2012年10月13日土曜日

東日本は放射能で汚染されています +


福島原発からは今も毎日数億ベクレルという、膨大な量の放射能が放出されているということです。無意味な収束宣言はありましたが、いつになれば本当に収束するのか見当もつきません。
そして北は北海道から長野や静岡に至る東日本一帯は、食品が放射能で汚染されています。このところキノコを中心に、食品の放射能が基準値をオーバーしたという記事が地方版に沢山載ります。 

 東京都の下水汚泥焼却灰のセシウム濃度の高さにも驚かされます。
日本海側の河川の汚れについては、それほど注目されていませんが、昨年8月に近畿大が行った信濃川大河津分水河口付近の海底土の調査によると、放射能レベルは乾燥重量1キロあたり約460ベクレルで、同じころに行った東京湾の荒川河口付近と同程度であったということです。 

ところで日刊サイゾー930日号に「放射線検査をしないコメが市場に流通 ― 不安視される食品業界のタブー構造」と題する記事が載りました。コメ流通のエキスパートといわれている吾妻博勝氏ほかの話をまとめたものです。
それによると「今年度米で全袋検査をしたのは、8月に収穫した早場米の一部だけ。9月下旬から収穫が始まる米で全袋検査されるのは、主としてJA経由の流通米のみ。農家が業者に直接販売する米は全体の5割以上にも上り、それらは検査もされずに流通するものが多い。業者が農家にトラックを横付けして直接買い取り、そのまま激安居酒屋や、加工食品業界へ出荷されるんです」、ということです。
詳細は、下記にアクセスしてご覧ください。
 殆どの人が毎日食べているコメが、こんな風にまさに無統制の状態=無政府状態に置かれているわけです。 放射能に関してこれほど無関心な為政者というのも珍しいのではないでしょうか。
 
対照的にチェルノブイリでは、ヨーロッパから非難されないようにと、ソ連は一部肉弾戦に近いような形で放射能の封じ込め(石棺作戦)を敢行し、膨大な犠牲者を出しましたが、極めて短期間で石棺を終了させました。単純に賞賛することは勿論出来ませんが、ともかくもそういう形で他国に対する責任を果たしました。
 
 以下に関係の記事を紹介します。
     (10/14 「ソ連政府はどのように収束させたのか ― 福島原発震災 チェルノブイリの教訓(3)」(部分)を追加)
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【埼玉県】 皆野のサクラシメジ 国基準値超え出荷自粛要請
東京新聞20121013
 埼玉県は12日、皆野町の山林で9日に採れた野生キノコのサクラシメジから、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える110ベクレルの放射性セシウムが検出された、と発表した。県は、町とJAちちぶ(秩父市)に対し、町内の野生キノコ全種類の出荷・販売自粛を要請した。
 本年産の野生キノコで基準値を超える放射性セシウムが検出されたのは、9月末に横瀬町で採れたウズハツ以来。 

【青森県】 チチタケから基準超すセシウム 
東奥日報20121013
 青森県は12日、十和田市で採取された野生キノコのチチタケから、食品衛生法に基づく国の基準値(食品1キロ当たり100ベクレル)を上回る放射性セシウムを検出したと発表した。県は、十和田市周辺でキノコを採取する際、チチタケを採取しないよう注意喚起するとともに、販売店などに対して当面、チチタケを販売しないよう呼び掛けている。
 県が定期的に実施している食品の放射性物質検査で判明した。県薬剤師会衛生検査センターで、今月5日に採取したチチタケの精密検査を行った結果、120ベクレルの放射性セシウム137を検出した。 (後略) 

【埼玉県】 皆野町 野生キノコからセシウム検出
NHK NEWS web 20121013
埼玉県皆野町でとれた野生のキノコから、国の基準を上回る放射性セシウムが検出され、埼玉県は町内でとれたすべての野生キノコの出荷と販売自粛を求めました。
埼玉県によりますと、今月9日、秩父地方にある皆野町の森林でとれた「サクラシメジ」という野生のキノコから、国の基準値の1キログラムあたり100ベクレルを上回る110ベクレルの放射性セシウムが検出されたということです。
(中略)埼玉県内では、近くの横瀬町でも先月26日、野生のキノコから国の基準を上回る放射性セシウムが検出され県が出荷などの自粛を要請しています。(後略) 

【北海道】 マダラからセシウム 北海道、100ベクレル
20121012
北海道は12日、室蘭市沖で9日に取れたマダラから1キログラム当たり100ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。国の基準値(同100ベクレル)を超えた場合に自主回収できるよう、道は漁協に対し出荷先を把握するよう指示した。また、これまで週1回実施していたモニタリングを今後1週間、毎日行う。
道によると、このマダラを食べても人体への影響はないという。 

【福島県】 福島産葉タバコ基準値超え=セシウム検出-JT
時事通信20121009
日本たばこ産業(JT)は9日、2012年産の乾燥葉タバコに対する放射性物質検査を実施し、福島県産の一部で放射性セシウムが同社基準の1キロ当たり100ベクレルを上回ったと発表した。JTは検出された約4.5トン(850万円相当)の購入を取りやめる。福島県では昨年、葉タバコの栽培を見合わせていた。
福島県白河市の旧小野田村の農家3戸で栽培された「バーレー種」の葉タバコに対する検査の結果、110.7ベクレルの放射性セシウムが検出された。 (後略) 

【福島県】 放射性物質:福島で試験乾燥のあんぽ柿基準超え、加工自粛
毎日新聞20121005
 福島県は5日、県北地方で試験的に乾燥加工したあんぽ柿から放射性セシウムが1キロ当たり最大410ベクレル、干し柿で同420ベクレル検出され、国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回ったと発表した。あんぽ柿は流通していない。県は基準値を超えた福島、二本松、伊達、桑折、国見、川俣の6市町や地元生産団体に柿の乾燥加工を自粛するよう要請した。自粛要請は2年連続。あんぽ柿などは原料の柿に比べて放射性物質が1.514.5倍に濃縮されていた。 【神保圭作】 

【千葉県】 全シイタケ農家で原木調査 約4割が指標値超 県北西部
千葉日報20121003
(前 略)千葉県は、県内産の原木シイタケから国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたのを受け、全生産者を対象に原木調査を実施していることを明らかにした。山本議員の質問に答えた。調査は今月10日ごろまでに終了予定だが、県北西部では4割近くが国の指標値(同50ベクレル)を超えているという。
 県森林課によると、県内のシイタケ農家は34市町に約300戸。東京電力福島第1原発事故の影響で、我孫子、君津、流山、佐倉、印西、白井、千葉、八千代、山武の計9市で基準値超の放射性セシウムが検出され、出荷停止が続いている。 

【東京都】 下水汚泥 焼却灰 放射能 (セシウム134・137)
東京都下水道局2012921
東部スラッジプラント (江東区新砂)               4,800 Bq/kg
葛西水再生センター(江戸川区臨海町)            12,700 Bq/kg
みやぎ水再生センター(足立区宮城)               5,400  Bq/kg
新河岸水再生センター(板橋区新河岸)           3,800  Bq/kg
南部スラッジプラント(大田区城南島)                2,690 Bq/kg

北多摩一号水再生センター(府中市小柳町)      2,550   Bq/kg
南多摩水再生センター (稲城市大丸)                380 Bq/kg
北多摩二号水再生センター (国立市泉)         4,200  Bq/kg
浅川水再生センター   (日野市石田)            630 Bq/kg
      多摩川上流水再生センター(昭島市宮沢町)          680 Bq/kg

八王子水再生センター (八王子市小宮町)        870 Bq/kg
清瀬水再生センター  (清瀬市下宿)                750 Bq/kg 

【新潟県】 日本海側海底から放射性セシウム 新潟・信濃川河口
朝日新聞2012911
 東京電力福島第一原発から200キロ離れた日本海側の信濃川河口の海底土にも、事故によるとみられる放射性セシウムが積もっていることが近畿大などの調査でわかった。濃度は東京湾の荒川河口と同程度。13日から静岡市で開かれる日本海洋学会で発表する。

 近畿大の山崎秀夫教授(環境解析学)らは昨年8月に信濃川の大河津分水河口付近の新潟県長岡市の海岸で水深15メートル、20メートル、30メートルの海底の土を取り、深さ1センチごとの濃度を調べた。
 水深30メートル地点では海底面から深さ2~3センチの濃度が最も高く、乾燥重量1キロあたり約460ベクレル。大気圏内核実験などによる過去の汚染の数十倍の濃度で、昨年8月に東京湾の荒川河口付近で採取した海底土も同様に最大400ベクレル台だった。
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10/14 追加)
「ソ連政府はどのように収束させたのか ― 福島原発震災 チェルノブイリの教訓(3)」  より抜粋
ダイヤモンド オンライン 2011412
http://diamond.jp/articles/-/11838    
 
 (前  略)
1日目(1986426日)
・原子炉の暴走後、爆発が2回起きた
・建屋の上部が吹き飛ぶ
・外部に高温の核燃料、黒鉛(ソ連型原子炉の冷却材)が飛散
・発電所施設内の30か所以上で火災発生
・1時30分、近隣の消防隊が施設内の火災を鎮火したが、原子炉の黒鉛火災はじまる。放射性物質の大規模な飛散続く
2日目(427日)
・軍のヘリコプターで中性子を抑えるホウ酸40トン、燃焼抑制用の石灰岩800トン、放出抑制用の2400トン粘土と砂など、 合計5000トンを原子炉へ投下する作業がはじまる
2日目に放射性物質の放出量は3分の1に減少
3日目-6日目(428日-51日)
・投下作業が続き、放出量は抑制、5日目と6日目には初日の6分の1程度まで減少
7日目(52日)
・放出量が再び増加。原子炉を5000トンの鉛などで埋めたため、内部の核分裂生成物の崩壊熱と黒鉛燃焼で核燃料の温度が再び上昇し、放出が増大する
8日目(53日)
・溶融した核燃料と水の接触による水蒸気爆発を避けるため、サプレッションプールの水抜きをはじめる
9日目(54日)
・放射性物質の放出増加が続く。初日の2分の1まで増加
10日目(55日)
・溶融した核燃料の冷却のため、原子炉下部へ窒素を注入
・急激に放出量が低下 

 このように、窒素注入後の10日目に大量放出は収束している。もちろん、この後も放射性物質は漏出しており、ほぼ密封できたのは約40万立方メートルの強化コンクリートによる石棺が完成した11月のことだった。
 西欧諸国まで汚染した放射性物質の大量放出は第1日から3日間だった。そのあとは必死の作業でなんとか10日目におさえこんだことがわかる。

 放射線急性障害による死者28急性症状から回復後の死者19は、10日間の消火活動従事者、核燃料冷却作業要員の犠牲者だ。線量計も持たず、まともな防護服も着ないで作業している様子は、その後の記録映画などで見ることができる。事故の原因はともかく、地球市民は犠牲者にあらためて心から感謝しなければなるまい。
 5000トンの材料は空軍のヘリコプターで投下された。指揮は空軍のアントキシン大将がとったという。軍の最高級幹部が指揮官だったわけだ。初日に消防隊、2日目には軍が出動している。  (後  略)