2025年11月3日月曜日

山上被告殺人罪の合理的疑い/立民安保法制肯定の背景(植草一秀氏)

 22年7月8日に起きた安倍元首相暗殺事件の山上被告に対する公判が、10月28日に開始されたことを受けて 植草一秀氏が「山上被告殺人罪の合理的疑い」と題する記事を出しました。

 山上被告は、当初異常に長い期間 精神鑑定を受けたことが報じられました。そして検挙後実に3年を経てようやく公判に至りましたがこの異常な長さも不可解です。
 この暗殺事件で最も不可解な部分は、事件当日検死をした奈良県立医大病院の医師が、「死因は安倍氏の頸部前部の2つの銃創から入った銃弾の一つが心臓大血管に達してそれを損傷したこと」と説明したことと、台に載って演説中の安倍氏の後方から近付きつつあった山上被告の位置から銃弾を発射したこととが整合性が取れない点でした。

 この点は事件当初からSNSの動画などで取り上げられ、安倍氏を死に至らせた銃弾は近くのビルの屋上から発射されたという推測が有力視されました。
 週刊文春は「疑惑の銃弾」1弾~第4弾(23年2月~3月)でこの事件を取り上げました。
 また新潟県出身の高鳥修一元衆院議員(自民党)も衆院議員現職時代に、「にいがた経済新聞」のインタビューで同じことを指摘し、何故か党内では「陰謀論者」扱いをされたそうです。

  ⇒ 23.8.15)独自インタビュー 安倍元首相を襲った凶弾の闇
 しかしそう聞くとなお更 触れてはならないところによる謀略説」に信憑性を感じます。

 併せて同氏の記事「立民安保法制肯定の背景」を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
山上被告殺人罪の合理的疑い
               植草一秀の「知られざる真実」 2025年11月1日
2022年7月8日に発生した安倍晋三元首相暗殺事件の公判が始まった。
第1回公判は10月28日。10月30日まで3日連続で公判が開かれ、12月18日の第18回公判で結審する予定。判決公判は2026年1月21日が予定されている。
被告側は殺人罪について争わない方針。わずか2ヵ月で裁判が終結してしまう予定。
結審から判決公判までの日数はほぼ1ヵ月しかない。真実を闇に葬る姿勢が鮮明だ。

事件には重大な疑問が残されている。
安倍元首相が銃撃された後、救命活動を行ったのは奈良県立医大病院。
事件のあった2022年7月8日に記者会見を行っている。
この会見で示した所見と、その後に公表された警察の検死結果がまったく違う。
どちらか一つが真実で別の一つが虚偽である。裁判ではこの点が明らかにされる必要がある。

なぜか。事件当日に行われた会見での説明を前提とすると安倍元首相を殺害した実行犯が山上徹也被告であることに合理的な疑いが生じる
そうなると山上氏を殺人罪で有罪とすることの正当性が根底から揺らぐ。
山上被告の弁護団は殺人罪について争わないとの方針を示しているが、上記の重大な疑問があるなかで事件の真相を究明しないことは極めて重大な問題だ。

事件当日に救命活動および検死を行った奈良県立医科大学附属病院の福島英賢教授が同日記者会見で詳細を述べている。会見での発言内容を文字起こししたものをMBS(毎日放送)が記事にしてウエブ上に公開している。
「【記者会見の全容】安倍元総理が銃撃され死亡 「搬送時点で心肺停止」「最終的には20人以上の態勢で処置」 https://x.gd/vWuu6

会見での説明内容における重要点は
1.安倍氏の銃創が首の真ん中のところと少し右の2か所だった
2.傷は前頸部にあり、後ろに傷はなかった
3.銃弾が銃創から入って心臓にまで到達し、心臓大血管が損傷して出血して死亡した
安倍氏が銃撃を受けて倒れる状況を撮影した動画はいまもウェブ上に公開されている。
この動画を検証すると安倍氏は左回りに後ろを振り向く過程で銃撃を受けたと見られる。
上半身を左側に90度ほど回した瞬間に後ろから銃撃を受けたということになる。

福島英賢教授は、死因は首の真ん中と少し右から入った銃弾が心臓に到達して心臓大血管を損傷したことに伴う出血だと説明した。
山上被告が弾丸を発した位置から見て安倍元首相は山上氏の前方におり、山上氏に背を向ける状態で演説していた。
銃声が響き、安倍氏は左回りに後ろを振り返ろうとし、真左、時計の針で9時の方向を向いた瞬間に銃撃を受けて倒れ込んだ。
首の前方2か所に銃創があり、銃弾が心臓に達して心臓大血管が損傷して失血死したのであれば、銃弾は安倍氏が演説していた場所の左斜め前方上方から飛来したと考えるのが順当
安倍氏が演説していた場所の左斜め前方に地上7階建ての「サンワシティ西大寺ビル」がある。












ビルの屋上は人のいない空間になっており、このあたりから銃弾が飛来したと考える方が合理的ということになる。




























刑事訴訟法に次の条文がある。
刑事訴訟法第三百三十六条 
被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。
山上被告を殺人罪で有罪にするためには「犯罪の証明」が必要。

事件当日に検死を行い、記者会見で詳細を述べた奈良県立医科大学附属病院の福島英賢教授の説明は山上被告による安倍元首相殺害に合理的な疑問を差しはさむ
公判では司法解剖を行った奈良県警の医師が証言したが、その証言内容と奈良県立医大の福島英賢教授の説明はまったく異なるいずれかが真実でいずれか虚偽
この疑問を解消せずに山上被告を殺人罪で有罪にすることは許されない
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立民安保法制肯定の背景
               植草一秀の「知られざる真実」 2025年10月30日
日本の宗主国である米国は日本の政治体制の改変を加速させている。
その目的は明白。日本を対米隷属の二大政治勢力体制にすること
他方、絶対に回避しなければならないことは「対米自立政権」の誕生。
これが「悪夢の民主党政権」の意味。正確に言えば「悪夢の鳩山由紀夫政権」である。

同じ民主党政権でも鳩山由紀夫政権と菅直人政権、野田政権はまったく違う。
菅直人政権、野田佳彦政権は対米隷属政権だった。
宗主国の判断は「二度と鳩山政権誕生の過ちを繰り返してはならない」である。
鳩山内閣は「対米自立」を明確に目指した。
しかし、菅内閣と野田内閣は「対米自立」ではなく「対米隷属」だった。
鳩山内閣が「対米自立」を目指して米国の総攻撃を受けたことを踏まえ、完全に転向した。
そもそも「対米自立」の鳩山内閣を破壊したのは鳩山内閣に潜伏していた「対米隷属勢力」だった。

鳩山内閣が誕生したのは2009年9月。崩壊は2010年6月である。
鳩山内閣が崩壊した最大の原因は普天間の移設先を辺野古から沖縄以外の国内、海外に変更するのに失敗したことにある。
その失敗の首謀者は鳩山内閣に潜んでいた。岡田克也外相、前原誠司沖縄担当相兼国交相、北澤俊美防衛相、平野博文官房長官は鳩山総理の命令でなく横田政府の命令に従っていた
ウィキリークスが米国秘密文書を公開してこれら「売国者」の背信行為を克明に伝えている。

民主党悪徳10人衆。渡部恒三、藤井裕久、仙谷由人、菅直人、岡田克也、野田佳彦、前原誠司、枝野幸男、安住淳、玄葉光一郎。
これら10人衆は鳩山総理の命令でなく横田政府の命令に従った
宗主国米国は「悪夢の鳩山由紀夫政権」再来阻止を第一目標に掲げている。
そのために、日本の政治体制を「対米隷属二大政治勢力体制」に改変しようとしている

高市内閣は「対米隷属・極右・新自由主義勢力」による政権。
極右自民と新自由主義維新を接合して政権を樹立させた。
公明は離脱したが、宗主国米国は新たな統合を目論む。

公明・国民・立民の統合を図る。「対米隷属・利権中道勢力」の結集だ。
国民民主の玉木雄一郎氏が野党共闘の条件として「戦争法制賛成・原発推進」を執拗に主張した。
立民は明確な回答を示さず、野党共闘は挫折した。
玉木雄一郎氏は自民が玉木総理での連立申し入れをすることを期待していと見られる。
そのため、立民・国民・維新の三党連立に消極的だった。
ところが、間隙を縫って維新が自民と結託したため、玉木氏は政権与党入りまで失った。欲が深すぎるとすべてを失う。

だが、宗主国米国の画策は続く。立民を完全な対米隷属に組み替えることができれば「対米隷属・利権中道勢力」の大きな塊が完成する。
「対米隷属・極右・新自由主義勢力」と「対米隷属・利権中道勢力」の二大勢力体制に改変する。これが実現すれば日本の対米隷属は永遠のものになる

立民幹部が米国の工作で対米隷属を一段と鮮明にし始めている。
「植民地根性」が心の底まで染みついている日本国民が激増するならこの国の真の独立は永遠に訪れない。
                 (中 略)
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4235号
「恥ずかしい植民地根性」 でご高読下さい。
                 (後 略)