2013年6月14日金曜日

衆院憲法審:改正や国民投票法 7党が意見表明

 
 衆院憲法審査会13日に開かれ、憲法改正や国民投票法などに関して各党が意見表明しました。
 自民党と維新の会は早期改憲に向け各党協議を急ぐ考えを表明し、公明党は「加憲」に触れつつ慎重な対応を求め、民主党は基本的人権や2院制など憲法の基本構造を守る考えを強調しました。
 維新の会とみんなの党大幅改正が必要だと96条改定を主張しました。
 共産党は96条改に対しては「立憲主義の否定で、国民は今、改憲を望んでいない」と反対し、生活が第一も冷静で理性的な議論が必要だと反対しました。
 今国会期ではこの会合が最後となります。 
 
  以下にNHKニュース他、関連のニュースを紹介します。  
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衆憲法審査会 7党が意見表明
NHK NEWS WEB  2013年6月13日 21時26分
衆議院の憲法審査会は、今の国会での実質的な議論が13日で最後となる見通しで、審査会に委員がいる与野党7党が、憲法改正の是非や今後の憲法論議の進め方などについてそれぞれ意見を表明しました。

この中で、▽自民党は「わが党は憲法改正案を提案しており、これを基に早期に政党間の協議に入るべきだ。各党が改正案を持ち寄って修文を進める手法が考えられ、一致点を見いだす努力をすることが、まず必要だ」と述べました。
▽民主党は「憲法は、時の政権がみずからの価値をうたい、国民に義務や道徳を課すものではない。真の立憲主義を確立すべく、国民と対話しながら補うべき点や改めるべき点の議論を深め、未来志向の憲法を構想したい」と述べました。
▽日本維新の会は「憲法を改正できる状況を整えるのが最優先課題であり、まずは憲法96条を改正し、国会が改正を発議できる要件を現実的なものに変更すべきだ。そのうえで統治機構改革などに向けて改正を進めていきたい」と述べました。
▽公明党は「憲法に新たな理念を加えて補強する『加憲』こそ、最も現実的で妥当だ。基本的人権の尊重など憲法の3原則以外の条文について、改正の発議要件を緩和することは議論の余地があり、党内論議を加速させたい」と述べました。
▽みんなの党は「憲法改正案を提出することは、必ずしも困難ではない。国会議員には、真に必要な改正案であれば、審議を通して意義や課題を明らかにする役割がある」と述べました。
▽共産党は「今国会では96条の改正などを巡る発言が繰り返されたが、憲法を守り抜き現実の政治に生かすことが国民的な要請だ。国民からかけ離れた改憲論議は、きっぱりとやめるべきだ」と述べました。
▽生活の党は「昨今は、『わが国を覆う閉塞感の根源は憲法である』という議論が横行している。必要なら変え、そうでなければ変えないだけであり、冷静で理性的な議論が求められている」と述べました。

衆院憲法審:各党間の溝 浮き彫りに
毎日新聞 2013年06月13日 
 自民党は13日、党本部に憲法改正推進本部(保利耕輔本部長)の本部長室を設置した。参院選後を見据えて憲法論議を加速させる構えだが、安倍晋三首相が積極的な改憲発議要件を緩和する96条改正を巡っては同日の衆院憲法審査会で各党間の溝が浮き彫りとなった。
 「条文ごとの発議で毎回3分の2を超えるのは現実的ではない。96条を緩めるしかない」。保利氏は同日の本部会議でこう語り、発議要件を「3分の2以上」から「過半数」に緩和する改正に取り組む決意を示した。
 一方、憲法審では各党が意見表明し、今国会(会期末26日)中の審査日程を終了した。自民党の中谷元氏は現行の要件が「国民の憲法への意思表明の機会を狭めている」と主張。日本維新の会とみんなの党が96条改正に同調した。一方、民主、共産両党は慎重・反対論を展開し、与党の公明党も「3分の2が高すぎることは決してない」(斉藤鉄夫氏)と態度表明を留保した。【飼手勇介】

自民改憲草案に河野氏異論=道徳持ち込むべきでない-衆院憲法審
時事通信 (2013613
 13日の衆院憲法審査会で、自民党の河野太郎氏が同党憲法改正草案に対し異論を唱えた。草案が「家族は互いに助け合わなければならない」と明記していることについて、河野氏は「道徳を憲法の中に持ち込むべきではない」と指摘した。
 河野氏は「家族が助け合うのは、そうあるべきだろう」とした上で、「道徳は個人に任せられるものだ」と述べ、憲法で条文化することには反対の立場を示した。 
 河野氏の主張に対し、同じ自民党の衛藤征士郎氏は「ちょっと違うのではないか」と批判したが、共産党の笠井亮氏は「非常に共感する。自民党内にもいろいろな意見があると思った」と語り、河野氏を援護した。