2024年9月28日土曜日

立民党代表選の結果 - リベラル野党をやめて保守野党へ、維新と同じ第二自民党へ

 世に倦む日々氏が掲題の記事を出しました。
 サッパリ盛り上がらなかった立民党の代表選は23日に投票日を迎え、枝野氏との決選投票を制した野田佳彦氏が代表に選ばれました。24日に発表された党役員は、幹事長に小川淳也、政調会長に重徳和彦、国対委員長に笠浩史というもので、小川淳也氏が聞き覚えがあったものの他の2名は初めて聞く名前でした。
 世に倦む日々氏は、小川淳也=元総務官僚で消費税25%の提唱者、重徳和彦=元総務官僚で維新で政治家をスタートさせた右翼、昨年末不同意わいせつ容疑で告発された、笠浩史=日本会議の設立10周年に祝賀状を送っている党内最右翼、だと述べ「錚々たる猛毒の顔ぶれ」と称しました。
 小川氏は、注目すべき新進政治家として〝17年間の政治家の道筋″を辿ったドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」が公開(20年)されています。たとえどんな取り柄があったとしても、財務省が「魔法の税制」と呼ぶほど重宝している消費税について、こともあろうに「税率25%」にという主張は余りにも庶民生活の実態を知らないもので、その点で失格です。
 世に倦む日々氏は、野田立民党は紛れもなく維新と同じ「第二自民党」路線であり、国民民主党との連携は言うまでもなく、いずれは維新との連携(乃至合流)を目指していると見ています。
 立民党は野党でなくなろうとしているということです。遂に日本の政治も落ちるところまで落ちました。
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立憲民主党代表選の結果 - リベラル野党をやめて保守野党へ、維新と同じ第二自民党へ
                       世に倦む日日 2024年9月26日
立憲民主党の代表選が 9/23に行われ、事前の予想どおり、野田佳彦が枝野幸男との決戦投票を制して選出された。9/24 に党役員人事が発表され、幹事長に小川淳也、政調会長に重徳和彦、国対委員長に笠浩史が起用された。小川淳也は、元総務官僚で消費税25%の提唱者。重徳和彦は維新から政治家のキャリアを始めた右翼で、昨年末に不同意わいせつ容疑で被害届を出された不祥事男。笠浩史は日本会議の設立10周年に祝賀状を送っている党内最右翼だ。まさに錚々たる猛毒の顔ぶれであり、野田佳彦が今後何をするのかをよく示唆している。維新と自民に対して、そして国民に対してのメッセージが赤裸々だ。マーケティングの碩学だった村田昭治は、「人事こそ最大の戦略である」と言っていたが、この極端で過激なタカ派人事の内容に、野田佳彦の本性と政治戦略が凝縮されていて分かりやすい。

早速、党内でこの偏った人事に不満が出ていて、枝野幸男を支持したグループが会合を開き、「露骨な論功行賞人事だ」と反発の声を上げたと報道されている。人事を発表した 9/24 の両院議員総会の様子を、同夜の報道1930が映像で流していたが、会場出席者が異常に少なく、前日 9/23 の半分未満という疎らな印象だった。どうやら、サンクチュアリ(⇒党内最大グループ・小川が副会長)のメンバーが欠席したり途中退場していたらしい。党の一致結束をアピールすべき新人事発表の両院議員総会で、これほど欠席退席の数が多いと、新人事が党全体で拍手承認されたという形式と結論は整いにくい。同意了解の正統性(Legitimacy)に疑問符がつくだろう。一部党内から公然と批判が発信されている現状では、世間的に「ノーサイド」という認識にはならず、後藤謙次がコメントしたように「火種が残った」という見方にならざるを得ない。

9/25、朝起きてPCを立ち上げると、Xのトレンド欄に「消費税25」のキーワードが立ち、小川淳也の持論に対して怒涛の批判が浴びせられていた。一日中それが続き「消費税25%」は小川淳也の代名詞となった。本人は10年以上前から「消費税税率25%」を言い続けているらしい。狂信的な増税原理主義者だった。なるほど、単なる論功行賞ではなく、それがあるから野田佳彦が抜擢したのかと、私を含めて有権者はよく理解できたし、野田佳彦が何を狙っているかが明確に察知できたと思われる。今後、消費税増税論議がマスコミの手で持ち出され、中身不明の「教育無償化」を口実に、野田佳彦の手で「税と社会保障の一体改革」の令和版が仕掛けられるだろう。財界がキャンペーンし、消費税15%を固める与野党合意の謀略が進むに違いない。選挙で野田野党が勝っても、自民党が勝っても、どちらが勝っても消費税15%から逃れられない環境に固められるはずだ。

この党には保守とリベラル、右派と左派の対立が厳然と存在する。マスコミや国民の前では目立たないように、消えたように必死で化粧し演出するけれど、あるものはあるのであって、物理的に否定できない事実であり、路線対立はこの党が生まれながらに抱える宿命的生理なのだ。私は20年間のブログ活動で何回この説明をしたことだろう。煩を厭わず繰り返すが、政党とは、政治の志を同じうする者の結社である。理念が同じ同志が集まって、理念を実現するべく政治運動するのが政党だ。それが政党の本来の定義である。だが、いま立憲民主党と呼ばれるこの党は、政党の概念を逸脱して誕生した政党であり、無理やり人工的に作った「二大政党制のための小選挙区制」というシステムに合わせて、自民党と「政権交代」する野党として化合製作された党に他ならない。理念が同じ同志が集まって結成されていない。

何度も言ってきたが、市民が、どうか小選挙区制を実現して下さいと請願したことは一度もない。国会前をデモした事実はない。逆で、小選挙区制反対のデモや署名運動は幾度もあった。国民が下から求めて実現した制度ではない。財界とマスコミと学者がそれを求め、上から強引に宣伝扇動し、国民世論の多数を作り上げ、反対派を押し切って実現した制度だ。40年前の出来事である。そこで出現したのが小選挙区制と民主党で、民主党は右と左のつぎはぎ寄せ集めの集団だった。結党に参加した者が今でも幹部でふんぞり返っている。つぎはぎ寄せ集めの、小選挙区制用に急造された政党だったから、参加した者の理念は一致しておらず、党の綱領も制定されなかった。「政権交代」だけがスローガンで、今でも政権交代を自己目的のように唱えている。本来は手段である政権交代を目的としてずっと掲げ続けている。

以上が何十ぺんも繰り返してきた民主党論(立憲民主党論)であり、「政治改革」批判の要点だが、この指摘が定論とならなかったのは残念であり、大袈裟に言えば私の人生の無念である。9/25 の報道1930に馬場伸幸と玉木雄一郎が出演していた。二人とも、立憲民主が路線を明確に右転換して、9条改憲を方針に据え、リベラル政党から保守政党に変わることを要求、その一致ができれば共闘や合流が可能だと垂れていた。現在、維新の党勢は極度に落ち目にあり、選挙区の現職議員が弱気になっていて、立憲民主との選挙協力態勢を求め、独自路線で突っ張る馬場伸幸と対立状態になっているらしい。したがって、維新との関係で野田佳彦に追い風が吹いていて、選挙区での維新との候補者調整はかなり有利になっている。松原耕二を筆頭に、マスコミはそれを猛烈に催促し後押しするだろうし、反共ヒステリーの芳野連合も歓迎するだろう。

野田佳彦の腹の中は固まっていて、改憲保守政党への脱皮を目指し、改憲に逡巡する左派議員を排除する覚悟ができているに違いない。国民民主との再合同を機に石垣のりこや杉尾秀哉らを斬り捨てる。前原誠司が7年前に失敗した「排除の論理」を再現し、保守政党(第二自民党)として純化する思惑なのだ。無論、左派議員が転向して野田執行部に従えば、問題なく党全体で右転換が成就する。その地平は迫っていて、総選挙を機に大きな党内政局となるだろう。何度か言っているように、国民民主との再合同の際に党名を民主党に戻し、右派にとって目障りな立憲の二文字を削除するはずだ。立憲の二文字はこの党の左派リベラル性を象徴している。ゆえに、野田佳彦と玉木雄一郎は、7年前の枝野新党立ち上げの意義の完全滅却を目論むのである。そうすることで、前原誠司の出戻りの道を用意し、前原誠司をブリッジにして維新と組む段取りを敷くと予想される。

憂鬱な野党再編の季節がまたやって来る。前回の記事でも書いたが、結局、今回の立憲民主党代表選を通じて、(1) 安保法制廃止、(2) 消費税5%、(3)原発再稼働阻止、の三つを求める民意は完全にスポイルされる結果となった。三つの政策は野党第一党から蒸発した。この三つの政策を求める民意は総選挙でどうすればよいのか。現状、それは日本共産党とれいわ新選組が吸収するという形になるけれど、二党は弱小であり、支持が低く、モメンタム(⇒力量)に期待が持てない。大きな議席と勢力を獲得する展望がない。それがため、(1)(2)(3)の要求そのものが公論の中で異端化され、選挙に反映されず、現実政治において民意として意味のない空論という状況に押し込められるのだ。だが、その要求や民意に意味がないということはない。本来なら、選挙区の投票全体の4割は取ってもいい政策主張であることは明白だ。野田野党が裏切りに出たことで、(1)(2)(3) が第3極の論理的基盤を作ったと言える。

すなわち、市民はそれを必要とする。そのため、論理的構想のレベルでは、自民党と野田野党の一対一の構図ではなく、そこにラディカルな第3極が割り込んだ三つ巴の図が説得的に描かれ得る。要するに受け皿の問題であり、(1)(2)(3) の有力な受け皿が物理的に存在しないこと、既成左派政党が弱小過ぎ、言葉が弱く、能力に乏しく、人々の期待を集められないことが問題なのだ。ドン・キホーテ的な夢想・空想と受け取られるかもしれないが、私は、もし衆院選で(今年の韓国やフランスのように)奇跡的に65%の投票率が達成された場合は、それは左派の渾身の言霊がそれを掘り起こしたときだと確信する。眠っているのは左派の主張に呼応する票だと考える。日本でも、曹国やメランションやワーゲンクネヒトや、コービンやサンダースの政治が実現できるはずだ。

総裁選裏側の自民長老優勝劣敗(植草一秀氏)

 27日の自民党の総裁選では、石破氏が決選投票で高市氏を制し五度目の挑戦で総裁に選ばれました。
 当初は小泉氏が有力視されましたが、選挙戦の中で、彼には経験も素養も知識も さらには通常の会話能力さえも不十分で、首相の器ではないことがかなり衆知されたようです。
 その点、石破氏は岸田氏のように言葉は軽くないし、軍事面を除けば、3者の中では一番真っ当な考え方をしているように思われます。
 当選後の挨拶では、さすがに中国を対象とする「アジア版NATO」には言及しませんでしたが、平然と「中国の脅威」を述べ立てました。これは殆どの自民党議員が口にすることなので、そう受けて止めればいいのかも知れませんが、そんな考えで今後軍備の充実に走るのであれば、やはり浅はかに過ぎます。
 植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
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総裁選裏側の自民長老優勝劣敗
               植草一秀の「知られざる真実」 2024年9月27日
9月27日、自民党総裁選が投開票日を迎え、石破茂氏が新しい党首に選出された。
1回目投票で首位に立ったのは高市早苗氏。小泉進次郎氏は3位に沈んだ。
選挙期間が長く小泉氏のメッキが剝がれた。
小泉氏は選択的夫婦別姓導入を公約に掲げた。自民党党員投票での集票を減らした。
また、解雇規制緩和を公約に掲げたが批判に晒された。
論戦では質問に対して正面から回答することができなかった。
短期決戦であればメッキが剥がれずに勝利を収めることができたかもしれないが長期戦となり地金が露わになり得票を減らしたと思われる。

決選投票で岸田氏は石破氏支持を鮮明にした。
これに対して麻生太郎氏は1回目投票から高市早苗氏支持を明確に打ち出した。キングメーカーの地位を確保するための賭けに出たが失敗した。
石破茂氏は5回目の挑戦で自民党党首のポストを射止めた。
高市氏より石破氏に勝利させたいとの議員心理が働いた面があると思われる。
高市氏は安倍晋三路線を引き継ぐことをアピールした。
靖国参拝継続を宣言し、経済政策では財政拡張・金融緩和継続を掲げた。
しかし、金融緩和継続は重大な問題を引き起こす。アベノミクス異次元金融緩和政策は日本円暴落をもたらした。また、4%を超えるインフレを発生させた。この是正が急務。

異次元金融超緩和がもたらした日本円暴落が重大問題を引き起こしている。外国資本による日本乗っ取りが加速している。
高市氏は経済安全保障担当相だが日本が直面する最大の経済安全保障問題が日本円暴落である。
日本の優良資産が外国資本によって乗っ取られている。
高市氏が提唱する金融緩和継続は外国資本による日本乗っ取りを推進する原動力になる。
経済安保相失格の政策提言である。

靖国参拝強行は近隣諸国との関係悪化を助長する。
僅差での決着になったが高市氏が敗北したことはせめてもの救いである。
小泉氏が失速して落選したことも小泉氏をパペット(⇒操り人形)にして日本植民地化、新自由主義経済政策をさらに推進しようとする勢力の思惑を砕く結果をもたらし幸いだった。

9人の候補者の中では相対的にましな候補者が勝利したと評価できる。
問題は石破氏の実行力。
自民党と旧統一協会との関係遮断、政治とカネ問題の解消が出発点になる。
自民党と旧統一協会との関係を再調査しなければならない。
「政治とカネ」問題ではまずは政策活動費廃止を断行する必要がある。
自民党は通常国会でザル法改定を強行したがこれをやり直す必要がある。
自民党に対する信頼を確保するには、この二つの問題にまずは真摯に取り組むことが求められる。

今回の党首選でのもう一つの焦点は首相経験者の今後のポジション変化。
菅義偉氏が小泉進次郎氏擁立を主導した。
森喜朗氏も小泉氏の当選を目指して蠢いたと伝えられている。
麻生太郎氏は最終局面で河野太郎氏を見捨てて高市早苗氏支持を明示した。
自分自身のポジション確保を優先する行動を示した。
岸田文雄氏は1回目投票結果を踏まえて石破氏支持を明確にした
この結果、キングメーカーのポジションを獲得したのは岸田文雄氏になった。
麻生太郎氏は失脚する。菅義偉氏と森喜朗氏も影響力が低下する。

石破氏は米国とつながる新自由主義売国勢力とも一定の距離を置いている。
この意味では相対的に悪さの少ない新党首を選出したと言える。
問題は石破氏の経済政策運営だ。この点について十分な検討が求められることになる。
   (後 略)

ウクライナ紛争について知っておくべきこと(賀茂川耕助氏)

 賀茂川耕助氏が海外の記事を紹介する「耕助のブログ」に掲題の記事が載りました。
 原著者のPaul Craig Robertsは、レーガン米大統領時代に財務次官補を務め、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者でもありました。
 著名なブロガーで、14年に米国が主導したウクライナでのクーデターに関しては、米国を批判する多数の記事を出しています。その記事を中心に当ブログでも沢山紹介しています。(右上枠外の検索欄で検索してみてください。全部で60編ほど)。
 ここでは関連記事として下記の2編を紹介します。
 (関連記事)
   (14.3.19)ウクライナ・クリミア問題 ロシアは何も悪くない
   (18.8.4)米国はどれだけの国を侵略し、または政権を転覆してきたのか
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ウクライナ紛争について知っておくべきこと
                  耕助のブログNo. 2282 2024年9月27日
  Everything You Need to Know about the Conflict in Ukraine
                         by Paul Craig Roberts
ソビエト連邦は、西側諸国と友好的かつ開放的な関係を急速に築き上げたことに警戒感を抱いた政治局の強硬派によってゴルバチョフ大統領が自宅軟禁に置かれた時に崩壊した。

強硬派のアメリカ新保守主義者たちにとって、ソビエト崩壊はアメリカの単独主義に対する制約を取り除いた。新保守主義者たちはすぐに主導権を握り、ウォルフォヴィッツ・ドクトリンを掲げてアメリカの覇権を宣言し、アメリカの外交政策の主な目標は、ワシントンの覇権に対する制約となり得るいかなる勢力の台頭も阻止することであると述べた。この政策により、レーガンとゴルバチョフが抱いていた期待と、ゴルバチョフがワシントンに寄せていた信頼は裏切られることとなった。ワシントンがNATOを東方に一インチも動かさないと誓ったことは否定され、さらに敵対的な措置が取られた。
2007年になると、ロシアのプーチン大統領には多極化世界の約束がワシントンの覇権政策によって覆されていることは明らかだった。ミュンヘン安全保障会議で、プーチンはワシントンのルールに基づく一極世界をロシアは受け入れないと挑戦状を叩きつけた。その瞬間、米国とNATOはロシアとの戦争に突入したのである。

ロシアへの最初の攻撃は、その1年後の2008年、米国が供給し訓練したジョージアの軍隊を係争中の南オセチアに侵攻させたことだった。その結果ロシアの平和維持部隊と多数の民間人が死亡した。不意をつかれたプーチンは、北京オリンピックから帰国するとすぐにロシア軍は米国の訓練を受けたジョージア軍を撃破した。よくプーチンはソビエト帝国の再建を企てていると非難される。しかし彼が手中にしたジョージアは歴史的にソビエト連邦の一部で、以前はロシアの一部であった。ジョージアをロシアに再び組み入れる代わりに放任したため、ジョージアは再びロシアに対するワシントンの陰謀にさらされることとなった。

ジョージアでの失敗後、ワシントンは同じく何世紀にもわたってソビエト連邦、そしてロシアの一部であったウクライナに注目した。ヴィクトリア・ヌーランドがテレビ会議で自慢したように、ワシントンは50億ドルを費やしてNGOや学生を組織し、ウクライナの政治家を買収して民主的に選出されたウクライナ政府を転覆させ、ロシアに敵対するネオナチ政権を樹立するためのクーデターを支援した。

理由は不明だが(プーチンがソチオリンピックに出席していたから、ということ以外)、プーチンはワシントンのクーデターを阻止する行動は何も起こさなかった。8年間、プーチンはミンスク合意を信頼してきた。しかしこの合意は欧米がプーチンを欺くために利用したものであり、その間、ワシントンはウクライナの迫害とロシア系住民の殺害に抵抗して離脱したドンバス共和国を転覆させることのできるウクライナ軍を強化していたのだ。

2021年12月から2022年2月にかけて、プーチンとラブロフが米国とNATOとの相互防衛協定締結に向けた努力をしたが、ワシントン、NATO、EUから冷たくあしらわれた。そのためプーチンは、ガザ地区とヨルダン川西岸地区でイスラエルが行っているようにウクライナに併合された旧ロシア領ドンバス地方を虐殺から守るために介入する以外に選択肢がなかった。
西側諸国はドンバス地方に限定されたプーチンの「限定的な軍事作戦」を「ウクライナ侵攻」と呼んだ。それは正しくない。事実、ウクライナへの侵攻や征服でなかったことがプーチンの誤りだった。
プーチンの介入が限定的だったことがこの紛争が核戦争に発展する可能性の原因となっている。
20世紀半ばのアメリカの自由主義者で、国家間の外交関係や善意を信頼していたプーチンは、西側諸国がロシアと戦争していることを理解していなかった。 プーチンとラブロフは「アメリカのパートナー」と交渉への信頼を強調し続けたが、その一方で西側諸国はロシアへの攻撃を組織していたのである。

これらの攻撃は今では戦線から遠く離れたロシア奥地への攻撃も含まれている。ロシアは防空システムを回避する低空飛行の無人機による攻撃を数多く受けている。私がこれを書いている間にも、NATO事務総長ストルテンベルグと英国の首相は、バイデン政権にロシアに長距離ミサイルを発射することを承認するよう米国とNATOに強く求めている。
プーチンは、これはロシアが西側と戦争状態にあることを認めざるを得ない最後のレッドラインだと述べている。
NATO事務総長ストルテンベルグは、プーチンの脅しに西側諸国が注意を払う必要はないと言っている。なぜなら、「プーチン大統領はこれまでに何度もレッドラインを宣言してきたが、エスカレートしたことはない」からだ。

私が言ったように、我々はそれぞれ到達した。プーチンは侵略行為に対して行動を起こさなかったことで、今や背水の陣に立たされている。彼には3つの選択肢がある。降伏する。ウクライナ紛争を武力で終わらせる。そうすれば、紛争が続けば西側諸国も危険にさらされるという警告を西側諸国に発することになる。あるいは、現実を無視し続け、紛争の始まりからずっとそうであったように、主導権を西側諸国の手に委ねる。
我々はプーチンの決断に直面している。彼は戦士なのか、それとも時代遅れのアメリカンリベラルなのか?
この質問は不公平であるという意見には同意する。世界の存続が問われるこの重要な時期に、プーチンは世界で唯一の政治家である。プーチンは人類の死を意味する戦争を回避するために、侮辱に次ぐ侮辱、挑発に次ぐ挑発を受け入れてきた。
誰もプーチン大統領をこの件で評価していない。
取るに足らないストルテンベルグはプーチンを嘲笑し、取るに足らないバイデンは彼を侮辱し、取るに足らないゼレンスキーは彼を打ち負かすと誓っている。

今、我々は、人類の存続を固く決意する唯一の指導者が悪魔化されているという、西側がサタンの支配下にあるのを目にしているのだ。
プーチン、その高潔な人格にもかかわらず、失敗している。なぜなら、彼と彼が代表する国が直面している極悪非道がわからないからだ。
英国の大使クレイグ・マレーが報じたように、西側諸国は言論の自由を犯罪化している。ワシントンがスコット・リッター、ディミトリ・サイメス、その他の人物を調査していることは、ロシア人と接触する人物は、ロシアの偽情報を支援し奨励しているとして犯罪化され、それがスパイ行為と同列に扱われていることを示している。会話が妨げられている状況で、どうやって危険な状況を解決できるのだろうか?

Everything You Need to Know about the Conflict in Ukraine 

28- まだ続くトランプ暗殺計画(田中宇氏)

 田中宇氏が掲題の記事を出しました。
 米大統領候補トランプに対する2回の暗殺未遂・銃撃未遂事件は、いずれもトランプを敵視する米諜報界・米当局が、実行犯たちに警備放置や情報提供などの支援をしていた可能性が高いと見ています。
 1回目の狙撃では、地元警察が射撃犯トーマス・クルックスを目撃しすぐに上部に報告したにもかかわらず、長いライフル銃をもって屋根に上がった犯人が発砲し、トランプは助かったものの流れ弾で2名が死亡しています。
 2回目は銃撃自体が未遂に終わりましたが、秘密にされていた筈のゴルフ場行きを知っていて、予めどこで銃撃できるかを調べるなどの犯人の不審な行動が見られました。情報はシークレットサービスから漏れた可能性があるということです。
 要するにどちらも米国の情報機関 乃至 デープステートが関わっていたということで、その闇は限りなく深そうです。
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まだ続くトランプ暗殺計画
                  田中宇の国際ニュース解説 2024年9月27日
米大統領候補ドナルド・トランプに対する2回の暗殺未遂な銃撃事件はいずれも、トランプを敵視する米諜報界・米当局が、実行犯たちに、警備放置や情報提供などの支援をしていた可能性が高い。
7月13日に、20歳のトーマス・クルックスがペンシルバニア州バトラーで選挙演説中のトランプを銃撃した。この事件では、犯行前にクルックスが建物の屋根によじ登るところや、その前に周辺を不審な感じでうろつくのを、地元警察の要員が発見して上官に報告したが、そういうことの担当は連邦当局であり、連邦側がやってくれるから大丈夫だと言われ、犯行準備を進めるクルックスが放置された。
連邦当局の狙撃担当者は、屋根に登ったクルックスを見下ろせる別の屋根の上にいて、クルックスがトランプに向かって発砲するまで何もせず、クルックスが発砲した直後に射殺した。黒幕が実行犯を口封じのために殺した感じだ。
これらの話は、クルックスを放置したことを自分たちのせいにされるのを不満に思った地元警察の幹部が、地元のマスコミに、放置したのは連邦当局の判断だったと暴露したのでわかった。(トランプへの銃撃)

9月15日、58歳のライアン・ラウスが、フロリダ州パームビーチの自分の会社のゴルフ場でゴルフをしていたトランプを外周道路との金網フェンスの柵越しに銃撃しようと待っているところを、露払い的に警備していた米当局の要員(国土安保省・DHSのシークレットサービス)が発見し、追跡逮捕した。
トランプはこの日、選挙活動の合間をぬって休みがとれてゴルフしていた。選挙活動中にいつ休めるか直前までわからない。トランプの私的な日程を知っているのは、米諜報界の一部であるDHSの担当部署などだけだ。
ラウスは、この日トランプがゴルフをする(かもしれない)ことを知った上、6番ホールなら外周道路の柵越しに銃撃できることも知っていて、そこで待っていた。トランプが5番ホールでプレイしている時に、警備要員が6番ホールを見回ってラウスに気づいた。犯人が全く放置されていた1回目の銃撃後、警備が少し改善されていたわけだ。
だが、DHSしか知らないトランプの休暇日程やゴルフコースの回り方、外から銃撃可能な地点の情報がラウスに流れていた。そうでなければ、この事件は起こらない。(ラウス起訴状)

捜査当局がラウスの携帯電話の基地局利用の履歴を調べたところ、ラウスは8月から何回か、ゴルフ場と、数キロ離れたトランプのマーラゴ邸宅の外周を偵察しに来ていたことがわかった。
何度もゴルフ場や邸宅の近くに来ていて、偶然9月15日にトランプがプレイしている時にラウスがいて発見された、という可能性もゼロではない。しかし、そんな当てずっぽうな偶然の結果である確率は非常に低い。
そうでなく、ラウスが何度もゴルフ場やマーラゴを訪れていたのは、その日トランプがそこにいるかもしれないという情報を注入されていたからだった可能性の方がずっと高い。注入されていた情報は、DHSとトランプ陣営しか知らないトランプの私的日程であり、DHSなど諜報界がラウスに情報を注入していたと考えられる。
トランプの休息予定は直前に変わるので、ラウスが情報をもらってパームビーチに行っても結果的に空振りになることが8月から繰り返されたのでないか。(Failed Trump Assassin Had A List Of Everywhere Trump Would Be August To October)

ラウスは、ロシアを倒すためにウクライナに行って外人部隊に入れてもらおうとしたが高齢なので断られ、代わりにウクライナ外人部隊の宣伝係として、米国や世界から志願者を集めようとする活動をやっていた。左派は世界的にウクライナ支持・露敵視だ。(浅薄な間抜け)
ラウスはこの活動を通じて、ウクライナを傀儡化している米諜報界の要員たちと接触するようになった。諜報要員から、ウクライナ停戦を進めたがっているトランプを貴方が殺すべきだと暗殺をそそのかされ、トランプの日程などの機密情報を注入されていた可能性がある。(Did the Harris/Biden DOJ just make their last-ditch move to ensure Trump’s assassinated before election day?)

捜査当局は、ラウスが、8月から10月にかけてトランプが行く予定になっている場所と日時の手書きの一覧を持っていたと発表している(起訴状で言及されている)。予定一覧の詳細はわからない。
演説予定なら、公開情報をラウス自身が集めた一覧かもしれないが、トランプの私的な予定も含まれているのなら、DHSなどがラウスにトランプ暗殺をやらせるために注入した可能性が強くなる。

米政府の戦略、とくに外交安保戦略は、立案決定権を米諜報界が支配している。米諜報界は、大統領や議会、米国民の意思を無視し、政治家を恫喝ないし利益誘導して傘下に入れたり、マスコミなどを通じて世論を歪曲洗脳したりして、隠然独裁を維持している。
トランプは、こうした米諜報界の支配を破壊するために大統領になったが、2020年の選挙不正で負けさせられた。今回、返り咲こうとしているトランプを、米諜報界が潰そうとしている。DHSなど米諜報界は、トランプ暗殺を試みる者たちを助ける動機が十分にある。(Trump’s protection to be enhanced)

トランプを支持するフロリダ州の共和党知事デサンティスは、州の捜査当局にゴルフ場での暗殺未遂事件を捜査させている。だが、FBIなどの連邦当局は、ゴルフ場への州当局の立ち入りを禁止するなど、州による捜査を妨害し続けている。デサンティスが、怒ってそれを暴露している。
FBIや、その上部にある司法省も、諜報界の一部だ。諜報界は、トランプと共和党を敵視している。諜報界は、ハリスの民主党を勝たせて傀儡政権を維持したい。
(DeSantis Says Feds Being Uncooperative With Investigation Into Second Assassination Attempt On Trump)

マスコミはトランプに対する誹謗中傷を強めており、それを軽信する人々も多い。世論調査によると、米国の有権者の17%、民主党支持者の28%が、トランプが暗殺された方が米国は良くなると思っている。トランプ暗殺犯の予備軍は無数にいる。
共和党議員(Matt Gaetz)によると、トランプ暗殺を狙っている人々がわかっているだけで米国に5組あると、DHS自身が他人事のように認めている。(17% Say America Would Be Better Off If Trump Had Been Killed)(Rep. Gaetz: DHS Knows Of 5 "Assassination Teams" Targeting Trump)

米海軍特殊部隊にいたことがある共和党議員(Crane Warns)は、トランプを警護するシークレットサービスの中に、トランプ殺害を狙う人々にトランプの日程などの機密情報を流している二重スパイが入り込んでいる可能性がとても高い、と指摘している。トランプの安全を守るには(敵の疑いがある)シークレットサービスを排除して、トランプに忠誠心がある人々で構成された新たな警護組織と交代する必要があると忠告している。
新たな警護組織を作るには時間がかかる。拙速にやると、新組織の中に親トランプのふりをした敵方(諜報界の回し者)が入ってくる。トランプの暗殺を試みる事件が再発しそうな状態が、今後も続く。トランプは、選挙前に暗殺されるのでないか・・・。(Rep. Crane Warns Trump: “There is a Very Real Possibility that There is a MOLE in the Secret Service”)

実のところ、私はあまりそう思っていない。諜報界が本当にトランプを殺したいなら、証拠を残さず完全犯罪として遠くから1発で暗殺して失踪できるプロの軍人を使えば良い。
諜報界は、配下にたくさんいるプロを使わず、クルックスやラウスといった素人をけしかけて行動させて失敗し、DHSや司法省など諜報界自身が非難され、黒幕だとバレてしまう自滅的な暗殺未遂事件を連発している。
米諜報界は、安倍晋三の時のように、素人と同時に別のところからプロが撃ち、素人を犯人にする策もやれるが、今回はそれもやらず失敗三昧だ。これはプロとして未必の故意的な超愚策だ。
そして、バレることをふせぐために、ウソ報道をやらせてマスコミに信用失墜の自滅を強要し、ウソを信じない人々にネオナチやテロリストの濡れ衣をかけて言論弾圧して潰すリベラル全体主義をやって、米欧の理想状態・信頼性・覇権を自滅させている。諜報界は大馬鹿である。(The truth of the latest bomb Trump assassination scare could be darker than you imagine…)

米諜報界は、2001年の911事件以降、この手の大馬鹿な超愚策を繰り返している。イラク侵攻、温暖化対策、新型コロナ、ウクライナ戦争など。そのたびに米覇権が低下している。
米諜報界が超愚策を連発して米覇権を自滅させているのは、覇権を自滅させて世界を多極型に転換したい隠れ多極派が911以来米諜報界を牛耳っているからだろうというのが私の仮説だ。
米諜報界の実働部隊は、隠れ多極派の敵である軍産複合体・単独覇権系の勢力なので、彼らに過激で稚拙な策をやらせて失敗させることで、多極型への転換が進んでいる。(ウクライナ停戦機運の強まり)

トランプ暗殺未遂の稚拙な連続も、隠れ多極派のしわざだとしたら、それはどのような趣旨なのか。私が考えたのは、暗殺未遂事件が連発するほど、トランプに対する支持が強まり、少し支持していた人々が強く支持するようになり、トランプが当選する可能性が増す点だ。
暗殺未遂の連続は、トランプと支持者を頑張らせることで、民主党側の選挙不正を乗り越えてトランプを当選させるための策でないか、という仮説だ。

しかし、クルックスが撃った弾は、トランプの耳をかすめた。2センチずれていたらトランプは死に、共和党は代わりの有力候補を出せないまま、ハリスの民主党政権になっていた。
クルックスの弾がトランプに当たらなかったのは偶然だ。周りにいた2人の聴衆が弾に当たって死んでおり、クルックスは本当に何発も撃っていた。狂言説は間違いだ。
トランプの人気を強化する策だとしたら、それはトランプを殺しかねない、かなり荒っぽい策だ。しかし、この仮説に沿って考えるなら、諜報界はトランプを当選させたいわけで、間違って殺されない限り、トランプは当選する可能性が高くなる。

2024年9月26日木曜日

ウクライナ停戦機運の強まり(田中宇氏)

 田中宇氏が掲題の記事を出しました。
 仏マクロン大統領と独ショルツ首相などの支配層は、ようやくウクライナでの敗北を認め停戦や対露和解を望むようになりましたが、広く俯瞰すればウクライナ停戦や対露和解は少なくとも当面実現しそうもないというのが実情です。まず米英が停戦や対露和解に反対だし、民意とは無関係なEU最上層部はウクライナ戦争の敢行に傾いている上に、NATOはEUよりもさらに対米従属的であるからです。
 残る希望は民主党の選挙不正に堪え抜いてトランプが大統領の席につくことで、そうなればトランプは米国のデープステートの強制を排除してウクライナ停戦を勝ち取るだろうと述べています。
 ウクライナ戦争を「米国の金儲け」の視点から見れば余りにも非道であって、一刻も早くやめるべきものです。
 関連記事
  ロバート・ケネディJr、ウクライナ戦争の真実を暴露(賀茂川耕助氏)(9月21日)
  ウクライナは勝てないと米国が認める(9月18日)
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ウクライナ停戦機運の強まり
                  田中宇の国際ニュース解説 2024年9月24日

フランスのマクロン大統領が9月23日、欧州はウクライナ終戦後にロシアと関係改善すべきだと表明した。
マクロンは、対露関係に関してもともと風見鶏だ。ウクライナ開戦直後の2022年6月にはロシアを追い詰めない方が良いと言っていたが、その後ウクライナが勝ちそうだと思ったのか、好戦派に転じた。
今年初めには、ウクライナの対露敗北を避けるため、NATO軍のウクライナ派兵が必要だと発言し、代理戦争を態勢を変えたくないNATO諸国の多くから拒否されている。
(Macron calls for new international order in response to war in Ukraine)

そして今回マクロンは、ウクライナがもう勝てない状態になっていることに加え、マクロン自身の人気低下と連立政権内の不和拡大への対応策として、フランスや欧州での厭戦機運の高まりに呼応するかたちで、対露停戦和解を語り出した。
マクロンの発言は、キリスト教会系の集会で発せられた。(Macron calls for new world order)(Macron Calls for New European Order)

最近、ウクライナ停戦と対露和解を進めるべきだという世論が全欧で強まり、フランスのルペンやドイツのAfDなど対露融和的な右派政党が選挙のたびに優勢を増している。
戦場でも、欧米が支援するウクライナが潰れかかっている。マクロンは、仏政界で勝てるうちに勝っておこうと考えて前倒しで議会を解散して7月の総選挙に打って出たが、1回目の投票でマクロンの中道派が見事に負け、ルペンらの右派に最優位を奪われた(左派が2位)。(欧州エリート支配の崩壊)

仕方がないのでマクロンは、これまで仲が悪かった左派と結託し、左派と中道派が選挙協力して右派を負かす目的で候補者を再調整・統合した。その結果、右派は選挙技術的に敗北し、左派が1位、中道派が2位となり、左派と中道派が連立して右派を排除する議会運営が始まった。
だが、マクロンと左派の仲の悪さがすぐに露呈した。左派は、マクロンが指名した中道系の首相候補を繰り返し拒否し、8月から9月にかけてマクロン弾劾決議案やマクロン反対の左派のデモが行われた。(French Left Calls For Mass Protest Against Macron After He Blocks Its Choice For French PM)

左派の反対を何とか乗り越えて、9月5日に中道派のバルニエ首相が就任して9月21日に組閣したが、閣僚はマクロンが好む中道右派が多く、左派は不満いっぱいだ。
マクロンと左派の連立政権は短命に終わりそうだ。マクロンの任期は2027年までだが、その前の来春ぐらいに辞任せざるを得なくなるという予測も出ている。

仏独など西欧諸国は、ウクライナ敗色、無根拠な温暖化対策で燃料費高騰、移民(経済難民)積極受け入れの負担増など、エリートたちの超愚策の連続で経済社会の自滅が加速している。不況がひどくなっていく。
エリート諸政党が選挙で負け、各種超愚策に反対し続けてきた右派(極右)が優勢になって与党化していく流れは必然だ。(Olaf Scholz has a sudden moment of clarity about Russia)

欧米日のマスコミは、欧州の市民がとんでもないナチスな極右を支持していると喧伝するが、マスコミ自体が超愚策の喧伝屋で大うそつきだ。マスコミを含むエリートは超愚策を拡大し続けたのだから、選挙で負けるのは当然だ(マスコミも早く潰れるべき)。
エリートは対米従属やWEF大リセットなどに縛られ、超愚策をやめられない。右派は、縛りの枠外にいるので民意を汲み取って愚策反対の政策を掲げ、政治優勢を得ている。民主主義が機能している。
欧州は、米国のような大規模な選挙不正をしておらず、まともだ(ドイツ地方選で少し不正があったが、あの程度が限界なのだろう)。米国のように、バレずに不正をやれるなら、もっと早くやっていたはずで、マクロンの窮地もなかっただろう。(West rethinking stance on Ukraine)

マクロンや独ショルツなど、西欧のエリートが権力を維持するには、民意を汲み取り、右派と同じ政策に転換するしかない。今回のマクロンの対露和解提案は、このような背景で出されている。
独ショルツ首相も8月8日、テレビのインタビューで、ウクライナを早期に停戦したいと表明した。ドイツはこれまで(米国に求められるまま)欧州で最も多くの兵器をウクライナに送り込んできた。(German chancellor wants to end Ukraine conflict ‘faster’)

(独仏などは最近、移民問題でも、これまで国民がいくら反対しても中東やアフリカから大量に移民・経済難民を受け入れ続けてきた策を反転し、移民の流入停止や送還を開始した。EU・シェンゲン条約機構内の無検査の自由移動も廃止し、ドイツなどが国境検問を再開している) (リベラル全体主義・リベ全の強まり)

仏独の支配層は、自分たちが不利になる中で、ようやくウクライナでの敗北を認め、停戦や対露和解を望むようになった。だが、視野を広げて俯瞰すると、ウクライナ停戦や対露和解は、少なくとも当面、実現しそうもない。
独仏は、安全保障に関して対米従属であり、独仏を支配する米国(諜報界=深奥国家・DS)は、停戦や対露和解を進める気がなく、ウクライナもしくはその他の地域での対露戦争をずっと続ける姿勢を変えていない。

仏独の首脳よりも、対米従属の傾向が一段高いEUの国防相(リトアニア元首相のアンドリウス・クビリウス)は最近、欧米NATOとロシアとの戦争は今後まだ6-8年続くとの予測を発表した。ロシアは戦争を長期化したがっており、EUはロシアとの長い戦争を覚悟せざるを得ないという。(EU’s Defense Chief Says Europe Must Be Ready To Fight Russia in 6-8 Years)

仏独の政府は選挙で選ばれるので民意を反映せざるを得ない。EUにも議会(欧州議会)があり、そこでは停戦や対露和解を求める右派が強くなっているが、EUの政治は多様な派閥の連立制になっており、エリート系の中道派や左派が組んで反エリートな右派を排除し続けている。
そのためEU最上層部の人事は、欧州の民意が反映されない。その分、EU上層部は米英覇権(諜報界)からの介入を強く受け続け、米国の言いなりで対露好戦的な勢力がEUを上から握っている。
いま欧州で最も対露好戦的なのは、ロシアと国境を接するバルト三国だ。ウクライナが兵力の使い果たしなどで対露戦争を継続できなくなったら、次はバルト三国かポーランドで、ロシアやベラルーシとの戦争が始まりそうだ。ポーランドの上層部は最近、親露派と反露派が内紛し続けているが、バルト三国はバリバリのロシア敵視派が握っている。

EUトップの首相職(欧州委員長)には、米諜報界の傀儡で、リベラル全体主義が大好きな、元独国防相のフォンデアライエンが続投している。彼女は、WEF(ダボス会議)の申し子で、1月のダボス会議では、欧米右派に対する大規模な言論弾圧・言論を理由にした右派弾圧を大々的に開始するリベ全を提案した(リベ全=偽情報禁止策は、今年ダボス会議の主題だった)。
そんなフォンデアライエンは最近のEUの組閣で、EU外相にエストニア前首相のカヤ・カラス、EU防衛相にリトアニアのクビリウスを配置した。いずれもバルト三国を代表するロシア敵視な政治家だ。(EU President Demands Globalist Control Over All Information)

EU上層部は、欧州の民意を全く無視し続け、ゴリゴリの米傀儡として、ロシア敵視とウクライナ軍事支援を継続する構えだ。NATOは、EUよりもさらに対米従属だ。
このような状態なので、仏独など欧州諸国の多くが、民意を反映してウクライナ停戦と対露和解を求めるようになっても、民意と関係ないEUやNATOは、加盟諸国の意向を無視し続け、ロシア敵視と戦争継続を志向し続ける。
ウクライナが兵力的にへたばって戦争継続できくなったら、ポーランドやバルト三国に戦場を拡大・移動してロシア敵視の恒久化を試みるかもしれない。米諜報界が動けば、何もないところから戦争を起こせる。

米覇権を牛耳る諜報界は、米国だけでなく英国も支配している。英国の外相(David Lammy)は最近の講演で、ウクライナ戦争は今後さらに激化・深化し、2026年まで続きそうだと予測した。
米諜報界や英国、NATO、EUは、露敵視やウクライナ戦争をまだまだ続ける気でいる。
(Ukraine conflict could continue beyond 2026 - UK FM)

欧州の民意や、仏独などしだいの多くの欧州諸国の政府は、ウクライナを停戦して対露和解したくなっている。だが、欧州を支配する米諜報界は、ウクライナ戦争や露敵視をずっと続けたい。停戦派と好戦派が交錯しつつ、ウクライナの現場はしだいに戦争継続が困難になっている。
露軍は今年、ウクライナのインフラを破壊する空爆を強化し、ウクライナの電力網の7割がすでに破壊されている。今冬、ウクライナの多くの地域は暖房がなく、人々は昨年よりさらに厳しい生活を強いられる。(Coming winter ‘sternest test yet’ for Ukraine - IEA)

欧米は昨年、ウクライナ政府財政の50%(191億ドル)を資金援助してくれたが、今年は27%(106億ドル)しか出してくれない。欧米がウクライナを支援する余力や意欲が、しだいに失われている。(West has halved financial aid to Ukraine - media)

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナの国家体制が残っている間に、ロシアと交渉して停戦和解を実現したいと思っている。今年7月には、ハンガリーのオルバン首相に仲裁役を頼んだりした。(対露和解を望み始めたゼレンスキー)

だが、ウクライナ政府を傀儡化している米国は、対露和解を許していない。ゼレンスキーは本心と裏腹に、米国から命じられるままに戦争を続けざるを得ない。
ゼレンスキーは9月22日に訪米し、米国がウクライナを軍事支援し続ける計画を米政府に提案した。ウクライナ支援をやめたいトランプが大統領になっても、支援を続けざるを得ないよう、米国とウクライナの間でNATO型の拘束力のある条約を結ぶ話などが盛り込まれている。(Zelensky aiming to ‘Trump-proof’ aid)

これら米国を巻き込む策略は、ゼレンスキーらウクライナ側が立案したことになっているが、実はたぶん違う。米諜報界が自分たちの利益のために立案し、傀儡のゼレンスキーに実行させている。ゼレンスキーの本心は、トランプに頼ってウクライナを停戦したいはずだが、それと逆のことをやらされている。
米諜報界は、ゼレンスキーを動かして米政府に軍事支援金を出させ、諜報界傘下の米軍事産業がフル稼働でウクライナ向けの兵器類を製造し続ける構図を作っている。
ゼレンスキーは、ウクライナのためでなく、米諜報界のために働かされている。ウクライナ戦争は、ウクライナや欧州のためでなく、米諜報界のために長期化されている。
(Zelenskyy Begins Busy US Week With Tour Of Pennsylvania Ammo Plant)

米諜報界は露敵視勢力だ。しかし諜報界には、隠れ多極主義者もいて、彼らはウクライナ戦争を長期化することで、こっそりロシアを強化し、露中非米側を台頭させ、欧米を自滅に導いて世界を多極化している。
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ開戦時から、この戦争が長引くほど、ロシアと非米側が優勢になり、米国側が自滅していくことを知っていた。米国側のマスコミは、支配者である諜報界の隠れ多極派の策略に乗せられ、露軍が大敗し続けていると意図的に歪曲報道し続けたが、ロシアは米側の歪曲報道を否定せず黙認したまま、じわじわと少しずつ勝ち続け、露軍優勢な中で戦争を長期化してきた。

ウクライナの真ん中を流れるドニエプル川には20本の橋がかかっているが、露軍はこれらの橋をほとんど攻撃せず、ウクライナ軍が橋を渡って露軍を攻撃しに行くことを、この2年半の間、ずっと容認している。露軍が橋を攻撃して落とせば、ウクライナ軍の補給路を断てる。それは戦争の基本であるが、ロシアはそれをやっていない。不可思議だ、と有名な在露米人ブロガーが書いている。(Why Won’t Russia Destroy Ukraine’s Bridges Across The Dnieper?)

私から見ると不可思議ではない。ウクライナ戦争が露軍優勢な中で永続することが、ロシアの国益を最大化するのだから、露軍よりかなり弱いウクライナ軍のために補給路の橋を残してやり、露軍の優勢を少しに限定する策をやっている。露軍は意図的に「飛車角落ち」にしている。

ウクライナ軍は8月に対露国境を少し超えてクルスクに侵攻して占領した。それから1か月以上が過ぎたのに、強いはずの露軍はいまだに敵軍を自国領から追い出さずにいる。これも、私から見ると意図的な「弱いふり策略」だ。
ウクライナ軍がクルスクを占領している限り、世界のいろんな勢力が「ウクライナと和解してくれ」とロシアに要請しても、ロシアは「クルスクを占領されている限り、ウクライナと和解できない」と突っぱねる。
クルスク侵攻は米諜報界の立案で、ゼレンスキーは拒否できる立場にない。諜報界は開戦時から「ウクライナは勝たねばならない」という強迫観念を米欧に植えつけてある。米欧がウクライナ軍に、クルスクからの自主撤退を許すことはない。
大状況が転換しない限り、露軍がウクライナ軍をクルスクから追い出すこともない。ロシアとウクライナは停戦交渉に入れない。(ウクライナ戦争で米・非米分裂を長引かせる)

クルスク侵攻は、ウクライナにとって得るものがなく、兵力の浪費になっている。だが最近、米英の諜報長官がマスコミ主催の会合に参加し、2人揃ってウクライナ軍のクルスク侵攻を絶賛した。ウクライナ軍の士気を高める素晴らしい作戦だと。
これは噴飯ものだ。米英の諜報機関が、隠れ多極派に牛耳られていることが見て取れる。
(CIA, MI6 Chiefs Praise Ukraine's Kursk Invasion For Bringing War To 'Ordinary Russians' )

ウクライナ戦争は、米諜報界の隠れ多極派とプーチンのロシアの共同作業によって、露中・非米側の台頭と米覇権自滅を引き起こす策略として長期化されている。停戦は、なかなか実現できない。仏マクロンの対露和解も実現困難だ。実現する前に、マクロンが辞任に追い込まれそうだ。
とはいえ、この行き詰まりを一発で大転換できるシナリオも存在する。それは11月の米大統領選挙でトランプが勝つことだ。
トランプが勝って大統領への返り咲きが決まると、トランプは、すでにウクライナ停戦和平のために動いているハンガリーのオルバン首相などと連動し、停戦実現に向けて動き出す。トランプが来年1月に大統領に返り咲くと、諜報界の動きを上書きして、ウクライナ軍を自主的なクルスク撤退に誘導できる。
マクロンは、トランプにすり寄ってウクライナ停戦に協力し、政治的な延命を図れる。独ショルツも静かにすり寄ってくる。

少し前まで、欧州でウクライナ停戦・対露和解に賛成していたのは、オルバンや独AfDなど、マスコ"ミに「極右」呼ばわりされる右派だけだった。独仏EUの首脳などエスタブ・主流派の勢力は、こぞって露敵視・ウクライナ徹底支援だった。
欧州のエスタブ群は米民主党の仲間であり、トランプの敵だった。NATO内で、トランプが返り咲いた場合の「危機対応策」が検討されていた。EUはオルバン制裁を推進していた。
だが今や、仏独首脳が政治延命のためにウクライナ停戦・対露和平派に転向した。オルバンは、EU諸国の政界でウクライナ和平派が急増していると喜んでいる。(More EU leaders joining ‘peace camp’ - Orban)

この流れの中で米国がトランプになると、欧米全体でウクライナ和平派の力が一気に強くなって主流派になる。米仏独が和平派に転換し、露敵視を維持しているのはEU上層部と英国、バルトなど東欧小国群の一部だけになる。
トランプは、米国と世界を隠然と支配する「民主主義の敵」である米諜報界を潰すために大統領になった。2期目も、諜報界との果たし合いになる。
米欧は、露敵視を続ける米諜報界とその傀儡のEUフォンデアライエン一派や英国などと、ウクライナ停戦したいトランプと欧州の仲間たち(オルバンや仏独)という対立軸になる。対立は、露敵視の優勢から、対露和解の優勢へと大転換する。欧州でトランプ待望論が強くなっている。

この転換は、プーチンにとって迷惑だ。だが、仲良くしたいと言ってくる人々を無視するわけにもいかない。プーチンはこれまで米大統領選について、バイデンやハリスが勝つ方が米国がどう動くか予測できるので良い(トランプになると予測困難なので嫌だ)と繰り返し言っていた。
だが、欧州でトランプ待望論が強くなり出した最近、プーチンの腹心であるラブロフ外相が「プーチンのハリス支持発言は冗談でした」と言い出した。米国は深奥国家(DS=諜報界)が支配しており、ハリスとトランプのどちらが勝ってもDS(⇒デープステート)が米国を支配する状況は不変なので、どっちが勝っても良いんです、とラブロフは説明した。(Putin’s Kamala endorsement was a joke - Lavrov)

なるほど。でも、トランプが勝つとDS支配を破壊しそうだけど。それはロシアにとって良いことなのかどうか。ラブロフはその辺について言っていない。
私の見立てでは、プーチンがハリス支持論を冗談だったとラブロフに言わせた理由は、欧州でトランプ待望論が強まっているので、それと対立するハリス支持論を希釈・撤回することにしたのだろう。

米大統領選の勝敗を決めるのは欧州人やロシア人でなく、米国民だ。しかし、それも建前だ。米民主党は、諜報界の協力を得て、2020年と2022年中間選挙で郵送投票制度や開票作業を使った大規模な選挙不正をやり、完全犯罪として成功している。
米諜報界では昔から、単独覇権派と多極派が馬鹿し合いの暗闘を続けてきた。これまでは民主党の選挙不正が成功したが、今年はわからない。不正が不十分に終わるかもしれないし、トランプ陣営が不正を乗り越えて勝つかもしれない。

私は最近の記事で「米大統領選は、リベラル全体主義(リベ全)の完全犯罪的な歪曲の中に入った。リベ全のウソはバレたことがない。ハリスがトランプを落とす選挙不正もバレず、トランプは勝てない」という趣旨を書いた。(無能なハリスを有能と歪曲する)

だが、米諜報界の多極派は、トランプと支持者たちを頑張らせ、ハリスの選挙不正を乗り越えて選挙に勝ってトランプ返り咲きを達成するというシナリオを用意しているのかもしれない。難攻不落だった極悪なリベ全を、トランプと支持者たちが壊し、米国の民主主義と言論の自由を取り戻す。
こういう革命のシナリオを用意して人々に具現化させることで、強い政治体制を作れる(だから、かつての諜報界=ユダヤ資本家群はフランスの民衆に革命をやらせ、強国=近代国家を作るモデルを作った)。
人々を頑張らせて勝たせるシナリオを経ないと、せっかく作った新体制を、再び軍産単独覇権派に奪われかねない。だから多極派は、リベ全とか大リセットとかコロナワクチンなど、トンデモな極悪物を作り、人々にそれを乗り越えさせようとする。
もちろん世界には、どこかの国民みたいに、乗り越えずに従属・順応してしまう「劣等生」もいるが、そういうのは放っておく(ラッキーです)。

トランプが勝つと、米国側の大転換が加速する。ならば勝たせてみようかと、諜報界の多極派とかが面白がってやりたがる感じはする。プーチンは困っているが、習近平はトランプの方が各地の戦争が終わるので良いと思っている。
コロナ以来、DS(深奥国家=米諜報界=米覇権運営体)は、米諜報界と中共の共同覇権であるDH(深奥覇権)へと転換・止揚している観がある。WHOやIPCCを握っているのは米国でなく中共だ。習近平が望むならトランプが返り咲く、ともいえる。
DH(⇒デープヘゲモニー?)の話は、まだ考察中だ。いずれ書きたい。