植草一秀氏の掲題の2つの記事を紹介します。
高市首相と中国の習近平主席が相次いで米国を訪問しましたが、両氏への米国の接遇は「月とスッポン」の有様でした。
1番目の記事では、習近平主席の歓迎式典でトランプが「第二次世界大戦では我々は同盟国となった」と述べたことに、日本のメディアは米国の同盟国が中華民国でありいわゆる現行の中共国ではないことを強調しますが、米国は米中国交正常化において「中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であること」を承認し、日本も1972年の日中共同声明においてこれを承認しているので そうした主張は正しくないと指摘します。
2番目の記事では、トランプは習近平主席の訪米に対して夫人と共に中国専用機が着陸する米軍アンドルーズ基地で出迎えた上、儀仗兵が周囲に配置された30m長の赤絨毯の上で歓待するなど大変な厚遇をしました(米大統領が空港まで出迎えるのは史上2例目で64年ぶりとのこと)。
植草氏は、「トランプ大統領の高市首相と習近平主席に対する接遇がどれほど違うか。事実を確認することが重要で、米国は明確に『格付け』を行ったうえで対応している。高市首相への対応は植民地の総督へのもの」であると指摘します。
そして「ICC所長に対する制裁が実行されても、植民地総督は宗主国トップに抗議することはできない。中国は台湾への武器提供をしないことを要請するが、背景に高市首相の昨年11月7日国会答弁がある」「中国の要請を受け入れるのか、高市首相の暴言を容認するのか。トランプ大統領は高市首相の歪んだ要請を受け入れる行動を示さないと考えられる」と述べます。
そして、「日中関係をいたずらに悪化させることは日本の国益に反する。米国に言うべきことを言えない関係では日本国民の利益も守れない」と断言します。
高市政権では日本の国益を守れないということです。
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中華人民共和国が唯一の合法政府
植草一秀の「知られざる真実」 2026年9月26日
高市首相の訪米。そして、習近平国家主席の訪米。トランプ大統領は両者に対していかなる対応を示したか。接遇の格差は歴然としていた。
高市首相がニュヨークに到着した際、米国の出迎えはなかった。高市首相は航空機のデッキから手を振ったが歓迎する者は存在しなかった。タラップからむき出しのコンクリートに降り立った。
米日首脳会談で媚を売るまなざしをトランプ大統領に投げかけたがトランプ大統領は顔をそむけた。高市首相はトランプ大統領を「ドナルド」と呼んだが、トランプ大統領は「日本の首相」と呼ぶだけだった。高市首相の固有名詞を覚えていない可能性が高い。
米国はICCを制裁対象にして赤根智子所長に対しても制裁を科した。
これに対して高市首相は抗議の意思すら表明できなかった。
高市首相は国連総会の一般討論演説を行ったが、議場を埋めた聴衆は1割にも満たない惨状だった。イスラエルのネタニヤフ演説とほぼ同水準だった。
演説で高市首相は敵国条項の廃止を訴えたが、すかさず中国から敵国条項は重要な機能を有しているとの反論を受けた。
これに対して、中国の習近平主席に対して米国は最大級の接遇を提供した。
トランプ大統領は習近平氏が到着する1時間前にワシントンのアンドルーズ空軍基地で待機。習近平氏を乗せた航空機が到着するとすかさずレッドカーペットが敷き詰められた。
習近平夫妻をトランプ夫妻がタラップ下で出迎え。
米軍儀仗隊が空砲で栄誉礼を奉じた後、セレモニーが開催された。
到着翌日の24日にはホワイトハウスで米海兵隊サイレント・ドリル小隊と米統合軍司令部による大統領礼砲が披露された。
上空では米軍のジェット戦闘機とステルス爆撃機が編隊飛行を行った。
国家元首を迎える儀礼として最高水準のプロトコルによる接遇が示された。
歓迎式典でトランプ大統領は「第二次世界大戦では我々は同盟国となった」と述べた。
これに対応して習近平主席は「第二次世界大戦中、中米は肩を並べてファシズムの侵略と戦った。この歴史を中国人民は忘れず、米国人民も忘れていない」と述べた。
トランプ大統領は同日夜、習近平夫妻訪米に対する歓迎晩さん会を開催。
習近平氏は乾杯のあいさつで次のように述べた。
「80年余り前、中米両国の人民は肩を並べて戦い、日本軍国主義の侵略者に抵抗し、有名な“ハンプ越え”の航空路を切り開いた。抗日戦争の期間、中国の軍民は数百人の米国人飛行士を救出し、数十万人の命を代償とした。」
このことを日本経済新聞は「習氏の抗日歴史観に危うい呼応」の見出しを打って報道した。
日本のメディアは当時の米国の同盟相手が蒋介石率いる中華民国の国民政府で、いまの中華人民共和国ではなかったことを強調する。これが日本が主張する台湾問題とも深く関わる点だ。
第二次大戦中の米国の同盟国が中華民国であったことは事実。
カイロ宣言も米英と中華民国の首脳会談による宣言である。
しかし、米国は1979年の米中国交正常化において「中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であること」を承認した。
これは日本も同じ。
1972年の日中共同声明において、これを承認している。
(中 略)
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中国厚遇・日本冷遇という現実
植草一秀の「知られざる真実」 2026年9月24日
高市首相は米中首脳会談の前に米日首脳会談の開催を懇願。
国連での会談を実現させたが、どれだけの効果があったのかは不明。
米国はICC(国際刑事裁判所)を敵視して所長を務める赤根智子氏に対して制裁を発動した。日本政府はこの措置に抗議する必要があるが高市首相はトランプ大統領に何も伝えなかった疑いが強い。
「法の支配」を重視するとか、ICCを重視するなどと言っても意味が不明だ。赤根所長に対する制裁に対する抗議をしなければ何の変化も生じない。
「弱腰外交」を絵に描いたような言動。産経新聞と読売新聞が懸命に高市擁護記事を流布するが真実を歪めるのはマスコミの宿痾である。
高市首相はニューヨークの空港に政府専用機が降り立つとデッキから大きく手を振りかざしたが米国の出迎えはゼロ。歓迎の人々は存在せず一人芝居を演じた。コンクリートむき出しの滑走路に降りたって出迎えた日本大使館の職員と挨拶を交わしただけだった。
国連総会での演説では聴衆がまばら。撮影された映像では聴衆は客席の1割程度。
これを日本経済新聞は次のように伝えた。
「高市早苗首相は22日、就任後初めて一般討論演説に臨んだ。演説時間が夜ということもあり、聴衆は座席の3割ほどだった。」日経新聞は数を数えるのが苦手のようだ。
高市首相が米国でどのように取り扱われているのかを知る重要な手がかりがある。
他国と比較するとよく分かる。「自虐」でも何でもない。冷静に事実を凝視することが重要だ。
中国の習近平国家主席が訪米した。トランプ大統領は夫妻揃ってワシントンのアンドルーズ空軍基地で習近平主席夫妻の到着を出迎えた。到着の1時間前には基地に到着。
飛行機が降り立つと習近平夫妻がデッキに現れる前に敷き詰めたレッドカーペット上で習夫妻を待った。
習近平夫妻がタラップ下まで降りるとレッドカーペット上で歓迎のあいさつ。
花束が贈呈され、米軍儀仗隊は空包を発射して最高位の敬意と歓迎を表明した。
トランプ大統領の高市首相と習近平主席に対する接遇がどれほど違うか。事実を確認することが重要だ。
23日に到着した習近平氏は24日にホワイトハウスで首脳会談に出席。同日夜には晩さん会開催が予定されている。
トランプ大統領の会食には多くのバリエーションがある。フロリダの別荘の乱雑なカジュアルレストランで会食することもあれば、正規の貴賓室で正餐を提供することもある。
日本の首相と会食が設営されても高いランクの接遇を提供することはない。
米国は明確に「格付け」を行ったうえで対応している。高市首相への対応は植民地の総督へのもの。
ICC所長に対する制裁が実行されても、植民地総督は宗主国トップに抗議することはできない。中国は台湾への武器提供をしないことを要請するが、背景に高市首相の昨年11月7日国会答弁がある。
中国の要請を受け入れるのか、高市首相の暴言を容認するのか。中国はトランプ大統領に判断を求める。トランプ大統領は米中関係を重視しており、高市首相の歪んだ要請を受け入れる行動を示さないと考えられる。
高市首相はトランプ大統領と会談したものの目に見える成果は何ひとつ獲得できていないのである。
日中関係をいたずらに悪化させることは日本の国益に反する。
米国に言うべきことを言えない関係では日本国民の利益も守れない。
(中 略)
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4534号
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(後 略)
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。