都議選をめぐり自民党への逆風が吹きまくっています。
自民党の二階俊博幹事長は30日、東京・国分寺市での都議選応援演説で、マスコミに向かって「私らはお金払って新聞を買ってんだよ」、「私らを落とすなら、落としてみろ」と吠えまくったということです。
言葉の意味は分かりにくいものの自民党が追い込まれているということがよく分かります。
都議選運動最後の日となる1日、安倍首相は福島県飯舘村の老人ホームなどを回り、夕刻JR秋葉原駅に降り立って秋葉原駅前のロータリーで都議選で初めてとなる街頭演説を行いました。
同駅前はいわば安倍首相の「ホーム」で、2012年の総選挙でも2014年の衆院選でも、投票日前日にそこに立つと日の丸の旗を持った支持者が埋め尽くし、大きな応援コールが巻き起こるという「戦前を彷彿とさせる光景」が繰り広げられました。
そんなわけで せめて一度は街頭演説に立たなければ・・として選んだ秋葉原駅前でしたが、その結果は1日夜の産経新聞デジタル版は次のように伝えています。
首相演説に「辞めろ」「帰れ」の声 都議選で初の街頭に
産経新聞 2017年7月1日
・・・首相の演説が始まっても「辞めろ」「帰れ」コールはやまない。これに対し、首相が「人の演説を邪魔するような行為を自民党は絶対にしない」「憎悪からは何も生まれない。こういう人たちに負けるわけにはいかない」と反論する一幕もあった。
首相はこれまで、ヤジが飛ぶ可能性が高い街頭で演説は行わず、党支援者が多い小学校の体育館に限っていた。都議選での街頭演説は、この日が最初で最後となった。
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Literaの記事と天木直人氏のブログを紹介します。
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安倍首相が秋葉原の都議選応援演説で「安倍やめろ」コール殺到に逆ギレ!
国民に向かって「こんな人たちに負けない」
Litera 2017年7月1日
駅前を覆い尽くす政権批判のプラカード、そしてものすごい音量の「安倍やめろ」の声──。安倍首相は本日16時から秋葉原駅前で行われた都議会選の応援演説に登壇したが、自民党候補の応援どころではなく、国民の激しい批判の声にさらされる結果となってしまった。
「安倍やめろ」コールは自民党陣営の演説スタートまもなくからはじまった。聴衆からは安倍政権を批判するさまざまなプラカードが掲げられ、「安倍やめろ」と書かれた大きな横断幕まで登場。それを自民党スタッフは「自民党青年局」の幟を並べることで隠そうとするなど必死に。他方、駅前にはあの籠池泰典・前森友学園理事長夫妻まで登場するなど、演説会はまさにカオス状態となった。
そして、安倍首相が16時40分ごろに演説カーに登ると凄まじいブーイングと「帰れ!」コールが噴出。安倍首相がマイクを握ると、支持者らが拍手を送るも、より強くなった激しい「帰れ!」「安倍やめろ!」の声に掻き消されたのだ。
この国民の批判が殺到する事態に、しかし、安倍首相は反省するどころか逆ギレ。なんと聴衆を指差しながら「演説を邪魔するような行為」「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫んだのだった。
国民の批判の声に陰謀論丸出しで“演説妨害”と決め付けるというのはいかにも安倍首相らしいが、しかしいくら話をスリ替えようが、負け惜しみを言おうが、安倍首相にとって、こうした批判を浴びせかけられる絵ができあがってしまったことは大誤算だったはずだ。この都議選で安倍首相は2度、応援演説に参加したが、どちらとも街頭ではなく小さな屋内の会場だった。これは批判のヤジがあがることを見越し、声があがりづらい屋内を選んだことは明白。だが、にもかかわらず、会場からはヤジが飛ぶ結果に。
それでも、一度も総裁が街頭演説に立たなければ「逃げた」と思われることも事実。そこで選んだのが、自身の「ホーム」たる秋葉原駅前だった。
2012年の総選挙では、やはり投票日前日に麻生太郎元首相とともに秋葉原駅前の街頭演説に立った安倍首相だが、その日は日の丸の旗を持った支持者が埋め尽くし、安倍首相に対し大きな応援コールが巻き起こった。それは2014年の衆院選でも同様だった。
まるで戦前を彷彿とさせる異常な光景だったが、安倍首相にとっては、秋葉原は熱烈な支持者が集まる場所。今回もヤジが飛んだとしても、そうした支持者らがカバーしてくれる。そう信じたのだろう。
しかし、そうはいかなかった。支持者の声や拍手よりも、森友・加計学園問題をはじめとする疑惑を権力の力でもみ消そうとするその不誠実極まりない態度に怒りをもった市民の「やめろ」の声のほうが上回ってしまった。つまり、メディア各社の内閣支持率の数字と同じように、安倍首相に対する信頼感は完全に失われている。そのことが数字だけではなく状況として証明され、さらには映像に記録されてしまったのだ。
安倍首相に投げつけられた聴衆からの退陣要求の模様は、テレビでも流されることになるだろう。しかし、勝負はこれからだ。きょうの秋葉原を、安倍政権の終わりの始まりにしなければならない。(編集部)
+ 街頭に立って国民を敵呼ばわりした安倍首相の断末魔
天木直人のブログ 2017年7月2日
都議会選の最終日に安倍首相がはじめて街頭に立った。
さすがに一度も街頭に立てなかったという汚名だけは避けたかったのだろう。
いまや安倍首相の最大の支持者である右傾化した若者が集まる秋葉原に立って演説をした。
過去の街頭演説の成功体験のなせるわざだ。
聴衆の一部から辞めろコールが起きるのを覚悟した上で、ここで、今度の都議会選における最初で、最後の街頭演説をすることを決めていたのだ。
しかし、次の発言は、おそらく、街頭演説の予定稿にはなかったに違いない。
激しいヤジにブチ切れて思わず口から出たのだ。何と言ったか。
「人の演説を邪魔するような行為を自民党は絶対にしない。相手を誹謗中傷したって、何も生まれない。こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫んだという(7月2日朝日新聞)。
このような発言は、安倍首相が国会で民進党を攻撃する時に使う常とう句だ。
しかし、この演説の言葉は違う。前後の文脈から見て、どう考えてもヤジを飛ばした一般聴衆に対して発せられた言葉だ。
ついに、自らを批判する一般国民まで敵呼ばわりしたのだ。これは政治家にはあるまじき言葉だ。
ましてや、すべての国民の上に立つ現職の首相が、街頭で発する言葉ではない。まさしく追いつめられた安倍首相の断末魔の叫びだ。
都議会戦後の安倍自民党はどこに向かうのだろう(了)