国連本部(ニューヨーク)で20日、国連安保理はパレスチナ自治区ガザでの「即時かつ無条件の恒久的停戦」を求める決議案を採決し、米以外の14理事国は全員賛成しましたが、米国が拒否権を行使し否決されました。ガザでの戦闘に関する決議案に米国が拒否権を使うのはこれで5回目です。
非常任理事国のアルジェリアの代表は、「ジェノサイド(集団殺害)を続けてもいいとするメッセージ」だと米国を非難し、各国代表からも遺憾の意の表明が相次ぎました
しんぶん赤旗の3つの記事を紹介します。
併せてケイトリン・ジョンストンの痛烈なイスラエル批判記事:「本物のイスラエル」を紹介します。
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ガザ停戦案 米拒否権 国連安保理 人道状況悪化のなか否決
しんぶん赤旗 2024年11月22日
「集団殺害の許可」と非難 行使5回目
【ワシントン=洞口昇幸】米ニューヨークの国連本部で20日、国連安全保障理事会は、イスラエルが軍事侵攻を続けるパレスチナ自治区ガザでの「即時かつ無条件の恒久的停戦」を求める決議案を採決しましたが、常任理事国の米国が拒否権を行使し、否決されました。日本など残りの14理事国は賛成しました。
ガザの人道状況が悪化の一途をたどるなか、非常任理事国10カ国が決議案を共同で提案。ガザ住民のための支援物資搬入の増強や国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動継続を要請。イスラム組織ハマスに拘束されている人質全員の即時かつ無条件の解放も求めていました。昨年10月以降のガザでの戦闘に関する決議案に、米国が拒否権を使うのは5回目です。
決議案が否決されたことについて、非常任理事国のアルジェリアの代表は、イスラエルに対する「ジェノサイド(集団殺害)を続けてもいいとするメッセージ」だと述べ、米国を非難。韓国やマルタなど各国代表から遺憾の意の表明が相次ぎました。
「オブザーバー」として出席したパレスチナの代表は「パレスチナ人の死に世界は慣れてはならない」と強調。ガザでの停戦は「全てを解決するわけではないが、解決するための第一歩だ」と訴えました。
米国のウッド代理大使は、「恒久的停戦は、無条件ではなく人質解放を伴わなければならない」と主張し、拒否権行使を正当化しました。
常任理事国5カ国のうち、拒否権を行使したのは米国のみで英仏中ロは賛成。米メディアによると、イスラエル側は採決前に、可決すれば「裏切り」だとけん制していました。
英国の代表は、ガザでの人道危機緩和のために「イスラエルは緊急の行動を起こさなければならない」と述べました。
イスラエルヘの武器売却中止案 米議会で初の採決
しんぶん赤旗 2024年11月22日
反対多数で否決も
与党内に異論明確
【ワシントン=柴田菜央」米連邦議会上院(定数100)で20日、イスラエルヘの武器売却の中止を迫る三つの決議案の採決が行われました。米メディアによると米議会でこうした内容の採決が実施されたのは初めてだといいます。いずれも反対多数で否決されましたが、民主党議員の賛成票が20に迫る勢いで、与党内からもバイデン政権のイスラエル支持に異論が出ていることが明確に示されました。
決議案は、与党民主党進歩派のサンダース上院議員らが提案していました。3決議案は、イスラエルに ▽戦車砲弾 ▽迫撃砲弾 ▽無誘導爆弾に誘導機能を加える装置-の売却・輸送を止める内容で、それぞれ民主党会派(51議席)から18、19、17の賛成票が投じられました。採決の直前まで、平和団体やユダヤ系団体などの幅広い市民が議員に電話やメールで決議案を支持するよう働きかけ続けていました。
採決に先立ちサンダース議員は、イスラエルヘの武器支援の根拠となる米国の法は「国際的に認められている人権を侵害したり、米国の人道支援を妨げたりする国に武器を供給することはできない」と明確に定めていると強調。ガザの子どもたちは今この瞬間も空腹に苦しみ死を目撃していると述べ、米国はイスラエルの残虐行為との「共犯を終わらせなければならない」と訴えました。
傍聴席にはアラブの伝統頭巾クーフィーヤを巻いた人たちの姿があり、討論に立つサンダース議員を真剣なまなざしで見つめていました。
中東理解研究所(IMEU)政策プロジェクトは同日に声明を出し、イスラ工ルヘの武器支援に米国の法を適用すべきだとの立場が「連邦議会で少数派であるべきではない」と強調しました。
ガザ北部爆撃66人死亡 イスラエル軍 病院長「厳しい包囲下に」
しんぶん赤旗 2024年11月22日
シリア36人殺害
【カイロ=秋山豊】パレスチナ通信によると、イスラエル軍は21日未明、ガザ地区北部の住宅地を爆撃して66人を殺害し、100人以上を負傷させました。
ガザ北部ベイトラヒヤにあるカマルアドワン病院のホッサム・アブ・サフィア院長は、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラの取材に対し、数十人の遺体が病院に運ぱれてきたと語り
ました。同病院のスタッフが現場で救助活動や遺体の収容を行っています。同氏は遺体のほとんどは女性と子どもだと説明し、多くの人々ががれきの下に埋まっていると話しました。犠牲者のほとんどは攻撃を受けたときに眠っていたといいます。
同院長は20日、本紙に対し、「私たちは今も厳しい包囲下にあり薬や医療チーム、食料、救急車など何も入ることができない状態だ」とテキストメッセージで語っていました。院長は17人の子どもが栄養失調の兆候を示して救急科に運ぱれてきており、高齢の男性が脱水症状で死亡したと述べていました。
一方、ロイター通信によると、ガザ保健当局者は20日、イスラエル軍が各地を攻撃し、少なくとも48人が死亡したと述べました。医療関係者は、ガザ中部の住民の避難所となっている学校や家屋への攻撃、北部の病院への爆撃、南部のラファと、イスラエルが「人道地域」に指定したマワシヘの空爆が合まれると話しました。
一方、シリア国営通信(SANA)は、イスラエルが20日、シリア中部パルミラを攻撃して36人を殺害したと伝えました。負傷者は50人を超えています。
本物のイスラエル
マスコミに載らない海外記事 2024年11月22日
ガザで起きている容赦ない悪夢から生まれた数少ない良いことの一つは、ようやく欧
米諸国がイスラエルをはっきり見られるようになったことだ。本物のイスラエルを。
ケイトリン・ジョンストン 2024年11月21日
ガザで起きている容赦ない悪夢から生まれた数少ない良いことの一つは、ようやく欧米諸国がイスラエルをはっきり見られるようになったことだ。本物のイスラエルを。
学校で教わるイスラエルではない。ナチスの手で、ユダヤ人が被害を受けた後、安全な避難所を与えられ、ユダヤ人を滅ぼそうとする野蛮な敵の海に存在しながら、繁栄する社会を築けた「中東唯一の民主主義国」ではないものを。
あのイスラエルではない。本物だ。建国以来、国の存在が絶え間ない暴力、窃盗、暴政、虐待に依存してきた、おそらく世界で最も人種差別的な社会だ。
本物のイスラエルは、単に民族が違うというだけの理由で、政府が、何万人ものパレスチナ民間人を故意に計画的に飢え死にさせている。
本物のイスラエルは、パレスチナ人の子どもの頭を狙撃兵が日常的に銃撃して殺す国だ。
本物のイスラエル軍は非常に残酷で、ハマス戦闘員と疑われる人物が家族と家にいる時に特に標的とするAIシステムを作成し、子どもと家にいる父親を殺すためにAIが「パパはどこ?」と呼ぶのだ。
本物のイスラエル兵連中は、亡くなったり避難したりしたパレスチナ人女性の下着を着て嘲笑したり、亡くなったか避難したパレスチナ人の子どもの玩具で遊んだりする映像を投稿するのをやめられない。
本物のイスラエルでは、パレスチナ人医師がレイプされたり、拷問されたりして死亡する。
本物のイスラエルでは、知人による強姦や配偶者による強姦は実際の犯罪だとは大多数の男性が考えておらず、またパレスチナ人捕虜を強姦し、重傷を負わせるほど拷問したとして告発された兵士が刑事訴追を受けるべきだと大多数の男性が考えていない。
本物のイスラエルは、民間人で一杯の建物を頻繁に爆撃し、更に狙撃ドローンを使って子どもを含め生存者を狙い撃ちする。 本物のイスラエルは、民間人を誘い出して殺すために、赤ん坊の泣き声や女性の叫び声を再生するドローンを飛ばしている。 本物のイスラエルは、何百もの標的攻撃でガザ医療施設の94%を損傷または破壊した。
本物のイスラエルは、医療従事者を軍が計画的に標的にしており、ガザの医師や看護師は暗殺を避けるため病院を出る時には制服を着替えると伝えられている。
本物のイスラエルは、真実を憎むあまり、ガザ地区で歴史的な人数のジャーナリストを殺害し、ガザ地区への外国人ジャーナリスト立ち入りを阻止している。
本物のイスラエルは、人道支援活動家の拠点を意図的に攻撃してきた。
本物のイスラエルは、ガザ地区の荒廃を愉しんで目撃するために国民が遊覧船ツアーに参加するほど歪み、ひねくれている。
本物のイスラエルでは、国民はガザの飢えた民間人のもとに援助トラックが到着するのを阻止するために封鎖し、一方でバーベキューを楽しみ、子どものためトランポリンや綿菓子製造機を設置している。
本物のイスラエルでは、TikTokのインフルエンサー連中がガザ民間人の苦しみを嘲笑する傾向を広め始めている。
本物のイスラエルでは、国民は外国旅行し、パレスチナ国旗を引き裂き、ガザには子どもがいないと歌い、その後、人々が反論すると、被害者だと泣き叫ぶ。
これが栄光に満ちた本物のイスラエルだ。そして、それが見られているのは良いことだ。
誰もがこの異常で残忍な社会を支持するのをやめ、正常な人間の価値観が、この社会を維持している狂った勢力に勝つべきだと主張し始めるのが早ければ早いほど、この地域に平和が訪れるのも早くなる。そして人類全体がより幸せになるだろう。
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(後 略)
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/11/21/the-real-israel/
(後 略)
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/11/21/the-real-israel/