2024年11月9日土曜日

09- 大量虐殺の「多すぎる証拠」

 ケイトリン・ジョンストが掲題の記事を出しました。
 文中で「イスラエルのハアレツ紙は、欧米メディアよりもイスラエルの行動を遙かに批判してきた」という記述があります。当然政府当局からは強い圧力がかかっていることでしょうが賞賛されるべきことです。
 それに対して西側のメディアはイスラエルが不利になる報道を強く規制し、そのために特別詳細な報道基準を作成しています。その中には当然イスラエルの言い分を聞いて「真実性を検証する」という基準があるのでしょう。これは一般的には正しい姿勢なのですが、「ワシントンポストの情報源の一人によれば、これら報道の調査は、イスラエル政府に言い分を尋ねる『検証』段階で行き詰まる」という記述があります。
 イスラエル政府が自分たちが不利になる案件を認める筈がないので、要するにそうした事案は報道できないということで、正に欺瞞の基準となります。
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大量虐殺の「多すぎる証拠」
                マスコミに載らない海外記事 2024年11月 6日
イスラエルに対する進行中の大量虐殺訴訟の一環として、南アフリカ弁護団がいわゆる「否定できない証拠」を含む数百の文書を提出しており、「我々が抱える問題は証拠が多すぎることだ」とハーグ駐在南アフリカ代表がアルジャジーラに語った
                 ケイトリン・ジョンスト 2024年11月1日

 イスラエルに対する進行中の大量虐殺訴訟の一環として、いわゆる「否定できない証拠」を含む数百の文書を南アフリカ弁護団は、提出しており、「我々が抱える問題は、証拠が多すぎることだ」とハーグ駐在南アフリカ代表はアルジャジーラに語った。
 暴力による民族浄化でパレスチナ領土を奪取するいわゆる「将軍計画」の一環として、ガザ北部から追放したパレスチナ人の帰還を、イスラエル国防軍兵士らが積極的に阻止しているとイスラエルの新聞ハアレツが報じている
 ハアレツ紙は、欧米メディアよりもイスラエルの行動を遙かに批判してきた。最近同紙は「民族浄化のように見えるなら、それはおそらくそうだ」と題する社説を発表した。イスラエル政府によるアパルトヘイト濫用とパレスチナ国家への反対を理由とする国際的制裁を現在ハアレツ紙の発行人アモス・ショッケンが公然と主張しており、ネタニヤフ政権の激しい反応を引き起こしている。

 先週、複数のイスラエル政府関係者が出席した「ガザ再定住準備会議」と呼ばれる二日間の集会があった。これはまさにその名の通りイスラエル要人が集まり、パレスチナ人をガザ地区から追い出し、領土をユダヤ人入植地に換える議題を話し合う会議だった。
 イスラエルの大量虐殺攻撃が始まって以来、ガザ地区への人道支援は最低レベルに落ち込んだと報じられている。10月1日から22日までの間にガザ地区に入ったのはトラック数百台分に過ぎず、北部には何も届かなかった。国連人道問題担当事務次長が「北ガザ地区の住民全員が死亡の危険にさらされている」と最近警告したが、この警告は同国支配地域全体でUNRWA支援を遮断することをイスラエル国会が決議する直前に出された。

 ワシントンポストの最新報道によれば、アメリカが供給する兵器がガザ地区の民間人を不必要に殺害し傷つけるために使用されているという何百もの報告に圧倒されるが、アメリカ国務省は自らの規則に違反して、その一件についても何の措置も講じていない。ワシントンポストの情報源の一人によれば、これら報道の調査は、イスラエル政府に言い分を尋ねる「検証」段階で行き詰まる傾向があるという。
 火曜日、イスラエル軍は数百人の民間人が眠っていたアパートを爆破し、一回の虐殺でパレスチナ人109人を殺害したと報じられている。この中には数十人の子どもも含まれている。

 先週日曜一日で、イスラエル国防軍はジャーナリスト5人を殺害し、イスラエルの大量虐殺攻撃で殺害されたジャーナリスト総数は少なくとも180人となった。これは秘密のハマス戦闘員だとイスラエルが主張するアルジャジーラ・ジャーナリスト6人の殺害リストを発表した直後の出来事だが、殺害された5人にアルジャジーラ記者は含まれていなかった

 しかも、これはガザだけでだ。レバノンへの攻撃でイスラエルは既に164人の医療従事者を殺害しており、ネタニヤフ政権は停戦交渉を妨害し、イスラエル戦闘機のレバノン領空進入許可やら、南レバノンでイスラエル軍が軍事作戦を行い、停戦協定の警備を行うことを許可するなど、ばかばかしい実現不可能な要求を持ち出している。

 中東では、イスラエルと、その虐待を可能にしている強力な欧米諸国が行う醜いニュースが毎日益々増えている。状況を把握するのは益々困難になりつつある。本当に「証拠が多すぎて」追いつけないのだ