2012年10月15日月曜日

東海村で「脱原発サミットin茨城」が開かれました +


 茨城県東海村で14日、東海第2原発の廃炉を目指す市民団体が主催した題記の催しが開かれました。参加者は、村上達也東海村村長、佐藤栄佐久前福島県知事をはじめ特色のある人たちでした。 

記事に登場する3氏の経歴 (ウィキペディア他より引用)

村上達也 東海村村長
一橋大社会学部卒。1999年の東海村JCO臨界事故では、国や県の対応を待たず、独断で村民の避難を行った。その後、二度の村長選で新規の原子力発電所建設に慎重姿勢を示して辛勝。

2011年の福島原発事故後には、「人に冷たく、かつ無能な国では・・・」と原発撤廃の姿勢を鮮明にし、同年10月、細野原発担当相に、老朽化していることや、周囲が人口密集地帯であることなどを理由に東海第二発電所の廃炉を提案した。

佐藤栄佐久 前福島県知事
東大法学部卒。参院議員2期を経て福島県知事に。福島第1及び第2原発のプルサーマル計画を当初(1998年)は了承したが、その後東京電力によるトラブル隠しが発覚した後、了承を撤回し以後一貫して反対。

20069月に実弟が関与した汚職事件の追及を受け、5期目の任期途中で辞職。その後収賄容疑で逮捕される。一審有罪のあと二審(高裁)でも有罪をなったが、高裁の判決は佐藤前知事に収賄の事実がなかったにも拘わらず、『無形の賄賂』や『換金の利益』など、従来の法概念にない論理で有罪にした不可解な判決とされている。

根本良一 前矢祭町長
石川高校卒。1983年矢祭町長に就任(2007年4月まで連続6期)。矢祭観光協会会長(83年から2004年4月)、東白川地方町村会長(89年5月から91年4月)、福島県町村会副会長(89年5月から91年5月)、東白川地方町村会長(96年8月から99年4月)。2001年10月、国の平成の大合併に反対して「市町村合併をしない矢祭町宣言」をして、全国的に注目された。小規模自治体の中でも特異な存在として知られる。

プルサーマル計画と佐藤前知事の冤罪事件
佐藤前知事が反対し凍結したプルサーマル計画は、MOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物)を使用する高速増殖炉「もんじゅ」が、過去数十年間に渡り莫大な費用を掛けてもさっぱり埒が明かない中で、一般の原発においてウラン燃料の代わりにMOX燃料を直接使おうというもので、ガンの発生率がウランとは比較にならないほど高いプルトニウムを、そういう形で使うことの危険性が指摘されているものです。

 2006年の佐藤栄佐久前知事逮捕は、発電所の建設・増設の停止や、政府からの交付金の停止の脅しにも屈せずに、福島原発へのプルサーマルの導入に断固反対した同前知事に困りぬいた(東電・)経産省・政府が、検察を動かして起こした冤罪事件だ、というのがインターネット上の世論になっています。例えば「佐藤栄佐久 冤罪」で検索すると66万件がヒットします。

佐藤前知事の著書には、「知事抹殺  つくられた福島県汚職事件」(2009.9
平凡社、「福島原発の真実」(2011.6) 平凡社 などがあります。
インターネット記事では例えば「佐藤栄佐久の冤罪事件まとめPart1 、同Part2 http://homepage3.nifty.com/jmaffili/nuclear/eisaku.htm

 以下に東京新聞(10/15)の記事を紹介します。
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東海村長「闘いこれからが本番」 茨城で脱原発サミット
東京新聞20121014 

茨城県東海村で14日、「脱原発サミットin茨城」が開かれ、脱原発を訴える同村の村上達也村長が冒頭のあいさつで「このまま原発が維持されれば、必ず第二の原発事故は起こる。脱原発の闘いはこれからが本番だ」と話した。

 日本原子力発電東海第2原発(東海村)の廃炉を目指す市民団体「茨城の環境と人を考える会議」が主催。在職中から国の原子力政策に批判的だった福島県の佐藤栄佐久前知事も参加し、住民ら約550人が集まった。

 評論家の佐高信氏の司会によるパネルディスカッションで、根本良一前福島県矢祭町長は「20世紀は人類が自然に挑戦したが、21世紀は自然に敬虔に」と主張。 (共同)
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茨城・東海村で脱原発サミット
東京新聞 20121015 

 原発が立地する茨城県東海村で14日、「第1回脱原発サミットin茨城」が開かれ、佐藤栄佐久・前福島県知事や評論家の佐高信さん、地元の村上達也村長らが東京電力福島第1原発事故から学ぼうとしない国への不信をあらわにした。
 日本原子力発電東海第2原発(東海村)の廃炉を目指す市民グループ「茨城の環境と人を考える会議」が主催。約550人が会場に詰め掛けた。 

 パネルディスカッションで、「脱原発をめざす首長会議」の設立呼び掛け人にもなった根本良一・前福島県矢祭町長は「原発を使うか使わないか判断するのは政治。ここで反省しなければ原発は止まらない」と訴えた。
 佐藤前知事は、行き場のない核廃棄物の処分問題を懸念。「経済産業省の連中が、(福島第1原発のある)福島県双葉郡が最終処分場に最適だと考えないか心配。われわれが福島に戻るという気持ちを持ち続けなければ」と呼び掛けた。
 また、村上村長は冒頭、「脱原発の戦いはこれからが本番。村長として東海第2原発廃炉の考えは揺るがない」と誓った。コーディネーターの佐高氏は「原発に倫理はない。反原発こそ倫理。自治をゆがめる原発の意味を考えてもらいたい」と話した。

 次回は小出裕章・京都大原子炉実験所助教や、脱原発をめざす首長会議世話人の三上元・静岡県湖西市長を招き、12月24日に開催する。