日本維新の会の代表橋下徹氏と幹事長の松井大阪府知事が6日に、菅義偉官房長官と会談し、オスプレイの訓練の一部を大阪の八尾空港で受け入れることなどを提案するということです。
5月に沖縄の負担軽減のために沖縄の「政策集団 そうぞう」(下地代表)と結んだ政策協定に基づくものです。
しかし、当の八尾市は何も聞いていないとし、自民党の石破幹事長は「軍事合理的にどうなのかという観点が全く抜けている」、共産党の市田書記局長は「内外から厳しい批判を受ける橋下氏の発言を取り繕うためのパフォーマンスだ」、また当の維新内からも「適当すぎる。県外移設で混乱した民主党の二の舞いになる」などの批判が出て、実現の可能性は低いとみられています。
大阪でオスプレイ訓練 維新、菅長官に提案へ 6日会談
産経新聞 2013年6月3日
日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長と幹事長の松井一郎大阪府知事が6日に、菅義偉官房長官と都内で会談することが2日、分かった。沖縄の基地負担軽減を図るため、地元に配備されている米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練の一部を大阪の八尾空港(同府八尾市)で受け入れることなどを提案するとみられる。
会談には橋下氏が代表を務める大阪維新の会と政策協定を結んだ沖縄の地域政党「そうぞう」の下地幹郎代表も同席する。
八尾空港は国土交通省が管理しており、滑走路は2本。陸上自衛隊中部方面航空隊や大阪府警、大阪市消防局のヘリコプターが配備されているが、定期便は就航していない。
橋下氏らは5月に沖縄県で、そうぞうと米軍普天間飛行場(同県宜野湾(ぎのわん)市)の同県名護市辺野古(へのこ)への移設推進を盛り込んだ政策協定を締結した。
この際に橋下氏が在沖縄米軍幹部に風俗業の活用をすすめたことを自ら明かし、慰安婦発言と併せて批判を浴びた。
橋下氏、官房長官に候補地として提案 地元の反発には「松井知事が協議すると思う」
産経新聞 22013年6月3日
日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は3日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練に関し、6日に予定される菅義偉官房長官との会談で、沖縄の負担軽減のため、八尾空港(大阪府八尾市)を含む他府県での一部受け入れを提案することを正式に表明した。一方、八尾市の田中誠太市長は3日、府に対し「受け入れられない」と伝えたことを明らかにした。
維新は従来から「沖縄の負担軽減」を外交・防衛政策の柱の一つに掲げているが、八尾空港での訓練受け入れに関しては地元自治体に打診しておらず、八尾市などは強く反発している。
受け入れに関し、橋下氏は記者団に対し「防衛政策の観点で精査したわけではないが、(政府に)訓練ぐらいは受けましょうと言っていく」と説明。「具体的に大阪のことに言及しないと無責任になる」とし、菅氏との会談で、維新幹事長の松井一郎大阪府知事とともに、八尾空港を候補地として挙げる考えを示した。
ただ、地元自治体の反発については「松井知事が協議すると思う」と述べるにとどめ、参院選での争点化についても「分からない」と明言を避けた。
一方、田中市長は3日夕、記者団に対し「八尾市に何も説明がないままで遺憾だ。(受け入れには)安全性に不安がある。市長の私には市民の安全を守る責務がある」と述べ、松井氏に対し、真意を問う文書を送る考えを示した。
八尾市長が反対表明 大阪知事のオスプレイ一部受け入れ構想「市民の安全最優先」
産経新聞 2013年6月3日
大阪府の松井一郎知事が米軍新型輸送機MV22オスプレイの訓練の一部受け入れを検討していることについて、候補地に浮上した八尾空港の地元、大阪府八尾市の田中誠太市長は3日、「市民の安全確保を最優先に、反対の立場で対応したい」とする見解を明らかにした。
松井氏は6日、菅義偉官房長官と会談し、訓練受け入れ構想を示し、沖縄の負担軽減をめぐり意見交換する予定だ。
田中市長は見解で「市民生活に大きな影響をもたらす事案で、八尾市との調整や市民への事前説明がないのは遺憾だ」と指摘。府に対し、十分協議するよう申し入れる考えを示した。
さらに、八尾空港や周辺では、軽飛行機の墜落事故やヘリコプターの事故があったと指摘し「市民の不安感はぬぐえず、市街地にある八尾空港が選択されるのは反対だ」と強調した。