参院では17日に皇室典範改定案を採択するということです。
15日、参院皇室典範特別委員会に出席した日本共産党の小池晃書記局長は、「男系男子による継承に固執し、強化する皇室典範の改定は、日本社会における女性差別を助長することとなる」と強調し、「改定案は憲法の精神と条項に反する」と批判し撤回を求めました。
特に養子皇族の男子に天皇になる資格を認める改定案は、今の天皇とは36~38親等の隔たりがあり「ほとんど他人」の人物が皇位に就くもので、「国民の理解と支持、安定性、伝統いずれの視点から見ても問題がある」とした2005年の政府有識者会議報告書で否定されたものです。
何よりもこの部分は与野党議員協議会では審議されなかったものなのに、それが閣議案の決定段階で突如盛り込まれたのでした。こうした不正・デタラメは「人格」の対極にある高市内閣ならではのもので、それがそのまま成立するかも知れないことこそがまさに異常事態です。
併せてしんぶん赤旗の「主張 男系男子の強化 女性差別助長の法案は撤回を」を紹介します。
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憲法の精神・条項に反する 皇室典範改定案 小池氏が撤回要求 参院特別委
しんぶん赤旗 2026年7月16日
参院皇室典範特別委員会は15日、皇室典範改定案の審議を行い、日本共産党の小池晃書記局長は「男系男子による継承に固執し、強化する皇室典範の改定は、日本社会における女性差別を助長することとなる」と強調。木原稔官房長官が「法案は女性差別とは関係ない」と答弁したのに対し、小池氏は「改定案は憲法の精神と条項に反する」と批判し、撤回を求めました。
小池氏は、養子皇族の男子に天皇になる資格を認める改定案は大問題だと指摘。衆院の審議で宮内庁が養子の対象となる旧11宮家と今の天皇には男系で36~38親等の隔たりがあると答弁したが、6親等離れれば民法上の親族ではなく、38親等となれば「ほとんど他人だ」と指摘。だからこそ2005年の政府有識者会議報告書でも養子縁組案は「国民の理解と支持、安定性、伝統いずれの視点から見ても問題がある」として否定されたと強調しました。
小池氏は、皇室典範の大原則である「養子の禁止」を覆しながら、皇室典範を根拠に女性・女系天皇を認めないのは「苦し紛れの詭弁(きべん)だ」と批判しました。
多様な性をもつ国民の「統合の象徴」と憲法で規定されている天皇を男性に限定する合理的な理由はなく、憲法の条項と精神に照らせば女性・女系天皇も当然認められるべきだと主張。「皇室典範では皇位は皇統に属する男系男子が継承するとしている」という木原氏に、小池氏は日本国憲法からは大日本帝国憲法にあった「皇男子孫」継承が除かれ、皇位については世襲としか書かれていないと反論しました。
さらに、男系男子継承が明文化されたのは1889年の旧典範だと指摘し、万世一系の天皇が統治するとした大日本帝国憲法の世界を否定した日本国憲法の精神に基づいて議論すべきだと主張しました。国民主権、基本的人権の尊重の憲法のもと日本社会が大きく変化し、女性・女系天皇も認めることが国民の率直な思いだとし、女性であることを理由にしかるべき地位につくことを妨げるのは「男尊女卑」そのもので、男系男子継承に固執・強化する改定案は、日本における女性差別を助長させるものだと批判しました。
主張 男系男子の強化 女性差別助長の法案は撤回を
しんぶん赤旗 2026年7月16日
高市早苗政権は、今国会で皇室典範改定案を強行に成立させる構えです。国民的議論が必要な法案にもかかわらず、委員会質疑は衆参あわせ6時間余りにとどまります。国民の理解は得られておらず採決強行は許されません。
憲法は、天皇は日本国民統合の象徴であり、天皇の地位は主権の存する国民の総意に基づくとしています。多様な性を持つ国民の象徴を男性に限る合理的理由はなく、国民の多くが女性・女系天皇を認めています。憲法に照らせば当然、女性・女系天皇が認められるべきです。
ところが改定案は、高市首相の持論を強く反映し、現在の典範以上に男系男子による皇位継承を強化します。日本社会に残る女性差別を助長するもので重大です。
■“二級皇族”の扱い
皇室典範は、皇族が養子をとることを禁じています。2005年の政府有識者会議の報告書も、養子縁組は国民の理解と支持の点などから問題があり、採用は「極めて困難」としていました。改定案はそれらを覆し、現在の天皇家から遠い、親戚とも言い難い旧宮家の男系男子を養子にするとします。
皇室典範は一般人が皇族になるのは男性皇族と結婚した女性だけと規定しています。
改定案は一般人の男性を養子として皇族にします。一般女性と結婚すれば、その女性や子も皇族となり、男の子なら皇位継承資格を持ちます。
それに対し、女性皇族の場合、改定案で結婚後も皇族としますが、夫や子どもについて皇族になる規定を設けず一般人の身分とします。
男性皇族と異なる差別的扱いです。さらに、結婚した女性皇族は新たに一般市民のように自治体の住民基本台帳に登録されます。まるで“二級皇族”かのような扱いです。
女性皇族には姓がなく、夫と子どもは姓を持つことにもなります。それを、家族で姓が違うと一体感が失われるとして選択的夫婦別姓に反対する勢力が推進するのは、別姓反対論のでたらめさを示しています。
■男尊女卑と家制度
国民の総意に反し、なぜ男系男子に固執するのか。背景にあるのは家父長制と男尊女卑の考え方です。
皇位継承を男系男子と定めたのは、神話に基づく「万世一系」の天皇が主権者だった明治の皇室典範です。
当時、女性天皇容認論もある中で、否定する有力な論だったのは、日本では女性より男性が尊く、女性天皇が結婚すれば夫が「尊位」を占め天皇の尊厳を損ない、日本古来の夫婦観念にもなじまない、女性皇族の子が夫の姓を継いで天皇になれば、皇統が他に移り「万世一系」でなくなる、というものだったとされます。
高市政権が狙う改定案の底流にはこうした考え方があります。男系男子への固執は、家制度の下で男の子を産むことを強制し、女性を苦しめた日本社会のこれまでの姿と重なります。家父長制的な意識を残存させ、女性差別を助長します。ジェンダー平等を求める国民の声に反します。
国民主権の憲法となった下で、国民の総意に基づかない法案は撤回すべきです。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。