2026年9月21日月曜日

ひれ伏すメンメンだけを集めたのか 寂しい女帝の寒々しい内閣改造(日刊ゲンダイ)

 日刊ゲンダイに掲題の記事が載りましたので紹介します。
 今回の内閣改造は、次期の総裁選で高市氏が勝つためにはどうすれば良いのかという観点で決めたということに尽きるようです。
 改造人事で唯一のサプライズは「参院のドン」石井準一幹事長の交代劇と言われています石井氏が要職を外されたのは高市の遺恨が理由で、先の特別国会での予算審議高市首相が年度内の3月末までの成立を強く望んだのに対し、少数与党の参院を預かる石井は野党との関係を重視したためにその成立年度をまたいだことに高市氏が激怒したためとされています。
 何とも理解しがたいことですが、自分に歯向かったことが許せなかったようです。しかしこのことは逆に、石井氏の面子を失くさせたことに他ならないので、将来に禍根を残すことになった筈です。
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ひれ伏すメンメンだけを集めたのか 寂しい女帝の寒々しい内閣改造(前編)
 時間をかけてアンケートまでやった挙げ句がこの顔ぶれなのか
                       日刊ゲンダイ 2026年9月18日
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 気に食わないヤツ、政敵を放逐し、忠誠心と自己都合で人事をしたのか、パッとしない顔ぶれと漂う暗さは、ズバリ、首相の狭量、求心力のなさを物語っている。このメンメンで「反省ゼロ」の女帝が突き進む先に何があるのか、多角的に分析。
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 もはや、自民党には人がいないのだろうか。まさに、サプライズゼロの内閣改造である。
 17日、高市首相は、政権発足後、初めての内閣改造を行った。
 16日に実施した党役員人事に続いて、結局、目玉ナシのパッとしない人事で終わった。
 普通は、一人くらい話題になる人物を起用するものだが、若手の抜擢もなく、女性の新たな登用もなかった。さすがに、この顔ぶれでは、内閣支持率も上がらないのではないか。
 なにしろ、18人いる閣僚のうち、財務、外務、厚労、経産、防衛、経済財政、官房長官……と、主要閣僚は軒並み、留任である。代わり映えしない。
 自民党議員に「役職希望アンケート」を提出させ、時間をかけて人選した結果が、この地味な顔ぶれとは、ある意味サプライズである。どうして、これほど地味なメンメンになったのか。
 政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
高市首相にとって一番大事なのは、来年秋に行われる総裁選で再選されることです。組閣人事は、そのための足場固めに使われた形です。昨年の総裁選で争った小泉防衛相と茂木外相を留任させたのも、閣内に封じ込めるためです。さすがに閣僚のままでは総裁選に出馬しづらいですからね。高市首相は、足場固めを優先し、適材適所はもちろん、サプライズ人事さえ考えなかったのでしょう」
 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)は、こう言う。
「驚いたのは、安倍派に所属していた裏金議員を2人も初入閣させたことです。簗農相は1746万円、関文科相は836万円の不記載があった。高市首相は、旧安倍派議員を処遇することで、かつて100人いた旧安倍派議員からの支持を固める狙いがあるのだと思う。しかし、これでは国民の期待が高まる組閣にはなるはずがありません」
 その一方、党内で“高市らしさ”が出たと囁かれているのが総務相だった林芳正と、参院幹事長だった石井準一をクビにした人事だ。
「改造人事と党人事で目立つのは、イエスマンが多いことです。昔から高市首相は、自分に逆らう者は許せないタイプ。人を信用しないというか、狭量なところがある。数が足りない参院を考えたら実力者の石井準一さんに協力してもらった方がいいのに“あいつは許せん”と切ってしまった。それに、総裁選で無投票再選を狙うなら、ライバルの林芳正さんを閣内に封じ込めた方が得策なのに、なにが気に入らないのか、閣外に追放してしまった。高市首相の心の闇を見るような人事ですよ」(自民党関係者)
 このメンメンで、「反省ゼロ」の女帝は、どこに突き進むつもりなのか。

この人事で正解は高市の呪縛から逃れた林芳正
 今度の内閣改造の目的は、来秋の自民党総裁選での再選をめざした体制づくりであり、そのための「ライバル潰し」だった。前回の総裁選で戦った茂木外相、小泉防衛相、小林政調会長の留任が早々に固まる中、林総務相の去就が焦点だったが、結局、林は閣外に出た。続投報道もあり、本人も「引き続き残るのか、外に出るのか、首相の専権事項だ」と言葉を濁していたため、注目度が高まったが、最後は高市が「林放逐」の決定を下した。
「高市首相は当初、林さんについても留任させ、閣内に封じ込めようとした。ところが、林さんは留任の打診をいったん断ったようだ。しかし一方で、挙党態勢で『造反者』となることに躊躇するなど林さん自身も揺らいでいた。高市首相としては、林さんの処遇に注目が集まるよう“さらし者”にした上で、最後に追放したわけだ。嫌がらせみたいなもの。留任の打診を蹴られたことが許せなかったのだろう」(自民ベテラン)
 これで林は野に放たれ、高市に遠慮することなく、自由に発言、行動できる。もともと意欲を示していた来年の総裁選には必ず出馬するだろう。「聖域人事に手を突っ込まれ、参院幹事長を外された石井準一さんのグループも、高市憎しで林さんに乗っかるんじゃないか」(前出の自民ベテラン)と言うし、森山裕前幹事長など高市と距離を置く非主流派が林の元に結集することになるかもしれない。
 ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「林さんは、政策的に高市首相とは路線が違う。外交ではもっと現実的に 米中問わず幅広くですし、財政もどちらかといえば健全化路線。旧宏池会伝統の穏健保守です。閣外に出たことは、来年の総裁選に向け、外交・財政でタカ派の高市首相に対抗する勢力をつくっていく宣戦布告と言えます」
 一方、高市の「ライバル潰し」に甘んじた茂木と小泉は、閣内にとどまることで、麻生副総裁との関係維持や高市後の禅譲を狙う戦略という情けなさ。今回の人事で唯一の正解は、高市の呪縛から逃れた林だろう。
 これでハッキリ言えることは、来年の総裁選で高市の「無投票再選」はなくなったという事実だ。

新人閣僚でマトモなのはいるのか、能力よりも高市忠誠
 なんとも地味でパッとしない組閣人事を象徴するのが、初入閣した7人の顔ぶれである。
 高市は「決断と挑戦、実行の内閣だ」と胸を張っていたが、なんのことはない、初入閣したのは全員「年功序列組」である。
 初入閣7人のうち、1人は「維新枠」で入閣した中司宏・規制改革担当相だ。残り6人の自民党議員は、当選6回が4人、7回が1人、参院4回が1人。要するに、全員、入閣適齢期、積み残し組である。
 はたして、初当選組は、大臣にふさわしいのか。それほどの能力があるのか。
 まず、裏金づくりに手を染めていた安倍派出身の関文科相と、簗農相は論外だろう。
 裏金事件が発覚してから、まだ数年しか経っていない。
 藤井総務相と、井林国交相は、それぞれ古巣の旧自治省と、国交省の役人あがりという理由で選ばれたのだろう。
 論功行賞と揶揄されているのが、笹川環境相だ。
「笹川さんは、石破内閣の農水副大臣でした。なのに、公然と『石破おろし』の旗振り役をつとめ、石破首相に引責辞任を迫っていた。さすがに『石破首相に辞めろと言うなら、副大臣を辞めてから言うべきだ』と批判を浴びていました。でも、高市首相からしたら、石破首相を引きずりおろした功労者ということになるのでしょう」(政界関係者)
 古川デジタル担当相は、医師免許と弁護士資格を持つ学究肌。これまで「言いたいことが言えなくなる」と要職に就くことを拒み、「他の国会議員との交流が希薄」という変わり種だ。
 政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「年功序列で選んでいる今度の組閣からは、『この内閣でこういうことをやりたい』というメッセージが伝わってこない。しかも、当該省庁の官僚出身者を大臣に起用するなど、面白みもない。手堅いといえば手堅いですが、要するに、高市首相の代わりに国会で答弁する、答弁要員として選ばれたのでしょう」

 自民党議員に「役職希望アンケート」を提出させる必要があったのだろうか。


ひれ伏すメンメンだけを集めたのか 寂しい女帝の寒々しい内閣改造(後編)
 身勝手な「参院のドン」斬りでわかった高市早苗という病
                         日刊ゲンダイ 2026/09/18
                      (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 改造人事で唯一のサプライズは参院幹事長の交代劇。党内驚愕の「参院のドン」石井準一議員の更迭だ。高市が「参院役員の人事権は私にはない」とシラを切っても、「総理の強い意向」というのが衆目の一致するところ。要職を外された石井と高市の遺恨は、政界の誰もが知っているからだ。
 亀裂の決定打は、先の特別国会での予算審議だ。高市が年度内の3月末までの成立を強く望んだのに対し、少数与党の参院を預かる石井は野党との関係を重視。慎重姿勢を崩さず、成立は11年ぶりに年度をまたいだ。
 願いかなわず高市は「アイツのせいや」とブチ切れ、石井を目の敵にしたようだが、年度内不成立は2月の衆院選強行で審議日程が大幅に遅れた影響が大きい。そもそも高市の抜き打ち解散のせいであり、ドン憎しは逆恨みでしかない。
 それでも高市は被害者ぶり、現場の苦労もツユ知らず、身勝手な解散のツケを石井に払わせる。参院の人事権は党則上、参院会長が握り、歴代首相もタブー視してきたのに、平然と手を突っ込み、毛嫌いするドンを追放する。私怨が勝る懲罰人事で「聖域」を侵食しても、「(参院)会長がお決めになった」とシャーシャーとうそぶく始末だ。
 もはや神経を疑うほかない。「高市早苗」という病である。
「私の意に背けば容赦しないとの見せしめ人事は、恐怖 政治そのもの。野党と太いパイプを持ち、合意形成を重視した石井氏放逐により、参院運営はさらに厳しさを増す。それを承知で高市首相の好き嫌いで決まる人事は、熟議よりも力ずく優先の暴走ムキ出し宣言。10月召集の臨時国会では消費減税と衆院定数削減という国民の生活と権利に直結する重要法案が提出されますが、強引な国会運営に拍車がかかるのは目に見えています」(法大名誉教授・五十嵐仁=政治学)
 ドン更迭を機に、高市独裁がますます強まるのは間違いない。

片山・城内残留という大きな火種
「コミュニケーションの強化を通じ、市場の信認を得ていく」──。
 高市は17日の会見でも、このフレーズを口にしたが、昨年10月に内閣が発足してからというもの「市場と対話」すらできていない。肝いりの「責任ある積極財政」が市場の不信を招き、歴史的な円安・長期金利上昇を招いたにもかかわらず反省ゼロ。片山財務相と城内経財相の留任が何よりの証拠だ。
 高市政権の財政政策を担う片山・城内コンビの下、円と債券は売られ続けてきた。今年7月、為替相場は一時1ドル=164円台目前まで急激に円安が進行。今月に入って、長期金利が約30年ぶりに3%の節目を突破した。
 市場は高市財政にノーを突き付け続けてきたのに、高市は「責任ある積極財政の実行を急がねばならない」と鼻息荒い。市場との間の火種は大きくなるばかりだ。
「高市政権には円安を修正する気も、インフレを是正する気もないことが改めてハッキリしました。今回の人事は、日本にリフレ政策の転換を迫ったベッセント米財務長官の注文に応えず、米国にケンカを売ったも同然。米国は利上げに前向きな一方、日銀は高市政権から利上げを牽制され続ける。これでは日米の金利差は埋まりません。市場は今後も円安・債券安のまま、米国は高市政権への不信を一層募らせていくことでしょう」(経済評論家・斎藤満氏)
 唯一救いがあるとすれば、積極財政の旗を振る城内に比べ、片山が市場を重視していることだ。
「片山さんは財政規律派と、その対極にいる城内さんとの真ん中でバランスを取りつつ、米国との調整役も担っています。本人もうまく立ち回っている意識があるのか、『片山総理』への色気が出てきたそう。高市首相は当初、片山さんを代えたかったものの、その仕事ぶりに留任せざるを得なかったといいます」(自民党関係者)
 しかし、顔ぶれは同じ。円安・物価高の終わりは見えない。

初入閣でチンピラ維新のイケイケ路線は加速するのか
 今回の内閣改造にあたり「閣内協力」に転じた維新からは、中司前幹事長が初入閣。維新は金看板の「大阪都」「副首都」両構想の推進に向け、地方自治を所管する総務相を欲しがっていたが、与えられたのは規制改革相という軽量ポストだ。本命視された馬場前代表の入閣も直前に見送られた。
「馬場さんは7月のネット番組で入閣する場合は『官房長官か総務相が望ましい』と大ハシャギだったが、失言の危険アリと判断。同様に本命と目された藤田共同代表も、政治とカネの疑惑を報じた赤旗記者の名刺をさらし、脅迫事件に発展したリスクを抱えています」(自民党関係者)
 抜擢された中司は衆院当選3回。「温厚で人当たりが良い」と党内の評判は上々だが、スネに傷を持つ身だ。国政進出前、大阪・枚方市長時代の2007年に市発注工事の談合事件で逮捕・起訴され、13年に執行猶予付きの有罪判決が確定した。
 危ない2人に代わる“安パイ”が「前科持ち」とは、さすがの維新クオリティー。こんなチンピラ政党に貴重な大臣枠を奪われ、自民の入閣待機組は不満タラタラだ。
 鈴木幹事長が「究極的には連立を組むところまでいくと思う」と国民民主党に改めて秋波を送ったのは、党内のガス抜きの意味もあるのだろう。
 それでも高市の維新びいきは収まらない。17日の会見でも「自民党が最も苦しい時に新たに連立を組むという重大な決断をしていただいた」と強調したが、自民を「自分」に置き換えた方がより正確である。
「公明に連立離脱でソッポを向かれ、首相就任が危ぶまれた自分を救ってくれた大恩を感じ、『身を切る改革』の名に恥じないポストを用意したとも言えます。右旋回のアクセル役である維新は、党内基盤の弱い高市首相には今や自分の派閥同然。だから維新も高飛車となり、政権のタカ派色は強まるばかりです」(五十嵐仁氏=前出)

 高市の「敵味方の峻別」が、この国を危うくさせている。