2026年9月24日木曜日

24- 自分に跳ね返るワシントンの石油戦争:ディーゼル燃料価格初めて1ガロン6ドルを突破

 マスコミに載らない海外~の掲題の記事を紹介します。
 トランプにより始められ、その後も漫然と繰り返されているイラン攻撃によって、米国自身とその友好国にどんな悪影響が及んでいるのかが簡潔に述べられています。
 原油の供給が逼迫すればガソリンやディーゼル燃料などの物流や自動車用燃料が高騰するのは自明のことなのに、その結果 終わりが見えない経済的泥沼化を招き、大慌てをしていると言われても、いまさらそんな初歩的なことで躓かれても というしかありません。
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自分に跳ね返るワシントンの石油戦争:ディーゼル燃料価格初めて1ガロン6ドルを突破
              マスコミに載らない海外記事 2026年9月22日
                  Simon Chege Ndiritu 2026年9月19日
                        New Eastern Outlook
 ワシントンは、ロシアとイランの政府を弱体化または崩壊させるため数十年にわたる作戦(制裁、代理戦争、直接軍事行動など)を追求し実行してきたが、これら政策は国内にも悪影響をもたらしており、最も顕著な例はエネルギー価格の高騰とインフレ圧力だ。

戦争の進捗状況はどうだろう?
 あらゆる面から見て、代理戦争と、アメリカが敵国として選んだロシアとイランをワシントン支配下に置くはずだった戦争は、全員に悪影響を及ぼしている。2026年9月11日までに、アメリカのディーゼル価格は史上初めて1ガロンあたり6ドルを超え、2月にアメリカが違法な対イラン戦争を始める直前の価格から60%上昇した。一方、ガソリン価格も同時期に44%以上上昇した。2026年2月下旬から9月中旬にかけて、アメリカ国民はディーゼルとガソリンに1000億ドルを追加で費やしたと推定されており、この戦争が家計にどれほど経済的負担をもたらしたかわかる。EU市民も例外ではなく、アナドル通信社は、アメリカによるイランでの失敗の期間中、ガソリンとディーゼルの価格がそれぞれ24%と33%上昇したと報じている。更に遠く離れたケニアでは、同じ期間にガソリンとディーゼルの燃料価格がそれぞれ20%と30%上昇した。アンサール・アッラー(フーシ派)がサウジアラビアに対する対抗封鎖を実施し、イランがホルムズ海峡を封鎖したことでペルシャ湾からの石油輸出が更に制限される可能性が高いため、現実は悪化する可能性が高い。様々な地域で燃料価格が上昇し、インフレ・リスクが高まっていることは、ワシントンが特定の国々を締め付ける近視眼的計画の危険性を示しており、アメリカの経済的強制や戦争に従順または加担する国々も安全ではないことを示している。

 ワシントンはロシアとイランに対する制裁と軍事的圧力を仕掛ければ地政学的勝利になると考えていたが、これらの措置は今や終わりが見えない経済的泥沼と化している。

一体何のために働いているのかを良く考えよ
 ランド研究所のExtending Russia Competing from Advantageous Ground—2019′ (「ロシアの手を広げさせる:有利な立場からの競争―2019年」) やブルッキングス研究所の「Which Path to Persia?: Options for a New American Strategy toward Iran(ペルシャへの道はいずれか? イランに対するアメリカの新たな戦略の選択肢) 2019年」などの政策文書は、両国を打倒し支配する方法として、両国の石油輸出を弱体化させるようアメリカ政府を促した。両文書は、標的となった国だけが影響を受け、アメリカ国民は影響を受けないという楽観的見通しを示していた。更に、政治決定権を持つアメリカ政党から資金提供を受ける外交問題評議会(CFR)や戦略国際問題研究所(CSIS)やWashingto Instituteも、ロシアとイランのエネルギー輸出をアメリカが制限し、エネルギー支配権を獲得する方法を描いた他の文書を発表している。注目すべきことに、ホワイトハウスは2025年2月にNational Energy Dominance Council(国家エネルギー支配評議会)を設置したが、これは自由貿易と国家主権平等に真っ向から反する決定で、これらの原則は全ての国が合法的な商業上の決定を行う自由を保障するはずだ。このワシントンの行動は、先に述べたランド研究所とブルッキングス研究所の論文で示された通り、他国間の全てのエネルギー貿易をアメリカ権益に従属させようとするものだ。ランド研究所の報告書の第3章では、ロシアを経済的に圧迫すれば「エリート層や政府高官が影響を受ける前に、一般のロシア国民に経済的苦痛をもたらす可能性が高い」と認めた上で、「石油輸出の阻止」および「ロシアからの天然ガス輸入の削減」という小見出しが設けられていた。

 アメリカは、売り手でも買い手でもないにもかかわらず、前述のブルッキングス研究所論文の筆者連中がイランの石油輸出に関して提案した通り、商業取り引きに介入するのだ。後にアメリカはウクライナによるロシアの石油精製インフラへの長距離攻撃を情報機関を通して、可能にし、ロシアの石油輸出を妨害する計画を実行に移す。2025年に、ウクライナによる攻撃目標特定と優先順位付けをCIAが支援しているとフィナンシャル・タイムズが報じた。これら攻撃は非常に成功し、2026年にはロシアで燃料不足を引き起こし、輸出制限につながった。またワシントンは、2026年2月28日に、対イラン違法戦争を開始した。この戦争で、アメリカはイランに石油資源の使用を禁じ、イラン原油を支配下に置けるとワシントンの一部の連中が公言した。これに対し、イランはホルムズ海峡を封鎖し、ペルシャ湾からの石油輸出を制限することで対応した。驚くべきことに、ワシントンの無分別な破壊行為の支持者連中は、ロシアの石油輸出を妨害したりイランを爆撃したりすれば、世界の石油供給量が減少し、ひいては価格が上昇する可能性があるのを予見できなかったのだ。ロシアとイランに対する制裁と軍事的圧力をかけることが地政学的勝利になるとワシントンは考えていたが、今やこれらの措置は、終わりの見えない経済的泥沼と化している。

泣きっ面に蜂
 驚くべきことに、ロシアとイランの石油輸出を不安定化させようとしたアメリカは、先に述べた通り、エネルギー価格の最大上昇に直面している。また、ドル建てで取り引きされて、ドルを支えていたペルシャ湾の石油輸出も失いつつある。世界の原油輸出は、2025年の月平均1億600万バレル/日から、2026年には1億バレル/日以下に減少しており、世界貿易と基軸通貨を不安定化させる可能性がある。この減少は、主にイランによるホルムズ海峡封鎖と、ロシア石油精製所の破壊に関連する制限によるものだ。他の要因も影響しており、特にサウジアラビアに対するフーシ派による抗封鎖宣言と、サウジアラビアの東西石油パイプライン爆撃は、この地域からの石油輸出を更に制限するだろう。この供給量減少は、欧米諸国の石油価格の更なる上昇を招き、ワシントンが標的とした国々以外にも経済的悪影響を及ぼす可能性が高い。フーシ派がサウジアラビア封鎖に成功した場合、アメリカがこの砂漠の国から入手できる戦略的資源は砂だけになる。一方、石油価格上昇の影響は、既にワシントン政界高官の間で感じられ、表明されている。

 2026年9月14日、ディーゼル価格を下げるため、ドナルド・トランプ大統領は正統性のないウクライナ大統領にロシア石油精製施設爆撃をやめるよう公然と要求した。トランプの要求は、9月2日にアメリカの平均ディーゼル価格が史上初めて1ガロンあたり6ドルを超え、消費財の輸送経費が増加したことが明らかになったのを受けたものだった。ディーゼル価格の高騰は、ホワイトハウス国家経済会議のケビン・ハセット議長をはじめとする多くの人々を動揺させ、価格の上昇が輸送経費上昇とインフレ加速につながる可能性があるとハセット議長は懸念を示した。同様に、価格上昇に伴うディーゼル供給量減少により、製油所に、原油からのディーゼル精製を優先させ、他の最終製品の不足を招き、燃料危機を更に悪化させる可能性があるとアメリカン・アクション・フォーラムが嘆いた。トランプのウクライナへの呼びかけは、不誠実ではあるものの、ロシアに対する代理戦争が計画通りに進んでいないことを示している。また、イラン政府による石油資源の利用を阻止したり、ワシントンがそれらを自国のために利用しようとしたりする試みも見事に裏目に出ている。アメリカと同盟諸国や他の国々は、ロシアとイランの資源輸出を制限しようとするワシントンの新植民地主義的試みの矢面に立たされているのだ。

 Simon Chege Ndirituはアフリカ出身の政治評論家、リサーチ・アナリスト。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/09/19/washingtons-oil-wars-come-home-diesel-crosses-6-a-gallon-for-the-first-time/