シンガポール南洋理工大学の胡教授は、日本の7月の参院選が憲法改正を後押しするだろうとの強い懸念を示しました。
そして憲法9条が改定されれば日本は軍国主義の道を再び歩むことになる。そうなれば周辺国との間で軍備競争が始まり相互不信が増すので、武力衝突が発生する確率が高まる。やがては核兵器の研究開発と配備に向かうので、世界の平和と安全にとっても非常に危険なことになる、と述べました。
簡明な論理で説得力があります。
以下に日本語版サーチナニュースを紹介します。
(註.下線を施した2箇所で日本語訳の意味が逆になっていましたので、事務局で修正しました。)
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日本の憲法改正は軍備競争を後押しする=シンガポール識者
サーチナニュース 2013年6月22日
マレーシア首相の前政治秘書でシンガポール南洋理工大学教授の胡逸山氏はこのほど、7月に行われる参議院選挙は日本の右翼勢力による「憲法改正」を後押しすると見られるとして強い懸念を示した。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。
胡逸山教授によると、日本の一部の政治家は、憲法改正は日本が第2次世界大戦後に「二等国」になったという非正常的な状況から脱するためであり、「正常化」で実際の主権と尊厳を持つ国にすると何度も主張している。この理由は立派に聞こえるが、本当の目的は現行の憲法第9条、つまり「日本が戦争を発動させて国際紛争を解決する権力の無条件放棄」を撤回することにある。
胡逸山教授は、「日本の右翼勢力は憲法改正によって軍事力と権力の拡大を企んでおり、これにより日本は第2次世界大戦時の軍国主義の道を再び歩むことになる。そのため、日本の周辺国、なかでも中国、韓国、北朝鮮が心配するのも無理はない」との見解を示した。
「地域戦略の角度から言えば、日本の憲法改正という好戦的な行動は同地域の新たな軍備競争を引き起こすことになる。歴史と現実の要素に基づけば、日本側が憲法改正によって戦争発動の権力を取り戻した場合、比較的良好な技術と工業の基礎がある隣国は軍備の発展を加速させ、技術力が低い国も外国から軍備を買い足すだろう。それにより、互いの邪推と懸念は高まり、同地域で武力衝突が発生する確率、対立がエスカレートする確率も高くなる」と、胡逸山教授は主張した。
日本が戦争発動の権力を取り戻すことは、核兵器の研究開発と配備を意味するのではないかということが懸念される。その場合、朝鮮半島の無核化に深刻な影響をもたらすことになる。核軍備競争は日本自身の長期的な安全だけでなく、世界の平和と安全にとっても非常に危険なことである。(編集担当:米原裕子)