日刊ゲンダイの掲題の記事を紹介します。
トランプは習近平主席の訪米に対して、夫人と共に専用機が着陸する米軍アンドルーズ基地に出迎えた上、儀仗隊が周囲に配置された赤絨毯の上を30m歩くなど、大変な厚遇をしました。米大統領が空港まで出迎えるのは64年ぶりのことです(史上2例目)。これは習氏への歓待ぶりをアピールするとともに米中の蜜月を世界に示すものでしたし、その前々日に米国入りした高市首相への出迎えがゼロであったこととは雲泥の差でした。
高市氏も、トランプとの蜜月ぶりを「中国と張り合う」ことなど、如何に的外れな錯覚であるかをそろそろ自覚すべきでしょう。日刊ゲンダイが厳しく指摘している通りです。
併せて日刊ゲンダイの記事:〝トランプ大統領がハシゴ外し! 高市首相“押しかけ外交”の赤っ恥…「中国は大戦時の同盟国」発言で面目丸潰れ″を紹介します。
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米中蜜月「これでもか」…惨めで痛い高市外交とメディアの忖度
日刊ゲンダイ 2026/09/25
(記事集約サイト「阿修羅」より転載)
高市首相や周辺が自画自賛した日米首脳会談。その目的は米中接近への牽制だったはずだが、見事なまでの肩透かし。
「世界の真ん中で咲き誇る」高市外交の正体が割れた形だが、メディアはいつまでバカバカしいヨイショ報道を続けるのか。
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何から何まで異例な扱いだ。現地時間23日午後6時1分、米首都郊外にある。中国の習近平国家主席と彭麗媛夫人が専用機から降り立つと、階段の下で出迎えたトランプ米大統領は満面の笑みを浮かべて手を握った。トランプはナント、1時間以上前には基地に到着。メラニア夫人とともに階段前で待機していた。
握手の後、両首脳が約30メートルにわたって敷き広げたレッドカーペットの上を肩を並べて歩く。脇には21人から成る儀仗隊を配置。星条旗と五星紅旗がはためく中、最大級の敬意を表す礼砲21発が鳴り響き、上空には米軍のB-1戦略爆撃機2機が爆音をとどろかせながら飛来した──至れり尽くせりの歓待である。ローマ
習の訪米は3年ぶり。国賓としてホワイトハウスで接遇されるのは、オバマ政権時代の2015年9月以来11年ぶり。現職の米大統領が教皇を除き、外国要人の到着時に同基地まで出向いて迎えるのは実に64年ぶり。1962年、当時のケネディ大統領がマクミラン英首相を出迎えて以来とは尋常ではない。
トランプは歓迎行事を終えた後、習夫妻が黒塗りの車に乗り込むのを見届けてから基地を離れた。今年5月にトランプの訪中時、習は空港に赴くことすらなかった。トランプは習が滞在する25日までの間、夕食会や茶会でもてなす。異例を重ねる厚遇ぶりは、今回の習訪問をいかに大事にしているかを物語る。ホンの1日前、ニューヨークの国連本部で会った高市首相の扱いとは雲泥の差だ。
中国の攻勢に白旗を揚げたも同然
「非常に尊敬されている日本の首相だ。偉大な首相の一人として記憶されるだろう」
トランプは会談冒頭で高市を持ち上げたが、一度も名前を呼ばなかった。高市が「ドナルド」とファーストネームを3回連呼したのとは対照的で、「サナエ」という名前の記憶すら怪しい。
「高市首相は約40年前の『ロン・ヤス関係』のように米大統領をファーストネームで呼べば、実際はともかく親密関係をアピールできると踏んだのでしょう。痛い自己演出です」と言うのは、国際ジャーナリストの春名幹男氏だ。こう続けた。
「逆に今のトランプ氏の立場を考えれば、習氏に礼を尽くすのは当然。11月の中間選挙前では最後の大きな外交舞台であり、ディール(取引)で成果を欲しがっているだけではない。自ら仕掛けたイラン攻撃で中東情勢は泥沼化の一途。軍事予算は米国の100分の1に過ぎないイランに想定以上に苦戦しているのは、背後に中国の支援があるからです。財政面でも40兆ドル、日本円にして6000兆円超もの巨額の政府債務を抱える中、中国に米国債を大量に売り浴びせられ、長期金利の高騰にも苦しめられています。かつて中国は世界最大の米国債保有国でしたが、日本と英国に抜かれ、今や3位と大きく後退。トランプ政権が日本の長期金利高騰に苦言を呈すのも『これ以上はごめん』と自国への飛び火を恐れているためです。どちらも中国の出方次第でガソリン価格や住宅ローンの上昇に直結し、ますます支持を失い、中間選挙の勝利は遠のく。トランプ氏は中国の攻勢にほとほと困り果て、習氏の機嫌を取ろうと白旗を揚げたも同然なのです」
大国の幻想を抱いた従属一辺倒でいいのか
そんな苦境を知ってか知らずか、「ドナルド」に会いたい一心で、国連総会に合わせて1泊3日の強行軍で訪米。なかなかスケジュールが固まらず、立ち話程度であしらわれる恐れも囁かれた中、なんとか着座の会談にこぎつけ、「このタイミングでの会談は、日米同盟の強さを世界に示した」と自画自賛したのが、高市という救い難い能天気首相なのである。
高市が「このタイミングで」を強調したのは、もちろん、米中首脳会談の直前を意識したもの。トランプが実利を優先させ、日本の頭越しに習にモミ手で近づき融和に傾く事態を懸念。トランプは5月の習との会談で、台湾への武器売却を中国との「強力な交渉カード」と発言していた。なおさら高市は、習との会談前に台湾問題などで譲歩しないようトランプにクギを刺し、米中接近を牽制する狙いがあったはず。根底にあるのは、やはり中国憎しの感情だ。
「高市首相は、自身の台湾有事答弁で日中関係が戦後最悪と言われるほど悪化。任期中の日中首脳会談の開催が絶望視される中、『中国に味方しないで』とトランプ氏を引きとめようとする。身勝手な注文でしかないのに、そのためなら何でもアリ。会談では“しな”をつくり、国連演説で『法の支配』を説きながら、一方でICC(国際刑事裁判所)への圧力を強めるトランプ氏への言及を避ける二枚舌外交もへっちゃらです」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
高市が「会えて良かった」と胸をなでおろしたのもホンの束の間。米中蜜月を「これでもか」と見せつけられ、トランプに見事なまでに肩透かしをくらった格好である。「世界の真ん中で咲き誇る」と強気な宣言を繰り返す高市外交の正体見たりだが、メディアはいつまでバカげた忖度報道を続けるのか。
訪米に同行した政治部記者が高市周辺の外交レクをうのみにしたのか、「トランプ氏が国連総会に合わせて2国間会談をしたのは数カ国だけ」「ICCについては日本側から切り出した」などと無理やり“成果”をつくり出したヨイショ一色である。
今の日本はビルの谷間のさびれたスナック
前出の春名幹男氏は「まるでトランプ氏に会えただけで万々歳。失点さえなければ儲けモノという外交レベルの低さです」と、こう言うのだ。
「高市首相が『強さを示した』と自賛する日米同盟の現実を直視した方がいい。今やイラン攻撃の中東シフトで、沖縄拠点の米海兵隊の守備が手薄となり、首相が重視するアジア太平洋の安全保障は危機的状況です。しかも対イラン作戦の激しい消費で米軍の弾薬が不足。国内の生産力も低下し、継戦すらままならない状態に陥っている。中国にマトモに相手にされない今、米国に大国の幻想を抱いたまま、従属一辺倒の外交を続けていいのか。その危うい真相を国民に知らせるのが、メディアの本来の役目です」
国力低下が著しい日本が米中という強国と渡り合い、「世界の真ん中で咲き誇る」なんて夢の夢。高層ビルの谷間でひっそり営む、さびれたスナックのようなもので、高市はその店を国民に任された雇われママに過ぎない。前出の金子勝氏が言う。
「高市首相には米国の支持を失った政権は長続きしないという恐怖感があるのでしょう。ただ、EU諸国やカナダなどの同盟国でさえ『力の支配』を強めるトランプ政権と距離を置く中、そんなジンクスはもう通じません。トランプ依存はむしろリスクで、誰からも相手にされない哀れな末路を待つのみです。そんな政権の支持率が下がらないのはメディアや国民までもが中国憎しに共感しているせいかもしれません。敗戦直後から『米国に負け、中国には負けていない』という誤った見方があるように、この国が80年以上も引きずるアジア蔑視のシンボルに高市首相が祭り上げられているのなら、根深い問題です」
世界の片隅でイキがるママは惨めでしかない。
トランプ大統領がハシゴ外し! 高市首相“押しかけ外交”の赤っ恥…「中国は大戦時の同盟国」発言で面目丸潰れ
日刊ゲンダイ 2026/09/26
高市外交のメッキがいきなり剥がれ落ちた。現地時間24日、トランプ米大統領が首脳会談に先立ち、ホワイトハウスで開かれた習近平国家主席の歓迎式典でスピーチ。中国を第2次世界大戦時の「同盟国」だと言及した。米大統領が中国を「同盟国」と呼ぶのは異例のこと。そもそも先の大戦で米国が協力したのは、国民党の蒋介石が率いた「中華民国」で、現在の共産党体制とは異なる。
それでもトランプ氏はお構いなし。中国で日本軍と戦った米国人義勇兵の部隊「フライング・タイガース」にも触れ、「力を合わせて戦争に勝利したように、習氏と私は今後も協力し続ける」と呼びかけた。
実は前回2023年の訪米時、習首席はフライング・タイガースの元兵士に「日本のファシズムとの戦いにおいて一致団結し、試練を乗り越え、深い友情を築いた」とつづった手紙を送っていた。その経緯を知ってか知らずか、トランプ氏の「同盟国」発言は習氏のまいた「歴史戦」の種が3年後に花開いた格好である。
「異例の発言はトランプ流のディールの一環。政治体制はどうでもよく、とにかく最大限の実利を得るためのリップサービスでしょう。習氏への配慮は、中国の支援で苦戦するイラン攻撃に一言も触れないことでも分かる。自分の言葉が日本にどんな影響を及ぼすかなどハナから考えちゃいません」(国際ジャーナリスト・春名幹男氏)
習氏が「日本たたき」を強める踏み台に
トランプ氏の後に登壇した習氏は「第2次大戦中、中米両国はファシズムの侵略に肩を並べて立ち向かった」と呼応。首脳会談後の夕食会では「80年以上前、中米の国民は日本の軍国主義の侵略に対し肩を並べて戦った」と日本を名指しして、さらに踏み込んだ。高市首相の台湾有事発言以降、「新型軍国主義」という日本たたきを強める踏み台に、まんまとトランプ氏を利用したのである。
習に先駆けて米国に押しかけ、トランプ氏と会談した高市首相の面目は丸潰れ。米中接近にクギを刺したはずが、逆に「日本の軍国主義」が両国の絆を強める足がかりとなったわけだ。
しかも高市首相は国連演説で、日独伊など先の大戦の敗戦国が対象の国連憲章の「旧敵国条項」について「早急に削除されるべきだ」と主張。「70年間にわたり国連に大きく貢献してきた日本の誇りと名誉に懸けて、強く申し上げておく」と熱っぽく訴えた直後である。
この条項は「旧敵国」が再び侵略行為に出た場合、安全保障理事会の許可なしに軍事行動が取れるとした規定だ。高市首相の削除要求に「戦勝国」の立場を重視する中国は反発。日中間の新たな火種となりそうな中、トランプ氏の「同盟国」発言は中国を後押し。共に日本と戦った国同士、加勢したと受け止められかねない。
「そもそも旧敵国条項はすでに『死文化』しており、他の国ならいざ知らず対象国が唐突に削除を求めること自体、寝た子を起こすようなもの。わざわざ80年以上前の記憶を喚起させた高市首相の外交センスを疑います」(春名幹男氏)
いくらトランプ氏は無意識とはいえ、高市首相がハシゴを外されたのも、後先考えず中国憎しをエスカレートさせてばかりの自業自得である。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。