2013年6月7日金曜日

憲法の本が売れています

 憲法改正が論議されるなか、神田の書店では憲法関連の書籍の売上が去年の1.4倍に伸び、各書店でも憲法関係の書籍を集めたコーナーを特設するなどしているということです。
 31年前に出版された「日本国憲法」(小学館)(沢山の赤丸マークのついた表紙で豊富な写真とともに憲法の条文が書かれている)が今月中旬に再度発売されることになりました。一部のコンビニエンスストアでも販売されるということです
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書店に憲法コーナー 関心高く
NHK NEWS web 2013年6月6日
憲法改正が議論されるなか、東京の書店では憲法に関する書籍を集めた特設コーナーが設けられたり、写真や漫画のキャラクターを使った一般向けの本が人気を集めたりと、憲法を読むことへの関心が高まっています。

東京・神田神保町の書店では、憲法に関する本の売り上げが去年の1.4倍に伸びていることから、今月末までの期間、「いま、憲法を考える」という特設コーナーを設けました。
特に人気があるのは、一般向けに分かりやすく書かれた書籍です。
このうち憲法の各条文を擬人化した漫画の女性キャラクターが解説する本は、特に若い世代の人気を集めています。
男性客は「憲法改正の議論が気になっていましたが、意外と分かりやすそうなものもあるので自分にあった本を読んでみたい」と話していました。
また、31年前に出版された憲法の前文とすべての条文をそのまま書いた「日本国憲法」というタイトルの本は、出版社に問い合わせが相次いだため、今月中旬に再び販売されることになりました。
すべての漢字にふりがなを付け、日本の自然など23枚の写真を盛り込んでいるのが特徴で、新たな試みとして一部のコンビニエンスストアでも販売されます。
編集に携わった島本脩二さんは「できるだけ多くの人がまず今の憲法を読み、そのうえで改正の議論にどう向き合うか考えてほしい」と話しています。

ベストセラー「日本国憲法」発刊当時と状況似ていると編集者
NEWSポストセブン 2012.12.18
 改憲議論が高まる中、1冊の本に注目しよう。30年前に発売され、体裁も内容も変えずに累計部数が100万部に達しようかという本である。書名を「日本国憲法」(小学館刊)という。当時の担当編集者だった島本脩二さんに出版の背景を聞いた。(聞き手=フリーライター・神田憲行)
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  島本脩二さんは1946年生まれ、66歳。1970年に小学館入社、2007年定年退職。在職中は矢沢永吉の自伝「成りあがり」なども手がけた。「日本国憲法」を発売したのは1982年、写真雑誌「写楽」編集部にいたときだった。

島本:企画のきっかけは、働きすぎて身体を壊して会社を半年休んだことなんですね。それまで無我夢中で仕事をしていたけれど、振り返ると自分の価値と行動の基準というものがなかったことに気づいたんです。それで自分が影響を受けたものを改めて捉え直す作業をしていたときに、日本国憲法に思い当たった。僕は憲法と「同い年」なんですよ(日本国憲法の公布は1946年)。憲法は暮らし方の大事な約束事を決めているのに、大学で単位を取るために勉強しただけで、自分の身に引き寄せて読んだことがなかった。なんでそんな重要なことに今まで気づかなかったのか。憲法が六法全書でなく、もっと読みやすい存在なら自分も読んだだろうし、もしそういう本がないのなら、自分が作ろうと思いました。それと、当時の政治状況もあります。当時は鈴木善幸内閣だったんですが、自民党内で改憲派で知られる中曽根康弘氏が力を付けてきて次期総理を伺う感じになって、憲法の問題もクローズアップされていました。これは今の状況と大変似ていますね。

 島本さんには、確信のようなものが芽生えつつあった。

島本:そんなことをある夜に布団の中でずっと考えていたら寝られなくなってね。朝を迎えて出社してすぐ資料室に飛び込んで、大学以来初めて憲法を読んだんですよ。前文の文章が素晴らしい。戦争に負けた国が、新しい国をこれから作っていこうとする精神がそこに込められていると思いました。私の同級生には「憲一」「憲司」とか「憲」が付く男がやたらと多いんですよ。それはたぶん、新しく交付された日本国憲法を読んだ親が感激して、付けたんじゃないかなあ。(以下省略)