日立製作所が受注したリトアニアのビサギナス原発建設の是非を問う国民投票で、ダブルスコアに近い大差で「建設反対」が決まりました。
最終的な決定は同時選挙で選ばれた議員による議会で決められますが、選挙によって原発推進派の政権与党が第1党から転落したので、反対派が優勢と伝えられています。
リトアニアは以前に2基の原発をもっていましたが、事故を起こしたチェルノブイリ原発と同じ黒鉛減速型の原子炉で危険※なために、EUに加盟する際に停止を約束させられて2009年に運転を停止しました。 ※暴走時の自己抑制機能がない
同国は北海道の8割ほどの面積で、チェルノブイリに近いために事故時には放射能の被害を浴びました。それだけに国民は原発の危険性に敏感で、投票前にマスコミ挙げての原発推進キャンペーンが行われたにもかかわらず、上記のような結果となりました。
なおこの国民投票に関しては、「田中龍作ジャーナル」がこれまで6回に渡って報道しています。下記のURLにアクセスすればご覧になれます。
東京新聞の記事を紹介します。
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リトアニア、日立受注の原発反対 国民投票成立
東京新聞 2012年10月15日
【ビリニュス共同】バルト3国の一つ、リトアニアで14日、日立製作所が事実上受注した「ビサギナス原発」の建設の是非を問う国民投票が議会選と同時に行われた。中央選管によると、15日朝までの開票で建設反対票が62・70%に達し、建設賛成の33・96%を上回った。暫定投票率は同日朝の発表時点で51・91%と、投票成立に必要な50%を超えており、中央選管幹部は地元通信社に「国民投票は成立した」と述べた。
巨額の建設費が財政に重荷とみる国民が多い上、東京電力福島第1原発事故を受け、安全性への懸念が高まったことが反対派優勢の背景にある。