2025年11月17日月曜日

イスラエル入植者の暴力相次ぐ 西岸モスク放火も/米政府はジェノサイドと認めよ

 現在ガザは曲りなりに停戦状態に入っています。しかし停戦状態に入ってからもイスラエルは適当な口実を設けてガザのパレスチナ人を大量に殺害し、さらに大々的に負傷させてきました。これではいつまた何を口実にして停戦状態が壊されるのかは全く予断を許しません。
 ガザ戦争が始まった2310月以降、ヨルダン川西岸では入植者や軍により1070人以上が殺害され、1万300人以上が負傷しています。
 入植者集団に13日に放火された西岸北部のモスクは、住民の必死の消火で全焼を免れましたが、大きく損傷しました。壁には、パレスチナ人やイスラム教徒を差別・冒涜する落書きが書かれていました。
 グテレス国連事務総長は14日、「宗教施設への暴力と冒涜は絶対に容認できない」との声明を出し、イスラエルには「パレスチナ民間人を保護し、加害者を処罰する義務がある」と強調しました。

 米民主党進歩派のタリーブ下院議員は14日、米政府に対し、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区での残虐行為をジェノサイド(集団殺害)と認め、イスラエルヘの武器輸出の中止などジェノサイドを止めるあらゆる措置を講じるよう求める決議案を提出しました。
 下院議員20人が共同提案者となり100を超える市民団体が決議案に支持を表明しました。
 決議案は、米政府に対してジェノサイド条約の下での義務を順守し、ジェノサイドを防ぎ罰するためのあらゆる措置を講じるよう要求。「この惨事を終わらせるために、私たちはジェノサイドの否定を拒否しジェノサイド条約の下での法的義務に従わなければならない」と述べています。
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入植者の暴力相次ぐ ヨルダン川 国連総長ら非難
                      しんぶん赤旗 2025年11月16日
【カイロ=米沢博史パレスチナのヨルダン川西岸地区で、ユダヤ人入植地の拡大を目的とするイスラエル入植者と占領軍による暴力が相次いでいることについて、国連事務総長やイスラエル国内の平和組織などが一斉に批判の声を上げています
 入植者集団に13日に放火された西岸北部のモスク(イスラム礼拝所)は、住民の必死の消火で全焼を免れましたが、大きく損傷しました。壁には、パレスチナ人やイスラム教徒を差別・冒涜(ぼうとく)する落書きが書かれていたと伝えられています。
 グテレス国連事務総長は14日、「宗教施設への暴力と冒涜は絶対に容認できない」との声明を発表し、「過激な暴力の危険な増大」を警告。イスラエルには「パレスチナ民間人を保護し、加害者を処罰する義務がある」と強調しました。
 57カ国が加盟するイスラム協力機構(OIC)は13日、事務局声明で、放火は「世界のイスラム教徒の感情への露骨な挑発」であり「国際人法とジュネーブ諸条約への明確な違反」だと非難。イスラエルに対する不処罰を終わらせるよう求めました。
 イスラエルの平和連合「ザズィム」(約60団体加盟)によると、同国軍と警察は、14日に西岸で行われたパレスチナ住民への大規模な連帯行動に参加した平和活動家や著名人ら数百人を拘束しました。ザズィムは「入植者のテロを前に沈黙しない」との声明を発表し、「暴力や追放に直面する人々をひとりにしない」と表明しました。
 ザズィムの加盟団体「スタンディング・トゥゲザー」のアロン・グリーン共同代表も「入植者は自由に村々を脅かす一方、連帯を示すイスラエル人は軍の命令で拘束される。恥ずべき現実だ」と非難しました。
 パレスチナ通信によると、ガザ戦争が始まった2023年10月以降、西岸では入植者や軍により070人以上が殺害され、1万300人以上が負傷しています。


ジェノサイドと認めよ ガザ 米民主党進歩派が決議案
                      しんぶん赤旗 2025年11月16日
【ワシントン=柴田菜央米民主党進歩派のタリーブ下院議員は14日、米政府に対し、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区での残虐行為をジェノサイド(集団殺害)と認め、イスラエルヘの武器輸出の中止などジェノサイドを止めるあらゆる措置を講じるよう求める決議案を提出しました。
 タリーブ氏は連邦議会で唯一のパレスチナ系の議員です。同氏のほかに下院議員20が共同提案者となっており、OOを超える市民団体が決議案に支持を表明しました。
 決議案は、米政府に対してジェノサイド条約の下での義務を順守し、ジェノサイドを防ぎ罰するためのあらゆる措置を講じるよう要求。▽イスラエルヘの武器や装備の提供中止 ▽ジェノサイドに関与した米国内の個人や企業に対する捜査や刑事訴追 ▽国際司法裁判所 (ICJ)の命令や国際刑事裁判所(ICC)の調査に従うこと ▽イスラエル政府やジェノサイドに関与あるいはジェノサイドを可能にしている個人、団体に制裁を科すことなどを米政府の方針とするよう求めています。

 タリーブ氏は声明で、「米政府が戦争犯罪と民族浄化に無制限の権限を与え続けている間に、パレスチナの子どもたちの笑顔は米国製の爆弾と弾丸によって奪われている」と強調。「この惨事を終わらせるために、私たちはジェノサイドの否定を拒否しジェノサイド条約の下での法的義務に従わなければならない」と述べました。
 平和団体「平和を求めるユダヤ人の声アクション」の政治担当ベス・ミラー氏は「米国の大統領も議員もイスラエルのガザでの残虐行為を否定し、消し去ってきた。また国際的な場での責任追及からイスラエル擁護してきた」と非難。タリーブ氏ら決議案を提出した議員は「ジェノサイドが終わり戦争犯罪への米国の支援が止まることを望む圧倒的多数の米国民の要求を聞いている」と評価しました。