになっていると強調。さらに、国内設備投資額を課税対象から控除することで「グリーン投資」を増やすなど経済の持続可能な発展につなげると訴えました。
 第三は、新たに生まれる10兆円の税収を中小企業・中堅企業の賃上げ支援に使い、最低賃金を時給1500円に引き上げる点です。志位氏は「中小企業・中堅企業に対する社会保険料の負担を軽減し、最低賃金の引き上げを行う」と述べました。
 志位氏は「日本共産党が内部留保の課税について発表するのは、今回が初めてだ。内部留保がこれだけ積み上がり、税の不公平が甚だしくなっており、さらに賃上げが必要という状況の下で、政治ができることは何かを考え、今回の提案をまとめた」と説明。「今度の提案は、大企業の賃上げにも、中小企業の賃上げにもつながるし、グリーン投資にもつながる。ぜひ、この提案を国会審議にも生かして、実現を求めていきたい」と述べました。


アベノミクスで増えた大企業の内部留保に適正な課税を
大企業優遇の減税をただし、内部留保を賃上げと「グリーン投資」など国内投資に
                       しんぶん赤旗 2022年2月25日
                        
                        2022年2月24日 日本共産党
 日本共産党の志位和夫委員長が24日の記者会見で発表した「アベノミクスで増えた大企業の内部留保に適正な課税を――大企業優遇の減税をただし、内部留保を賃上げと『グリーン投資』など国内投資に」の全文は次のとおりです。


 大企業が利益をあげても、巨額の内部留保が積み上がり、日本経済に還流していきません。このゆがみは、自公政権によるアベノミクスでひどくなり、2012年から2020年にかけて、資本金10億円以上の大企業の内部留保は、130兆円も増え466兆円にもなっています。
 同じ時期に、働く人の実質賃金は22万円(年収)も減りました。人件費を削減して目先の利益増を目指す新自由主義的経営が横行した結果、内部留保と株主への配当だけが増えるという、日本経済のゆがみが大きく拡大したのです。

 ところが自公政権は、内部留保を増やし続けている大企業に減税と優遇税制を拡大してきました。安倍政権の時に、法人税率を28%から23・2%に減税し、企業向けの「租税特別措置」も安倍政権以前は1兆円だったものが2兆円に倍増しています。「連結納税制度」なども含め、もっぱら大企業が利用する優遇税制により、法人税の実質負担率は、中小企業―19・2%、中堅企業―20・7%に対して、大企業は10・2%と半分にすぎません。
 こうした状況のもと、日本共産党は、次のような大企業への内部留保課税を行うことを提案します。

 資本金10億円以上の大企業に、2012年以降に増えた内部留保額に毎年2%、5年間で10%の時限的課税を行います。これにより毎年2兆円程度、総額で10兆円程度の新たな財源が生まれます。
 2012年以降、大企業の内部留保は130兆円増えており、ここに2%課税すれば2・6兆円となりますが、賃上げ額と国内設備投資額を課税対象から控除します。2012年以降、企業設備などを増やした企業には、その分、課税対象から減額し、機械や工場などを処分しなければ納税できないというような事態が起きないようにします。これらを考慮しても、毎年2兆円程度、5年間で10兆円程度の税収が見込めます。
 アベノミクスで増えた大企業の内部留保への課税は、(1)自公政権下で行われた大企業減税の不公正をただす、(2)企業内に滞留している巨額の資金を賃上げや「グリーン投資」などの国内設備投資にまわるようにする、(3)新たな税収で最低賃金引き上げに必要な中小企業・中堅企業への賃上げ支援を抜本的に強化することができる、という意義があります。

 内部留保はストックであり、いくら巨額であっても課税は一時的・時限的なものになります。また、企業に株主配当や自社株買いを増やすことを促すために内部留保課税を行うという議論もあり、内部留保課税が、大株主・富裕層の資産をさらに増やし、不公平の是正どころか逆に格差を拡大する結果とならないようにする必要があります。

自公政権による大企業減税の不公平をただす
 日本共産党は、大企業に応分の負担を求めるために、法人税率を安倍政権以前の28%に戻す(中小企業は除く)、大企業への優遇税制を廃止・縮小することを提案していますが、今回の提案で、これまでの不公正もただすことになります。自公政権の下で、大企業には年間4兆円程度の減税が実施され、10年間で40兆円もの「減税効果」となり、内部留保の積み増しにも回っています。すでに実施された税制であることや、減税の状況は業種・企業ごとに差があることなどを考慮し、この内部留保課税によって、「減税効果」の4分の1程度をさかのぼって是正します。
 なお、内部留保課税は「二重課税」になるという議論がありますが、今回の提案は、この間の不公平な減税が内部留保の積み増しにもなっている点に着目したものであり、「二重」などとは言えません。そもそも「二重課税」と言うなら、消費税こそ、わが国の税制で最大の「二重課税」です。庶民は所得税を納めた後の所得で支払う商品やサービスの対価に消費税を課税されています。財界・大企業が、消費税増税を政府に要求しながら「内部留保課税は二重課税」などと言うのは身勝手そのものです。

内部留保課税に適切な控除を行うことで、賃上げと「グリーン投資」を促進します
 ――課税対象額から、賃上げ額を控除します。
 各企業が賃上げを行えば、その分、内部留保課税対象額から控除することによって、賃上げをすれば税負担が減る仕組みにします。ただし、株主配当や自社株買いは控除対象にしません。

 ――国内設備投資額を課税対象から控除することによって、「グリーン投資」を増やすなど経済の持続可能な発展につなげます。
 気候危機打開のために、省エネや再エネをすすめるための投資を大きく増やすことが求められています。日本共産党が発表した「気候危機を打開する2030戦略」でも、2030年までにCO2排出を50~60%削減する(2010年比)ためには、150兆円規模で企業をはじめとする民間投資が必要になるという研究者グループの試算を紹介しています。巨額の内部留保が、「グリーン投資」に向かうことも求められており、内部留保課税の対象から、国内設備投資を控除することで促進します。
 ただし、石炭火力発電所建設をはじめ、CO2排出を増やし、気候危機打開に逆行する設備投資は対象にしません。

新たな税収で、最低賃金を時給1500円に引き上げるために、中小企業・中堅企業に必要な賃上げ支援を10兆円規模で実施できるようにし、大企業でも中小企業でも賃上げがすすむようにします
 増える税収は一般財源としますが、10兆円程度の新たな税収が生まれます。最低賃金を時給1500円に引き上げるための、中小企業・中堅企業への必要な賃上げ支援を抜本的に強化するための大きな財源を確保できます。

 中小企業・中堅企業の賃上げ支援は、社会保険料の企業負担分の軽減など、赤字企業も負担している固定経費を軽減し、その分が賃上げに回るようにすることが必要です。自公政権のやっている「賃上げ減税」は、黒字企業しか対象にならず、黒字が大きい企業ほど減税額も大きくなります。もともと賃上げできる体力を持った企業が大きな支援を受けることになり、賃上げ支援の効果はきわめて限定的です。実際、安倍政権以来、2兆円以上の賃上げ減税を行いましたが、その間に実質賃金は減少しました。支援額を抜本的に拡大するとともに、本当に必要な企業への支援にします。












26- 2014年暴力革命延長線上の紛争(植草一秀氏)

 植草一秀氏がウクライナの事態について、「2014年暴力革命延長線上の紛争」とする記事を出しました。単に「ロシアによる軍事侵攻」という見方では全体像を把握できないという指摘です。
 8年前の2014年にウクライナで仕掛けられた暴力革命は、米国が当時の金額で5000億円を投じて準備したと言われています。現地で最後の詰めを行ったのはビクトリア・ヌランド米国務次官補で、その上司はジョー・バイデン副大統領でした(肩書はいずれも当時)。
 西側は8年前にロシアがクリミアを占拠したとしてロシアに経済制裁を科して現在に至っていますが、ロシアのソチ・オリンピック中に起こされたクーデターの後も、キエフ政権が当時クリミアを不凍港として借用していたロシアが警備兵を1万人以上常駐させていたため手を出せなかったなかで、クリミア住民の95%以上の賛成(住民投票)の下でロシアへの統合を決めたのでした。
 8年前のウクライナ暴力革命に深く関与したバイデン大統領の言い分だけを信じるのは不公平の誹りを免れません。
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2014年暴力革命延長線上の紛争
                植草一秀の「知られざる真実」 2022年2月24日
ウクライナをめぐる報道が過熱している。
ロシアが「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認した。
同時に、両共和国とロシアは「友好協力・相互援助条約」にも署名した。
両共和国は共和国内に展開するウクライナ軍を撃退するために、ロシアに軍事的支援を要請した。
このことについて米国のバイデン大統領が「ロシアによる軍事侵攻」と表現している。
ものごとには多面性がある。
一つの角度からの情報だけでは全体像を掴めない。
異なる角度から事象を見つめることが重要だ。

ウクライナ東部地域とウクライナ政府は2015年に「ミンスク合意」を締結している。
ミンスク合意は2014年と15年に結ばれた。
合意内容には、親ロ派勢力が実効支配するウクライナ東部ドンバス地域をめぐる紛争の停戦や、この地域への自治権付与が含まれた。
ロシア、ウクライナ、仏、独の4カ国がまとめた。
ロシアが重視してきたのは東部地域への自治権付与である。
ウクライナ東部地域が外交自主権を確保すれば、ウクライナのNATO加盟は不可能になる。
ロシアは旧ソ連邦国家のNATO加盟を阻止する考えを有していると見られる。
ロシアのプーチン大統領はウクライナが東部ドンバス地域の紛争解決を目指す「ミンスク合意」を履行しなかったと批判し、ロシアによるドンバス地域の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立承認はやむを得ない決定だったと述べた。
これに対して、米国のバイデン大統領は「ロシアによる軍事侵攻が始まった」と繰り返している。

同じ事象であっても、表現の仕方が変わると印象が著しく異なる。
この問題を考えるに際して見落とせないことは2014年のウクライナ政変についての理解だ。
2014年にウクライナのヤヌコヴィチ大統領がロシア亡命に追い込まれた。
暴力革命が勃発して政権が排除された。
このとき、暴力革命の背後で糸を引いたと見られるのが米国である。
米国のバイデン副大統領、ヌーランド国務次官補が中核的役割を担ったと見られている。
ヌーランド国務次官補が、ウクライナの極右組織「スヴォボダ(自由)」のオレフ・チャグニボク党首と、クーデター直前の2014年2月6日に満面の笑顔を湛えて撮影された写真がインターネット上にも流布されている。
「スヴォボダ(自由)」は、戦前のナチスドイツ協力者で、ユダヤ人やポーランド人の数万人に及ぶ殺害に手を染めたステパーン・バンデーラの「ウクライナ民族主義者組織」の直系であるとされる。

成澤宗男の世界情勢分析「バイデンが国務省に入れた極右の正体2」https://bit.ly/3IkhktI 
ヤヌコヴィチ大統領は民主的な選挙で正当に選出された大統領である。
その政権を米国が介入して暴力革命で転覆した。
成澤氏は次のように指摘する。
「街頭での暴力行為の中心にいた『ライトセクター』と称する極右・ネオナチ集団があくまでヤヌコヴィッチ打倒を掲げ、手薄になった大統領官邸に押しかけて力づくで政権を打倒したというのが真相だ。」
この経緯を含めて問題を捉えないと正当な評価は成り立たない。
親ロシア派だったヤヌコヴィッチ政権が欧州連合(EU)との通商協定調印を見送ったことが、政権が転覆された直接の契機になったと見られる。
2014年9月、ドンバスの内戦が続いたなかで、ミンスク合意(「ミンスク1」)が調印された。
しかし、2015年1月に戦線全体で再び戦争が勃発。
ウクライナ勢は再び主導権を握ろうとして軍事行動を激化させたが失敗に終わり、2015年2月に「ミンスク2」が締結された。

2019年5月にゼレンスキー大統領が選出され、すでに任期が半分以上経過したが、ミンスク2を履行する気配すら示さない。
「2015年末までのドネツク・ルガンスク州の個々の地区の特別の地位に関する永続法の採択」という規定の実現がまったく見えない。
このなかでロシアが両地域を共和国としての独立を承認した。
当面は、ロシアが両共和国の独立を守るための行動を実施することにとどまる見通し。
米国のバイデン大統領は軍産複合体の要請に応えるとともに、秋の中間選挙に向けて支持率の回復を目指していると見られる。
巨大な軍事紛争に発展させないための外交交渉が強く求められている。

鳩山友紀夫元首相との対談(アジア共同体研究所主宰YouTube動画「UIチャンネル」)
https://bit.ly/39BTgmd 
10月5日発売の鳩山友紀夫元首相、孫崎享氏、前川喜平氏との共著『出る杭の世直し白書(ビジネス社)https://amzn.to/3hSer8a のご高覧も賜りたい。
             (以下は有料ブログのため非公開)

2022年2月25日金曜日

田中宇氏の推理が的中 「ロシアがウクライナ東部2州を併合しそう」

 14日に国際情勢解説者の田中宇氏が、ブログ「田中宇の国際ニュース解説」に「ロシアがウクライナ東部2州を併合しそう」とする記事を載せていました。

 10日以上前の記事ですがその通りになりました。それは田中氏の推理の正確さを示すものですが、そこには「ウクライナ東部2州(ドンバス、ドネツクやルガンスク)」を巡るロシアの8年来の思いと、それを一貫して妨害してきた米国の動きが分かりやすく書かれています。遅まきですが以下に紹介します。
 原文には各節ごとに根拠となる元記事のタイトルが紹介されていますが、英文記事のため省略しました。
 なお記事の冒頭に書かれている通り、この記事は「ロシアは正義のためにウクライナに侵攻するかも」の続きです(タイトルをクリックすればそこにジャンプします)。
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ロシアがウクライナ東部2州を併合しそう
                          田中 宇 2022年2月14日
この記事は「ロシアは正義のためにウクライナに侵攻するかも」の続きです。
ロシア軍がウクライナに侵攻しそうだという話で大騒ぎになっている。米政府は昨年末から繰り返し、露軍がもうすぐウクライナに侵攻しそうだと言い続けてきた。それらは、露軍がロシア国内で行った軍事演習を侵攻準備だと言い募ったり、ロシアとベラルーシの軍事交流を侵攻準備と喧伝したりする誇張策で、何日かたつと「はずれ」とわかるものだった。今回もその手のバイデン流ボケ話だと書いているメディアもある。だが、今回は様子が違う。

異例さの一つは、米当局が「露軍のウクライナ侵攻は2月16日だ」と、日付まで指定して予測していることだ。2月11日に米安保担当大統領補佐官のサリバンが「北京五輪終了(2月20日)より前に露軍がウクライナ侵攻しそうだと述べた後、同日中にバイデン大統領がEUやNATO諸国の指導者とビデオ会議した時に、露軍が2月16日に侵攻すると述べた。米諜報界はあちこちで2月16日露軍侵攻説を言い回っている。開戦日が事前に指定されている戦争話は前代未聞だ。当初、米英だけがウクライナの首都キエフから外交官らを避難させていたが、その後は米国が喧伝する予測に押されるかたちでNATO諸国や日本の外交団などもキエフから避難し始めている。

戦争だ、戦争だとヒステリックに叫ぶ米政府と裏腹に、戦争当事者のウクライナのゼレンスキー大統領は1月末に「露軍が間もなく侵攻してくるという話は事実でなく、パニックを扇動するものでしかない」と米国側を非難した。ロシア政府も、露軍侵攻話は米国のでっち上げだと言っている。ウクライナとロシア側を和解させようとしている独仏など欧州諸国も、戦争パニックを扇動する米政府に迷惑しているようだ。この状況をどう分析したら良いのだろう。 

私が見るところ、米国が発する2月16日侵攻説は根拠がある。それは、ウクライナ東部のドネツク、ルガンスクの2州が2014年のウクライナ内戦開始時からずっと宣言し、ロシアに承認を求めてきた「東部2州のウクライナからの分離独立とロシアへの併合」について、ロシア連邦議会下院(デューマ)が2月14日に審議し、プーチン大統領が東部2州のロシア併合を認めてくれるよう請願する決議を可決する可能性があることだ。ドネツクとルガンスクはロシア系住民が多く、ウクライナの政府と軍から敵視攻撃されてひどい目にあっている。1月の記事で書いたとおり、ロシアの世論は、2州のロシア併合を認めてやるべきだと強く思っている。ロシアのナショナリズムの流れに沿って、ロシア議会で1月中旬から2州のロシア併合を認めてやるべきだと話が出ている。

2月14日の審議は延期されそうだという話もある。だが半面、ロシアのプーチン大統領は、北京五輪に際して2月4日に訪中して習近平と会談した時に、中国側からウクライナ問題に関する明確な支持を得ている。中国がウクライナ問題でロシアを支持したのはこれが初めてだ(これまでの中共は米国に気兼ねして中立の立場だった)。ロシアが東部2州を併合したら、中国が支持してくれる状況になった。対照的に、ウクライナをテコ入れしてロシアを敵視してきた米国の覇権は低下する一方だ。ロシアがまだ弱かった2014年のウクライナ内戦開始時、プーチンは欧米からの猛烈な敵視・制裁を受けつつ、軍事的に重要なクリミアをロシアに併合するのがやっとで、東部2州も併合してロシア系住民を守ってやりたかったが、そこまでやれなかった。その後8年間、東部2州の住民はひどい目にあい続けている。早く併合して、楽にしてやらねばならない。 

ロシア議会が2州のロシア併合を要請し、プーチンがそれを受けて併合を正式に認めると、2州はロシアの法律上、国内の地域になる。2州の住民が外国から攻撃されて危険な目にあっていたら、ロシア軍が2州に行って住民を守り、外国勢力を追い払うことが「軍の任務」になる。2州はロシア国内になるのだから、ロシア軍が2州に行くことはロシアの法律上「外国への侵攻」でなく「国内移動」になる。ロシアが2州を併合しても、ウクライナはそれを認めない。たとえウクライナ政府軍が自重して2州から撤退しても、CIAなど米諜報界が軍事支援して傀儡化してきたウクライナ民兵団が2州のロシア系民兵団を攻撃して戦争を再燃させるので、ロシア軍の2州への国内移動(米欧ウクライナから見ると「侵攻」)は避けられない。2月14日にロシア議会が2州の併合をプーチンに要請し、2月15日にプーチンが2州の併合を決めて署名すると、2月16日にロシア軍が2州に入る(侵攻する)ことになる。これは確定でないが、妄想でもない。 

ロシア軍が2州に入ると、露軍より劣勢なウクライナの政府軍と民兵団は戦闘に負けて新しい国境線の向こう側まで退却し、2州のロシアへの併合過程が完了する。この過程で、もし米軍がウクライナ政府の求めに応じて東部2州に入ってロシア軍と戦闘開始すると、第三次世界大戦になる。しかし、多分それはない。バイデン大統領は「露軍がウクライナに侵攻したら、ロシアに対し、これまで見たことのないようなすごい経済制裁をしてやる」と何度も言っているが、彼が強調するのはいつも経済制裁に偏重しており、ウクライナに米軍を入れる話は全くしていない。国連のP5どうしは戦争しない。 

ウクライナがすでにNATOに入っているなら、2州をウクライナからもぎ取ろうとするロシアと戦争する法的義務が米国に生じるが、ウクライナはまだNATOに入っていない。ロシアが2州を併合する前にNATOがウクライナを加盟させると、ロシアは世界大戦を覚悟しない限り2州を併合できなくなる。だからプーチンは、昨年秋から「ウクライナをNATOに入れたら承知しないぞ」と米欧側を脅しつつ、先日の2年ぶりの中国訪問をこなして習近平をウクライナ問題で味方につけた上で、これからの2州併合へと向かおうとしている。 

2州をロシアに取られたら、ウクライナはもうNATOに加盟できない。NATO側はロシアの2州併合を認めず、今後も「ロシアは2州をウクライナに返すべきだ」と言い続けるが、この状態でウクライナをNATOに入れると、その瞬間にNATOがロシアと戦争せねばならなくなる。NATOへの新規加盟は、既存のすべての加盟国の賛成が必要だ。米英ポーランド、バルト三国など「ヒステリ反露(MI6傀儡)諸国」以外の多くの加盟国が、ウクライナの加盟に反対するようになる。NATOやEUは、内部で、ヒステリ反露諸国と対露現実主義諸国(ドイツ筆頭)との対立がひどくなり、内部分裂して弱くなる。

米欧など「国際社会(笑)」はロシアへの経済制裁を強める。ドルなどの銀行間国際決済のシステムであるSWIFTからロシア勢を除名し、ロシアがドルを使えないようにする制裁もたぶん行われる。だがロシアは、何年も前から中国やイランなど非米諸国と組み、ドルでなく相互の自国通貨で決済して国際取引を続ける新システムを導入し、拡大してきた。欧米のロシア制裁は以前なら、欧州に石油ガスを売れなくなってロシアが収入を失って困窮する流れだったが、近年はロシアの石油ガスの全量を中国が買ってくれる。そのためのパイプラインの送付先変更も準備ができている。ロシアは、米国から何年も敵視されている間に準備完了した。あとは、実際に欧米からの制裁が強化された後、これまで欧州に送っていた石油ガスを中国に送るよう、シベリアやウラルにあるいくつかのバルブを開閉するだけだ。困るのはロシアでなく欧州だ。

昨夏に完成した、ロシアからドイツ(などEU全土)に天然ガスを送るパイプライン「ノルドストリーム2」は、米国がロシア敵視の一環としてドイツに加圧して稼働を止めているので、使われていない。ロシアが2州を併合したら、その後もずっと使われないままになる。欧州が、ロシアから買えなくなった天然ガスを米国から買う構想があったが、最近、米民主党がインフレ対策の一環として米国内の天然ガスを外国に売ることを制限し始めているので売ってもらえなくなる傾向だ。米国は欧州に対し、どこまでも意地悪だ。なのに対米従属を続ける間抜けな欧州。凍死しても自業自得だ。

ウクライナが東部2州をロシアに取られたくなければ、ミンスク合意に沿って、東部2州に自治を再付与することを目標に、ウクライナ政府が東部2州の政府と交渉を開始すれば良い。ミンスク合意は、ウクライナ内戦の解決策として2014年からウクライナ政府と東部2州政府、ロシア、独仏などOSCEが集まって交渉してきた枠組みだ。合意が達成されれば、東部2州の人々は自治を再付与され、再び安心して暮らせるようになる。ロシアは、東部2州のロシア系住民を併合によって守ってやれない代わりに、罪滅ぼし的にミンスク合意を推進してきた。しかしウクライナ政府はこの8年間、東部2州との交渉を拒否し続け、全く進めていない。ウクライナの世論は米英のプロパガンダ策によって極度のロシア敵視に陥ったままで、ミンスク合意は「ロシアの悪だくみ」として毛嫌いされ、ウクライナ政府が東部2州と話し合いをすることは不可能になっている。ウクライナ政府が東部2州と話し合いをするには、東部2州の内戦が停戦していることが必要だが、話し合いの雰囲気が醸成されるそうになると米諜報界の傀儡であるウクライナ民兵団が東部2州で戦闘を激化させて潰してきた。

ミンスク合意は履行不能だ。ロシアと欧州の首脳や外交官たちは、こういう状況を知りつつ、ずっとミンスク合意に拘泥してきた。欧州は、対米従属が国是である以上、米国傀儡なウクライナに味方せざるを得ないが、ロシアとの決定的な敵対もエネルギーや安保上の理由から避けねばならない。そのため欧州は、時間稼ぎとしてミンスク合意への拘泥を続けてきた。ゼレンスキー政権などウクライナ政府は、この時間稼ぎの構図のもとで、欧米から経済軍事の支援を受けて延命してきた。国際的な力量が足りなくて2州を併合してやれなかったロシアは、この時間稼ぎの体制下で、国際的な力量を増加させようと努力してきた。その一方でロシアはこの間、2州の住民がロシア旅券をとれるようにしてやり(人口200万人の2州で60万冊の露旅券を発給)、2州の身分証明書や自動車のナンバープレートなどをロシアの公文書として認めてやり、ルーブルを2州の通貨にし、ロシアと隣接する2州の製品が自由にロシアで売れるようにして、経済的な2州の併合を「ミンスク合意が達成されるまでの暫定措置」の建前で進めてきた。 

こうして、あとはいつロシア(プーチン)が、自国が国際的に十分な力量をつけたと判断して公式な2州の併合に踏み切るか、という段階になっていた。ここでプーチンは昨年末から、ウクライナのゼレンスキー大統領に、ミンスク合意を履行する最後のチャンスを与えることにした。ウクライナ政府が、これまでずっと拒否してきた東部2州との話し合いに入るなら、ロシアはその間、2州を併合しない、という話だ。そもそもウクライナ政界のロシア敵視・2州敵視の状況からして、ゼレンスキーが東部2州と話し合うのは無理だったが、ロシアは最後通牒としてこの話を出した。これはゼレンスキーにとって最後の時間稼ぎの好機だった。 

しかし、その時間稼ぎを破壊する感じで、バイデンの米国が昨年末から「もうすぐロシアがウクライナに侵攻する」と繰り返し騒ぎ出した。米国が騒ぐほど、ウクライナの民兵団など米傀儡勢力がロシア敵視を扇動され、好戦的に動いて東部2州の戦闘を激化し、ゼレンスキーは2州と交渉を開始するふりすらできなくなった。ゼレンスキーがバイデンに「(時間稼ぎができなくなるので)露軍の侵攻を煽るのはやめてくれ」と苦情を発したのはこの流れの中だった。 

欧州の首脳や外交官たちも、バイデンの露軍侵攻扇動に迷惑していた。欧州(OSCE)の外交官や安保要員たちは、ミンスク合意体制の一環として、ウクライナ東部の停戦を監督し、内戦を止める働きをしていた。米国が露軍侵攻を扇動し、東部の内戦が再燃すると、当初は米英の要員が退避しても、欧州の要員は停戦監視のためにウクライナに残ろうとしていたのが困難になり、2月11日に米政府の侵攻扇動が強まるとともに、欧州の要員も停戦監視をやめて退避せざるを得なくなった。停戦監視団がいなくなると、東部2州での内戦を止める勢力がいなくなり、内戦がさらに激化して和平不能になり、ロシアが2州併合に踏み切らざるを得なくなる。米諜報界の隠れ多極主義者たちが、バイデンを動かし、ロシアが2州を併合して中露と欧米の分裂を加速して多極化が早く進むように策謀している。

ロシア議会で2州併合案が最初に出されたのは1月19日だった。プーチンの与党「統一ロシア」でなく、共産党と公正ロシアという2つの野党が併合案を提出した。プーチンは野党に併合案を出させ、ロシアナショナリズムの勃興に沿って併合策が遠くからしだいにやってくる感じを演出している。プーチンの電話一本で議会は動く。ウクライナ政府が2州と交渉開始するなら併合案を進めないけど、いつまでも時間稼ぎできるものではないよ、というウクライナ側への警告だ。

この話を書いている間に、ウクライナ政府がミンスク合意の枠組みで急いでロシア政府と話し合いたいと言い出したという報道が流れてきた。ドイツの首相も、ロシアとウクライナを歴訪するらしい(これは以前からの予定みたいだが)。新たな外交の盛り上がりによって、ロシアが2州併合を延期するのかどうか。これまでの時間稼ぎ型とは違う、進展する話し合いをやれるのか。この事態が続くほど世界のエネルギー価格が上がり、インフレが欧米経済を潰していく。どうなるのか。まだ分析したいことはあるが、いったんここで配信する。 

れいわ山本太郎代表らの懲罰動議は正しいのか/片山さつき氏が「人権侵害」と

 22日の衆院本会議で、「これっぽっちの予算案で困っている人たちを救えるか」、「国会の茶番に抗議する」ー などと壇上から抗議の声を張り上げた「れいわ新選組」の山本太郎代表ら3人に対し、自民党の高木毅国対委員長が懲罰動議の提出を検討する考えを示したことに反発の声が高まっています。
 憲法違反であったり故意に事実をねじ曲げた発言であれば兎も角、国会議員の発言の自由は特に手厚く保護されるべきもので、自分たちの気に入らない表現であるからと言って軽々しく懲罰動議を出すなどは許されません。
 日刊ゲンダイとくろねこの短語の記事を紹介します。
 また懲罰動議とは関係ありませんが、まるこ姫が、二階派から退会勧告を受けた片山さつき議員が「人権侵害」だと騒ぎだしたことを揶揄する記事を出しましたので、併せて紹介します。
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れいわ山本太郎代表らの懲罰動議は正しいのか 安倍前首相、甘利氏も懲罰委員の滑稽さ
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「これっぽっちの予算案で困っている人たちを救えるか」「国会の茶番に抗議する」ーー。
 2022年度予算案を採決した22日の衆院本会議で、壇上から抗議の声を張り上げた「れいわ新選組」の山本太郎代表ら3人に対し、自民党の高木毅国対委員長が懲罰動議の提出を検討する考えを示した。
 ネット上では<議員としての品位に欠ける行為><反対の声を上げるなら、もっと早くやれ>などと、山本議員らの行動を批判する声が出ているが、れいわが“実力行使”に出たのも無理はないだろう。というのも、岸田首相が出席した18日の衆院予算委の集中審議で、立憲民主党が質疑時間の一部をれいわの大石晃子議員の質疑に充てることを理事会で提案したところ、与党側の反対で実現できなかったからだ。
 山本議員らについて「議場の秩序を乱す」と言っていた高木国対委員長は、過去の「パンティ泥棒事件」を週刊誌などでたびたび取り上げられている。「秩序を乱す」とはよくぞ言えたものではないか。
 さらに言えば、衆院懲罰委員会の委員の中には、「桜の会」前夜祭をめぐる国会答弁で「118回」も嘘をついた自民党の安倍晋三元首相や、UR(都市再生機構)の「口利き疑惑」をめぐり、大臣室で怪しいカネを受け取っていた同党の甘利明前幹事長が名を連ねている。
 議場の秩序を乱しただけでなく、議員の品位のカケラすら感じられない委員が懲罰動議を議論するなんて、へそで茶を沸かすような話だろう。
 懲罰動議を提出するべき議員は、れいわ以外に山ほどいる。


「議場の秩序を乱したから懲罰動議」(高木自民党国対委員長)・・・パンティ泥棒が何を言うか!!
                       くろねこの短語 2022年2月24日
 昨日のエントリーで紹介したれいわ新選組の衆議院本会議における抗議の雄叫びに対して、自民党国対委員長のパンティ高木君が懲罰動議だって喚いてるってね。パンティ泥棒がよく言うわ。まずは自分の窃盗疑惑を説明してからにしろ。
・予算案採決、壇上から抗議 自民は懲罰動議検討―山本れいわ代表
 しかしまあ、こんなことくらいで懲罰動議って。だったらペテン師・シンゾーの118回もの国会における嘘八百はどうなんだ。野党議員の質問の最中に「日教組、日教組」とか「早く質問しろよ」とか悪態ついたのはどうなんだ。こっちの方がよっぽど質が悪い。
 維新もそうだけど、「自分のことは棚に上げて」ってのが野党攻撃の際に目につくのは、それまでの自民や維新の悪態を批判しないメディアにも責任があるんじゃないのかねえ。
 そもそも、突貫小僧・山本太郎君やバズーカ大石君が雄叫び上げたのは、少数政党に発言の場を与えない自民党への抗議なんだよね。そこをちゃんと報道したメディアがあるだろうか。イソジン吉村君がワクチン打ったなんてことより、こっちの方が何万倍も重要な出来事だろうに。

(以下はツイッターの紹介)
— 高井たかし (@t_takai) February 22, 2022
「議会としていかがか」はこちらのセリフだ。予算委員会でのれいわ新選組の質疑を「前例がない」と拒否した公明党。しかしかつて公明党が少数会派だった際に「委員外質疑」を行った立派な「前例」がある。少数政党に発言機会をつくることこそが「議会制民主主義」のはずだ。 https://t.co/hCC4hNVRWf

— やす (@yasuhosei101) February 23, 2022
なるほど、山本太郎さんに対して「国会の秩序を乱した懲罰動議ダァー」と叫んでいるのってパンツ高木こと、高木毅じゃないですか!!
『秩序』とは、パンツを盗むことだったんですね。
流石は自民党議員、ずば抜けて優秀だよ。#パンツ高木 
https://twitter.com/yasuhosei101/status/1496296050881040384/photo/1?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1496296050881040384%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=http%3A%2F%2Fkuronekonotango.cocolog-nifty.com%2Fblog%2F 

— 鮫島浩✒️政治ジャーナリスト SAMEJIMA TIMES (@SamejimaH) February 22, 2022
れいわ新選組3人が予算案採決の衆院本会議壇上で「このままの予算でいいのか!」と抗議の絶叫をしました。山本太郎が大石あきこを起用した予算委質問が与党の反対で実現しなかった問題が背景にあります。れいはなぜ予算委で質問できなかったのか。詳しく解説した記事です。  https://t.co/1M07Mgynar 


人権侵害を散々しておいて退会勧告を受けたら人権侵害と叫ぶ片山さつき
片山さつきも自己中で、維新的な発想の人間だ
                        まるこ姫の独り言 2022.02.23
自分のやる人権侵害は問題なくて、自分がやられたら大問題だと言い募る片山さつき

二階派から退会勧告を受けたら人権侵害だと。

>片山さつき氏「もうやめている。完全に人権侵害」 二階派退会勧告に
                        2/22(火) 16:51配信 毎日新聞
>自民党の片山さつき元地方創生担当相は22日、二階派から退会勧告を受けたことについて「私の意思としては(2021年)12月でもうやめている。離れたい人に後ろから石を投げているわけで、完全に人権侵害だ」と反発した。

二階派→退会勧告を出す、片山さつき→もうすでに辞めている。

内輪の喧嘩にしか見えないが、片山さつきも何もここでいきり立つ必要がどこにあるのか。
どうせ、機を見るに敏の片山さつきの事だから、落ち目の二階派など御用済みと思っているのだろうし、退会勧告は渡りに船じゃないか。

「退会を勧告」されたという所がプライドが許さないのだろうが。

しかし自分が二階派から被害を受けた、人権侵害を受けたと思っている片山さつきだが、この人、国民の人権を相当侵害してきたが、それに対してはなんとも思わないのか。

国民の生きる権利である「生活保護」に対して生活保護バッシングを表立ってしてきたのが片山さつきで、これこそ人権侵害の極みだろうに。

本来は光の当たらない所に光を当てるが政治家の使命だろうに、この人は生活保護受給者のすべてが不正受給をしているかのように散々叩いてきた張本人で、それに同調するネトウヨ軍団。

メディアも不正受給が日常茶飯事で行われているかのように、保護費を貰った途端パチンコへ行く人や賭け事に向かう人をテレビで流し続けた。

 全体から見たら1%程度の不正受給者をあたかも国家から多くの人が不正にくすねているかのような印象操作をしてきたテレビにも問題があると思う。

そもそもなんで政治家が生活保護バッシングの先頭に立たなければいけないのか。
恥ずかしい限りだ。

多分この人の頭の中では、生活保護を受ける人に人権はないみたいな考えに陥っているのだろうが、自分が少しハブられたら人権侵害だなんてなんと傲慢な事か。

それにしても片山さつきの思考と維新の思考はよく似ている。
自分の批判は良い批判、相手からの批判は受け付けない。