2012年10月7日日曜日

岡田氏が原発事故で「東京圏が汚染されず幸運」と語る


岡田克也副総理は6日の三重県桑名市での講演で、「東京圏まで放射能で汚染されずに幸運であった」と語ったということです。福島県では現に児童の甲状腺異常が高率で確認され、34年後にはどうなるのかとの不安に耐えかねている人たちや、20年後と言われる癌の発現の恐怖に怯えている人たちが無数にいるというのに、耳を疑うばかりの発言です。
岡田氏は事後の記者会見でも、「現状もひどい状況だが、最悪の事態を考えれば、それは幸運に助けられたということだ」と悪びれなかったということです。 

思えば安倍内閣(2007年)時代に久間章生防衛相が、やはり講演会において、米国が広島、長崎に原爆を投下したことについて、「あれで戦争が終わったという整理の中で、しょうがないと思う」と語り、大問題になりました。
その時には彼は直ぐに、「核廃絶と、広島、長崎への原爆投下は許せないとの姿勢は微動だにしない」と釈明し、陳謝しましたが、発言の3日後に、「被曝した皆さんにも大変ご迷惑をかけた。私が思ったのと違った形で発言が伝えられたが、理解を得られないので、ここでけじめをつけさせてもらう」として、防衛相を辞任しました。 

 久間氏の発言自体は勿論許されないことですが、彼の「真意は違っていた」とする釈明にはそれなりにうなずける部分もあり、直ちに辞任して責任をとったのも潔い進退でした。
 現在の民主党政権には、何故か責任を取って辞任するという文化は全くありませんが、岡田氏の発言とその後の態度は、絶対に許されません。 

 関係の記事を紹介します。
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岡田氏「幸運で最悪の事態回避」 福島原発事故で発言
朝日新聞 2012106 

 岡田克也副総理は6日の三重県桑名市での講演で、福島第一原発事故について「(事故の)影響は非常に深刻だが、色々な関係者が言っていることでもあるが幸運だった」と発言した。そのうえで「最悪の場合、東京圏まで含めて汚染される可能性があった」と述べ、最悪の事態は避けられたという認識を示した。

 福島県内では除染が進まず、なお多くの住民が避難したままの状態が続いている。講演後の記者会見で「福島は幸運ではないのではないか」と問われた岡田氏は、「そういう(東京圏にまで汚染が及ぶ)事態になれば福島ももっと影響が及び、高濃度に汚染されていた。その意味で現状もひどい状況だが、最悪の事態を考えれば、それは幸運に助けられたということだ」と補足した。 
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岡田副総理、原発事故は「幸運だった」
読売新聞 2012106 
 岡田副総理は6日、三重県桑名市で講演し、東京電力福島第一原子力発電所事故について、「いろんな関係者が言っているが、事故は幸運だった。最悪の場合は東京圏も含めて汚染される可能性があった」と語った。 
 岡田氏は講演後の記者会見で、発言の意図について「そういう(最悪の)事態になれば、福島でももっと影響が出て、高濃度に汚染されていた。現状でもひどい状況だが、最悪の事態を考えれば幸運にも助けられたということだ」と説明した。福島県では、今も多くの県民が避難を続けており、発言は、地元の反発を招くおそれもある。