静岡県議会総務委員会は5日、中部電力浜岡原発の再稼働の是非を問う県民投票条例案を、全会一致で否決しました。
非自民系の超党派議員らは、18歳以上とした投票資格や、条例施行後半年以内とした実施時期に関する規定を修正した案を、11日の本会議に提出するようですが、その場合でも最大会派の自民党系が反対して、否決される見込みだということです。
浜岡原発は、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの重なり(断層)の真上に位置しているために、国内にある原発のうちでも地震時に最も爆発し易い原発として知られています。東海大地震が起きれば
ほぼ確実に爆発事故を起こし、そこから吐き出される放射能は県民を直撃するに留まらず、北東に流れて首都を直撃します。
そうなれば首都は喪失し日本は「破滅」するので、菅内閣の時に、福島原発の事故をふまえていわば「超法規的?」な手法で運転を停止させました。そのときの説明は不十分なものでしたが、浜岡原発の危険性については、運転差し止め訴訟等の中で絶えず指摘されてきたことなので、地元の県会議員や役人には十分に理解できることでした。勿論、目下建設が進められている防潮堤が的外れな対策であることも。
当初県は、“条例案の主な問題点”として文書で9項目に渡るクレームをつけましたが、それは「投票資格者を18歳以上とする」以外についてはあまり説得力がなく、単に厄介なことには取り組みたくないという気持ちの感じられるものでした。しかしながらこれまでのところでは、そのクレームがそのまま否決の表向きの理由になっている様です。
主導的に県民の安全を考えなくてはならない議員や役人たちが、なぜ足並みを揃えて条例案に反対するのか、理解できません。
東京新聞の記事を紹介します。
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浜岡原発の投票条例案否決 静岡県議会総務委員会
東京新聞 2012年10月5日
静岡県議会総務委員会は5日、中部電力浜岡原発(同県御前崎市)の再稼働是非を問う県民投票条例案を全会一致で否決した。11日に本会議で採決されるが、最大会派の自民党系は反対意見が強く、否決の公算。
民主党系会派の一部など非自民系の超党派議員らは、18歳以上とした投票資格や、条例施行後半年以内とした実施時期に関する規定を修正した案の提出を目指す。しかし、自民系会派は修正案にも否定的で、県民投票実現は厳しい情勢だ。
定数69(欠員3)の議会で37議席を占める自民系会派内は県民投票に否定的な声が強い。 (共同)