2012年10月2日火曜日

チェルノブイリ原発事故による健康被害の現状

 「チェルノブイリ原発事故で引き起こされた健康被害の現状」に関する記事が、1日付の植草一秀氏のブログで取り上げられました。
それは、日本ペンクラブ会報第412号に掲載された中村敦夫環境委員長インタビュー記事で、中村氏が、日本ペンクラブが201241723日にチェルノブイリに送った使節団の一員として、現地を視察したときのことを語ったものです。
 残念ながらインタビュー記事はインターネットに載っていないので、植草氏のブログから、健康被害の現状の概要を紹介します。 

【概 要】
2009年にウクライナ政府は放射能健康被害者が230万人いることを発表した。ウクライナの人口は、チェルノブイリ事故5年後 旧ソ連から独立した1991年時点では、5200万人、当時の平均寿命は、男女合わせて75歳で、旧ソ連では屈指の長寿国だったが、2010年時点で人口は4500万人と、たった19年で700万人も減った。
しかも30代、40代で亡くなる人が多いため平均寿命が急激に減少し、75歳だった平均寿命が約55歳に落ちるのは時間の問題だという。
この国の健康に関して一体何が起こっているのか。
(この部分は、同じインタビュー記事を紹介している他のブログからも、一部借用しました)

▽中村氏はウクライナの2家族を訪ねた。
1軒目の母親は若いときに被曝して、その後2人の子供を産んだが、長女は頭にこぶがついたまま生まれ先天性の筋肉まひ、長男は生まれてしばらくしてから発達障害が判明した。母親自身もあちこちにがんを発症している。父親は耐えられなくなって飲んだくれになった。
2軒目も同じように家族全員が深刻な状況だった。

▽チェルノブイリから4キロほど離れたところにあるプリピャチの人口は5万人で、平均年齢は27歳だった。若い夫婦が多く、事故当時妊娠していた女性も全員被曝した。すぐに全員退去したが、胎児も体内被曝していて間に合わなかった。
その後に生まれた子どもたちについて・・・プリピャチ市から7歳児350人の子どもたちをピックアップした調査で、健康に異常のない子どもは0%で、全部の児童の健康に問題があった。
 
▽また70キロ西にはずれたナロジチで同様に行われた350人の子どもに対する調査では、健康異常者は97.5%だった。
ナロジチには事故当時3万人が住んでいたが、強制退去命令が下っても退去できない子どもたちや、一旦退去したが戻ってきてしまった人など現在もまだ11000人がいるが、そのなかの子ども1987人のうち1300人が、心臓病、血管や呼吸器障害、甲状腺がんなどで病院通いを余儀なくさせられている。先天性障害、筋力障害、それに背中の曲がった子どもが増えてきている。

▽中村氏は言う。「福島だけがほんとうに助かるのか。健康被害はすぐには現れない。政府は『何の心配もない』と公式発表し、御用学者は『心配している人にはがんが出る。にこにこ笑っている人にはがんは出ない』と言う。福島県人を馬鹿にしているんじゃないか。」

そしてこう締めくくった。「原発推進派は、こうした不都合な事実を伏せようと必死です。」
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 以上がチェルノブイリの健康被害の現状に関する部分です。

植草氏のブログはさらに展開されて、最後に「まずは、福島原発事故に伴う放射能汚染のリスクを再調査し、直ちに被害を防ぐ措置が取られねばならない。」と結んでいます。 

 全文は下記のURLにアクセスしてご覧ください。 

植草一秀「知られざる真実」