2025年11月27日木曜日

高市米国傀儡政権の末路/政府御用番組のテレ朝「報ステ」(植草一秀氏)

 植草一秀氏が掲題の2つの記事を出しました。
 政治家たるもの ましてそのトップに居るものは「日本の平和と繁栄」をこそ目指すべきであり、その逆を行くものであってはなりません。
日米同盟が全ての基礎」とは自民党議員だけでなく多くの政治家が枕詞のように口にしますが本当にそうでしょうか。
 別掲の記事で明らかにされたように、米国のいう「台湾有事」の真意は日本を事実上壊滅させることを意図したものです。それも知らずに唯々米国の言うがままに突き進むとは、あまりにも愚かなことです。
 それこそは正に「米国傀儡政権」であって、ひたすら「わが身を亡ぼす」ことを目指して突き進んでいるということです。

 2つ目の記事では、高市氏が総務相時代、放送番組の「政治的公平性」を定めた放送法の政府解釈をめぐり、安倍政権下の214~15年に総務省に対する政治的圧力がかけられたとする「内部文書」に関して追及が行われた際に、高市国務相は指摘された文書を「ねつ造文書」だと断じ、「ねつ造でなければ議員を辞職する」と述べました。
 その後、当該文書は総務省の正規の内部文書であることが明らかにされましたが、高市氏は議員を辞職していません。窮地に立たされると「ねつ造文書」であると言い逃れして、「そうでなければ議員を辞職する」とまで開き直ったのにも拘わらずにです。
 そもそも「公正な放送」を司れる人間でありません。
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高市米国傀儡政権の末路
              植草一秀の「知られざる真実」 2025年11月25日
日本の平和と繁栄のために何が必要か。
この視点で全体を見直すことが必要。
日米同盟がすべての基礎だと言うが本当にそうだろうか。

日本の一般会計・特別会計歳出純計における社会保障関係費と防衛関係費を除く政策支出の合計額は約24兆円。この24兆円であらゆる政策支出が賄われている。
公共事業関係費、文教及び科学技術振興費、食料安定供給関係費、エネルギー対策費、経済協力費、中小企業対策費などのすべてを合わせた支出が1年間で約24兆円。
数年来、ほとんど変わらない。

ところが、防衛費だけが突出して増大している。
これまで年額5兆円だった防衛関係費が年額10兆円水準に激増しているのだ。
岸田首相が22年に防衛費のかさ上げ方針を決めた。
5年間で27兆円の防衛予算を5年間で43兆円に増額する方針を決めた。

その基本構造は米国の命令。
日本の軍事予算拡大は米国軍事産業への利益供与そのものなのである。
米国の軍事装備品を日本が買わされる。米国にとって大事なことは日本を取り巻く安全保障環境を悪化させること。

東アジアに平和と安定がもたらされてはならない。
トランプ大統領が第一期において北朝鮮との和解に取り組もうとした。
これを力づくで阻止したのが米国軍産複合体。

トランプ大統領による北朝鮮との和平を阻止した中心人物がボルトン補佐官。
北朝鮮の脅威は日本の軍事費増大を実現する上で不可欠な要素である。
日中友好関係が構築されれば日本の軍事費増大を実現できない。
このことから米国は人為的に日中関係が悪化する工作活動を進めてきた。
その象徴事例が2010年9月7日の尖閣海域中国漁船衝突事件。この事件は日本の自作自演だ。

日本と中国の間には尖閣領有権問題に関する「棚上げ合意」が存在した。
1972年の国交正常化と78年の平和友好条約締結の際に「棚上げ合意」が結ばれた。
それは「日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が存在することを認めながら、この問題を留保し、将来の解決に待つことで日中政府間の了解がついた」もの。

1979年5月31日付読売新聞が社説で次のように記述している。
「それは共同声明や条約上の文書にはなっていないが、政府対政府のれっきとした「約束ごと」であることは間違いない。
約束した以上は、これを遵守するのが筋道である。」

「棚上げ合意」に基づき日中漁業協定が締結され、尖閣海域では日中両国が漁業活動を実施する際、相互の国が領海内における相手国漁船に対し漁業協定に基き領海外に誘導する運用が行われていた。 
ところが、2010年6月8日、菅(直人)政権が「尖閣諸島に関する我が国の立場は、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しないというものである」
とする質問主意書答弁書を閣議決定し、尖閣海域の対応を「日中漁業協定基準」から「国内法基準」に変更した。

2010年9月7日、従来は海保巡視船が漁船を追い払うだけだったのを、
この日は海保巡視船が1隻の中国漁船を接触するほど追い上げ、あげく漁船と他の巡視船がぶつかり、接触から3時間も追い回した末に漁船と乗組員を確保し、船長を逮捕した。
この事件を契機に「中国の脅威」が叫ばれ、日中関係が急激に悪化してきた経緯がある。
この事件「創作」を主導したのは前原誠司氏であると見られる。
前原氏と駐日ルース米大使との極秘会談の内容などがウィキリークスによって暴露されたために、こうした悪事が白日の下に晒されることになった。

高市首相は米国の命令に服従して日本の軍事費を増大させ、日本の中国への宣戦布告まで示唆している。
戦争が勃発すれば瞬く間に日本は焦土と化す。これは間違いない。
この路線で日本が突き進むのが良いのか。
根本的な再考が必要だ。

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政府御用番組のテレ朝「報ステ」
              植草一秀の「知られざる真実」 2025年11月26日
放送法に次の条文がある。
(国内放送等の放送番組の編集等)
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
二 政治的に公平であること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

高市首相が国会答弁で台湾有事に関して「戦艦を使って、武力の行使をともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースである」と述べた問題。
これまで本ブログ、メルマガで記述してきたように暴言であり、撤回する必要がある
鳩山友紀夫元総理も過ちては改むるに憚ること勿れ」、「過ちて改めざる、是を過ちと謂う」との孔子の言葉を引用して高市首相に発言撤回を求める見解を表出している。

これに対して「撤回すべきでない」との主張も存在する。
テレビ朝日「報道ステーション」は「撤回すべきでない」と主張する垂秀夫元駐中国大使を出演させて自説を述べさせた。
放送法の主旨に基けば、「撤回すべきでない」と主張する論者を出演させるなら、同時に「撤回すべきである」と主張する論者を出演させるのが適正だ。
少なくとも番組司会者が反対意見について明示することが必要。

同番組の対応が逆だったなら政府はクレームがつけただろう。
番組に「高市首相は発言を撤回すべきだ」と主張する論者を出演させ、自説を延々と述べさせたなら、どのような反応が生まれたのか。

2023年3月の参議院予算委員会質疑で高市早苗国務相の総務相時代の言動が問題にされた。
放送番組の「政治的公平性」を定めた放送法の政府解釈をめぐり、安倍政権下の2014~15年に総務省に対する政治的圧力がかけられたとする内部文書に関する追及が行われた。
高市国務相は指摘された文書を「ねつ造文書」だと断じ、「ねつ造」でなければ議員を辞職すると述べた。
その後、当該文書は総務省の正規の内部文書であることが明らかにされた。
だが、高市氏は議員辞職していない。

この文書は放送事業に対する政治権力による介入の可否に関わる問題についての一種の工作活動に関する経緯が記されたもの。
放送法が定める放送事業者の政治的公平について、「一つの番組ではなく、番組全体として評価する」とされてきた解釈を、
「一つの番組でも、明らかにおかしい場合には取り締まりができる」ようにする「条文の解釈変更」が目論まれた事案である。

工作を主導したのは磯崎陽輔首相補佐官で、礒崎氏は自分がコントロールできる議員に国会で質問をさせて、その質問に対する総務相答弁によって解釈変更の既成事実を創作することを目論見たと見られる。
その「工作」に加担したと見られるのが高市早苗総務相(当時)である。

文書のなかで磯崎氏は、
「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要があるだろう」
「サンデーモーニングはコメンテーター全員が同じことを述べている等、明らかにおかしい」
などと述べて、「一つの番組でも、明らかにおかしい場合」には取り締まりができるようにすることを目指したと見られることが記されている。
こうした経緯を踏まえてテレビ朝日は萎縮、忖度しているのか。
テレビ朝日の「報道ステーション」の逆の偏向が目に余る。

高市氏は国会答弁で
「戦艦を使って、武力の行使をともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースである」と述べた。
メディアは大きく取り上げないが「どう考えても」と述べた点がとりわけ重要だ。
11月22日付ブログ記事「高市首相発言撤回は不可避」https://x.gd/0Sofm
メルマガ記事「高市氏過ちて改むるに憚る勿れ」https://foomii.com/00050 
に詳述したが、高市首相発言は不適切発言そのもの。
鳩山元総理が指摘するように中国政府が激怒するのが当然の発言

このために、国民がさまざまな経済的損失を蒙る事態が生じている。
問題を中立公正の視点から捉えぬテレビ朝日の偏向は極めて深刻な状況にある。

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続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4262号
「高市発言撤回せずが国益を毀損」 でご高読下さい。
                 (後 略)