今回の日米首脳会談で、国民を裏切る「年金献上」が行われることが事前に報道されたことに(首相と)菅官房長官が激怒していますが、その背景には、そうしたリークに対して「トランプ政権側から外交ルートを通じてはっきりと不快感が示された」ことがあるのだそうです。
当然トランプ氏は自分の手柄だと考えているので、それが事前にバラされてしまっては米国民に与える効果が半減するからということなのでしょう。
ところが首相が国会で大見えを切った以上、GPIFを差し置いては口に出来ないことだとして首脳会談で明確に打ち出せないということになれば、こんどはトランプ氏の方が激怒する可能性があります。 (^○^)
安倍首相が窮地に・・・の事態がまた一つ増えましたが、すべては首相が、国民を犠牲にした朝貢外交を目論んで、自分の安泰を図ろうとしたことの「非」に由来するものです。
天木直人氏のブログを紹介します。痛快です。
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「訪米の土産に年金献上」をばらされて激怒した菅官房長官
天木直人のブログ 2017年2月9日
今度の安倍首相の訪米に関する報道は、突っ込みどころ満載だ。
だから、何を優先して書くべきかは私にとって頭の痛い問題だが、これから書くことは間違いなく優先順位ナンバーワンだ。
きょう発売の週刊文春(2月16日号)にとっておきの記事を見つけた。それは、訪米の最大のお土産である米国雇用創設に国民の年金を差し出すという報道に、菅官房長官が激怒したという記事だ。
その記事を書いたのは、いまや安倍首相に最も近いジャーナリストである山口敬之氏だから、その内容は間違いないだろう。
すなわち、2月2日の日経が「公的年金、米インフラ投資」と報じた。3日には朝日も「投資年金資産も活用」と書き、各紙も一斉に書いた。その報道を見た野党は国会で一斉に追及した。
菅官房長官は、「あそこまで怒ったのは最近では記憶がない」(官邸関係者)というほど怒り、安倍首相も「今回の騒動の主犯には落とし前をつけてもらうしかないね」と漏らしたという。
なぜここまで怒るのか。それは図星であり、今度の訪米成功の最大のお土産であるからだ。そしてそれは決して国民に知らせてはならない国民を裏切るお土産であるからだ。
しかし、私がこの山口記者の記事で驚いたのは、リークに怒った安倍、菅コンビの事ではない。この情報リークに、トランプ政権側から外交ルートを通じてはっきりと不快感が示されたと書かれていたことだ。つまりこの土産は、日本の官僚たちがトランプ側と周到に示し合わせて作った、米国をよろこばせるための土産であったということだ。それがばれてうまく行かなくなったら一番困るのはトランプ側なのである。
それが、この案の作成に関与し、守秘を厳格に守っている幹部からではなく、下っ端官僚から漏れたというのだ。天網恢恢疎にして漏らさずとはこの事だ。
国民を裏切ってトランプの米国を喜ばせようとした官邸と官僚たち。このもっとも恥ずべき国家犯罪が、思わぬ形で発覚したというわけだ。
本当に怒らなければいけないのは、安倍・菅官邸でも、トランプの米国でもない。われわれ日本国民である(了)