2013年6月3日月曜日

日曜討論で憲法改正を議論

 2日のNHK日曜討論では時間を20分延長して、憲法改正についての議論にあてました。
 自民党は憲法改正が立党の主旨であるとして、参院選でも憲法改定手続き変更を含めて広い分野の憲法改正を訴えると述べました。それに対して民主党は出来るだけ軽武装で国民生活の向上に取り組めた現憲法を是とし、96条改定は立憲主義に反するとするなど、各党がそれぞれ意見を述べました。
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憲法改正を巡り与野党が議論
NHK NEWS web 2013年6月2日
NHKの日曜討論で、憲法改正について、自民党の石破幹事長が参議院選挙で条文のすべてを見直す改正案をパッケージとして示し訴えたいと述べた一方で、民主党の細野幹事長は国会が憲法改正を発議する要件を定めた96条は改正すべきではないという姿勢を示しました。

自民党の石破幹事長は、「実際に世の中で起こっていることと、憲法に書いてあることに差が出てきている。『憲法は、結局、絵そらごとだ』となってくるほうが、よほど不誠実だ。自民党は、何年もかけて憲法の条文のすべてを見直して改正案を作っており、憲法改正をきちんとしたパッケージとして示すのがわれわれの責任だし、参議院選挙でも訴えるのは当然だ」と述べました。
また、石破氏は、憲法改正の是非を問う国民投票について、「国民投票で改正が認められる要件が2分の1を超える賛成でいいのかという議論や、投票率が3割や4割でいいのかという議論はある」と述べ、改正が認められる要件などについて、今後、議論したいという考えを示しました。
民主党の細野幹事長は、「民主党は、できるだけ軽武装で、国民の生活を最優先に取り組んできたこれまでの政策を基本的に是としている。憲法で、本当に必要なものがあれば、国会で真摯(しんし)に議論して3分の2の合意で国民に憲法改正を発議することが王道だ。自民党が表現の自由すら公の秩序のために制限できるといった時代錯誤の憲法改正案を提示しているなかで、3分の2を2分の1に下げることは立憲主義国家である日本が取る立場ではない」と述べました。
日本維新の会の松野国会議員団幹事長は、「道州制を憲法にきちんと書き込むことで国と地方の役割を明確化して、国の形を変えるきっかけにしたい。行政改革を徹底的にするためには憲法改正をすべきだし、参議院選挙でも訴えていきたい。憲法96条の改正は先の衆議院選挙でも訴えたし、変わっていない」と述べました。
公明党の井上幹事長は、「公明党は、憲法の骨格をなしている基本的人権の尊重、国民主権、平和主義は堅持したうえで、新しい条文を書き加える『加憲』の立場だ。9条は、戦争放棄を定めた1項と、戦力の不保持を定めた2項は堅持したうえで、自衛隊の存在を明記したり、平和主義に基づく国際貢献を『加憲』することを議論している」と述べました。
みんなの党の江田幹事長は、「内閣人事局を設置して幹部公務員の人事を一元化するとか、公務員の人件費を2割カットすることなどは憲法改正が不可欠ではない。こうした統治機構改革すらできずに、いきなり憲法改正に進むことには違和感があり、まずやるべきことをやるべきだ」と述べました。▽生活の党の鈴木幹事長は、「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という基本的な考え方は堅持すべきだが、現実にそぐわない部分は、新たに憲法に追加する『加憲』という立場に立っている。国会が憲法改正を発議する要件を緩和するのはおかしい」と述べました。
▽共産党の市田書記局長は、「現行憲法の前文を含む全条項を厳格に守る立場だ。憲法を変えるのではなくて、実態を憲法に合わせて変えることが大事だ。憲法を変えるハードルが高すぎるから下げてくれというのは、憲法を憲法でなくする自殺行為だ」と述べました。
社民党の又市幹事長は、「憲法は、主権者の国民が政治権力を縛るものであり、権力側がルールを勝手に変えるのはいただけない。なぜ、これまで憲法は変わってこなかったのか、何を変えようとしているのか、正々堂々と争うべきだ」と述べました。
みどりの風の亀井亜紀子幹事長は、「96条から改正することを、権力側の安倍総理大臣が訴えるやり方は邪道だ。まずは、国民が自主憲法を望んでいるのか、それとも現行憲法の一部改正を望んでいるのかを問いかけることが必要だ」と述べました。
新党改革の荒井幹事長は、「憲法改正については、まだまだ議論が熟成されておらず、政党や政治家側の独り善がりになっているのではないか。大いに議論を熟成していく参議院選挙でもある」と述べました。