慰安婦問題に詳しい中央大学の吉見義明教授(日本史)が4日 大阪市役所で記者会見し、橋下氏が「(旧日本軍の従軍慰安婦に関して)他国も同じようなことをしていた」と繰り返し主張したことに対し、「軍の施設として組織的に慰安所を作った国はほかにない。日本軍の慰安婦制度は特異だった」と述べました。
そして「慰安婦は居住、外出の自由、拒否する自由がない性奴隷。軍慰安所の設置には内務省や総督府も深く関与していた」と橋下氏の認識を批判しました。
吉見教授には「従軍慰安婦」(岩波新書) などの著書があります。
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教授は橋下氏に対して公開質問状を提出しました。
以下に関係の記事を紹介します。
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「慰安婦制度は特異」中大・吉見教授会見
日刊スポーツ 2013年6月4日
旧日本軍の従軍慰安婦件をめぐる日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の発言に絡み、慰安婦問題に詳しい中央大の吉見義明教授(日本史)が4日、大阪市役所で記者会見した。
橋下氏が「他国も同じようなことをしていた」と繰り返し主張したことに対し「軍の施設として組織的に慰安所を作った国はほかにない。日本の慰安婦制度は特異だった」と否定した。
吉見氏は「慰安婦は居住、外出の自由、拒否する自由がない性奴隷だ」と指摘。「慰安所を軍の施設として設置し、内務省や総督府も深く関与していた。橋下氏には国が慰安所を組織的に作ったという認識がない」と批判した。
橋下氏は「国が暴行、脅迫、拉致をして女性を連れてきた事実はない」とも主張している。吉見氏は「業者が詐欺や甘言、人身売買で女性を連行したのを軍が認識した場合、女性を解放するべきだが、そうしなかった。官憲に連れて行かれたという証言もある」と述べ、旧日本軍の責任は免れないとの見方を示した。
5月27日に橋下氏が日本外国特派員協会で記者会見した際、同席した日本維新の桜内文城衆院議員が吉見氏の主張を「捏造(ねつぞう)」と表現したことを「私の名誉を著しく傷つける発言だ」と非難した。(共同)
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橋下氏慰安婦発言:中央大教授が公開質問状 大阪市に提出
毎日新聞 2013年06月04
旧日本軍の従軍慰安婦を巡る橋下徹大阪市長(日本維新の会共同代表)の発言で名誉を傷つけられたとして、吉見義明・中央大教授が4日、発言の撤回と謝罪を求め、橋下氏への公開質問状を市に提出した。十分な回答がない場合は、提訴も検討するという。
橋下氏は昨年8月、従軍慰安婦に関する記者団との質疑で、吉見教授の発言として「『強制連行の事実までは認められない』と発言があった」と言及。吉見教授は同年10月に文書で抗議したが、橋下氏から謝罪や撤回がなく、改めて質問状を提出した。
質問状では「私は一貫して、慰安所で強制があったと主張し、違法性を指摘してきた」として「私の研究の根幹を否定し、社会的評価を著しく損なった」と批判。1カ月以内の回答を求めている。
また、橋下氏が先月27日、日本外国特派員協会で記者会見した際、同席した桜内文城衆院議員(維新)が吉見教授の著作を「捏造(ねつぞう)」と発言したことへの見解も求めた。
吉見教授は記者会見で「慰安所で強制があったことが一番問題で、橋下氏はそれをきちんと認識していない」と批判した。【茶谷亮】