残業代を支給しないとする「高度プロフェッショナル制度」を盛り込んだ労働基準法の改正案をめぐって、13日、連合の神津会長が安倍首相に、年間104日以上の休日確保の義務化などを条件に認める意向を示しましたが、それは連合の神津会長や逢見事務局長なとのトップだけで決めたもので中央委員会の審議も経ていないものでした。
政府は19日、経団連の榊原会長も加わった政労使3者のトップ会談で修正の方針を確認することにしていましたが、連合内の組合から反対や慎重な対応を求める意見が相次ぐなどして調整がつかないことから会談は延期されることになりました。
連合の次期会長と目されている逢見事務局長は3月に安倍首相と会談を行うなど、連合トップの行動は不明朗と言わざるを得ません。
連合を支持母体としている民進党は18日、この問題についての会合を開きましたが、先週連合が政府に改正案の修正を申し入れたことに対し、「寝耳に水だった」などとして慎重な対応を求める意見が相次ぎました。
民進党はこれまで一貫して労働法制の改悪には反対の立場をとってきました。民進党が連合トップの偏向を是正できるのか正念場です。
(参考記事)
7月14日 労基法改正法 神津修正案に全国ユニオンが反対声明
7月13日 連合が「残業代ゼロ」法案受入れに労組からも異論
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「労働時間規制外し」に連合内で反対 政労使会談 延期へ
NHK NEWS WEB 2017年7月18日
政府は、働いた時間ではなく成果で評価するとした労働基準法の改正案をめぐり、19日、連合や経団連との3者によるトップ会談で連合の要望を踏まえた修正の方針を確認することにしていましたが、連合内の調整がつかないことから会談は延期されることになりました。
働いた時間ではなく成果で評価するとして、労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」を盛り込んだ労働基準法の改正案をめぐって、安倍総理大臣は先週、連合の神津会長と会談し、年間104日以上の休日確保の義務化などを求める連合側の意見を踏まえ、改正案の修正に応じる考えを示しました。
これを受けて政府は19日、経団連の榊原会長も加わった3者によるトップ会談で修正の方針を確認することにしていましたが、連合内で一部の組合から反対や慎重な対応を求める意見が相次ぐなど調整がつかないことから、19日の会談は延期されることになりました。
政府は連合内の動向を見極めたうえで、早期に政労使のトップ会談を行うよう調整したいとしています。
連合会長「丁寧に議論し連合の理解得る」
連合の神津会長は総理大臣官邸で開かれた会合に出席したあと記者団に対し「連合として、このタイミングで何も取り組みをしないと高度プロフェッショナル制度の対象になる労働者への健康確保措置が極めてぜい弱なままになってしまう。丁寧に議論をすれば必ず連合の中の理解も得られる」と述べました。
民進 労働時間規制外しに連合は慎重対応を
NHK NEWS WEB 2017年7月18日
働いた時間ではなく成果で評価するとした労働基準法の改正案をめぐって民進党は会合を開き、出席者からは最大の支持団体の連合が先週、政府に、改正案の修正を申し入れたことに対し、「寝耳に水だった」などとして慎重な対応を求める意見が相次ぎました。
働いた時間ではなく成果で評価するとして、労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」を盛り込んだ労働基準法の改正案をめぐり、民進党は撤回を求めていますが、最大の支持団体である連合は先週、政府に対し、年間104日以上の休日確保の義務化などの修正を行うよう申し入れました。
これを受けて民進党は18日、国会内で厚生労働部門会議を開き、連合側からは逢見事務局長が出席しました。
このなかで部門会議の足立信也座長は「寝耳に水だった。民進党にいる連合の組織内議員にもほとんど話が行っておらず、順番が違うのではないか。党との意思疎通が本当にうまくいっているのか極めて疑わしい事態だ」と述べました。
また出席者からは「これまで一貫して労働法制の改悪には反対の立場をとってきたのに、これまでの関係を崩しかねない」などと慎重な対応を求める意見が相次ぎました。
これに対し逢見氏は「高度プロフェッショナル制度は基本的には反対だが、今の法案がそのまま成立すると働く人たちに大きな影響があるので、必要最小限、ここだけは直してほしいということで要請した」と説明し、理解を求めました。