2017年2月8日水曜日

小池劇場の行き着くところは自民Aと自民Bの二大政党制(植草一秀氏)

 かつてメディアによって第3極ともてはやされた「維新の会」は、最近の大阪茨木市議選(1月22日)や北九州市議選(1月29日)で2週連続で惨敗するなどすっかり馬脚を現わしました。
 そんな中で衆目を集めている小池百合子都知事劇場は小池氏の思惑通りに進展し、小池氏と都政のドンと呼ばれた内田氏の代理戦争と言われた千代田区長選でも、まさに鎧袖一触で片を付け、ドンを殆ど影響を残す余地も与えずに退場させるほどの勢いです。
 懸案の築地市場の豊洲移転問題でも小池氏は都民に違和感を持たせない対応を見せています。鮮やかなものです。
 
 それに対して植草一秀氏は、7月の都議選で小池知事勢力が都議会の支配権を確立する可能性は高いと認める一方で、落としてはいけない重大な点として要旨以下のように述べています。
 「小池氏の基盤自民党とほぼ同一で自民Aと自民B程度の差しかないから小池氏の勢力が伸長しても、安倍政治に真正面から対峙する勢力の比率はその分低下することになる。
 その結果として行き着く先は、米国の共和・民主二大政党体制に近い二党独裁制の樹立である。」
 それが日本の黒幕の作戦であるとすれば、体制側というのもは実に用意周到なものというしかありません。
 
 お役御免となる「日本維新の会」に関しては、ブログ:「日本がアブナイ!」が衆院議員の上西小百合氏による痛烈な批判を取り上げていますので、併せて紹介します。
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極めて巧妙に上演されている小池都知事劇場
植草一秀の「知られざる真実」2017年2月 6日
東京都の千代田区長選挙で小池百合子東京都知事が支援する無所属で現職の石川雅己氏が自民党が推薦する新人などを抑えて5選された。石川氏は75歳。
落選したのは、自民党推薦で無所属の与謝野信氏と同じく無所属の五十嵐朝青氏で、両名とも41歳だった。
小池都知事が石川氏を支援する一方、元自民党議員の与謝野馨氏の甥にあたる与謝野信氏を都議会自民党のドンと言われる内田茂都議(77)が支援する選挙になった。
石川氏は多選と高齢という悪条件にもかかわらず当選を果たしたが、その最大の背景は、選挙が小池氏対内田氏の代理戦争と受け止められ、区民が内田氏ではなく石川氏の支援に回ったためである。
 
小池知事は都議会で都議会自民党を向こうに回し、自民党との連立与党を解消した公明党の支持を獲得。
小池知事は、本年7月の都議選で、小池新党と公明党などの小池知事支持勢力による都議会過半数獲得を目指していると見られる。
昨年の都知事選以来、東京都の政局は完全に小池氏の思惑通りに進展している。
 
小池氏は自民党東京都連とは独立に戦術を構築し、都知事選への勝負を挑み、圧勝という結果を獲得した。その政界遊泳術が極めて巧みであることは認めざるを得ない。
都知事選では安倍政権与党系の候補が2名出馬したのであるから、「安倍政治を許さない」勢力は、
千載一遇の都政奪還のチャンスを迎えたが、このチャンスを生かし切れなかった。
メディアが全面的に小池支援に回ったことが選挙結果を大きく左右したことも見落とせない。
 
小池氏は五輪会場の見直し、築地の豊洲移転の見直し、などの行動を示してきた。
その成果が十分にあがっているとは言えないが、それでも、都民の素朴な疑問や不満の声を掬い上げているとの感想を持つ都民は多いと思われる。
豊洲の水質汚染の程度が深刻であれば、築地の豊洲移転の可能性は低下し、小池知事が最終的に豊洲移転中止を判断する可能性がある。
その際には、豊洲移転決定の中核人物である石原慎太郎元東京都知事に対する責任追及の動きが本格化する可能性が高い。小池知事がその方向で実績を上げれば、小池知事に対する支持はさらに上昇する可能性が高い。
7月の都議選で、小池新党と公明党が過半数議席を確保し、小池知事勢力が都議会の支配権を確立する可能性は高いと見られる。
 
こうした変化は、一見すると、日本政治にある種の刷新をもたらすものとして国民の支持を得やすいだろうが、この変化のなかで進行する、重大な状況変化を決して見落とすわけにはいかない
決定的に重要なことは以下の二点だ。
第一は、小池氏の基盤が自民党とほぼ同一であること、第二は、この変化の結果として、安倍政治に真正面から対峙する勢力の比率がさらに低下すること、である。
小池氏は「進退伺い」を自民党に提出したが、現時点で自民党籍を残している自民Aと自民B程度の差しかない。
自民党内の二つの派閥が、都議会を占有することになる、というのが現実に近い。
都議会での会は存続すら難しくなる民進党までが、小池新党に一斉になびく状況が生じている。
これらの変化の背景に、日本政治の構造を書きなおそうとする「黒幕」が存在すると見るべきだ。
 
狙いは、「二党独裁制」の樹立だ。自民Aと自民Bによる「二大政党体制」を構築することが目指されているのである。
旧来の自民Aに対して、自民Bは「維新政党風」の装いを凝らすのだ。
現在の与党勢力に反発を感じる人々を、この「維新政党風」の「自民B」に吸い寄せる。
この二大政党体制を構築できれば、既得権勢力は半永久的に安泰になる。
米国の共和・民主二大政党体制に近いものを日本に打ち立てる。この目標がくっきりと浮かび上がるのだ。
                  (以下は有料ブログのため非公開)
 
 
上西の長谷川豊、維新への批判が、的確で痛快。
有名人による票集めと民進の邪魔が目的か 
日本がアブナイ! 2017年2月7日
   (前  略)
この長谷川氏の出馬に関して、おそろしいほど的確に論評&批判していたのが、元維新の衆院議員・上西小百合氏だ。(++)<困ったことに、最近、維新の批判に関しては、妙に上西ちゃんと気が合っちゃうmew。(^^ゞ>
 ・・・というわけで、早速、上西氏の鋭いコメントが載った記事をいくつかご紹介しよう。(**)
 
上西小百合氏 立候補表明した長谷川氏を一笑に付す 「落選すると思います」
 
 衆院議員の上西小百合氏(33)が6日、都内で行われた、映画「ウィーナー 懲りない男の選挙ウォーズ」の公開トークイベントに出演。同日、上西氏がかつて所属した「日本維新の会」から次期衆院選に出馬することを表明したフリーアナウンサーの長谷川豊(41)と、同党の代表で大阪府知事の松井一郎氏(53)を痛烈に批判した。
 上西氏は長谷川氏を擁立した日本維新の会を猛批判。「知名度のある議員がいないし、国政政党に関して言えば、橋下さんも存在意義がよくわからないと否定されている。日本維新の会には焦りがあったと思いますし、候補者の擁立もほとんどできない状態なんです」と分析。
 続けて「知名度ほしさに長谷川さんを擁立したと思うんですが、今後、日本維新の会は芸能界だとかタレントとして食べていけなくなった方が立候補する、政治の世界に行くための装置になると思うんですよ」と持論を展開した。
 上西氏の舌鋒はとどまるところを知らず、長谷川氏と日本維新の会への批判が噴出。長谷川氏がこの日の会見で、ブログ記事が炎上してキャスターなどをひき、収入が0と明かしたことに触れ、「収入が0だということですが、生活のために国会議員になるというのは初めて見ました」とも非難。
 
 当選の可能性については「落選すると思います。ご本人も当選すると本当に思っていらっしゃるのかと」と一笑に付した後、「長谷川さんは日本維新の会をだましてやってるぞ、と思っているかもしれませんが、日本維新の会は本当に汚いところですから、長谷川さんも気をつけた方がいい。比例票を獲得するためだけに使われてる可能性もあると自覚した方がいいと思います」と一刀両断した。
デイリースポーツ17年2月6日)』
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上西小百合氏 長谷川豊氏は反省していない「製薬会社がテレビ局に圧力かけた」と
 
 衆院議員の上西小百合氏(33)が6日、都内で行われた、映画「ウィーナー 懲りない男の選挙ウォーズ」の公開トークイベントに出演。同日、上西氏がかつて所属した「日本維新の会」から次期衆院選に出馬することを表明した元フリーアナウンサーの長谷川豊氏(41)と、同党の代表で大阪府知事の松井一郎氏(53)を痛烈に批判した。
 長谷川氏の出馬表明に対し、上西氏は第一声で「すごいことだなという風に思いました」とあきれ顔。1月に都内で行われたイベントで長谷川氏と同席したことを明かした上で、長谷川氏が過去に人工透析患者を批判したことを持ち出し「反省されてるのかと思ったら、まったくの無反省」と明かした。
 
 上西氏は「自分がテレビに出られなくなったのは、製薬会社がテレビ局に圧力をかけたからだという説明を延々とされていたので、ご自分のやったことが全然わかってないなと感じたし、思いやりの欠如。そういう方が政治家になるというのはありえないことだと思うんですよ」とバッサリ斬り捨てた。
 返す刀で、長谷川氏を擁立した日本維新の会を猛批判。「知名度のある議員がいないし、国政政党に関して言えば、橋下さんも存在意義がよくわからないと否定されている。日本維新の会には焦りがあったと思いますし、候補者の擁立もほとんどできない状態なんです」と言い切った。
 また、「知名度ほしさに長谷川さんを擁立したと思うんですが、今後日本維新の会は、芸能界だとかタレントとして食べていけなくなった方が立候補する、政治の世界に行くための装置になると思うんですよ」と持論を展開した。
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『上西議員は5日に長谷川氏の擁立が明らかになると、ツイッターですぐさま長谷川氏と維新の批判を展開。「ハッキリと言わせて貰います。いかに長谷川さんと維新がイカサマかどうか」とイベントでの暴露を予告していた。(中略)
 先月、長谷川氏出演のマスコミシャットアウトのイベントで対面しているといい、「人権擁護やっている身として、許しがたい発言をしていた。全く未反省で、自分のやったことを正当化しようとしていた」と長谷川氏の発言をバッサリ。「生活のために国会議員になる人を初めてみた。長谷川さんも本当に当選すると思っているんでしょうか?」と首をひねった。
 同日、長谷川氏が行った出馬会見も見たといい、「(イベント時と)全然言っていることが違う。千葉をネバダにすると言っていたが、有権者舐めているんじゃないかと。もうちょっと真面目にやったほうがいい」とまくし立てた。
スポニチ17年2月6日)』
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 ね。上西氏のどの言葉を見ても、思わず「その通り!」と言いたくなるでしょ?(@@)<長谷川氏と維新に関してはね。>
 近いうちに書くつもりだけど。維新の党は、橋下徹氏が辞めてから、支持の面でも経済的な面でもかなり困って来ているようで。昨日は、松井代表がついに自民党の二階幹事長と2時間も会談を行なったとのこと。もう完全「よ党」としてやって行くしかない感じになっている。(~_~;)
<橋下徹氏は小池新党に興味を抱いていたのだけど。維新の馬場幹事長は、都議選で小池新党とは連携しないと発表。国会でもほぼ全ての法案で、政府与党案に賛成するつもりらしい。^^;>
 古くから自分を支えてくれている維新が、衰退、滅亡して行くのは、安倍首相にとって、かなりつらいことだと思われ・・・。そうであるなら尚更に、早く維新を衰退、滅亡させなければと思ってしまう今日この頃のmewなのだった。_(。。)_ 
THANKS