田中龍作ジャーナルに掲題の記事が載りました。
日本はかつて朝鮮を植民地化した上で旧満州に進出し、さらに中国に侵攻して遂に第二次世界大戦に突入しました。
戦前生まれの亀井静香元運輸相は「『売らんかな』の新聞が民衆を煽った」と言って無謀な戦争に突入していった歴史を憂えました。
先般 高市政権が誕生すると、共同通信の世論調査で台湾有事の際 集団的自衛権の行使に「賛成(どちらかと言えば賛成も含めて)」と答えた人が48.8%を占め、「反対」の42.2%を上回るという「強烈な事態」が起きました。
田中龍作氏が親しい中国人記者に「高市首相の〝台湾有事″は日本の〝存立危機事態″発言」について聞くと、開口一番「中国は予想以上に反発している」、「日本は外交戦略を誤った」と指摘したということです。
田中氏は「台湾情勢は中国にとって譲れない問題」、「中国は面子の国だ。高市首相が発言を撤回しない限り事態は収まらない」と述べます。
決して右翼系の民衆に好感されたことで有頂天になっていいような問題ではありません。
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【台湾有事】民衆が右傾化する時
田中龍作ジャーナル 2025年11月17日
「君たちは上(政治権力)が右傾化するのと下(民衆)が右傾化するのと、どちらが怖いと思うかね」。
政界の御意見番、亀井静香元運輸相が記者たちに聞いた。亀井氏の記者会見はオープンだったので、田中も出席していた。
答えは下(民衆)だった。
戦前生まれの氏は、「『売らんかな』の新聞が民衆を煽った」と言って無謀な戦争に突入していった歴史を憂えた。
時は令和となり高市政権が誕生すると、もっと強烈なことが起きた。共同通信の世論調査だ。台湾有事の際、集団的自衛権の行使に「賛成(どちらかと言えば賛成も含めて)」と答えた人が48.8%を占め、「反対」の42.2%を上回ったのである。
高市発言に対する中国の真意を探るべく知己の中国人記者に話を聞いた。
記者は開口一番「中国は予想以上に反発している」。
中国側の一連の激しい言葉については?
「今まで使わなかった言葉。本気で怒っている」と解説した。「日本は外交戦略を誤った」と指摘する。
台湾情勢は中国にとって譲れない問題なのだ。逆鱗に触れた高市首相は愚かという他ない。
世論調査の結果に高市首相は我が意を得たりと勢いづく。ここで図に乗れば中国はますます反発を強め態度を硬化させる。
自民党タカ派はこれまで以上に高飛車な対応をするだろう。
火消し役なき北東アジアで緊張が高まれば、予測不可能な事態が起きても不思議ではない。
中国は面子の国だ。高市首相が発言を撤回しない限り事態は収まらない。
~終わり~